ストレスチェックの項目数一覧|57項目・80項目・23項目の違いとは?

最終更新日時:2023/10/04

健康管理システム

ストレスチェックの項目

メンタルヘルス不調を未然に防ぐため実施されているストレスチェック。ストレスチェックは57項目版・80項目版・23項目版の3種類があり、利用目的に応じて選ぶことが大切です。今回は、一般的なストレスチェックの項目数による違いや、ストレスチェックからわかることなどを解説します。

ストレスチェックの基本的な考え方とは?

ストレスチェックの基本的な考え方で重要なのは、一次予防の達成です。ストレスチェックは、一次予防である「当事者が自身のストレスを自覚し、周囲からの助けや職場の支援などを受け、メンタルヘルスの不調を未然に防ぐ」ことを最大の目的としています。

労働者のメンタルヘルスケアは、以下の3段階に区分されます。

  • 一次予防:自身のストレスを自覚し、周囲の支援などを受けてメンタルヘルスの不調を未然に防止する
  • 二次予防:労働者のメンタルヘルスの不調を早期発見して、適切な対処を行う
  • 三次予防:メンタルヘルスの不調に陥った労働者の職場復帰を支援し、不調の再発防止を行う

企業は、一次予防の体制を強化するため、ストレスチェックを定期的に行い、労働環境の改善などを通してストレス要因の解消に努めなければなりません。

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ストレスチェックの3つの必須項目

ストレスチェックを行う際は、3つの必須項目を基準に個人のストレス値を判断する必要があります。

必須項目3点をそれぞれ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.仕事のストレス要因

仕事でのストレス要因は、メンタルヘルスチェックにおいて欠かせないファクターです。たとえば、職場での人間関係、残業時間の多さ、仕事の裁量と責任のバランスなど、職場で受けるストレス要因は多岐にわたります。

ストレスチェックの項目数が少ない場合、幅広いストレス要因の特定に対応できない可能性があるため、細分化された質問項目から、より的確に職場環境の問題が把握できる80項目版の利用がおすすめです。

2.心身のストレス反応

心身のストレス反応とは、その名の通りストレスが原因で生じた心身の不調を指します。

具体的には倦怠感や胃痛、吐き気などの身体的な症状から、怒りっぽい、落ち込んだ気分が回復しないといった精神的な症状まで、ストレスが要因で引き起こされる心身反応はさまざまです。

ストレスチェックにおいては当事者が自覚している症状を回答するため、ストレスによって心身にどのような異常や変化が起きているかを確認できます。

3.周囲のサポート

周囲のサポートは、当事者の人間関係をチェックする項目です。職場を含む日常生活では、上司、同僚、家族、友人や恋人など、いろいろな人々と日々関わっています。

ストレスチェックを通して、当事者が周囲の人間関係によってどれだけの支援を受けられているのかを確認し、ストレス要因の特定やメンタルヘルス不調のリスクを調べます。

たとえ同じ仕事量をこなしていても、周囲のサポートの有無によって当事者が受けるストレスの度合いは変わると言われています。そのため、周囲からのサポートが得られていない結果が出た場合には、支援体制を整えるなど、職場環境の改善が必要です。

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ストレスチェックの項目数の違いと特徴

ストレスチェックは、57項目版・80項目版・23項目版の3種類があります。ここからは、各項目数の概要やそれぞれの違いを解説しますので、ぜひストレスチェック実施前の参考にしてみてください。

ストレスチェックの57項目版

ストレスチェックの57項目版は、厚生労働省が推奨している最もスタンダードなストレスチェック表です。57のチェック項目から成っており、約10分と短時間で回答できます。

労働者個人がストレスのセルフチェックを行える点がメリットである一方、チェック項目に職場に関する項目が欠けていることから、職場環境特有のストレスを測るには不向きな点がデメリットといえます。

◾️「職業性ストレス簡易調査票(57項目版)」の項目一覧

ストレスチェックの80項目版

80項目版は、ストレスチェック57項目版に23の項目を新たに追加したバージョンです。職場に関するストレスチェックの項目が追加されているため、57項目版よりも職場環境のストレス状況を把握しやすく、環境改善につなげられることが最大のメリットです。

一方、57項目版に比べて質問項目が多いことから、回答者の負担が少なからず増加してしまう点はデメリットといえるでしょう。

◾️「職業性ストレス簡易調査票(80項目版)」の項目一覧

ストレスチェックの23項目版

ストレスチェックの23項目版は、57項目版をさらに簡略化させたものです。回答者に負担をかけず、最低限のストレスチェックを行う場合に向いています。

しかし、「職場の雰囲気」「作業環境」など、ストレスを図るうえで重要な項目が抜けているため、詳細なストレスチェックが難しく職場の環境改善につなげにくい点がデメリットです。

◾️「職業性ストレス簡易調査票(23項目版) 」の項目一覧

ストレスチェックの項目数は増やせる?

ストレスチェックは、企業ごとに独自の質問を追加できます。厚生労働省によって提供されているチェックリストとはいえ、職場環境は企業によってさまざまです。

自社の環境に合わせて独自の質問項目を追加する際のポイントを見ていきましょう。

項目に独自の質問を追加できる

ストレスチェックは、法令によりその質問項目の詳細が定められている訳ではありません。

厚生労働省が推奨する簡易調査票を使用せずに、自社オリジナルのチェックリストを作成することも可能です。ただし、ストレスチェックの項目には、必ず「仕事のストレス原因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3つの領域を含めた項目を設ける必要があります。

そのため、簡易調査票をベースに独自の質問項目を追加し、自社のチェックリストを作成するのが一般的といえるでしょう。業務内容や職場環境など、自社の状況に合わせた質問項目を追加することで、従業員のストレスをより細かにチェックできます。

不適当な項目には注意が必要

希死念慮、自傷行為といった背景事情に留意すべき項目については、充分なサポート体制を敷いたうえでチェックを行う必要があります。そのため、対応できる体制が整っていないにもかかわらず、これらの項目を追加するのは不適当です。

労働者の背景事情に立ち入った項目を追加する場合には、フォローアップ体制をしっかりと整えたうえで、慎重に検討する必要があります。

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ストレスチェックの項目数による違いを押さえておこう

ストレスチェックの項目数による違いや、基本的な考え方について解説しました。

ストレスチェックには、57項目版・80項目版・23項目版の3種類があるため、自社の状況に合った調査票を選びましょう。労働者のストレス状況をより詳しく把握し、職場環境の改善につなげたい場合は、80項目版の利用がおすすめです。

労働者の繊細な部分に立ち入って行う必要のあるストレスチェックは、細心の注意を払って実施しなければいけません。ストレスチェックの導入を検討する場合には、並行してフォローアップ体制づくりにも注力しましょう。

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