カフェテリアプランとは?有効な使い道やメリット・デメリットを解説
カフェテリアプランは、従業員が自分に必要な福利厚生メニューを選んで利用できる制度です。本記事では、カフェテリアプランとは何か、カフェテリアプランの有効な使い道やメリット・デメリットを解説します。
目次
カフェテリアプランとは?
カフェテリアプランは、企業が支給する補助金(ポイント)の範囲内で、従業員が自分に合った福利厚生制度を自由に選んで利用できる制度です。
カフェテリアプランという名称は、飲み物や食べ物を自由に選べる「カフェテリア」に由来し、働き方の変化とともに多様化したニーズに対応できる福利厚生の仕組みとして、近年注目が高まっています。
カフェテリアプランの歴史について
カフェテリアプランは、従業員のニーズに応える手段として、1980年代からアメリカを中心に広まったとされています。
日本では、2000年代に入り導入が進み、従業員の生活スタイルや価値観の多様性を認め、それを支援する手段として注目されています。
カフェテリアプランのメリット
カフェテリアプランのメリットにはどのようなものがあるでしょうか。3つのメリットを見ていきましょう。
福利厚生費用の管理が容易になる
カフェテリアプランは、従業員ごとに付与するポイントがあらかじめ決まっています。従業員数×付与ポイント数(補助金)を福利厚生費の上限予算として見積もることができるため、会社側は、予算管理がしやすくなります。
福利厚生の公平性を保てる
カフェテリアプランは、従業員が自ら必要な制度を選ぶ仕組みのため、公平感を醸成しやすいのも特徴です。
また、ポイントの利用状況から利用率の高い人とそうでない人を分析し、メニューの見直しを実行するなど、不公平さを解消するための改善もしやすくなります。
自主選択制による社員満足度の向上が期待できる
従業員のライフスタイルはさまざまで、利用したい福利厚生メニューもそれぞれ異なります。カフェテリアプランによって、従業員が自分に合ったメニューを選べるようになれば、会社の福利厚生に対する満足度が高まり、会社への帰属意識やロイヤリティーも強くなります。
各個人が認められ、サポートされていると感じることで、ポジティブな職場環境も築きやすくなるでしょう。
カフェテリアプランのデメリット
さまざまなメリットがあるカフェテリアプランですが、一方でデメリットもあります。
運用費用・管理負担が増加する可能性がある
カフェテリアプランは多様な選択肢を提供するため、運用費用や管理の負担が増える可能性があります。全従業員のポイント管理、福利厚生メニューの更新といった管理業務が増加し、福利厚生代行サービスを利用する場合にはそのためのコストも発生します。
特に中小企業にとっては大きな負担になる可能性があり、慎重な計画と管理が求められるでしょう。
単年度精算方式の場合は不満が出る可能性がある
カフェテリアプランを採用している会社の6~7割が、単年度精算方式をとっていると言われています。この場合、年末に未使用のポイントが失効するため、従業員から不満が出ることがあります。
ポイントが一年でリセットされるため、計画的に福利厚生を利用しなかった従業員は、自分のポイントが無駄になると感じるかもしれません。
また、ポイント消費が年末に集中し、管理側の業務負担が一時的に増える場合もあります。こうしたことを避けるために、あらかじめ従業員にカフェテリアプランの仕組みについて周知徹底しておく必要があります。
課税・非課税の統一が難しい
カフェテリアプランとして提供される福利厚生の中には、課税されるものと非課税のものが混在しており、これらを統一的に管理することは難しい点もデメリットです。
福利厚生に対する税法は複雑で、変更も多いため、適切に運用するには専門知識が求められます。誤った課税処理を行うと、企業や従業員に予期せぬ税金負担が生じる可能性もあるため注意しましょう。
カフェテリアプランの課税・非課税について
カフェテリアプランの中で提供される福利厚生には、税金がかかるものと免除されるものがあります。これは、提供されるサービスの種類によって異なります。例えば、健康関連の福利は非課税の場合が多いですが、現金換算可能な福利は課税対象になることがあります。
企業はこれらの違いを正しく理解し、適切に管理することが求められます。
カフェテリアプランの人気メニュー・有効な使い道
次に、カフェテリアプランの中で人気のメニューを紹介します。
健康増進・医療
カフェテリアプランの中でも、健康増進や医療関連のメニューは特に人気があります。代表的なメニューには、フィットネスクラブの利用料の補助、人間ドックなどの法定外の健康診断の提供、メンタルヘルスに関する医療費の補助などがあります。
文化・レジャー活動支援
文化やレジャー活動の支援も人気があります。例えば、映画やコンサートのチケット割引、スポーツイベントへの参加費補助、美術館や博物館への無料パス、旅行をした場合の宿泊費や交通費の補助などが挙げられます。
自己啓発
自己啓発、教育に関する支援も注目されています。主な制度としては、資格取得費用や学費の支援、セミナーへの参加費用など、スキルアップのための費用を補助するものです。
育児・介護・ライフケア
人材確保の側面からも、育児・介護・ライフケアに関する支援に注力する企業も増えています。仕事とプライベートを両立するための福利厚生として、保育所や病児保育、ベビーシッターサービスの利用支援、介護サービスの割引など、ライフステージに応じたサポートが提供されます。
財産形成
財産形成のサポートも重要な選択肢の一つです。持株会奨励金や財形貯蓄奨励金、各種保険料の補助、FP(ファイナンシャル・プランナー)への相談費用の補助など、財産を形成するために有効なサービスが受けられます。
会社生活
会社生活の福利厚生は、生活支援と呼ばれることもあります。ランチ代の支給や社員食堂の食券、社内サークルに参加する際の費用補助などがあります。
住宅関連の支援
住宅関連の支援としては、住宅手当や社宅の提供が一般的に知られています。
しかし、一律での家賃補助による住宅手当は、減少傾向にあると言われており、近年は、「近距離手当」などの名称で、通勤時間30分以内などを条件として、会社の近くに住む従業員に限って手当を支給するケースも増えています。
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カフェテリアプランを導入している企業の割合
経団連の調査によると、カフェテリアプランを導入している企業の割合は、2019年度で、17.1%となっています。
年度 | 回答企業数(社) | 導入企業数 | 割合(%) |
2015 | 667 | 104 | 15.6 |
2016 | 676 | 103 | 15.2 |
2017 | 658 | 97 | 14.7 |
2018 | 625 | 104 | 16.6 |
2019 | 608 | 104 | 17.1 |
[出典:一般社団法人 日本経済団体連合会「第64回 福利厚生費調査結果報告」]
カフェテリアプランにおすすめの福利厚生アウトソーシングサービス
最後にカフェテリアプランにおすすめの福利厚生サービスを紹介します。
リロクラブ
リロクラブは、10万件以上の福利厚生メニューを提供する福利厚生代行サービスです。福利厚生アウトソーシング「福利厚生倶楽部」と同時契約する形で「カフェテリアプラン」を利用することができます。
提供元 | 株式会社リロクラブ |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
|
URL | 公式サイト |
ベネフィット・ワン
ベネフィット・ワンは、多様なライフスタイルに合わせたメニューを提供する福利厚生サービスです。140万件もあるメニューの中から組み合わせて、自社オリジナルのカフェテリアプランを作ることができ、旅やエンタメ、グルメ、リラクゼーションなどのメニューでは全国47都道府県で使えるサービスが取り揃えられています。
提供元 | 株式会社ベネフィット・ワン |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
|
URL | 公式サイト |
カフェテリアプランのメリット・デメリットを理解しよう
カフェテリアプランは、従業員が自分に合った福利厚生を選べる魅力的な制度です。
従業員が「自ら好きな福利厚生を選んで利用する」仕組みは、福利厚生制度への公平感が醸成しやすいだけでなく、従業員満足度の向上も期待できるでしょう。
メリットとデメリットを見極めたうえで、カフェテリアプランの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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