勤怠管理での正しい休憩時間のルールとは?注意点や管理方法まで解説

2022/2/13 2022/02/16

勤怠管理システム

休憩をとるビジネスマン

勤怠管理において、休憩時間が正しく取得されているかどうかを把握することは、働きやすい環境整備の面だけでなく、労務コンプライアンスの観点からも重要です。 しかし、実際には、社員一人ひとりの休憩時間を会社側が正確に把握するのは難しいこともあるでしょう。そこで今回は、管理者として留意すべき勤怠管理の休憩時間のルールや注意点、管理方法を解説します。

勤怠管理における休憩時間の定義

勤怠管理における休憩時間とは、労働者が労働から完全に開放され、休憩のために自由に使える時間のことを意味しています。

休憩を取らずに何時間も連続で労働を行うと、精神的、肉体的な疲労から労働者が体調に支障をきたしたり、業務効率が下がったりする可能性があります。さらには、疲労から集中力を欠いてしまい、労災につながってしまう事態を招くこともあるのです。

仕事を効率的に行う目的のほか、労働者の健康を守るためにも休憩時間が必要とされています。

労働基準法第34条で休憩の付与は義務付けられている

休憩時間の付与は、労働基準法34条で下記のように義務付けられています。

(休憩)
第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
② 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
③ 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

[出典:e-Gov 労働基準法 第三十四条]

また、具体的な休憩時間については、上記条文にもあるように、以下の通りに定められています。

  • 6時間以内の労働:休憩時間は不要
  • 6時間を超え、8時間以内の労働:45分の休憩
  • 8時間を超える労働:1時間の休憩

これらの時間は最低ラインを示すものなので、6時間以内の労働に対して休憩を与えても、8時間を超える労働に1時間以上の休憩を与えても違法とはなりません。また、労働時間が8時間をどれだけ超えても、最低休憩時間は1時間です。

休憩時間は分割して与えても良い​​

6時間以上の労働に対して付与すべき休憩時間は、一括でも、分割して与えても構いません。例えば、労働時間8時間を超える労働者に対し1時間の休憩を与える場合、30分を2回、もしくは、45分と15分などに分けて与えることも可能です。

また、残業によって必要な休憩時間が変化する場合もあります。所定労働時間が8時間の場合は、45分の休憩で問題ありません。ただし、その者に1時間の残業を命じた場合は、8時間以上の労働となりますので、別途15分の休憩時間を労働時間内で与える必要がでてきます。

勤怠管理における正しい休憩時間の3つのルール

労働者の休憩を正しく管理するためには、時間だけでなく、次の3つのルールも厳守する必要があります。

休憩時間中は労働させてはいけない

休憩時間中には、労働させてはいけないというルールがあります。休憩時間の利用について、労働基準法第34条では、以下のように記載されています。

③ 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

[出典:e-Gov 労働基準法 第三十四条三項]

そのため、休憩時間に労働を命じたり、合理的な理由もなく行動を制限したりするのは、違法となります。一方で、労働者側も休憩時間内であれば、何をしてもいいというわけではありません。会社内で休憩する場合は、オフィスの規律や管理上のルール、就業規則上のルールなどに従う必要がありますし、飲酒などの社会通念上問題となる行為もできません。

また、休憩時間は労働時間外とみなされるので、賃金は発生しません。やむを得ず休憩時間内に仕事を依頼する場合は、改めて休憩を与える必要があります。

休憩時間は労働時間の途中で付与されなければならない

休憩時間は、必ず労働時間の途中で与えなければなりません。例えば、連続して8時間の労働をした後に45分の休憩を取ったとしても、法的には休憩時間として認められません。

それは、長時間の継続労働の後に休憩時間を与えても、本来の休憩の目的が果たされていないからです。労働基準法を遵守していることにならず、罰則の対象となるので注意が必要です。休憩時間は、必ず労働時間の途中に与えるようにしてください。

休憩時間は原則一斉に与えられる

労働基準法第34条2項に記載されている通り、休憩時間は原則、一斉に与えられるべきものですが、但し書きとして、労使協定が締結されている場合は、その限りではない旨も記載されています。

そのため、みなし労働時間制やフレックスタイム制を採用している場合、交代で休憩時間を与えたい場合などは、あらかじめその旨を労使協定で結んでおけば、一斉付与を遵守しなくても問題ありません。

その他、以下のような特定の業種は、一斉付与の適応が除外されています(労働基準法別表第一)。

  • 運輸交通業
  • 商業
  • 金融、広告業
  • 映画、演劇業
  • 通信業
  • 保健衛生業
  • 接客、娯楽業及び官公署

これは業種の性質上、利用者の利便性が考慮されているためです。

分割して休憩時間を取っても良い

定められた休憩時間や上記3つのルールを遵守していれば、休憩は一括でも分割して取っても問題ありません。ただし、分割しすぎて一度の時間が短くなると休憩の意味が薄いとみなされる場合があります。

休憩の本質は労働者のリフレッシュのための時間ですので、労働者が適切な休憩時間を取れるよう配慮しなくてはなりません。

休憩時間の勤怠管理の方法

休憩時間の勤怠管理の方法はさまざまです。業種や勤務体系、従業員の人数に合わせて、適切なものを選ぶ必要があります。主な管理方法を3つ確認していきましょう。

エクセルに休憩時間を入力する

休憩時間の勤怠管理方法の1つとして、エクセルで管理表を作成し、入力する方法があります。エクセルであらかじめ数式やマクロを組んでおけば、始業時間と終業時間を入力するだけで定められた休憩時間が計算されるので便利です。

自動で計算されるため、一度、表が完成してしまえばシステム上でのミスは起こりにくいでしょう。ただし、入力自体は手作業であるため、ヒューマンエラーが起こる可能性があること、また、ファイルの特性上、複数人での作業には向かないといったデメリットがあります。

タイムカードで打刻する

タイムカードの打刻も管理方法の1つです。エクセルでの管理よりも、始業時間と終業時間が正確に把握できます。

ただし、タイムカードでの管理は、打刻された時刻をもとに電卓で計算したり、管理表への転記作業も発生します。最終的に手作業で行う工程が多いため、計算ミスや転記ミスが発生するリスクがあります。

また、打刻忘れや打刻ミスの処理、タイムカード原本の保管などの対応も必要です。

勤怠管理システムで自動計算する

勤怠管理のもっとも効率的な方法として考えられるのが、勤怠管理システムです。勤怠管理システムであれば、入力したデータをもとに休憩時間が自動計算され、ミスや漏れがなく管理できます。

勤怠管理システムは、打刻方法ひとつとっても、ICカード式や生体認証、場所を選ばないPCやモバイルからの打刻などさまざまです。

さらに、クラウド型サービスであれば、全国に支社があったとしても、勤怠は本社で一元管理することが可能なため、バックオフィス業務のコストの削減にもつながります。

勤怠管理で休憩を管理しないリスク

平成29年1月に策定された「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、労働時間把握のために使用者が講ずべき措置の1つとして、以下の記載があります。

労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録すること

参考: 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定)

つまり、休憩時間を勤怠管理で正確に記録する義務はありません。しかし、適切に管理していないと、定められた休憩時間を与えられていないという事態を招くことがあります。その結果、さまざまなリスクが生じてしまうのです。

ここでは、休憩を管理する重要性を理解するためにも、考えられるリスクを確認していきます。

従業員の心身の健康が乱れる

労働時間が6時間や8時間と決まっていたとしても、その間、休みなく継続して仕事を続けていたら、心身ともに疲労が蓄積してしまいます。その結果として、業務効率が落ちるだけでなく、作業中に事故が発生するリスクや、労働者が過労性の健康障害を引き起こすおそれもでてきます。休憩は労働から解放される時間として、心身をリフレッシュさせ、集中力を高める役割があるため、一定の労働時間を超える場合は休憩が必要になるのです。

従業員の健康のため、企業の業績のためにも、勤怠管理による休憩時間の管理は重要です。

労働基準法違反として処罰される

労働時間によって定められた休憩時間を従業員に与えることは、使用者の義務とされています。もしこれに違反した場合は、「6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金(労働基準法第119条)」が課されることになります。

意図的に与えていなかった場合はもちろん、休憩状況を把握できていなかった場合であっても、同様に罰せられるので注意が必要です。管理側が状況の把握に務めるだけでなく、従業員にも必ず休憩を取るように伝えておくようにしましょう。

労務コンプライアンス違反になる

労務コンプライアンスとは、法令を遵守したうえで労務管理を行うことを指します。労働基準法をはじめ、最低賃金法、男女雇用機会均等法など、さまざまな労務に関する法律があり、企業側はそれらに定められた内容を守る義務があります。

休憩時間中の労働や、休憩時間の付与方法など、休憩に関連する認識のずれが原因で、使用者と労働者の間でトラブルに発展するケースも多いです。

コンプライアンスが実現できているかどうかは、企業の信用に直結します。労務コンプライアンス違反を防ぐためにも、使用者は従業員の労働時間を把握し、適正に管理する必要があるのです。

休憩時間を勤怠管理する際の注意点

休憩時間を勤怠管理する際には、次の点に注意して行いましょう。

休憩時間中に仕事を依頼してはいけない

休憩時間は、労働者が労働から完全に自由になれる時間である必要があります。

そのため、電話応対や来客対応など、発生時のみ行う業務であっても、休憩時間にこれらの業務を命じることはできません。もしさせてしまった場合は、会社側は労働者に給与を支払い、必要に応じて時間外手当も支払ったうえで、別途休憩時間を労働時間内に設けなければいけません。

どうしても電話応対や来客対応の人員が必要な場合は、労働者の休憩時間を交代制にするなどの工夫をするようにしましょう。

休憩時間については原則従業員の自由である

休憩時間の使い方については、原則従業員の自由とされています。そのため、休憩時間中の従業員の行動を制限することはできません。

ただし、これらの自由は、社会通念上、常識的な範囲内での自由となります。休憩時間内ではオフィスに戻れないような遠出や飲酒などは避けるべき行為といえます。

また、事業場の規律を保持するために必要であると判断された場合、一部例外として使用者は制限を加えることが可能です。 例えば、休憩時間中の政治活動を禁止することは問題ありません。政治活動は、企業の施設管理を妨げたり、従業員間に対立を引き起こしたり、他の従業員の休憩の自由を妨げたりする恐れがあるためです。

アルバイト・パートも休憩時間の規定は同一である

アルバイトやパートなどの非正規雇用者も正規雇用者と同様に、休憩時間を与える必要があります。雇用形態による規定の違いはなく、ともに労働基準法第34条が適用されます。

企業側は雇用形態に関係なく、アルバイトやパートなどの非正規雇用者の休憩時間の管理も、正確に行う必要があるのです。

規定を満たしていれば残業時間中は休憩を与えなくて良い

休憩時間の発生条件は、1日の労働時間の長さによります。そのため、残業が発生したら、一律で休憩時間を別途与えなければならないというものではありません。

例えば、所定労働時間が1日3時間の労働者に1時間の残業を命じた場合、労働時間の合計は4時間なので休憩は不要です。同様に、6時間労働し45分の休憩をすでに取得している労働者に1時間の残業を命じても、合計労働時間は7時間なので、追加で休憩時間を与える必要はありません。

正しく休憩管理ができる勤怠管理システム3選

法令遵守の側面だけでなく、労働者が健全に働くための環境づくりとしても重要な休憩管理ですが、実際に、正確な管理をしようとなると、手間がかかるのも事実です。

そこでおすすめなのが、効率よく正確に休憩の管理ができる勤怠管理専用システムの導入です。

ここでは、特に休憩時間の管理に便利な勤怠管理システムを3つ紹介します。

1.KING OF TIME

「KING OF TIME」は、豊富な打刻手段が魅力の勤怠管理システムです。休憩時間の管理方法は、次の3種類から選択できます。

  • 打刻休憩
    従業員一人ひとりが自身で休憩の開始終了時刻を打刻することで、正確に休憩時間を管理できます。
  • 従業員種別休憩
    従業員種別単位で休憩時間を設定することが可能です。拘束時間に応じた休憩時間を自動で労働時間から控除します。シフト制などの勤務形態がある職場などに適しています。
  • スケジュール休憩
    スケジュールに合わせ、あらかじめ休憩時間を設定しておくことが可能です。シフト制など勤務時間と休憩時刻が、従業員それぞれで異なる場合に適しています。

これら3つの機能は併用が可能です。すべての機能が利用できる30日間の無料体験も用意されているので、まずは試してみるのもいいでしょう。

2.ジョブカン

「ジョブカン」は、シリーズ累計導入社数12万社以上を誇るクラウド型勤怠管理システムです。ジョブカンでは、3つの方法で休憩が管理できます。

  • 打刻による休憩時間の計算
    退出と再度入室の打刻を行うだけで、自動的に休憩時間の計算が可能です。1日に何度でも打刻が可能なため、タバコ休憩や私用の電話、コンビニ休憩など細々とした休憩時間まで把握できます。
  • 自動休憩
    打刻は不要で、自動休憩を1時間に設定すれば、自動で労働時間から1時間が差し引かれて計算されます。労働時間に合わせて自動で休憩時間を設定し、控除させる設定も可能です。
  • シフト休憩
    シフト勤務で休憩時間が異なる場合でも、シフトごとに自動休憩の設定が行えます。

メール、チャット、電話など無料で利用できるサポート体制も充実しているので、安心して導入ができるでしょう。

3.ジンジャー

「ジンジャー」は勤怠管理だけでなく、ワークフローや経費精算、請求書、電子契約などのさまざまなプロダクトにより、あらゆるバックオフィス業務の効率化が期待できるクラウドサービスです。ジンジャー勤怠では、次の5つの方法で休憩時間の管理が行えます。

  • 時刻管理
    特定の時刻を休憩として指定しておけば、自動計算が可能です。交代制などの勤務形態がなく、日々の業務スケジュールが固定されている場合に適しています。
  • 時間管理
    労働時間に応じて自動で休憩時間を計算し、控除します。
  • 休憩実績登録
    登録された打刻時刻から必要休憩時間を計算し、特定の時間後に特定の休憩時間を控除してくれます。
    例)8時間以上の勤務実績がある場合、打刻開始時間から4時間経過後に1時間を休憩時間として控除
  • 従業員ごとの休憩設定
    スケジュールから休憩時間を計算するか、設定に則って自動で休憩時間を引くかを、従業員ごとに設定可能です。
  • 打刻での休憩
    ブラウザやスマートフォン、アプリから休憩の打刻ができます。設定により休憩回数制限を設けることもできます。

これらの設定は併用が可能です。また、半休や時間休の場合の休憩時間の控除設定や、食事休憩の設定もできるため、業界や企業の規模を問わずに利用できる点が魅力といえるでしょう。

労働法を遵守し休憩時間を管理しましょう

従業員に適切な休憩を与えることは、従業員の健康、業績、労務コンプライアンスにおいて、とても重要です。そして、休憩時間取得を徹底するためには、正しい勤怠管理を行わなくてはなりません。

ただし、休憩時間の管理は、注意点やルールも多く、全社員分を正確に把握するのは難しい面もあるでしょう。そこでぜひ活用していただきたいのが、勤怠管理システムの導入です。

勤怠管理システムを活用し、法令を遵守した休憩時間の管理を行いましょう。

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