財務分析ができる会計ソフト4選|選び方や財務分析の種類を解説

最終更新日時:2023/10/04

会計ソフト

財務分析ができる会計ソフト

企業の経営戦略を立てる上で欠かせない財務分析。しかし、財務分析と聞くと難しく感じてしまう方が多いのではないでしょうか。そこで本記事では、財務分析が気軽にできる会計ソフトの選び方やおすすめのソフトを紹介します。

財務分析とは?

財務分析とは、企業の経営者や投資家、取引先などが財務諸表をもとに競合他社や業界別で比較し、会社の収益性・安全性・生産性・成長性などを把握することを指します。

このような分析を通じて、企業の現状や問題点を把握することが可能です。さらに、将来の展望を予測し、経営戦略の意思決定に役立てられるでしょう。

財務分析を行う際には、主に貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を利用します。これらの財務諸表には、企業の財務状況や経営成績が示されており、適切な解釈と比較分析を行うことで、企業の健全性や競争力を把握することができます。

財務分析の一般的な種類

財務分析の手法は、大きく4種類に分けられます。ここでは、それぞれの手法について見ていきましょう

収益性分析

収益性分析は、企業がどれほど利益を上げているかを把握する手法で、利益額ではなく比率を見ることができます。

企業は資本を使って事業を展開し、収益を得ることが重要です。継続的に利益を上げられなければ、企業の持続的な運営が難しくなります。

収益性を高めるには、資本を効率的に活用し、無駄を省くことが必要です。収益性分析によって、企業がどれだけ効率よく稼ぎ出しているかを把握できます。収益性の指標が高いと、金融機関からの資金調達や投資家からの出資を受けやすくなるのが利点です。一方、低い場合には経営効率の改善が求められます。

収益性分析の指標としては、「総資本経常利益率(ROA)」と「自己資本経常利益率(ROE)」を利用するのが一般的です。これらの指標は、企業が資本に対してどれだけの利益を上げたかを示す重要な要素となります。

安全性分析

安全性分析は、企業の支払い能力や倒産リスクを把握するための手法です。この分析により、短期的な支払い能力や長期的な経営の安定性を予測することが可能です。とくに、新規取引先企業の支払能力を確認する際や、金融機関や投資家が融資・投資を検討する際に重要となる情報となります。

短期の支払い能力を知るために用いられる代表的な指標には「流動比率」と「当座比率」があります。これらを用いて会社の資金繰りを確認することで、財務内容の改善につなげられるでしょう。

一方、長期的な支払い能力を求めるには「固定比率」「固定長期適合率」を用いるのが一般的です。どちらも固定資産から見て支払い能力があるかどうかを示す指標です。ただし、固定比率は自己資本のみ、固定長期適合率は自己資本のほかに固定負債も含めるという違いがあります。

生産性分析

生産性分析は、企業の経営資源を無駄なく活用し、売上に貢献できているかをチェックする分析手法です。経営資源とは、企業内で働く従業員たちや設備などを指します。

この分析手法では、主な指標として「労働分配率」や「労働生産性」を用いるのが一般的です。労働分配率は、企業が生み出した付加価値に対する人件費の割合を示しており、数値が低いほど従業員一人あたりの利益を効率的に上げているのがわかります。

一方労働生産性は、従業員一人当たりの付加価値額を表しており数値が高いほど利益が増えると判断できます。

成長性分析

成長性分析は、企業がこれまでにどのように成長してきたかを把握し、今後の成長可能性をチェックするための分析手法です。具体的には、企業の売上高や利益などの変化を確認して前期と比較します。そのため、数値が高いほど成長率が高いとみなすことができます。

成長性分析では「売上成長率」「総資本成長率」「経常利益成長率」の3つの指標を用いるのが一般的です。

売上成長率前期と比較して企業の売上高がどれだけ成長したかを示す指標
総資本成長率前期と比較して企業の総資本がどれだけ増加したかを示す指標
経常利益成長率前期と比較して企業の経常利益がどれだけ成長したかを示す指標

会計ソフトの使い方|流れや活用術を初心者の方でもわかりやすく解説!

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財務分析ができる会計ソフトのおすすめ4選

財務分析は、会計ソフトを利用することで効率化することが可能です。この章では、財務分析に対応している会計ソフトを4種類紹介します。

1.Manageboard

Manageboardは、成長企業や中堅企業に向けた予算管理システムです。従来のExcelやスプレッドシートに代わって、効率的にすべての財務情報を一元管理できるため、経営の成功をサポートします。

会計ソフトとの連携により、勘定科目や補助科目などのデータが自動的に登録されるのが特徴で、冗長な転記作業やそれにともなうエラーが減少します。また、標準レポートはもちろん、企業ごとの特性に合わせたカスタムレポートも容易に作成可能です。効果的なデータ分析が行えるため、経営陣は重要な判断を誤るリスクを低減できるでしょう。

提供元株式会社ナレッジラボ
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
導入企業数7,100社以上
機能・特徴多軸分析、詳細計画、カスタムレポート、ユーザー権限のカスタマイズ、PL/BS/CF連動、会計ソフトとの連携
URL公式サイト

2.freee会計

freee会計は、財務分析ができるクラウド型会計ソフトで、貸借対照表などの財務諸表を効率的に作成できます。資金繰り表や予実管理といった豊富なレポートを自動で作成するため、経営改善に活かすことが可能です。

30日間お試し利用できる無料トライアル期間も用意されているので、気軽に導入しやすいソフトといえるでしょう。

提供元freee株式会社
初期費用無料
料金プラン月払い
  • ミニマム:2,948円(税込)/月
  • ベーシック:5,808円(税込)/月
  • プロフェッショナル:52,536円(税込)/月
  • エンタープライズ:要問い合わせ

年払い

  • ミニマム:2,178円(税込)/月
  • ベーシック:4,378円(税込)/月
  • プロフェッショナル:43,780円(税込)/月
  • エンタープライズ:要問い合わせ
導入企業数有料利用中ユーザー33万社以上(2021年12月末時点)
機能・特徴自動仕訳、経費精算、決算書作成、給与事務の自動化、労務管理ほか
URL公式サイト

3.会計王

会計王は、利便性と使い勝手を重視したインストール型の会計ソフトウェアです。初級者から上級者まで幅広く対応しており、業種を選定するだけで容易な初期設定と導入が実現します。さらに、他社製の会計ソフトからのデータインポートもスムーズに行えるのが魅力です。

提供元ソリマチ株式会社
初期費用44,000円(税込)
機能・特徴導入・設定、仕訳・入力、集計・管理、決算ほか
URL公式サイト

4.SuperStream-NX

SuperStream-NXは、数多くの導入十世紀によるノウハウとテクノロジーを活用した会計ソリューションです。企業のバックオフィスの業務、とくに財務会計と人事・給与管理の負担を減らすために設計されています。シンプルな画面で操作がしやすいため、日々の業務の負担を軽減することが可能です。

提供元スーパーストリーム株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
導入企業数10,000社以上
機能・特徴財務会計・管理会計、支払管理・経費精算管理、債権管理、固定資産管理ほか
URL公式サイト

財務分析ができる会計ソフトの選び方・比較ポイント

ここからは、財務分析ができる会計ソフトの選び方と比較ポイントを解説していきます。

自社に必要な機能はあるか

財務分析ができる会計ソフトを選ぶ際には、自社の課題解決に適したソフトを選びましょう。企業によっても財務分析の目的は異なるため、会計ソフトで提供されている機能が自社のニーズにマッチしているか確認が必要です。

また、会計ソフトがどのような形態で提供されているかも重要なポイントです。会計ソフトは、主にパッケージ型とクラウド型の2つに分類されます。

財務分析を経営層や経理部門が行う場合は、パッケージ型のソフトでも問題ないかもしれません。しかし、社外にいることが多い営業の人なども利用するのであれば、いつでもどこでも利用できるクラウド型が適しているでしょう。

おすすめのクラウド会計ソフト12選|料金や特徴を徹底比較!

おすすめのパッケージ型会計ソフト7選比較|メリットやクラウド型の違い

どのような規模の事業に対応しているか

企業の規模によっても、適切なソフトは異なります。事業規模に合わせた適切なソフトを選ばないと、機能が足りなかったり、逆に機能を持て余してしまうことも考えられるために注意が必要です。

中小企業が大企業向けの高性能な会計ソフトを導入した場合、多くの機能を活用できず無駄なコストが発生してしまいます。そのため中小企業には、会計業務に必要な基本的な機能を搭載したスタンダードな会計ソフトが適しているといえるでしょう。

中小企業におすすめの会計ソフト10選|利用するメリットや失敗しない選び方

サポートは充実しているか

会計ソフトを選ぶ際は、サポート体制の有無も確認する必要があります。サポートを行っている会計ソフトでは、操作方法などで困ったときなどにメール・チャット・電話などを利用して相談することが可能です。

利用する会計ソフトによってサポートの内容は異なるため、どのようなサポートを受けられるかについても確認しましょう。また、受付時間などもチェックし、自社にとって利用しやすいものを選んでみてください。

無料トライアル期間はあるか

会計ソフトには、無料でお試し利用ができるトライアル期間を設けているものもあります。無料期間は会計ソフトによって異なり、1か月程度で終わるものから、1年間利用できるものなど幅広く存在します。会計ソフトの導入に失敗して無駄なコストを発生させないためにも、無料トライアル期間を利用できるソフトを選ぶとよいでしょう。

無料で使えるおすすめの会計ソフト12選|主な機能や比較ポイント

財務分析ができる会計ソフトの導入を検討してみよう

本記事では、財務分析に対応している会計ソフトを紹介しました。財務分析と聞くと、難しいものと感じる方も多いかもしれませんが、会計ソフトを利用すれば簡単かつ効率的に分析を行えます。

本記事を参考に自社に合った会計ソフトを導入し、経営状況の把握や改善に役立ててみてください。

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ビズクロ編集部
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