勤怠管理とは?目的や重要性・管理項目や方法をわかりやすく解説!
勤怠管理は労務担当者にとって欠かせない業務のひとつです。しかし、多様な働き方が認められる一方で、勤怠を管理する側にとっては、その業務がより煩雑になっています。 本記事では勤怠管理とはそもそも何か、その重要性や管理項目、さらには勤怠管理システムについて解説します。
監修者 内山美央 うちやま社会保険労務士事務所 代表 大学卒業後、人事部向けのサービスを展開するベンチャー企業に入社。新卒3年目で社会保険労務士の資格を取得。労務管理全体のアドバイスができる営業担当として、人事システムの導入・運用コンサルティングに従事。その後大手事業会社にて、企業人事兼勤務社労士として人事制度改革、労務DX、ダイバーシティ&インクルージョン推進含め、幅広く人事労務業務を担当。独立開業後は、HRテック出身を活かしたITサービス導入による業務効率化と、人事部経験を活かした多様な働き方支援ができることを強みとしている。 公式HP:うちやま社会保険労務士事務所
目次
勤怠管理とは?
勤怠管理とは、企業が従業員の出退勤時間や休暇の取得状況などを管理して、労働時間を把握することです。
具体的には、従業員それぞれに以下の項目を管理します。
- 労働日数
- 始業・終業の時刻
- 休憩時間数
- 労働時間数
- 時間外労働時間数
- 深夜労働時間数
- 休日労働時間数
- 有給休暇の取得日数・残日数
- 欠勤日数
- 遅刻早退時間数・回数
管理の方法としては、小規模な事業者であれば、印字式のタイムカードや自社独自の勤務表などをエクセルファイルで作成し、活用しているケースも多いでしょう。
しかし、これらの方法は、集計作業も含めると、非常に手間と時間を要する業務となっています。そのため、多数の従業員を雇用している企業においては、Web画面上やICカードを使って打刻・集計ができる勤怠管理システムを導入し、勤怠管理を行っているのが一般的です。
勤怠管理と就業管理はどう違う?
勤怠管理と似た言葉に「就業管理」があります。
勤怠管理が従業員の労働時間や休暇など、労働状況の実態を数値で正確に把握し管理するものであるのに対し、「就業管理」は、法律やその企業の就業規則に従って従業員が業務に従事しているか働き方を統括的に管理するものです。
同じ意義として使われることもありますが、本来の意味と目的は上記のように異なりますので、注意しましょう。
勤怠管理の必要性
企業には、従業員の労働時間や労働状況について正確に把握する義務があります(労働安全衛生法第66条8の3)。さらに労働基準法には、労働時間の基準として以下の定めがあります。
①使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。②使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
[出典:e-Gov 労働基準法第32条]
上記のとおり、労働時間は原則として「1日8時間、週40時間まで」と、法律で明確に定められており、特例として認められている時間外労働に関しても、別途上限が定められています(労働基準第36条 第6項)。そして、これらの法令に違反した場合は、企業に対し罰則が科せられることもあるのです。
また、勤怠管理は、法令遵守のためだけでなく、残業代や休日手当などを正しく給与に反映するためにも、正確に把握できなければなりません。
このようなことから勤怠管理は、従業員を雇用する企業にとって不可欠な業務なのです。
▷労働時間の把握は使用者の義務!労働基準法を遵守した勤怠管理とは?
(1)法律上の義務
先にお伝えしたように、勤怠管理には、主に労働基準法と労働安全衛生法の2つの法律が関係します。
まず、企業は、原則として労働基準法で定められている労働時間を守らなければなりません。それ以上の労働、つまり時間外労働を命じる場合は、時間外労働・休日に関する労使協定(36協定)を締結し、管轄の労働基準局への届け出が必要です。
ただし、この場合でも、時間外労働の上限を超えた労働をさせることは、労働基準法によって禁じられています。
また、労働安全衛生法にて定められた「従業員の労働時間の適正な把握」については、その把握方法に関しても、「客観的」であることが求められています。
客観的な方法とは、タイムカードやICカード、パソコンの使用履歴といった記録から確認することであると厚生労働省が策定したガイドラインにて定められています。勤怠管理を行う上で、この点についても注意しなければなりません。
(2)労働時間と休暇取得状況の把握
勤怠管理では、従業員一人ひとりの労働日数、労働時間、時間外労働、休日出勤など、勤怠に関するすべてを把握します。
法律によって、企業に勤怠管理が義務付けられている理由には、一つ、過重労働を防止する目的があります。これに関連し、年次有給休暇が10日間以上付与されてる従業員に対しては、年5日の休暇取得を義務とする法令も、2019年4月より施行されました。
政府が推進する働き方改革に向け、従業員にとっての「働きやすい環境の実現」は、健全な企業としての在り方としても求められているのです。
(3)正確な給与計算
当然ですが、正確な給与計算を行うためにも、従業員の労働時間を適正に把握することは必要です。時給者は労働時間が間違っているとダイレクトに給与計算に影響が生じます。また、月給者の場合も企業が割増賃金を支払う必要がある時間外労働や休日労働、深夜労働を正しく把握しなければなりません。
この割増賃金の未払い、いわゆる「残業代の未払い」は、よくある労使間のトラブルのひとつです。
こうしたトラブルは従業員の離職や企業のイメージダウンを招くだけでなく、裁判にまで発展することもあり、それにより生じるリスクは看過できるものではありません。このような問題を発生させないためにも、勤怠管理は必須なのです。
(4)時間外労働の上限規制などの法令遵守
働き方改革が推進されている現代においては、法改正によって、時間外労働に関する規則が厳格化されました。また、法令を遵守しない企業に対する社会の目も厳しくなっています。
法律違反を行わないためには、勤怠管理で各従業員の勤務時間を正確に把握し、規定の時間外労働時間を超えないよう労働環境を整えなくてはなりません。
ちなみに、労働時間に関する規定に違反した場合は、企業に対して6か⽉以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
これは、違反した従業員一人あたりに対する罰則ですので、10人の従業員に対して違反が認められた場合には、最大300万円の罰金が科せられる可能性があることになります。
(5)従業員の心身の健康維持の目的
長時間労働の常態化といった過重労働は、最悪の場合、過労死を招くこともある深刻な問題です。
時間外労働の上限規制や有給休暇の取得義務化は、このような重大な問題を未然に防ぎ、勤従業員が心身ともに健康な状態で働ける環境づくりを促進するためのものでもあります。
そして、そのような環境づくりを目指す上で欠かせないのが、勤怠管理です。企業は、従業員の労働状況を適切に把握し、万が一、過重労働などが発生してしまいそうな場合も早期に発見し、即座に対策を講じることができる体制を整えておくことが重要です。
(6)適切な人事評価の目的のため
人事評価では、従業員の業績や能力に加えて、貢献度などを計るために勤怠状況なども考察に加味するケースが一般的です。このとき正確な勤務時間数が確認できなければ、評価に偏りが生じる恐れがあるでしょう。
人事評価は従業員の給与やモチベーションを左右する重要な項目です。そのため、企業は、公平性、客観性、透明性を保たねばなりません。
適正な人事評価がなされていないと、従業員は会社に対する信用を失ってしまい、離職者が増加するリスクがあるため注意が必要です。
勤怠管理は、適正な人事評価を行うために不可欠な業務でもあるといえるでしょう。
勤怠管理の管理項目の対象
勤怠管理の対象になるのは従業員で、業種による区別はほぼありません。ここでは、厚生労働省による管理対象を解説します。
(1)事業所
対象は「労働者を雇用しており、労働基準法が定める労働時間の規定が適用されている事業場」です。
対象とならないのは、加工や販売を伴わない農業や水産業のみとされています。農漁業が対象外である理由は、天候や自然の影響で仕事が左右される業種であることです。
(2)従業員
企業は、管理監督者を除く、雇用するすべての従業員に対して労働時間・時間外労働時間等の管理を行う必要があります。除外の対象となる管理監督者とは、企業の経営陣や労務管理において一定の責任がある管理者のことで、時間外労働や休日出勤の適用を受けません。
ただし、管理監督者においても、深夜労働時間の割増賃金が適用されること、および、従業員の心身の健康確保といった安全配慮義務の観点から、2019年4月より管理監督者の労働時間の把握も必要になりました。そのため、すべての従業員に対して勤怠管理は行わなくてはなりません。
▷労働時間管理とは?従業員の正しい勤怠情報を把握するためのポイント
勤怠管理の重要性
適正な勤怠管理を行うことで、企業は、労働関連の法令を守る義務を果たすことができ、さらには正確な給与計算が可能になります。また、これらの課題の解消は、長時間労働の是正や残業代未払いといった従業員とのトラブル回避にもつながるでしょう。
正確な給与の支払いは、企業と従業員が信頼関係を構築する上での重要な要素でもあります。また、長時間労働を発生させない環境づくりや休暇取得の促進といった、従業員視点での勤怠管理は、従業員の企業に対するロイヤリティを高め、離職を防ぐといったメリットも得られます。
企業全体の生産性を上げるためにも、勤怠管理はとても重要な役割を持つ業務なのです。
企業が労働時間を適正に把握することは、長時間労働を是正するための最初のステップです。働き方改革に取り組む上でも、まず現状を把握しなければ自社に必要な施策を講じることはできません。従業員が健康で安心して働ける環境を作ることは、生産性を高め、より良い企業へ発展することに繋がります。働き方が多様化する中で、各従業員をしっかり見ていくため、勤怠管理の重要性はますます高まっていくことでしょう。
勤怠管理の注意点
多様化する働き方に対応するためや、幅広い人材確保などの観点から、テレワークやフレックスタイム制を導入する企業は、近年では珍しくありません。このような、働き方の変化に対応するためには、勤怠管理の上で注意しなければならない点もあります。
(1)テレワーク
オフィスに出社しないテレワークの場合、従来の印字式のタイムカードなど、オフィスに設置されたシステムでの勤怠管理はできません。
テレワーク時には、メールなどで、都度出退勤を共有しているケースもありますが、この方法で多数の従業員の勤怠管理をするには、相当な手間がかかり、ミスにつながりかねません。また、ガイドラインに定めのある「客観的方法での把握」の上でも、不十分であると判断されるリスクがあるでしょう。
そのため、テレワークを導入する多くの企業では、勤怠管理システムを活用しています。GPS連携や顔認証などの機能があるシステムを選ぶことで、虚偽の打刻を防ぐこともでき、テレワークにおいても、正確な勤怠管理を行えるようになります。
▷テレワーク時の勤怠管理の重要性と課題とは?原因や解決方法も解説!
(2)扶養控除
アルバイトやパートのなかには扶養から外れない範囲で働きたい方もいます。なぜなら、社会保険や所得税において、家族や親族が「被扶養者」の条件に該当すると、扶養者は扶養控除という減額措置を受けられるからです。
それぞれの被扶養者条件は以下の通りです。
- 所得税:年間の合計所得が48万円(給与所得の場合は103万円)以下
- 社会保険(年金・健康保険):年間収入が130万円未満、かつ被保険者の年間収入の2分の1未満
企業は、扶養範囲内での労働を希望する従業員に対し、これらの上限を超えそうな場合には、労働時間の短縮を促すなど対策をする必要があります。
ただし、扶養控除範囲内での労働時間の管理は、あくまで従業員個人の問題です。上記のような対策は、善意による措置として行うもので、企業にとっての義務ではありません。
(3)フレックスタイム制
フレックスタイム制は、一定の期間(清算期間)に定められた総労働時間の範囲内で、日々の労働時間を従業員が自由に決めることができる勤務形態のことです。この清算期間は1ヶ月とされる企業が大半ですが、最長で3か月まで可能です。
フレックスタイム制の場合、当然のことながら、出退勤の時間は従業員によって異なります。従業員にとってはメリットの大きい自由度の高さですが、勤怠管理においては、労働時間の管理を一気に複雑化させる要因となってしまいます。
この場合も、正確な勤怠管理や給与計算を行うのであれば、勤怠管理システムの導入が現実的であるといえるでしょう。
▷フレックスタイム制における正しい勤怠管理とは?重要性や注意点も解説
勤怠管理の方法
厚生労働省が定める「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」において、労働時間の把握は、企業側が自ら確認・記録でき、タイムカードやICカードなどの機械を用いた客観的な記録によって確認、記録することが求められています。
なお、これらの方法が利用できない状況においては、例外として従業員からの自己申告も認められています。
ここでは、勤怠管理の方法について、詳しく解説します。
(1)タイムカード
タイムレコーダーに専用のタイムカード用紙を入れて時間を印字し、出退勤の時刻を記録する方法で、機械を用いた勤怠管理の方法として一般的です。
ただし、タイムカードは社内の人間であれば誰でも打刻ができるため、不正防止の対策をしなければなりません。また、打刻忘れなども生じやすいため、定期的に間違いがないかチェックする必要があります。
▷手書きのタイムカードはもうNG?問題点や最新の勤怠管理方法を解説
(2)Excel表
Excelを使っての勤怠管理をする大きなメリットは、費用をかけずに残業時間や労働時間の集計といった勤怠管理が行える点です。
Excelはほとんどの企業において導入されている表計算ソフトのため、改めて使い方を学ぶ必要などもないでしょう。
自社で一から勤怠管理表を作成することも可能ですが、出勤簿の無料テンプレートなどがオンライン上に多数あるため、それらを入手してカスタマイズするのも一つの方法です。
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(3)出勤簿
中小企業では、労働者が自分で出勤簿に勤怠状況を記録して提出することも少なくありません。しかし、この方法は、厚生労働省が定める「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」ではやむを得ない場合の措置とされています。
タイムカードやICカードによる勤怠管理が行えず、やむなく自己申告制を採用する場合は、従業員に事前に周知をし必要に応じて実態調査を実施しなければいけません。
(4)勤怠管理システム
勤怠管理システムとは、出退勤の打刻や時間労働や休日出勤の記録、シフト作成、労働時間の集計など、勤怠管理に関する業務全般を支援するシステムです。
勤怠管理システムには、自社のサーバーを利用して勤怠管理システムを構築する「オンプレミス型」と、クラウドサーバー上に構築されたシステムにアクセスして使用する「クラウド型」があります。
テレワークや、外回りなどのオフィス外での業務の勤怠管理を行いたい企業には、場所を問わずに利用できるクラウド型の勤怠システムが適しています。
さらに、クラウド型の勤怠システムは、PCやタブレット端末からの打刻のほか、さまざまな打刻方法を選ぶことができます。以下に、その一例を紹介します。
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ICカードによる打刻
出退勤時に従業員が持つICカードを専用端末へかざし、その時間をデータで記録する方法です。
このシステムの中には、ドアの開錠システムと連携することで入退室管理と勤怠管理を同時に行える勤怠管理システムもあります。このような機能の活用することで、打刻忘れを限りなくゼロにするといった取り組みが可能となるでしょう。
ただし、ICカードによる打刻を採用する場合は、従業員全員のICカードを準備し、専用端末を導入しないといけないこと、テレワークやオフィス外での業務には利用できないことなどのデメリットがあります。
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生体認証による打刻
生体認証とは、顔認証や指紋認証、虹彩認証などを用いて本人確認を行った上で打刻をする方法です。生体認証は、すでにスマートフォンや銀行のATMなどでも採用されていますが、勤怠管理でも利用が可能となっているのです。
生体認証では本人の身体的特徴を読み取るため、なりすましによる打刻は不可能になります。ICカードなどの不携帯や紛失による、打刻漏れやトラブルがなくなる点もメリットといえるでしょう。
勤怠管理システムの導入メリット
勤怠管理システムには、従業員の労働時間の管理や給与計算が容易になることや、コンプライアンスの強化、コスト削減、不正防止、管理職の負担軽減など、さまざまなメリットがあります。
特に、より良い働き方を実現するために行われてきた労働関連の法改正は、労務担当者にとって、従業員として嬉しい反面、頭の痛い問題でもあります。それは、そのたびに法令の内容を正しく理解し、法令に則った管理ができるよう業務フローを変更する必要がでてくるからです。
その点、勤怠システムの多くは、法改正があった際には、自動的にシステムがアップデートされ、最新の法令を遵守した勤怠管理ができるようサポートしてくれます。
複雑化する勤怠管理の上では、このようなサポートは労務管理の強化と業務の効率化の両立を実現する大きなメリットとなるでしょう。
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勤怠管理システムの選び方
勤怠管理システムの導入を検討してはいるものの、多種多様なシステムが存在するため、自社に合った勤怠管理システムを、どのように選べばよいのか迷ってしまうこともあります。
ここでは、これから勤怠管理システムの導入を検討している企業のために自社に合った勤怠管理システムの選び方を解説します。
(1)クラウド型かオンプレミス型
先に、勤怠管理システムには「クラウド型」「オンプレミス型」があることをお伝えしました。
「クラウド型」は、場所を問わず勤怠管理が可能になる特徴のほか、システムの開発や大規模な端末の導入などが不要なため、初期費用をあまりかけずに短期間で導入できる点がメリットとしてあげられます。
オンプレミス型は社内にサーバーやネットワークなどの環境を用意し、自社システムを構築する方式です。費用や日数がかかりますが、自社のニーズを反映したシステムを構築できる点がポイントです。
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(2)既存システムとの連携ができるか
勤怠情報は、従業員の人事情報や給与計算などにも用いられます。そのため、既存の人事・給与計算システムと連携できる勤怠管理システムを選ぶと、労務管理全体の業務を包括的に効率化することが可能です。
例えば、勤怠管理システムで集計した勤務時間数データを、給与計算システムに取り込み自動で給与を算出することで、給与システムへの勤怠情報の入力作業が不要になります。
手作業の手間や入力ミスがなくなるだけでなく、それに伴う、確認作業も軽減できるため、大幅な業務時間の短縮が図れるでしょう。
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(3)セキュリティ面
勤怠管理では給与情報などの個人情報を含むため、セキュリティ面でも対策が重要です。
オンプレミス型は自社にてシステムを構築して運用するため、セキュリティ面における安心感があるのは事実です。
一方、クラウド型の場合はセキュリティ対策を契約した勤怠管理システム事業者に、情報の管理を委ねることになります。サイバー攻撃や情報漏洩のリスクに不安を感じる場合もあるでしょう。
クラウド型を検討する場合は、アクセス制限や暗号化通信、マルウェア対策などのセキュリティを搭載しているシステムを探す必要があります。
(4)対象範囲や就業規則への対応
勤怠管理システムを選ぶときには、対象範囲(利用人数、職種の多さ、シフトの有無、拠点数など)を明確にしておき、自社の事業形態に対応できるシステムであるかを確認する必要があります。
特に大企業では、職種や雇用形態、勤務形態などが多岐にわたります。そのため、自社の勤務体制に合わせた対象範囲や就業規則の内容をシステムに反映したカスタマイズが可能かどうかをチェックしましょう。
(5)スマートフォンなどの端末が対応可能かどうか
リモートワークを導入している場合や、営業先への直行直帰などが多く発生する場合は、出退勤の打刻もオフィス外の場所で行わなければなりません。そのため、スマートフォンなどの端末に対応できる勤怠管理システムが有効です。
時間や場所を問わずにリアルタイムで勤怠管理ができ、別途申請手続きなどを行う手間が省けます。
(6)どのようなサポート体制があるか
選ぶ際には、困った時のサポート体制を重視したいという企業もあるでしょう。ただし、勤怠システムのサポート、特にクラウド型のシステムに関しては、サポートスタッフが訪問対応してくれるものもあれば、サービスへの問い合わせはチャットやメールのみで受付といったものまでさまざまです。
サポート体制は一律ではありませんので、どういったサポートを望むのか、また、そのサポートに対応しているのかは、事前に確認しておく必要があります。
勤怠管理の重要性や管理項目を今一度見直してみよう
本記事では、勤怠管理の目的と重要性について解説しました。勤怠情報は、給与計算や人事評価にも用いられる重要な事項です。時間や場所を問わずに打刻できる勤怠管理システムであれば、業種や勤務形態によることなく、正確な勤怠管理ができるようになります。
自社に合ったシステムを選び、正しく勤怠管理を行っていきましょう。
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未払い残業に関するトラブルが裁判となってしまった場合、付加金や遅延損害金など、本来の残業代以上の支払いを命じられるリスクが生じます。また、実際の判例では、「労働時間の算定方法が適切か」「労働時間が不明瞭ではないか」といったことが争点になりました。これらのトラブルを未然に防ぐことはもちろんですが、起こってしまった場合も裁判で不利となる状況を防ぐためにも、勤怠管理を適正に行うことが重要となっています。