SFA活用にはデータ分析が重要?ポイントを理解して営業成果UPへ

最終更新日時:2023/02/02

SFA(営業支援システム)

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SFAはデータ分析を行い業務に活かすことで、本当の価値を発揮します。本記事では、SFA活用にデータ分析が重要な理由や、データ分析をする際のポイントを解説します。データ分析結果の活用方法も紹介しているので参考にしてください。

SFA活用のためのデータ分析の重要性

SFAを用いて蓄積されたさまざまなデータを分析し活用することにより、SFA導入前と比べて、多くのポジティブな効果がもたらされます。

例えば、業務効率向上や営業活動の品質向上は、SFA導入によって期待される効果の代表的なものです。

このような効果が生み出される理由としては、SFAのデータ分析により業務の「可視化」と「標準化」が達成できるためです。

まず、日々の営業活動で得たクライアントの情報や案件の進捗状況などが一元管理されることにより、活動内容のブラックボックス化が解消され、営業部全体の動きが把握できるようになります。

SFAに蓄積されたデータをもとに担当者ごとの成約率や労働生産性、行動などを分析することで、営業活動が可視化され、成約率の高い活動パターンのナレッジ化や組織内での共有ができるのです。

同時に、ある営業活動に対しポジティブな反応を得やすい顧客属性を割り出すことで、成約の可能性が高い顧客に対して優先的に営業活動を行うこともできます。

組織全体の収益性の向上も期待できる

成約率が高い営業パターンを標準化することにより、組織全体の収益性が向上します。

加えて、営業活動が標準化されることにより、担当者の異動や退職に際しても、サービス品質を維持できるため、顧客との関係性を良好に保つことができるというメリットも生まれます。

もちろん、これらのデータは営業業務の効率化にも大いに貢献します。

営業日報や顧客とのアポイントメント、面談結果や案件進捗など、さまざまな報告書作成やデータ入力業務も営業活動の一環である一方で、営業担当者にとって業務負荷となるケースが少なくありません。

SFAに集積されたデータを分析・活用することにより、このような煩雑な書類作成やデータ入力だけでなく、業務フロー全体の見直しや簡略化を行うことができるのです。

このようにSFAによって収集されたデータは、営業組織だけにとどまらず、企業全体に対しても大きなメリットをもたらします。

システムを導入して満足するのではなく、営業活動の収益性向上や営業コストの最適化、業務フローの改善などのさまざまな組織課題に対して、積極的にデータを分析・活用していくことが重要なのです。

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SFAにある分析対象のデータ

課題解決や効果測定など、SFAに日々集積されていく膨大なデータの中から、目的に応じて適宜必要なデータを抽出し分析することができなければ、データをうまく扱えているとは言えません。

ここでは集積されるデータの種類を大きく三つに分類し、それぞれの特徴やデータの活用例とともに解説していきます。

(1)顧客情報

顧客情報には、顧客の会社名・担当者の名前・役職・過去の商談内容などが該当します。

組織全体で抱えている顧客の情報をSFAで一元管理することで、営業活動の脱属人化につながり、チーム全体でフォローやバックアップも可能になります。

加えて、顧客ごとの商談履歴や購入履歴をもとに、優良顧客の属性を分析することも可能です。

(2)活動情報

活動情報は、営業担当者の営業活動に関する情報です。

アポ回数から実際の訪問回数・商談回数・商品の提案履歴から成約率まで、営業担当者ごとのパフォーマンスの測定の際に有用となります。

人事評価の他にも、成約率の高い活動パターンの分析にも役立てられるため、分析結果を活用することで営業活動の標準化が可能となり、組織全体のパフォーマンス向上にもつながるのです。

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(3)案件情報

案件情報とは、商談が進んでいる案件に関する情報です。

営業担当者名や提案内容・見積額・商談の進捗・見込みの成約率・競合他社に関する情報などさまざまな内容が含まれます。

組織のマネージャーが、各担当者の活動を管理するうえで有用な情報で、案件の進捗が滞っていたり成約率が芳しくない担当者に対してのサポート体制強化にも役立ちます。

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基本的なデータ分析の種類

データの分析方法は、そのデータをどのように活用したいかという目的によって、適した方法が異なります。

情報の種類同様、分析方法についても適宜目的に合ったものを選ぶことが大切です。

ここでは、SFAのデータを活用する際に有効な分析方法三つについて解析していきます。

(1)動向分析

動向分析は、市場や商品などの動きを分析する方法です。

業界や市場やターゲットの消費行動などからトレンドや傾向を探る際に用いられる方法で、分析結果は、営業活動の方向性を定める際の指標としても利用されます。

動向分析は、大きな潮流を読み取るための分析方法であるため、細部にまでこだわって追究していく必要はありません。

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(2)要因分析

要因分析は、市場や業界の動向やトレンド、消費者行動の傾向を裏付けるため、行動や発生の要因を分析する方法です。

動向分析が大きな流れを把握するために用いられるのに対し、要因分析はより具体的な営業活動に反映するために利用されます。

ポジティブな動きを示すものにはポジティブな要因が、ネガティブな動きを示すものにはネガティブな要因が存在するように、動向やトレンドは必ずその状態を裏付ける要因がセットになっています。

例えば、売上が芳しくない商品があれば、その商品は必ず何らかの「売れない要因」を抱えています。

その要因を分析することで、商品そのものの性能やデザイン、またはマーケティング戦略などにおける改善のヒントを掴むことができるのです。

(3)検証分析

検証分析は、動向分析と要因分析の結果をもとに、仮説を立てて検証し分析する方法です。

動向と要因の相関関係が可視化されることにより、実際の営業目標や具体的な営業活動の方針が策定しやすくなります。

売上や成約率などの数値の動きからパターンを読み取ることで、より収益性の高い活動の仮説を立てることができるためです。

分析結果をもとに仮説を立てたら、実際に試験運用を行い、そこから得た課題に対して修正を行い、また運用してみるというPDCAサイクルを回すことで、現実的で実効性の高い営業戦略の策定が可能となります。

SFAでデータを蓄積・分析時のポイント

SFAのデータ分析によってさまざまな効果を生み出すためには、SFA導入時におさえておきたいポイントがいくつかあります。

ここからは、より効果的にデータの分析・活用を行うための三つのポイントについて解説していきます。

(1)使いやすいツールを導入して入力負荷を下げる

SFAの導入によりかえって業務負荷が増えるようであれば本末転倒です。

「Sales Force Automation(営業支援システム)」という名の通り、昨今は多様な支援機能が搭載されたSFAが数多くリリースされています。

さまざまな視点から営業活動を支援する目的で構築されたシステムの中には、自社の業務フローや内容との相性があまりよくない仕様のものも存在しているため、ツールの選定時には注意が必要です。

多機能なSFAは、使いこなすまでに時間も労力がかかるうえに、入力項目が多岐にわたるなど、現場の営業担当者たちの工数負荷を増大させてしまうリスクを併せ持っています。

初めてSFAを導入するのであれば、まずはベーシックで最低限の機能を有し、担当者の入力負荷を最小化できるような仕様のものを選ぶようにしましょう。

(2)MAやCRMと連携する

SFAは単体で使用するよりも、他の基幹システムと連携させた方が多様なデータを活用でき、営業活動の効率化や収益性向上をさらに後押しすることにつながります。

なぜなら、他部署で使用しているMAやCRMなどの基幹システムとの連携によりリアルタイムでの情報共有が可能となることで、重要な経営判断が迅速に行えるためです。

部署ごとに活動を区切るよりも、システム連携により「点」ではなく「線」で経営戦略の実施状況を可視化させることで、その時々に有効な手段や施策をスピーディーに考案・実施することができるのです。

例えば、マーケティングコストの適正値を測るためには、MAを使用してコンバージョン測定を行う手法がよくとられます。

しかし、MAとSFAとを連携させ、マーケティングコストと実際の成約率や売上額のデータを照らし合わせる方が、施策のより現実的な有効性や適正コストを測ることができます。

(3)SFA導入のメリットを現場に伝える

SFA導入時には、実際に使用する現場の営業担当者たちに対して、導入の目的や意図、得られるメリットなどに関してしっかりと説明を行うことが大切です。

SFA導入に伴い、現場では業務フローの変更や入力作業の追加などが少なからず発生するため、システムの導入の意義を理解したうえで協力を仰ぐ必要があるのです。

システム導入の目的やメリットが不透明なままで入力の手間が増えることは、担当者たちの不満を募らせる原因となるうえに、協力的にシステムが活用されず導入コストが無駄になるリスクも発生します。

業務効率と営業活動の収益性をともに高める効果が生まれるという、企業と営業担当者双方におけるメリットを理解してもらえるよう、説明会やセミナーなどの機会を設けて丁寧に説明を行いましょう。

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データ分析結果の活用方法

SFAに集積されたデータは、分析結果をうまく活用して初めてその効果を発揮します。

ここでは、分析結果の効果的な活用方法について二つの具体例をあげながら解説していきます。

(1)実現可能な目標設定の際に活用

営業部門で行われる大小さまざまな目標設定と数値管理において、SFAデータの分析結果を活用することで、より現実的な目標値を設定できます。

「前年同月の売上がこれぐらいだったから」「先月の成約率からやや上乗せして」など、感覚的であいまいな理由から目標値が設定されることは少なくありません。

設定された目標値があいまいであれば、達成するまでのプロセスも描きづらいため、担当者や組織全体の意識としても、目標達成に対するコミットメントが弱くなってしまいます。

どのようなデータをもとに導き出された目標値であるかを明確化することで、より戦略的に目標達成のための行動計画を策定することが可能となるのです。

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(2)高い実績を持つメンバーのデータを参考に行動管理を行う

SFAにより個々の営業担当者の活動内容やパフォーマンスを一元管理できることから、高い実績をあげている担当者の行動パターンを分析し、メンバーの行動管理に活用することが可能となります。

成約率の高い担当者の行動パターンをベースに、メンバーの行動を計測することで、アポ数や訪問頻度、資料送付のタイミングなどの各項目から、目標達成に必要な改善策が見えてくるのです。

成功パターンを部内の共通認識として行動方針に反映させることで、現場の担当者のパフォーマンスを高められます。

さらには、マネージャーの立場からすると、フォローやサポートが必要なメンバーやタイミングを明確に把握できるため、結果的に組織全体のパフォーマンス向上につながるのです。

SFAを活用したデータ分析を行い、営業成果を上げよう

消費者行動の多様化が進む中、効果的な営業施策を講じるためには、データの活用が不可欠です。

データドリブンな営業活動を展開することにより、かつてないスピードで変化が進む昨今の市場動向や消費者行動に対しても柔軟かつ迅速な経営判断を下し、的確な施策を打つことができるためです。

SFAにより、これまで営業担当者の経験や勘に頼っていた営業活動を可視化・パターン化し、属人性を排除した再現性の高い営業活動を展開することが可能となります。

日々の業務効率の向上はもちろん、組織全体の営業パフォーマンス向上を目指し、さまざまなシーンでSFAデータの分析・活用を積極的に取り入れていきましょう。

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