病院向け勤怠管理システム10選を比較|医療機関における勤怠管理の課題を解決するシステムを紹介
医療機関は日勤・夜勤・当直・緊急業務など、勤務形態や就業時間のパターンが多く、勤務時間の正確な管理が難しい業種です。そこで昨今は、医療機関向け勤怠管理システムを導入し、勤怠管理の効率化を実現を図っている施設が増えています。本記事では、病院向け勤怠管理システム10選を紹介します。
目次
勤怠管理システムとは?
勤怠管理システムとは、従業員の出退勤時間や労働時間、有給休暇の取得状況などを一元的に管理するシステムです。手作業での管理にかかる手間が大幅に削減され、労働時間の正確な記録や休暇取得状況の確認が容易になるという強みがあります。
特に病院などの多忙な現場では、効率的な勤怠管理が欠かせません。システムの導入によって管理担当者の負担が軽減され、業務の正確性と効率性が向上するでしょう。
▷勤怠管理とは?目的や重要性・管理項目や方法をわかりやすく解説!
医療機関における勤怠管理の課題
医療機関には、24時間体制のためのシフト管理が必要な点や業務が多忙である点など、勤怠管理における特有の課題が存在します。ここでは具体的な課題を見ていきましょう。
正確な勤務時間の管理・集計に手間がかかる
医療機関には、日勤・夜勤・当直といったさまざまな勤務形態が存在します。そのため、勤務時間のパターンが複雑になり、手作業で管理や集計を行おうとすると非常に手間がかかるのです。
特に、複数のシフトを管理する必要があるため、集計ミスが発生しやすくなります。そこで、勤怠管理システムを導入することで、こうした手間を削減し、正確かつ迅速な管理を行えるようになるでしょう。
様式9に対応しなければならない
様式9とは、施設基準の届け出や日常管理を記録して提出する書類のことで、厚生労働省が用いるように通知した様式です。様式9には、看護師の人数や勤務時間、患者数などの記録を行います。
医療機関では、この様式に対応するために勤務シフトの調整が必要となりますが、多様なシフトパターンを考慮しなければならないため手間がかかります。特に、複雑なシフト管理が必要な病院では、手作業での調整が非常に大変です。
その点、勤怠管理システムであれば、様式9への対応を効率的に行え、業務負担を軽減することができます。
残業・有給申請がしにくい
医療機関では、管理者が多忙の場合や不在である場合に、残業や有給の申請がしにくいという課題があります。申請のために書類を提出するタイミングが合わないことや確認に手間がかかることも多く、申請自体を後回しにしてしまうケースも少なくありません。
この課題についても、勤怠管理システムを導入すれば、申請や承認をオンラインで行えるため、管理者とスタッフの負担が軽減され、スムーズな運用を実現できるでしょう。
「医療の2024年問題」に対応しなければならない
「医療の2024年問題」とは、働き方改革関連法の適用によって勤務医の時間外労働時間に上限が設けられることによって発生が危惧されている諸問題のことを指します。
具体的には、水準に応じて年間の時間外労働の上限が960時間以下あるいは1,860時間以下へと変更になります。医療機関では、この上限を超えないようにシフト調整などを行う必要があるのです。
概要は以下のとおりです。
水準 | 対称 | 時間外労働上限(いずれの場合も月100時間未満) |
A水準 | 一般の勤務医 | 年960時間以下 |
B水準 | 地域医療確保暫定特例水準 | 年1,860時間以下 |
C水準 | 集中的技能向上水準 | 年1,860時間以下 |
▷勤怠管理システムで改善できる5つの課題とは?スムーズな導入方法も解説
医療機関の勤怠管理システムの選定ポイント
医療機関に適した勤怠管理システムを選定するには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。具体的なポイントについて詳しく見ていきましょう。
適切な労務管理ができる機能の有無で選ぶ
医療機関は勤務時間のパターンが複雑であり、緊急業務が発生する可能性も高いため、労務管理を効率的に行えるかどうかが非常に重要です。また、「医療の2024年問題」への対応も必要となるため、アラート機能や緊急時の代償休息時間を自動算出する機能が求められます。
これらの機能を備えた勤怠管理システムを選ぶことで、労働時間の適切な管理とスタッフの健康維持の両方を実現でき、管理者の負担も大幅に軽減されるでしょう。
打刻方法の豊富さで選ぶ
医療機関では、スタッフが多様な働き方をしているため、勤怠の打刻方法も柔軟であるほうが望ましいといえます。例えば、ICカードや生体認証、Web打刻など、多様な打刻方法を備えているシステムを選ぶことで、勤務状況を正確に管理しやすくなるでしょう。
また、緊急時や繁忙時には打刻不要で勤怠を記録できるシステムも便利です。これにより、スタッフがスムーズに勤務を開始でき、病院全体の効率が向上します。
様式9を簡単に作成できるかで選ぶ
医療機関では、スタッフの労働時間管理のために様式9の作成が必要です。そのため、勤怠管理システムに様式9を簡単に作成できる機能が備わっているかは重要な選定ポイントとなるでしょう。
また、様式9に対応するためのシフト調整機能も不可欠です。この機能があれば、法的な要件を満たしつつ、効率的にシフト管理を行うことができ、管理者の負担も大幅に軽減されます。
既存システムと連携できるかで選ぶ
給与計算システムやシフト作成システムなど、既存のシステムと連携できるかも勤怠管理システムを選ぶ際の着目ポイントです。
連携可能なシステムであれば、データを二重に入力する必要がなくなり、業務の効率化を図れます。特に医療機関は複数のシステムを使用することが多いため、連携機能を備えたシステムを選ぶことで時間や労力を大幅に削減可能です。
誰でも簡単に操作できるかで選ぶ
勤怠管理システムを選ぶにあたり、すべてのスタッフが簡単に操作できるかどうかも重要なポイントです。ITに慣れていないスタッフもいるため、複雑な操作が必要なシステムではスムーズな運用を実現できません。
直感的でわかりやすいインターフェースを備えるシステムを選ぶことで、誰でも簡単に利用できることに加え、トラブルを防ぐことにもつながるでしょう。
導入・運用に関するサポートで選ぶ
勤怠管理システムを選定する際、操作方法や活用方法のレクチャー、トラブル時のサポートが充実しているかどうかもチェックしましょう。特に、システム導入初期にはスタッフが戸惑うことも多いため、適切なサポートが受けられるかは大きな判断材料となります。
また、運用中にトラブルが発生した場合にも、迅速かつ的確なサポートを受けることができれば、滞ることなく業務を進行できます。
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病院の規模に合っているかで選ぶ
病院の規模に合った勤怠管理システムを選定することも重要です。
クリニック向けのシステムでは、大病院の複雑なシフト管理やスタッフ数には対応できないことがあります。一方、大病院向けのシステムは、小規模クリニックでは活用しきれない機能もあり、コスト面でも負担になる可能性があるでしょう。
自院の規模や業務内容に最適なシステムを選ぶことで、スムーズな運用を目指しましょう。
【病院向け】勤怠管理システム10選比較
病院に最適な勤怠管理システムを選ぶためには、システムの機能や使いやすさを比較することが大切です。ここでは、病院におすすめの勤怠管理システム10選を紹介します。
ジンジャー勤怠
ジンジャー勤怠は、勤務時間の実績確認や承認、自動集計といった勤怠管理業務を効率化できるシステムです。操作画面がシンプルなため、システム関係が苦手なスタッフも抵抗なく利用できるでしょう。
さまざまな勤務形態をスタッフ個人単位で設定できるのも強みです。また、残業時間の管理やアラート機能などを備えているため、法令を遵守した勤怠管理につながります。スタッフ・管理者共に専用のスマホアプリで打刻や承認、管理を行えるため、利便性も高いといえるでしょう。
提供元 | jinjer株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 希望サービスの利用料:330円(税込)/月~×利用者数 |
導入実績 | 18,000社以上 |
機能・特徴 | 多言語対応、出退勤管理、自動集計、各種申請・承認、シフト管理、有休管理、予実管理、アラート機能、システム連携など |
URL | 公式サイト |
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Chatwork 勤怠管理は、幅広い業界・業種に導入されているクラウド型の勤怠管理システムです。勤務実績を簡単に可視化できることに加え、多様な方法で打刻することができます。法改正に対応しているのはもちろんのこと、各種チェック機能を備えているため、知らないうちに法令違反をしてしまうリスクも回避可能です。
時間外勤務などの申請もシステム上で行うことができるため、多忙な病院勤務にも適しているといえます。給与ソフトとの連携も可能です。
提供元 | 株式会社kubell |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 33,000円(税込)/月~ ※31名以上の場合は月額従量課金制 |
機能・特徴 | タイムカード、打刻、出勤予定(勤務表)の作成、残業申請、有給(休暇)申請、給与ソフト連携、PCログ取得、36協定チェッカー、有給(休暇)取得チェッカーなど |
URL | 公式サイト |
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タッチオンタイムは、シェアNo.1のクラウド勤怠管理システムです。打刻のための各種レコーダーを揃えており、指紋・ICカード・パスワードの3種類の打刻方法をまとめた独自のタイムレコーダーも人気です。
変形労働時間制や3交代勤務など、複数のスケジュールパターンを設定できるため、病院での利用にも適しています。打刻漏れや打刻ミスの申請なども簡単で、残業時間がリアルタイムに反映されるのも特徴です。
提供元 | 株式会社デジジャパン |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 330円(税込)/月 |
導入実績 | 56,000社 |
機能・特徴 | 多様な打刻の種類、勤怠集計・残業集計、勤務状況の確認、スケジュール・シフト管理、有給休暇・休暇管理機能、通知・アラート機能など |
URL | 公式サイト |
ADVANCE勤怠クラウド
ADVANCE勤怠クラウドには、病院・施設向けの「Hospital Edition」があり、病院・施設特有の複雑な勤務体系や雇用形態に対応することができます。一般職員や看護師の勤怠打刻から各種申請、人事や給与担当者の集計作業まで一括で行うことができるのが強みです。
勤務間のインターバルを設定することや、様式9の出力も可能です。法改正にも対応しているため、常にコンプライアンスを遵守した運用を行えます。警告メッセージの表示も行え、働き過ぎの防止にもつながるでしょう。
提供元 | 関彰商事株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 残業時間の上限規制、年5日の年次有給休暇の取得、勤務間インターバル、メール通知機能、かんたん運用、選べる打刻方法、各種申請・承認など |
URL | 公式サイト |
CAERU勤怠 医療
CAERU勤怠 医療は、名前のとおり医療現場に特化したクラウド勤怠管理システムです。タイムレコーダーを無料でレンタルでき、届いたらすぐに利用を開始できます。担当者が各病院やクリニックのルールに合わせて集計の設定が可能です。
AIチェック機能が備わっており、勤務予定と打刻実績が自動でチェックされます。予定と一致しない場合には自動でリストアップされるため、労務管理を効率化できるでしょう。残業上限超過を予想してアラートで知らせる「残業アラート」機能もあるため、スタッフの健康維持にもつながります。
提供元 | CAERU株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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機能・特徴 | 簡単打刻、勤務データ管理、有給休暇管理、管理者権限、残業管理、医療のシフト管理、集計・給与連携、勤務申請、勤務の締めなど |
URL | 公式サイト |
Vicsell
Vicsellは、病院・介護施設向け勤怠管理システムです。9,999通りのシフトマスタを作成可能で、全シフトから部署ごとに関係するシフトのみを登録することができます。また、シフトの組み合わせパターンも登録できるため、シフト作成がスムーズになるでしょう。
さまざまな給与ソフトとの連携が可能で、就業時間集計結果はCSVで出力できます。また、現在使用している電子カルテとの連携も可能です。
提供元 | 株式会社SCP.SOFT |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 勤怠予定入力、勤怠実績入力、給与ソフトと連携、実績作成、届出書作成、有休管理、電子申請、帳票印刷など |
URL | 公式サイト |
OLude
OLudeは、医療業界専門の勤怠管理システムで、1日複数勤務や宿直、医師の働き方改革など、医療業界特有の勤怠管理を効率化します。開発からシステム導入、保守管理までのワンストップサービスである点も強みです。
自己研鑽時間やインターバル時間、年間残業時間など、さまざまな項目での管理が可能で、多数の勤務地を行き来していて勤務しているスタッフでも、働き方に合わせた打刻方法を選択できるため便利です。
提供元 | 株式会社 東計電算 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 約23,000名 |
機能・特徴 | 医師の働き方改革対応機能、シフト作成、選べる簡単打刻方法、手当登録集計機能 (自動・手動)、様式9出力、常勤換算表出力、クラウド管理など |
URL | 公式サイト |
Dr.JOY
Dr.JOYは、導入実績4,200施設以上、大学病院シェア71%を誇るコミュニケーションインフラです。予約サービスや勤怠管理、外部業者管理まで、多くのソリューションを備えています。
アプリやICカードでの打刻に加えてビーコンで打刻できるのが特徴で、院内に設置した受信機がスタッフの持つビーコンを検知することで院内滞在時間を自動記録します。検知の間隔によって出退勤や外出も判別できるため、多忙による打刻忘れの心配が不要になるでしょう。面接指導記録や給与連携など、病院特化型システムならではの利便性の固さが強みです。
提供元 | Dr.JOY株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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導入実績 | 4,200施設以上 |
機能・特徴 | 勤怠管理、勤怠打刻、面接指導記録、給与連携、予約サービス、業者管理、安否確認、カレンダー、薬薬連携、薬剤検索、副作用検索など |
URL | 公式サイト |
勤怠管理シリーズ快勤くん
勤怠管理シリーズ快勤くんは、医療機関や介護福祉施設などで活用されている勤怠管理システムです。あらかじめルールを設定しておけばシフトを自動生成することができ、急なシフト変更や業務形態に応じたカスタマイズもできます。
集めた打刻データを管理編集するのも容易で、給与計算に必要な勤怠データとして出力も可能です。夜勤72時間ルールの常勤換算表も保存可能なため、都度確認しながらシフト作成ができます。
提供元 | 株式会社キタムラコンピュータ |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 勤務割・シフト表や施設基準届出書類を自動作成、ICカード対応のタブレット型打刻、集めた打刻データを管理・編集し、給与ソフトへ受入可能な勤怠データを作成など |
URL | 公式サイト |
STORK.NaVi
STORK.NaViは、病院・医療業界専用の勤怠管理システムで、夜勤などがある、日をまたぐ業種で好評を得ています。時間単位・人単位でデータ管理ができ、申請承認のデバイスも選ばないため、誰でも便利に利用できるでしょう。
複雑なシフト管理も明確になり、勤務時間の管理にも役立ちます。必要なデータも簡単に出力できるほか、医療ソリューションシステムとの自動連携も備えているのが特徴です。
提供元 | KAGURA株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 勤務計画、時間外勤務・休暇申請、承認や差戻処理、休暇取得状況の確認、連携データの出力、打刻、帳票作成、勤務スケジュール管理、外部連携など |
URL | 公式サイト |
医療機関が勤怠管理システムを導入するメリット
医療機関に勤怠管理システムを導入すると、業務効率化やスタッフの負担軽減など、多くのメリットがあります。ここでは具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。
勤怠管理の効率化・適正化を実現できる
勤怠管理システムを導入してデジタル化することで、勤務時間の正確な把握や集計が可能となり、手作業による入力ミスを減らすことができます。シフト作成や調整の手間を省き、勤怠管理の効率化と適正化を実現できるでしょう。
特に医療機関はシフトパターンが複雑なことが多いため、システム導入による業務の自動化は、管理者とスタッフ双方の負担を大きく軽減する効果を見込めます。
様式9を簡単に作成できる
勤怠管理システムに様式9作成機能が備わっている場合、看護師の人数や勤務時間などを管理するための様式9を簡単に作成することができます。
様式9は1枚の様式の中で最大19項目も計算・管理を行わなければならず、管理者の負担が重く、ミスも起こりやすいといえます。そこでシステムによって自動化することができれば、業務効率が格段に向上するでしょう。
労基法を遵守した労務管理ができる
勤怠管理システムを導入することのメリットは、有給管理の適正化や長時間労働の有無をリアルタイムで把握できるようになる点にもあります。労働基準法を遵守した適切な労務管理を行えるようになるでしょう。
特に医療機関では、スタッフの勤務が不規則になりやすいため、法定労働時間を超える労働や有給休暇の未消化を防ぐことが重要です。システムを活用することで、効率的な労務管理が実現し、スタッフの働きやすさも向上します。
病院向け勤怠管理システムを導入し適切な労務管理を実現しよう
病院における労務管理には、シフトの複雑さや長時間労働など、多くの課題があります。勤怠管理システムを導入すれば、勤務時間の正確な把握や労働基準法の遵守、業務の効率化が可能になります。病院の特性に合ったシステムを選び、適切な労務管理を実現しましょう。
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