問い合わせ管理表をExcelで作成する方法|手順やテンプレートを紹介

最終更新日時:2023/10/24

問い合わせ管理システム

エクセルでの問い合わせ管理

対応状況や内容の把握に必要な問い合わせ管理。顧客からの問い合わせ件数が多くなるほど、管理が大変になり見落としや対応漏れが発生する可能性が高まります。本記事では、問い合わせ管理表をエクセルで作成する方法を紹介します。手順やおすすめのテンプレートも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

問い合わせ管理とは?

問い合わせ管理とは、顧客からの問い合わせの内容や、それに対する対応状況・対応内容などを管理することです。問い合わせ管理を行うことで、社内での対応状況を可視化でき、顧客への対応の質を高められます。

対応漏れや二重対応などを防ぐことで、スムーズで丁寧な顧客対応を実現できるでしょう。その結果として、顧客満足度を向上させることもできます。

問い合わせ管理を行うメリットは、それだけではありません、問い合わせのなかには、顧客のニーズが含まれていることもあります。問い合わせを管理して内容の集計・分析を行うことで、マーケティングに活かすことも可能です。問い合わせ内容から顧客の声を拾い、商品やサービスの改善につなげられるでしょう。

問い合わせ管理表を作成する方法

問い合わせ管理表はどのように作成すればよいのでしょうか。ここでは、問い合わせ管理表を作成する方法について解説します。

エクセルで作成する

問い合わせ管理表は、エクセルでの作成が可能です。エクセルはすでに利用している企業も多く、導入コストを抑えられます。

エクセルの場合、問い合わせ管理表を自作することになるので、使いやすいように自由にカスタマイズできるのもメリットです。マクロや数式などを活用すれば、問い合わせデータの入力作業を効率化できるでしょう。

Web上には無料で使えるテンプレートも豊富にあります。エクセルの操作に慣れない方は、テンプレートを活用してみるのもおすすめです。

スプレッドシートで作成する

Googleスプレッドシートでも問い合わせ管理表を作成できます。Googleスプレッドシートはクラウド上で利用できるのが特徴で、エクセルと似たような操作で扱いやすい表計算ソフトです。

クラウドでデータを共有し、複数人での編集もできます。変更はリアルタイムで反映されるので、常に最新の状況を確認できるのもメリットです。

Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用できるため、導入コストが抑えられるのも魅力といえます。

問い合わせ管理はスプレッドシートで管理すべき?運用方法やメリット・デメリット

問い合わせ管理表をエクセル作成する際の手順

ここでは、エクセルを利用して問い合わせ管理表を作成する際の手順について解説します。

問い合わせ管理に必要な項目を決める

まずはじめに、問い合わせ管理に必要な項目を決めましょう。最低限組み込むべき項目は、以下の5つです。

  • 問い合わせの受付日時
  • 顧客の名前
  • 顧客の連絡先
  • 問い合わせ内容
  • 担当者

追加で管理したい内容に応じて、項目を追加していきます。具体的には、以下の項目が挙げられるでしょう。

対応状況・対応完了日時

対応状況や対応完了日時の項目を作成することで、どの問い合わせに対応すべきかを把握できます。対応漏れや二重対応などを防げるので、問い合わせ業務の効率化が可能です。

対応状況の入力は、「未対応・対応中・対応完了」などのプルダウン式にするといいでしょう。プルダウン式にすることで、入力作業をシンプルにできます。また、入力方法を統一できるため、認識の齟齬が起きないのもメリットです。

対応完了日時は問い合わせへの対応が終わった日時を入力します。対応完了日時を入力することで、問い合わせを受け付けてから完了するまでにかかった期間も把握可能です。

優先度

問い合わせ件数が多い場合は、優先順位の項目を作成するとよいでしょう。優先順位を設定することで、緊急度の高い問い合わせやクレーム・トラブルに発展しやすい問い合わせを優先的に対応できます。

優先度の入力は「大至急・至急・通常」や、「高・中・低」などのプルダウン式にするのがおすすめです。合わせて分類のルールも設定するようにしましょう。

問い合わせ内容・回答内容

やりとりの履歴を残したい場合は、問い合わせ内容や回答内容の項目を作成するのがおすすめです。これにより、追加で問い合わせがきた場合に過去の対応履歴を素早く確認できるでしょう。

また、似たような問い合わせがきた際に参考事例として参照できるのもメリットです。担当者が不在で別のメンバーが対応する際に参照したり、担当者の引き継ぎを行う際にも活用できます。

追加の問い合わせ内容を記載する際は、列を追加するのではなく、新規の問い合わせと同様に新たな行に記載するようにしましょう。フィルターをかければ時系列順に問い合わせ内容を確認できるので便利です。

カテゴリー

カテゴリーの項目を設定すれば、問い合わせの分類が可能になります。カテゴリーは検索性を高めるため、似たような問い合わせが過去にないか参照したい場合に便利です。

また、どのような問い合わせが多いのか把握したいときや、問い合わせ内容を商品やサービスの改善に生かしたい場合にも活用できます。件数の多い問い合わせに関しては「よくある問い合わせ」として公開するのもおすすめです。

問い合わせ内容を大まかに分類し、プルダウン式で設定するとよいでしょう。。

入力方法を具体的に決める

必要な項目を定めたら、入力方法を決めます。担当者によって記入内容にバラつきがあると検索性が下がり、あとから集計・分析ができなくなってしまいます。そのため、入力のルールは具体的に定めておきましょう。

具体的には、必須の入力項目の設定・各項目の入力ルール・追加で問い合わせがきた場合の入力ルールなどを定めます。また、選択形式で入力できる項目にはプルダウンを採用するなど、入力作業を効率化する仕組み作りも重要です。

ファイルを共有する

問い合わせ管理表が完成したら、ファイルをメンバーに共有します。エクセルファイルを共有ブックに設定することで、複数人での編集が可能です。

クラウドストレージサービスによっては、リアルタイムでの共同編集ができるものもあります。更新内容は自動で保存されるため、効率的にファイルを共有できるでしょう。

問い合わせ管理表をエクセルで作成する際の注意点

エクセルを利用して問い合わせ管理表を作成する場合、いくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、問い合わせ管理表をエクセルで作成する際の注意点について解説します。

データが増えると処理速度が低下する可能性がある

エクセルは入力データが増えるほどファイルが重くなります。問い合わせ件数が増えていくに連れて、処理速度が低下する恐れがあるでしょう。その結果、ファイルが開きにくくなったり、入力に時間がかかったりします。

処理速度が低下し、ファイルに負荷がかかった状態で使用し続けると、データを破損する可能性もあるので注意が必要です。ファイルの動作が重くなったと感じたら、エクセル以外で管理する方法を検討しましょう。

入力漏れ・入力ミスが発生する可能性がある

エクセルで問い合わせ管理を行う場合、問い合わせ内容の入力は手作業になります。そのため、入力漏れや入力ミスが起きやすいのがデメリットといえるでしょう。

入力漏れやミスが発生すると問い合わせを正確に管理できなくなり、対応漏れや二重対応が発生する恐れがあります。また、集計や分析もできなくなるので、あとから問い合わせ内容を振り返れなくなるでしょう。

入力作業は極力シンプルなルールにする、定期的に入力漏れやミスがないか確認するなどの対応が必要です。

タイムリーな情報共有ができない

エクセルには共有機能が搭載されています。しかし、この機能を利用するにはいくつかの工数が必要となり、タイムリーな情報共有が行えません。また、管理する件数が増えてファイルが重くなることで、処理速度が低下することも考えられます。その結果、同じ行を同時に編集してしまったり、他のメンバーの編集が上手く反映されないこともあるでしょう。

最新の対応状況を把握できないと、対応漏れや二重対応につながり、顧客対応の質が低下することにもなりかねません。

情報が流出する危険性がある

エクセルファイルは、メールやチャットなどで簡単に共有できます。また、USBなどでデータの持ち出しも可能ため、セキュリティリスクが高まる点に注意が必要です。

問い合わせ管理表には顧客の個人情報が記載されているため、誤って外部にファイルを送信してしまったり、第三者によって情報が抜き取られないよう厳重に管理しなければなりません。

ファイルにパスワードをかけたり、アクセスできるメンバーを必要最低限にするといった対策を行いましょう

問い合わせ管理表エクセル作成におすすめのテンプレートサイト4選

ここでは、問い合わせ管理表エクセル作成におすすめのテンプレートサイトを4つ紹介します。

1.エクセルカードHARI

簡易的なデータベースを作成し、エクセルでデータ管理を行えるソフトです。業種を問わず使える汎用性の高さが特徴で、データの整理・検索・レポート作成が行えます。

すべての項目のなかから、必要な項目だけを1画面に表示することが可能です。また、印刷レポートのレイアウトは自由にカスタマイズできます。

エクセルに標準搭載されているフィルタ機能に加えて、メインメニューから探したいデータの検索も可能です。また、データを分けたいときは、エクセルのbookを切り替えられます。

[出典:株式会社日本アプリケーション開発「エクセルカードHARI」]

2.Microsoft Officeテンプレート

エクセルの提供元である日本マイクロソフト株式会社は、ビジネスで使えるテンプレートを豊富に展開しています。

問い合わせ管理表には「顧客管理表」のテンプレートがおすすめです。項目欄は問い合わせ管理にカスタマイズする必要がありますが、問い合わせ情報をしっかり管理できます。表の色を変更して見やすいように設定できるのもポイントです。

フィルタ機能を利用することで、検索性が高まります。欲しい情報を素早く検索できるため、問い合わせ対応の効率化を実現できるでしょう。

[公式サイト:日本マイクロソフト株式会社「ビジネスにおすすめのテンプレート」]

3.[文書]テンプレートの無料ダウンロード

[文書]テンプレートの無料ダウンロードでは、ビジネスで使える無料のエクセルテンプレートが提供されています。

問い合わせ管理表として利用するのであれば、取引先台帳・得意先台帳のフォーマットがおすすめです。項目には会社名・住所・担当者・電話番号・メールアドレスなどがデフォルトで設定されていますが、必要に応じてカスタマイズできます。

エクセルに標準搭載されている並び替え機能や、オートフィルター機能などで情報の検索も可能です。

[公式サイト:[文書]テンプレートの無料ダウンロード「顧客管理表の書式・様式・フォーマット雛形(ひな形) テンプレート(一覧表形式)01(エクセル)」]

4.bizocean 書式テンプレ

bizocean書式テンプレでは、エクセルでの問い合わせ管理に使える無料のテンプレートを提供しています。

問い合わせ管理表には「顧客管理表003(予実表付)」などがおすすめです。元は営業用の顧客管理表のため、予実計算などの項目が含まれていますが、カスタマイズして利用できます。

最低限の項目を設定したシンプルなフォーマットで、進捗状況の項目もあります。エクセルに標準搭載されているフィルタ機能や検索機能も使用可能です。

[公式サイト:トbizocean「「顧客管理表・顧客管理シート・顧客管理カード」の書式テンプレート・フォーマット一覧」]

対応件数が増えたら問い合わせ管理システムがおすすめ

エクセルでは、対応件数の多い企業や問い合わせ窓口が複数ある企業には向いていないため、問い合わせ管理システムを導入するのがおすすめです。問い合わせ管理に特化したシステムなので、エクセルよりも楽にデータの管理が行えます。

リアルタイムでの情報共有も可能で、対応漏れや二重対応を防げるでしょう。複数の窓口からくる問い合わせを一元管理できるので、問い合わせ対応の効率化を実現できます。

【2023年最新】問い合わせ管理システムのおすすめ15選徹底比較!選定ポイントと特徴

無料で使える問い合わせ管理システム5選!低コストで導入するコツ

おすすめの問い合わせ管理システム5選

ここからは、おすすめの問い合わせ管理システムを5つ紹介します。

1.yaritori

使いやすさに優れた問い合わせ管理システムです。カテゴリーごとに複数のテンプレートを保存できるので、状況に合わせて使い分けられます。

他のメンバーに共有されない状況で個人メールの一元管理も可能です。また、Slack・Chatworkとも連携できるため、メールの対応漏れをなくせます。

提供元Onebox株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
導入実績150社以上
機能・特徴
  • 個人メールの一元管理
  • グループチャット機能
  • Slack・Chatwork連携
  • カテゴリーごとのテンプレート
URL公式サイト

2.メールディーラー

メール・電話・LINEなど、さまざまな問い合わせ窓口をまとめて管理できるシステムです。チーム全員の対応状況が可視化されるため、返信漏れを防げます。

誰かが対応したメールは返信作業ができなくなる仕様なので、二重対応を防止できるのもポイントです。また、メール内容を返信前にダブルチェックできる申請・承認フローの設定もできます。

提供元株式会社ラクス
初期費用50,000円~
料金プラン35,000円~
導入実績累計導入社数8,000社突破
機能・特徴
  • チーム全員の対応状況の可視化
  • 問い合わせ窓口をまとめて管理
  • 安心のセキュリティ体制
  • ダブルチェック機能
  • 二重返信防止
URL公式サイト

3.Re:lation

メール・電話・LINEを1画面で管理できる問い合わせ管理システムです。重要な連絡はSMSで通知され、メールの返信もSMSで行えます。

操作性の高いUIで感覚的に使用できるのも魅力で、AIが返信に最適なテンプレートを推薦するため、素早い返信が行えます。EC向けサービスや顧客管理・営業支援システムなど、さまざまな外部システムとの連携も可能です。

提供元株式会社インゲージ
初期費用要問い合わせ
料金プラン14,080円(税込)/月~
導入実績4,000社以上
機能・特徴
  • メール・電話・LINEを1画面で管理
  • 重要な連絡はSMSで通知
  • 最適なテンプレートをAIが推薦
  • 外部システム連携
  • 操作性の高いUI
URL公式サイト

4.Zendesk

質の高い顧客対応を可能にするクラウド型の接客ツールです。統合型のワークスペースで顧客情報を一画面で管理できるので、チャネルをまたいでもスムーズに会話を継続できます。

顧客体験にに特化したAIが搭載されており、ボットはノーコードで作成可能です。また、TrelloやSalesforceなどの外部サービスとの連携もできます。

提供元Zendesk, Inc.
初期費用要問い合わせ
料金プラン

■Basicプラン

Support Team

  • 月額:$25/月/1人
  • 年額:$19/月/1人

Support Professional

  • 月額:$69/月/1人
  • 年額:$55/月/1人

Support Enterprise

  • 月額:$149/月/1人
  • 年額:$115/月/1人

■Zendesk Suiteプラン

Suite Team

  • 月額:$69/月/1人
  • 年額:$55/月/1人

Suite Growth

  • 月額:$115/月/1人
  • 年額:$89/月/1人

Suite Professional

  • 月額:$149/月/1人
  • 年額:$115/月/1人

Suite Enterprise:要問い合わせ

導入実績世界11 万社以上が導入(※2023年5月時点)
機能・特徴
  • 統合型のワークスペース
  • チャネルをまたいでもスムーズに会話を継続
  • CXに特化したAI
  • クラウド電話
URL公式サイト

5.フォームラン

クリック操作で簡単にフォーム作成ができる問い合わせ管理システムです。40種類以上のテンプレートから、必要な項目をクリックして追加するだけで作成できます。

問い合わせが発生した際は、メールやチャットツールで通知が来るため、素早い顧客対応が可能です。さらに、チーム画面でそれぞれの担当者がどの顧客を担当しているか一元管理できます。

提供元株式会社ベーシック
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • FREE:無料
  • BEGINNER:4,268円(税込)/月
  • STARTER:14,278円(税込)/月
  • PROFESSIONAL:28,380円(税込)/月
導入実績25万ユーザー突破
機能・特徴
  • フォーム作成機能
  • バリデーション
  • メール・チャットツールへの通知機能
  • チーム画面で問い合わせ状況の可視化
URL公式サイト

自社に最適な問い合わせ管理方法を見つけよう

顧客からの問い合わせに適切に対応するには、問い合わせ管理が必要です。エクセルを利用することで、低コストでカスタマイズ性の高い問い合わせ管理表が作成できます。

ただし、エクセルでの問い合わせ管理は企業によっては向かないこともあるかもしれません。その場合は、問い合わせ管理システムを利用するのもおすすめです。自社の状況に合わせて最適なツールを利用し、顧客対応の質を高めていきましょう。

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