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バーナム効果とは?日常生活・マーケティングでの活用方法や具体例、注意点

2023/11/28 2023/11/28

業務効率化・業務改善

バーナム効果とは

占いでよく使用される心理的効果のひとつ、「バーナム効果」。この手法をビジネスシーンでも上手に活用すれば、相手との距離感を縮めるなどさまざまな効果が期待できます。本記事では、バーナム効果とはどのような心理的手法か、活用方法や具体例を紹介します。

この記事の要約

・バーナム効果は誰にでも当てはまることを自分のことだと感じてしまう心理現象
・ビジネスやマーケティング、日常生活など様々なシーンでバーナム効果が活用されている

バーナム効果とは?

バーナム効果とは、一般的かつ曖昧で、誰にでも当てはまる内容であるにも関わらず、「自分のことだ」と感じてしまう心理現象です。

例えば、占いやパーソナリティテストでは、その人特有の内容を言い当てているように見えても、実際には多くの人に当てはまるような表現が用いられています。「何か悩みがあるようですね」「ストレスを抱えていますね」といった言葉は、誰しも心当たりがあるような内容にも関わらず、「ズバリ言い当てられた」と感じてしまう、バーナム効果を与える代表的な表現と言えます。

このバーナム効果は、相手からの信頼や好意を高め、より良い関係構築につながることから、ビジネスの世界では、マーケティングや広告戦略において、顧客の共感を得るために利用されることがあります。

バーナム効果の由来とは

バーナム効果は、アメリカの心理学者であるポール・E・ミールが、アメリカの実業家であり、地上最高のショーマンとも称されたP・T・バーナムの言葉、「We've got something for everyone(誰にでも当てはまる要点というものがある)」から名付けたとされています。

ちなみに、バーナム氏は、アメリカで初めてサーカスを成功させた興行師であり、「タイタニック」を彷彿させるロングランヒットを記録した映画「グレイテスト・ショーマン」のモデルとしても知られている人物です。

また、バーナム効果はアメリカの心理学者バートラム・フォアラーの名前を取ってフォアラー効果と呼ばれることもあります。

バーナム効果に関係する用語

ここでは、バーナム効果を理解するために重要な用語を2つ紹介します。

確証バイアス

確証バイアスとは、自分の信念や仮説を支持する情報を優先して受け入れ、反対または矛盾する情報を無視または軽視する傾向のことです。

これは自分にとって都合の良いことだけを信じる傾向であり、例えば、自分が実践する健康法を肯定的に推奨する情報は強く信じ、逆にその健康法の効果を疑問視する情報を無視する傾向は、確証バイアスの最たる例と言えるでしょう。

バーナム効果により、人は自分に対する曖昧で一般的な情報を個人的なものとして受け取ります。さらに、その情報が自分の既存の思考を裏付けるものであれば、それをより強く信じる傾向となるのが確証バイアスです。

この2つのバイアスは、いずれも人の認知バイアス(偏った思考傾向)の一部であり、両者は密接に関連しているのです。

プラシーボ効果

プラシーボ効果は、実際には効果のない処置や薬が、本人の信念や期待により実際に効果があるかのように感じられる現象です。バーナム効果と同様に、人々の心理や期待が現実の知覚や反応に大きな影響を与えることが特徴です。

例えば、良い恋愛占いの結果を信じることで自信が湧き、その結果、恋愛に対して積極的になるのは、プラシーボ効果の一種であり、この行動への影響は、上司が部下を奮い立たせるための声かけなどにも活用することが可能です。

そのほか、新薬の治験でも、新薬を服用する人と有効成分が入っていない薬を服用する人に分けて効果を検証するなど、さまざまなビジネス領域において利用されています。

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バーナム効果を活用するには?

バーナム効果は、日常生活やビジネスにも活用できます。ここからは、実際にバーナム効果が活用される状況を紹介します。

日常生活における活用方法

バーナム効果は、日常のコミュニケーションや恋愛において、相手との良好な関係を築くための手段として活用できます。

例えば、「いつも仲間のことを考えて行動しているよね」、「周囲への気遣いが素晴らしいね」といった声かけは、その人を褒めている言葉である一方で、集団で活動していれば、誰でも、何かしら心当たりのある内容のはずです。そのため、冷静に考えれば誰にでも当てはまる言葉なのです。

さらにこのような褒め言葉は、相手に「自分のことをよく見てくれている」と感じさせ、好意や信頼感を持ってもらえる場合があります。ただし、同じような言葉を使いすぎると、真実味がなくなり、逆効果となってしまうこともあるため注意しましょう。

マーケティングにおける活用方法

バーナム効果をマーケティングで活用するには、顧客が自分に合ったメッセージと感じるような工夫を行います。

例えば、顧客の一般的な問題や願望に焦点を当てた「◯◯で困っていませんか?」といった問いかけは、「自分たちのことだ」と感じさせ、商品への関心を引き寄せたり、早期に信頼関係を築く目的などで利用されています。

そのほか、「あなたの忙しい毎日を快適にします」などの文言は、多くの人が「自分は毎日忙しい」と感じている一般的な感覚に訴えるバーナム効果を利用したものであり、マーケティングにおいては、広告やプロモーションの訴求などによく使われる表現です。

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バーナム効果を活用する際のポイント

マーケティングにおいてバーナム効果を最大限に活用するためには、以下の3つのポイントが重要です。

  • 特定の人物に向けた表現をする
  • 情報を発信者の信頼性を高める
  • ポジティブな表現を活用して共感を得る

特定の人物に向けた表現をする

バーナム効果を活用する際は、相手を絞って特定の人物に向けた表現をするのが効果的です。

「自分に直接話しかけられている」「自分に当てはまる」と感じさせることで、より深い共感や関心を引き出すことができるため、広告やプレゼンテーションでは、ターゲットの特性や関心に合わせた言葉選びが重要です。

情報発信者の信頼性を高める

バーナム効果を活用して情報の発信者の信頼性を高めるには、誠実さと専門性を表現することが大切です。

たとえば、有名企業の社員や事業に関する実績、SNSのフォロワーの多さなど、権威性が高ければ相手からの信頼を得やすくなります。顧客の信頼を獲得し、メッセージに説得力を持たせるためにも、発信者の信頼性を高める工夫を行いましょう。

ポジティブな表現を活用して共感を得る

バーナム効果を活用する際、ポジティブな表現を用いることが共感を得る鍵です。人は自分にとって都合が良い情報を信用しやすいため、ネガティブな要素は排除しましょう。

ポジティブで消費者に共感してもらいやすい表現を用いることで、消費者の記憶に残りやすく購買意欲を向上させることが可能です。このアプローチは、相手の自己効力感を高め、より良い関係を築く助けとなります。

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バーナム効果の活用時に気を付けるべき注意点

バーナム効果は、使い方を誤ると企業イメージを低下させたり、商品・サービスへの信頼を失ったりさせてしまうこともあります。使う際の3つの注意点についても、しっかりと把握しておきましょう。

使いすぎに注意する

バーナム効果の使いすぎは、信頼の低下や誤解を招く恐れがあります。

特にビジネスのコミュニケーションやマーケティングにおいて、あまりにも一般的な表現やあいまいな言葉を頻繁に使用すると、ターゲットの共感が得られない、無意味なメッセージになってしまうため注意してください。

信頼を構築し、長期的な関係を築くためには、誠実さと具体性を兼ね備えたコミュニケーションが重要です。バーナム効果は効果的な心理現象ですが、適切な使用を心がけましょう。

誇大表現を避ける

バーナム効果を活用する際には、誇大表現を避けましょう。過度に肯定的な表現は、逆に信頼性を損なうことがあります。

特にビジネスのプレゼンテーションや広告において、現実離れした肯定的な表現は、顧客の疑念を引き起こす可能性があります。また、行き過ぎた表現は景品表示法に抵触する恐れもあるため、注意しなければなりません。

信頼性を保つためには、現実的で具体的な情報とバランスを取りながら、ポジティブな側面を強調することが効果的です。

身体的特徴に関する表現をしない

バーナム効果を用いたコミュニケーションでは、身体的特徴に関する表現は避けなければなりません。このような表現は、個人の特性や能力を身体的な側面に基づいて判断することになり、偏見や不快感を生じさせるリスクがあります。

ビジネスシーンはもちろん、社会的なコミュニケーションでは、すべての人々を尊重することが重要です。

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バーナム効果は営業やマーケティングにも活用できる

バーナム効果は、営業やマーケティングの分野においても大きな影響力を持つ心理現象です。

バーナム効果を利用して、広告やプロモーションに共感を呼ぶような言葉を入れることで、顧客は製品やサービスが、「自分用にデザインされたもの」といった印象を持ちやすくなります。ただし、顧客や相手との信頼関係の構築においては、バーナム効果だけに頼るのではなく、効果誇大表現を避け、現実的なメッセージにするなど、誠実さが基本であることを忘れてはいけません。

バーナム効果は適切に活用すれば、ビジネスの大きな成功が期待できるでしょう。

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