SFA導入後に定着しない理由は?入力が面倒?原因と対策法を解説
SFAを導入したのに、あまり使われず定着していないという課題を抱えている企業は多いでしょう。本記事では、SFAを導入後に定着しない原因・理由や対策を紹介します。導入に成功した事例も3つ紹介するので、定着化させるための参考にしてみてください。
目次
SFA導入後全ての機能を使っていない企業は6割以上
株式会社ハンモックが実施した『「従業員数300名以上におけるSFA導入」の実態調査』によると、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)の定着に課題を感じている企業は、全体の約6割にのぼるという調査結果が出ています。
この調査は、2021年9月30日〜同年10月2日の期間で、SFAを導入したことがある従業員数300名以上の経営者・役員305名を対象にインターネット調査したものです。
SFAは、導入するだけでなく定着することで、営業効率の向上が期待できます。同時に、使い続けることで、営業活動に関する課題点や改善点の発見にもつながげられます。
システムを導入したものの活用せずに放置したままでは、SFAを導入した意味がありません。そのため、自社においてなぜSFAが定着していないのか、その原因や理由を明確にすることが重要です。
[出典:株式会社ハンモック「「従業員数300名以上におけるSFA導入」の実態調査」
SFAを導入したのに定着しない原因・理由は?
SFAが定着しない原因や理由は企業ごとに異なるでしょう。ここでは代表的な原因・理由を、4つ解説します。
(1)入力に時間がかかり面倒
SFAは、案件情報や営業情報などを毎日入力する必要があります。SFAの種類によっては入力項目が多く、担当者にとって負担になっている可能性があります。
SFAの入力に時間が割かれ、日々の業務に支障が出ることは避けなくてはなりません。入力に時間がかかる場合は、SFAツールの変更や入力項目の再検討も必要になるでしょう。
(2)機能がわかりにくく、使いこなせない
SFAの機能やデザイン性のみを重視し過ぎると、操作しづらいものを選んでしまい、結局全ての機能を使いこなせないといった問題につながります。
そのため、必要な機能を見極め、担当者が操作しやすいものを選ぶことがおすすめです。特に、担当者がSFAを操作した経験がない場合は、機能がシンプルで分かりやすいSFAを選ぶとよいでしょう。
(3)SFA導入の目的がわからず、入力する気にならない
SFAの導入目的を明確にしたうえで、担当者へ伝えることが重要です。経営者や上司が導入目的を把握していても、実際に使う担当者が目的を理解していなければ、時間を割いてまで入力しようとはなりません。
SFAの導入目的が、売上向上なのか、ナレッジの共有なのか、進捗管理なのかなどを、担当者に具体的に伝えることで活用促進につなげられます。また、使用方法をレクチャーする役割を担う人材を配置することもおすすめです。
(4)データ分析を行っていない・できない
SFAは、営業活動の効率化を目指すと同時に、記録した情報をもとに営業活動の課題発見につなげたり、ノウハウの蓄積・活用を図るためのツールです。
しかし、入力するだけで満足してしまい、データの蓄積にとどまっているケースも珍しくありません。蓄積したデータを分析・活用するための機会を設けたり、データ分析の担当者を決めたりすることでSFAの機能を最大限に有効活用できます。
データを入力することが目的化することのないように、その後の活用までを視野に入れながら導入を検討しましょう。
SFA導入後に運用を定着させるための対策方法
SFAを定着させるためにできる対策方法を6つご紹介します。
(1)導入の目的を定め、営業担当者に説明する
まずはSFAを導入する目的を明確にしましょう。経営層やシステム担当者など、導入する側の判断だけで進めてしまうと、営業担当者と考えのズレが生じます。
SFA導入の目的と解決したい具体的な課題について説明し、営業担当者の理解を深める機会を作ることが重要です。
(2)UI/UXに優れたツールを使う
UI/UXとは、見やすさ(デザイン)や使いやすさのことです。営業担当者にとってUI/UXが優れたツールを使うことで、入力の煩わしさを軽減させ、入力にかかる時間も削減できます。
導入前のデモ段階で営業担当者に試用してもらい、意見を聞くことがおすすめです。そうすることで、営業担当者が使いやすいと感じるSFAを選ぶことができ、導入後のギャップも最小限に抑えられます。
(3)導入後の業務フローを作っておく
SFAの使い方や操作方法について、業務フローを作成しておきましょう。いくら操作性の高いSFAでも、業務フローがなければ個人によって使い方が異なったり、操作が分からなかったりします。
記入ミスや記入漏れを防ぐためにも、SFAの使い方に関する業務フローの整備が重要です。
(4)サポートが手厚い会社の製品を選ぶ
SFA導入後、利用していくうえで疑問や不安な点が出てくる可能性があります。その際、問題を解消するためのサポートが手厚いと安心です。
また、操作方法や機能に関する疑問だけでなく、運用に関するサポートを依頼できることもあります。SFAを導入する前に、どのようなサポート内容があるかを確認しておきましょう。
(5)入力項目を必要最低限にする
SFAは種類によって入力項目が異なったり、カスタマイズが可能だったりします。そこで、自社に必要な項目だけを残すことが重要です。入力項目を必要最低限にすることで、営業担当者の負担を軽減でき、入力に時間をかけずに済みます。
また、入力項目が多いSFAは、機能性が高いためコストもかかります。予算を大きく超えるツールを導入しても費用対効果が得られないので、事前に必要な項目を見極め、予算と目的に合ったSFAツールを導入しましょう。
(6)導入補助ツールや外部コンサルを検討する
SFAによっては、自動入力機能が備わっている場合があります。名刺であれば、スマホなどでスキャンして情報を取り込めるため、手動で入力する手間が省けます。
また、定着を促進させるために、外部コンサルを検討するのもひとつの方法です。SFAに強いコンサルティングに支援を依頼することで、スムーズな導入や定着が期待できます。
SFAの導入と同じタイミングでなくても、「なかなか定着しない」「活用方法が分からない」などの問題に直面した時に検討してもよいでしょう。
SFAの定着に成功した事例3選
ここでは、SFAの定着に成功した以下の事例をご紹介します。
- ワウテック株式会社
- ナイル株式会社
- 株式会社アールナイン
(1)ワウテック株式会社
ワウテック株式会社は、過去にSFAを導入していたものの、操作が重く営業担当者が入力をストレスに感じていました。そうした課題を踏まえたうえで、操作が簡単で自動入力機能が備わっているSFAを導入しました。
操作がしやすくなったことから営業担当者のストレスが軽減され、自動入力機能によって入力の時間を短縮させることに成功しました。このケースは、現場の意見を事前にヒアリングしたことで、自社にあったSFAツールが導入できた成功事例といえます。
(2)ナイル株式会社
SFAの導入後、蓄積されるデータが増えることに満足を覚え、その後の活用につながらないケースもよくあります。
ナイル株式会社でもSFAの運用に満足していましたが、SFAツールのサポート担当者と打ち合わせをする中で、実際には全く機能を活用できていないと指摘されました。
そこでベンダーからのアドバイスをもとに、システムの設定変更や成果を出すために確認すべき重要なデータなどを教わることで、営業プロセスの可視化を実現し、チーム力の向上につなげました。
このように、第三者の目があったからこそ当事者が把握できていなかった課題点に気づける場合もあります。そのため、サポート内容が充実したSFAを選ぶことも重要です。
(3)株式会社アールナイン
システムの導入は経営層や管理職などによって判断されるケースが多いため、トップダウンによってSFAツールを業務フローに組み込むことは、容易にできるかもしれません。
しかし、株式会社アールナインでは「営業担当者が積極的に利用するためにはどうしたらよいか」を考え、導入目的やメリットを伝えることにこだわりました。
同社のケースは、実際に利用する営業担当者がSFAに対する理解を深めたことで、定着に成功した事例といえます。
[参考:Senses 事例紹介]
SFAが定着しない原因を改めて見直すことが大切
SFAが定着しない原因は会社や運用方法によって異なります。そのため、社員にヒアリングをしたり、アンケートをとるなどして、原因や理由を把握する必要があります。
SFAは定着してこそ効果を最大化できます。もしツールを導入しただけで活用できていないと感じている場合には、ここで紹介した具体的な対策方法を参考にしながら、ツールの変更や業務フローの見直しなどに着手しましょう。
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