日本と海外の名刺文化の違い|歴史や発祥・海外向け名刺の作成方法

最終更新日時:2023/07/13

名刺管理システム

日本と海外の名刺文化の違い

日本において名刺は、欠かすことのできないビジネスツールの1つです。名刺交換のマナーを覚えることは、ビジネスを円滑にするために重要とされていますが、海外では名刺をどのように扱っているのでしょうか。本記事では、日本と海外の名刺文化はどう違うのかを詳しく解説します。

名刺はどのようにして誕生したのか?

名刺の発祥は諸説ありますが、中国だといわれています。中国の皇帝が結婚する際に、妻の父親への自己紹介のために、木や竹でできた「刺(さし)」と呼ばれる板に名前を書いて渡したのが始まりという説が有力です。

ほかにも、訪問時に名前や要件を書いて使用人に目上の人への取り次ぎを頼むために使用していたという説もあります。また、名乗るために「刺」という板を使用していたことが「名刺」という名前の由来となりました。

日本では、19世紀の初めごろから名刺が使われるようになったといわれています。初めは和紙に墨で名前を書いたものを使用していましたが、江戸時代末期には印刷したものを使用するようになりました。

日本と海外の名刺文化・認識の違い

日本と海外では、名刺文化や認識に違いがあります。ここでは、日本と海外の名刺文化・認識の違いについて解説します。

日本の場合

日本では、初対面の相手と挨拶をするために名刺が用いられています。相手と顔を合わせた最初のタイミングで名刺を交換をしてお互いの情報を伝え、コミュニケーションのきっかけを作るのが目的です。

また、日本人は名刺を相手の顔という認識を持っているため、受け取った名刺は丁重に扱わなければなりません。「いただいた名刺に書き込みをしない」「名刺は両手で受け渡す」「相手よりも下の位置で名刺を渡す」など、さまざまなマナーがあります。

アメリカの場合

アメリカでは、名刺は自分や会社の宣伝に用いるアイテムとして捉えられており、単に連絡先を伝えるために使われます。必要なときにしか渡さないので、商談の状況によっては名刺を交換しない場合もあるのです。また初対面の場では、名刺交換よりも握手を交わすことが重要視されています。

アメリカでは日本のように受け取った名刺を相手の顔として捉え、丁重に扱う文化はありません。そのため名刺を受け取ってすぐにしまったり、受け取った名刺に書き込んだりすることが一般的です。

ヨーロッパの場合

ヨーロッパでは、18世紀ごろから社交界で名刺を使うようになりましたが、現在ビジネスの場であまり使われていません。親交の深い相手に、付き合い程度で渡すのが一般的です。また、ヨーロッパの中でも名刺の考え方は異なります。

イギリスでの名刺は、社長など重要人物が集まるパーティーで交換するアイテムです。ドイツでは、外国人とビジネスの場で交換するアイテムと捉えられています。フランスでは、名刺は管理職以上になると持てるアイテムであり、付き合いの長い相手に渡すのが一般的です。ヨーロッパでは各国で名刺の認識が違う点を理解しておきましょう。

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日本と欧米の名刺を交換するタイミングの違い

日本と欧米では、名刺を交換するタイミングが異なります。ここでは、日本と欧米の名刺を交換するタイミングの違いについて解説します。

日本の場合

日本では、初対面の相手と最初の挨拶をする際に名刺を交換します。また、交換した名刺はすぐにしまわず、その場が終わるまで相手の席順と同じ順番に並べて机の上に出しておくのがマナーです。

欧米の場合

欧米では、相手と対面してすぐに名刺交換は行いません。商談の場では握手から始まり、最後に連絡先を伝える意味で名刺を渡すのが一般的です。

名前や連絡先を伝えるために必要だと感じたタイミングで名刺を渡すため、状況によっては渡さないまま終わることもあります。また、受け取った名刺をすぐにポケットなどにしまってもマナー違反ではありません。

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海外向け名刺を作成する際のポイント

海外向け名刺は日本の名刺と仕様が異なるため、作成の際には注意が必要です。ここでは、海外向け名刺を作成する際のポイントについて解説します。

名刺のサイズ

日本の名刺は、「91×55mm」が標準的な名刺のサイズです。古くから用いられている尺寸法を遵守し、黄金比率からサイズが決められました。長辺は3寸(91mm)、短辺は長辺との黄金比から55mmに設定されています。

一方で海外の名刺は、ワイシャツの胸ポケットに折り曲げず入れられる大きさで設定されています。アメリカでは「89×51mm」サイズの名刺が一般的です。また、ヨーロッパでは「85×55㎜」サイズの名刺が広く使われています。

記載項目の順番

日本の名刺は、「会社名・部署名・役職名・氏名」の順に記載します。一方で海外用の名刺は、「氏名・役職名・部署名・会社名」の順番が一般的です。日本と海外の名刺では順番が逆になるので注意しましょう。

また、住所の表記も逆になります。日本の名刺では「郵便番号・都道府県・市区町村・番地・建物名」の順に記載しますが、海外の名刺では「建物名・番地・市区町村・都道府県(州)・郵便番号」の順番です。

名前の表記方法

名前を英語表記する際には、ローマ字を使います。ローマ字には複数の種類がありますが、海外の人でも日本語に似たような発音ができるヘボン式の使用が一般的です。

姓名の順番には、明確な決まりはありません。ただし、2020年1月1日からパスポートなどの公文書では「姓・名」の順を採用しているため、パスポートに合わせて「姓・名」で記載するのが無難です。一方で、名刺は公文書ではないため、欧米の慣習に合わせて「名・姓」の順で記載する人も多くいます。

企業名の表記方法

企業名を記載する際は、「株式会社」の表記に注意しましょう。アメリカ式とイギリス式があるため、相手に合わせた表記がおすすめです。

アメリカ式の場合、Incorporatedの略である「Inc.」か、Corporationの略である「Corp.」を企業名の後に付けます。一方でイギリス式の場合は、企業名の後にCompany Limitedの略である「Co., Ltd.」を記載するようにしてください。

電話番号の表記方法

電話番号を英語表記の名刺に載せる場合は、国際電話に対応した番号で記載する必要があります。先頭に日本の国番号である81を用いて「+81」を置き、その後に最初の「0」を除いた電話番号を記載しましょう。

たとえば、電話番号が「090-XXXX-XXXX」の場合、国際表記は「+81-90-XXXX-XXXX」となります。

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各国の名刺文化を理解しマナーを守って対応しよう

各国で名刺文化は異なります。海外を訪問する際は、その国の名刺文化をあらかじめ知っておくことが大切です。また国ごとにある名刺文化の違いを把握しておけば、ビジネスの場でも落ち着いた対応ができます。本記事を参考に、国ごとの名刺マナーに応じた適切な対応を心がけましょう。

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