海外勤務の勤怠管理はどうする?注意点や英語対応のおすすめツールを紹介

最終更新日時:2023/01/26

勤怠管理システム

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海外勤務の場合、日本と現地の企業のどちらで勤怠管理をすべきなのか迷われるケースがあるかと思います。そのほかにも、時差対応や、そもそも日本の労働関連法令が適用されるのかどうかなど分からない点も多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、海外勤務の勤怠管理において注意すべき点や英語対応のおすすめツールを紹介しています。

海外勤務の従業員の勤怠管理はどうすべきか

事業をグローバルに展開している企業では、従業員の海外勤務も多く発生するはずです。一口に海外勤務と言っても、出張や出向、転勤などの形態によって勤怠管理や給与計算を誰が行うべきかが変わってきます。ここでは、4つの勤務パターンについて確認していきます。

海外出張の場合

海外出張は、ある業務を行うために、短期間、海外の勤務地へ赴き、現地で仕事を行うことです。

出張の場合、一般的には、日本企業の指揮命令に従って海外勤務を行うため、日本の労働関連法令が適用され、日本で働くのと同じように労働時間や休暇管理といった勤怠管理が必要となります。

就業時間も、原則として国内と同じルールが適用されますが、念のため、出張先での勤務時間は出張先の時間帯に準ずるといった取り決めを就業規則に記載しておくと安心です。

そのほか、移動時間が長時間に渡る場合や出張先での時間外労働が必ず発生するであろうと想定される場合では、労働時間の実態把握が困難となるため、海外出張時の「みなし労働時間」についてをルール化し、あらかじめ就業規則に記載しておくのがいいでしょう。

海外転勤・駐在の場合

海外の支店や営業所に所属を移す海外転勤や駐在は、一般的に出張よりも長期間(主に1年以上)に渡る海外勤務を意味しています。

この場合、勤怠管理や労働に関わる法令に関しては、赴任先の国の法令が適用されることが原則です。ただし、現地の事業所に指揮命令の機能がなく、日本の企業の指揮命令のもと働いていると認められる場合は、労働基準法が適用されるケースもあります。

海外出向の場合

海外出向とは、日本の企業に所属しながら海外の現地企業の命令指揮のもと、業務を行う勤務形態のことを指します。

出向では、労働時間や就業場所など日々の労働に関する管理を行うのは現地企業(出向先企業)で、解雇・退職など地位に関わる部分は日本企業(出向元企業)となるケースが一般的です。このため、労働や勤怠に関わる法令については出向先の国の法令が適用されます。

給与の支払いを出向先と出向元のどちらが行うかは場合によって異なります。そのため、勤怠管理は、給与を支払う側が行うことになります。

海外企業と雇用契約を結ぶ場合

日本企業との雇用契約を終了し、新しく現地の海外企業と雇用契約を結ぶ場合です。転籍とも呼ばれるこの形態は、形式上は日本の企業を退職したことになりますので、当然、命令指揮や勤怠管理、給与の支払いは新たに契約した会社が行います。

現在勤めている国内企業から、海外企業へ籍を移動することから、海外転籍とも呼ばれます。

以上の4パターンとなりますが、出張と出向に関しては、あくまでどちらの企業が命令指揮を行っているのかの実態によって判断されます。

会社で出張の辞令を出していたとしても、命令指揮関係などの状況判断により、出張とはみなされない場合もあるので注意しましょう。

海外勤務の場合の勤怠管理の注意点

海外勤務の場合の勤怠管理で、注意すべきポイントを3つご紹介します。

時間外労働・休日出勤は原則ないものとして計上する

時間外労働や休日労働を命令した場合を除き、海外出張中の時間外労働や休日出勤はないものとして扱うのが一般的です。

前述の通り、時差や移動時間などの理由から、実労働時間の正確な把握が難しいため、みなし労働時間制が採用される場合も多くあります。その場合は、必ずその旨を就業規則に記載するようにしましょう。

移動時間は労働時間に含めない

移動時間の取り扱いについては、労働時間としてカウントしないという考え方が一般的です。これは、実際の過去の判例においても同様の見解を示しています(横河電機事件 東京地裁 平6.9.27判決)。

ただし、国内の移動と比べて、海外への移動は時間も長く、心身の負担もかかるため労働時間とすべきという見方もあります。

海外勤務の勤怠管理ができるシステムのポイント

海外勤務時の勤怠管理システムを選ぶ際は、以下の3つのポイントに注意しましょう。

時差に対応している

海外のタイムゾーン(時差)に対応している勤怠管理システムを選ぶことで、労働時間の管理もしやすくなります。

海外出張などの機会が少なく、かつ少人数であれば手動でも対応できますが、該当者が多数いると労務の負担が大きくなってしまいます。海外出張の頻度や人数、期間などを考慮して時差に対応した勤怠管理ツールを使いましょう。

多言語に対応している

海外勤務先が英語圏でない場合もそうですが、グローバルに事業を展開している企業では、海外勤務だけでなく、日本語を母国語としない従業員が勤怠システムを使うこともあるでしょう。勤怠管理システムには、英語やそのほかの言語に対応しているものもあります。

また、アカウントごとに表示する言語を切り替えられる勤怠管理ツールもあるので、使用目的に合わせて選びましょう。

クラウド管理できる

クラウド型の勤怠管理システムであれば、国内外を問わず、どこからでもアクセスが可能です。特に、長期に渡る出張の場合、毎日の出退勤の時間を、その都度、もしくは、帰国後にまとめて報告するとなると、それだけで、出張者本人だけでなく、労務の担当者も管理に手間を要することになります。

また、海外勤務時でもテレワーク・リモートワークの実施を指示されることも考えられるでしょう。こうした場合でも、クラウド管理型の勤怠管理ツールなら、場所やツールの制限を受けることなく、すぐに対応可能です。

英語対応の勤怠管理システムを導入すべき企業

英語をはじめ、必要に応じてそのほかの言語に対応した勤怠管理システムを導入すべきなのは、以下のような企業です。

外国人労働者を雇用している

外国人労働者を雇用している企業は、日本語以外の多言語に対応した勤怠管理システムが必要です。外国人の雇用は気をつけるべき法律も多く、より慎重な勤怠管理をしなくてはなりません。

コミュニケーションを円滑に取るためにも、英語やそのほかの言語に対応していることは必要な機能なのです。また、多言語対応かつ、従業員自らが表示する言語を指定できるシステムを選ぶとより親切です。

海外出張や出向が多い

海外拠点がある、海外企業との取引があるなど、従業員を海外出張や出向させる機会が多い企業も、多言語対応の勤怠管理システムは欠かせないでしょう。

使用する現地の言語に対応したシステムであれば、現地のスタッフとも勤怠管理に関するやり取りがスムーズに行えます。また、多言語対応のシステムは、タイムゾーンの設定に対応しているものもあるため便利です。

今後海外への進出を考えている

海外への進出を考えている企業は、今後のことを想定して英語対応の管理システムを選んでおくと良いでしょう。あらかじめ選んでおけば、海外拠点を作ったり、出張や出向が増えたりした際にもシステムを変更する手間もありません。

より積極的に海外へ打って出るのであれば、英語だけでなく多言語に対応したものがおすすめです。

英語対応!おすすめの勤怠管理システム5選

最後に、英語対応のおすすめ勤怠管理システムを5つご紹介します。

1.ジンジャー勤怠

ジンジャー勤怠は、さまざまな打刻方法やシフト管理、アラート機能などに対応した勤怠管理ツールです。英語だけでなく、インドネシア語、タイ語、ベトナム語など5ヵ国語に対応。海外勤務時はもちろん、外国人の雇用時にも便利です。

ジンジャーには勤怠管理以外にもバックオフィス業務のさまざまな機能が揃っており、人事管理・給与計算・経費精算など人事関連から、電子契約やWeb会議などオンラインツールも一元化できます。勤怠管理ツールは1ユーザーあたり月額400円という低価格も魅力です。

対応言語英語、インドネシア語、タイ語、ベトナム語
時差対応×

公式サイトはこちら

2.KING OF TIME

KING OF TIMEは、英語設定とタイムゾーン設定による時差対応で海外勤務の勤怠管理を効率化できる便利なツールです。複数の海外拠点に従業員が在籍している場合でも、勤務状況の確認や管理が可能。グローバルな一元管理が行えます。

海外企業が導入を検討している場合、シンガポールの現地法人「Huubap(フーバップ)社」に相談できるなど、海外向けのサポートも充実。初期費用不要で、1ユーザーにつき月額300円というわかりやすい価格設定も魅力です。30日間の無料体験ですべての機能が試せるので、実際に使ってみて検討するのも良いでしょう。

対応言語英語
時差対応

公式サイトはこちら

3.ジョブカン勤怠管理

ジョブカン勤怠管理は、多様な打刻方法やシフト管理、プロジェクト・タスク管理など勤怠管理や周辺業務の管理を一元化できる勤怠管理システムです。

画面上の表示言語を英語のほか、韓国語、スペイン語、タイ語、中国語(簡体字・繁体字)、ベトナム語に切り替えられます。切り替えは管理者だけでなく従業員も自由に行えるため、外国人を雇用する際にも便利です。

出勤管理やシフト管理など、使いたい4つの機能に合わせて1ユーザーあたり月額200円から利用できます。30日間の無料お試しではすべての機能が使えるので、実際に使用してからプランを選ぶのもいいでしょう。

対応言語英語、韓国語、スペイン語、タイ語、中国語(簡体字・繁体字)、ベトナム語
時差対応

公式サイトはこちら

4.Teamspirit

Teamspiritは、勤怠管理や工数管理、経費精算などはもちろん、ダッシュボード機能を使った働き方の「見える化」もできる総合的なクラウド型のバックオフィスシステムです。対応している言語は英語や中国語、ドイツ語など豊富で、ユーザー単位で簡単に画面表示が切り替えられます。

月額料金は1ユーザー600円からですが、50ライセンス以上の契約が必要です。また、初期費用も150,000円〜と導入コストがかかりますが、充実したサポート体制は魅力です。

対応言語英語、中国語(簡体字・繁体字)、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語など
時差対応

公式サイトはこちら

5.リシテア/就業管理クラウドサービス

リシテア/就業管理クラウドサービスは、多様な打刻方法に対応し、適切な労務管理のためのアラート通知も行える勤怠管理ツールです。画面表記は英語に対応。労働条件も細かく設定でき、出張中や出向などの勤怠管理にも便利です。

シンプルな画面で使いやすいため、システムに慣れていない人でも簡単に入力できます。ただし、外国語対応はプレミアムのみの機能なため注意が必要です。

対応言語英語、他(プレミアムプランのみで使用可能)
時差対応×

公式サイトはこちら

グローバル対応の勤怠管理システムを導入しましょう

海外出張や海外出向中の勤怠管理は、とても複雑です。そこで活用したいのが、勤怠管理システム。ここで紹介した勤怠管理システムは英語やそのほかの言語に対応しているものもあるため、海外勤務の際の勤怠管理にも対応が可能です。

また、これらの機能は、外国人を雇用している場合にも便利です。すでにグローバルに事業を展開している企業はもちろん、これから海外進出を考えている企業は、グローバル対応の勤怠管理システムの導入を検討しましょう。

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ビズクロ編集部
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