1on1ミーティングの質問事項まとめ|ポイントや注意点を解説!
上司と部下が1対1で行う対話を1on1ミーティングと言います。1on1ミーティングは、部下の成長が目的なので質問の内容が重要です。本記事では、1on1ミーティングに効果的な質問事項をまとめました。実施する上で質問内容に迷っている方は、参考にしてください。
目次
1on1ミーティングの質問事項まとめ
1on1ミーティングに効果的な質問事項を紹介します。
プライベート関係の具体例
アイスブレイクでプライベートに関する質問をして相互理解を深めましょう。プライベートな質問は、1on1ミーティングで気軽に話せる雰囲気を作る効果もあります。質問の具体例は以下の通りです。
- 趣味は何か?
- 休日はどのようなことをして過ごすか?
- 興味のあることは何か?
- 仕事以外でハマっていること何か?
健康チェック関係の具体例
部下の健康面について質問しましょう。身体的なことはもちろん、メンタル面にも不調が現れていないか確認してください。不調が原因で離職してしまう可能性もあるので、1on1ミーティングの度に確認するのが望ましいです。
- 睡眠時間は十分とれているか?
- 業務量過多になっていないか?
- 人間関係で悩みはないか?
- ストレスがたまっていることはないか?
- 誰かに悩みを相談できているか?
モチベーション関係の具体例
部下のモチベーションが下がること、上がることを特定する質問をします。モチベーションが下がることは、一緒に解決策を話し合ってみましょう。モチベーションが上がることが聞き出せたら、対話中に部下を褒めたり、日常でモチベーションが上がる場面を作り出したりすることをおすすめします。
<モチベーションが下がることに関する質問>
- モチベーションが下がるのはどんなときか?
- 仕事でがっかりしたことはあるか?あるとすればどんなときか?
- 自分に自信がないところはあるか?あるとすればどんなところか?
<モチベーションが上がることに関する質問>
- モチベーションが上がるのはどんなときか?
- 仕事で面白いと感じることはあるか?あるとすれば何か?
- 自信があることは何か?
組織の改善関係の具体例
組織の改善関係は、普段から思っていても中々話す機会がありません。1on1ミーティングでじっくり話を聞き、課題を抽出していきましょう。
- 最近チームで気になっていることはあるか?
- チームワークをよくするには何をすればいいと思うか?
- チームの同僚や上司に何か要望はあるか?
業務の改善関係の具体例
業務の改善関係は、普段あまり話題に出ない業務について聞くのがおすすめです。話題に上がる業務は、1on1ミーティングでなくとも課題が見つかりやすいからです。
- 課題だと感じていることはあるか?
- 何か行き詰まっていることはないか?
- 「こうしたい」「こうしたほうがいい」など改善したいと思うことはあるか?
フィードバック関係の具体例
部下の目標に対するフィードバックを行います。評価面談では上司から部下への一方的なフィードバックになってしまうので、1on1ミーティングは部下の話を聞きながら細かく評価していきましょう。
- 現在の目標は何か?
- 目標達成のために何に取り組んでいるか?
- 次に取り組んでみたいことはあるか?
- 自分自身に対する評価はどのくらいか?
- 他者からの評価についてどう思うか?
キャリア支援関係の具体例
部下のキャリア支援や能力開発に関する質問をします。本人は自分の長所や特性に気づいていないことも多いです。1on1ミーティングを通して聞き取りを行い、キャリアビジョンの形成や目標達成のフォローをしましょう。
- 自分の強み・弱みは何か?
- 得意な業務は何か?
- 仕事にやりがいを感じる瞬間は?
- 今後、挑戦したい仕事はあるか?
- チームや会社でどんな貢献をしたいか?
今後の方針関係の具体例
会社やチームの方針について質問し、お互いの理解を深めます。他に案がある場合は、聞き取りを行いましょう。
- 先日の会議で決まった〇〇についてわからないことはあるか?
- 〇〇について気になることはあるか?
- もっとこうしたほうがいいと思うことはあるか?
1on1ミーティングについて
1on1ミーティングの概要や実施する目的について解説します。
上司と部下が1対1で行う会議
1on1ミーティングは、上司と部下が1対1で行うコミュニケーションの場です。評価面談と異なり、上司が部下の話を聞き、フィードバックを行うのがメインです。週に1回、月に1回などの短いスパンで継続して行われます。
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1on1で実施する目的
1on1ミーティングは、部下の成長やモチベーションアップ、部下と信頼関係の構築が目的です。上司が部下の話をじっくり聞きながら長所や得意分野を見つけて成長を促したり、短所や課題について解決策を探ったりします。
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なぜ1on1ミーティングが必要なのか?
ここからは1on1ミーティングが必要な理由を解説します。
現代社会で必要であるため
現在はVUCAの時代といわれています。VUCAとは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字です。社会や環境の変化が激しく、未来の予測が難しいことを指します。例えば、半年先に達成すべき目標を立てて行動しても、ニーズの変化によって、目標達成が無意味になる場合があります。
変化の激しい時代の中で柔軟に対応するために必要なのは、自ら考え行動する力を養うことです。1on1ミーティングを行うことで部下の成長を促し、スピーディーに行動できる人材を育てられます。
労働者の価値観が変化したため
近年は終身雇用や年功序列の崩壊によって、転職や再就職への心理的ハードルが下がっています。人材不足の中、優秀な人材の離職に頭を悩ませている企業も多いです。
人材流出を防ぐために1on1ミーティングが効果的と考えられています。ミレニアル世代を中心に、労働者は「好きなことを仕事にしたい」「好きな環境で働きたい」「厳しい環境に耐えながら働くのは難しい」といった価値観に変化しています。
部下の話に耳を傾け長所を伸ばしたり、不満や悩みの解消を行ったりすることは、価値観の変化に合った離職防止策です。また、1on1ミーティングで上司と部下の信頼関係を深め、よい人間関係を構築するのも働きやすい環境づくりにつながります。
1on1ミーティングで得られるメリット
1on1ミーティングで得られるメリットは、以下の5つです。
- 信頼関係を構築できる
- 部下の成長につながる
- モチベーションを向上させる
- チームの生産性が上がる
- 社員の離職防止になる
次からは各項目について、具体的に解説します。
信頼関係を構築できる
1on1ミーティングを行うことは、信頼関係の構築につながります。部下は、上司と対話を繰り返すうちに「自分の話をしっかり聞いてくれる」と認識し心理的な距離が縮まります。
心理的な距離が縮まると、次第に自身の悩みを話してくれやすくなるでしょう。また、上司は部下の些細な変化に気付きやすくなるため、早い段階でメンタルケアを行えます。
▷1on1ミーティングで話すこととは?テーマの例や主な目的を解説
部下の成長につながる
部下の成長にもつながるのも1on1ミーティングのメリットです。部下は上司との対話を通して自身の課題に向き合い、解決のための行動を起こします。
自ら考え行動を繰り返すことは、部下の成長に直結するでしょう。また、対話を通して長所や短所、得意分野などにも気づけます。長所・得意分野を活かした働き方をすれば、より成長スピードが早まります。
モチベーションを向上させる
1on1ミーティングは、部下のモチベーション向上にもつながります。定期的な対話によって上司・部下の距離が縮まると、意見や提案を伝えやすくなります。伝えた内容が実際の業務に反映されたり、待遇が変化したりすれば、部下のモチベーションアップにつながるでしょう。
チームの生産性が上がる
1on1ミーティングを行うと、チームの生産性が上がるのもメリットです。上司は部下との対話の中で、一人ひとりの状況や長所・短所を把握できます。状況や長所・短所をもとに業務を振り分ければ、スムーズにプロジェクトを進めることが可能です。結果として、効率的に業務が進むため、チームの生産性向上につながります。
社員の離職防止になる
1on1ミーティングは、社員の離職防止にも効果的です。定期的な対話で信頼関係が構築されると、部下は上司に悩みを話しやすくなります。早い段階で悩みに対処できれば、退職の防止に期待できます。
1on1ミーティングで生じるデメリット
1on1ミーティングには、デメリットもあります。具体的には以下の通りです。
- 負担が増える
- 結果まで時間を要する
- 効果を確認しにくい
負担が増える
1on1ミーティングは、対話時間の確保が必要なので、上司・部下ともに負担が増えます。特に部下を多く持つ上司は、1on1ミーティングに充てる時間が多くなるので、業務とのバランスを取る必要があります。業務の仕組み化や効率化を図り、1on1ミーティングの時間を創出する工夫が求められるでしょう。
結果まで時間を要する
1on1ミーティングは、結果につながるまでに時間を要します。1、2回のミーティングでは部下の意識が変わったり、上司との信頼関係を築いたりするのは難しいです。定期的な1on1ミーティングを長期間行うことで、1on1ミーティングの効果が期待できます。
効果を確認しにくい
1on1ミーティングの効果は定性的なので効果を確認しにくい側面があります。上司はミーティングを重ねる度に部下の成長を感じやすいですが、第三者からは変化が見えずらいため、効果を客観的に確認しにくい点は大きなデメリットでしょう。
▷1on1ミーティングは効果を測定できる?効果を高めるポイントとおすすめツール
1on1ミーティングの効果を上げるポイント
1on1ミーティングの効果を上げるポイントは、以下の4つです。
- 部下の意見をしっかり聞く
- 会話しやすい環境を作る
- 質問事項を考えておく
- 定期的に実施する
ここからは、各項目について具体的に解説します。1on1ミーティングを行う際に意識してみましょう。
部下の意見をしっかり聞く
1on1ミーティングでは、部下の意見をしっかり聞くことが大切です。途中で口を出さず聞くことに徹しましょう。話を聞く姿勢を見せると、部下は上司に信頼を寄せやすくなります。気になったことは、部下が話し終わってから聞くよう心がけてください。
会話しやすい環境を作る
会話しやすい環境を作ることも大切です。厳粛な雰囲気で1on1ミーティングを行うと部下が緊張してしまい、本音を聞き出せなくなります。形式ばった対話にせず、気軽に話せる雰囲気を作りましょう。脱線しない程度に雑談を挟むのも効果的です。
▷1on1ミーティングでは何を準備すべき?部下が事前に準備すること
質問項目を考えておく
1on1ミーティングを行う前に、質問項目を考えておきましょう。あらかじめ質問を準備しておけば、1on1ミーティングをスムーズに進められます。ミーティングを有意義な時間にするため、部下のモチベーションアップや成長につながる質問をしましょう。
定期的に実施する
1on1ミーティングは、定期的に実施するのがポイントです。短い頻度で実施し、部下の成長度合いを確認しながらアドバイスします。PDCAを素早く回すと、部下の成長も早くなるでしょう。
▷1on1ミーティングの頻度はどのくらい?適切な頻度と時間設定
1on1ミーティングを行う際の注意点
1on1ミーティングを行う際には、注意点もあります。失敗しないためにも、以下の内容に気をつけながら1on1ミーティングを行ってください。
- 一方的に話してしまう
- 部下にプレッシャーを与えてしまう
- 内容が雑談になってしまう
一方的に話してしまう
1on1ミーティングでは、上司が一方的に話してしまわないよう注意してください。部下の話を聞いて課題を見つけたり、成長を促したりするのが1on1ミーティングの目的です。部下が上司の話を聞く時間にならないよう、聞き役に徹しましょう。
部下にプレッシャーを与えてしまう
部下にプレッシャーを与えないことも大切です。例えば話を否定したり、途中で問い詰めたりすると、部下はプレッシャーを感じて萎縮してしまいます。
結果として、上司に心を開けなくなり、信頼関係の構築が難しくなるでしょう。1on1ミーティングでは部下との心の距離を縮め、本音を引き出すことが大切です。プレッシャーを与えないよう細心の注意を払ってください。
内容が雑談になってしまう
1on1ミーティングは、内容が雑談メインにならないよう意識して進めましょう。雑談は場の雰囲気が良くなったり相手に対して親近感が湧いたりするので、決して悪いことではありません。
しかし、雑談は貴重な業務時間を削って行うものではないため、有意義な時間になるよう事前準備をしっかり行ってから挑みましょう。
1on1ミーティングを実施する前に質問事項を決めよう
1on1ミーティングを行う場合は、事前準備が重要です。準備をせずに対話をすると、雑談が中心になる可能性があります。有意義な時間にするためにも、質問事項を決めてから実施することをおすすめします。
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