問い合わせ対応を効率化する方法|課題や効率化の重要性・成功事例を解説

最終更新日時:2024/04/30

問い合わせ管理システム

問い合わせ業務の自動化

企業の印象や顧客満足度に直結する問い合わせ対応業務。そのため多くの企業では、問い合わせ対応業務の効率化が求められています。本記事では、問い合わせ対応業務で発生しがちな課題や効率化するための方法、企業の効率化の成功事例などを紹介します。

問い合わせ対応業務の重要性

問い合わせ対応業務は、企業の印象や顧客満足度などを左右する重要な業務です。ここでは、問い合わせ対応業務の重要性について詳しく解説します。

顧客満足度に直結するため

問い合わせ窓口は顧客との重要な接点であり、対応の良し悪しが顧客満足度に直結します。ユーザーからの問い合わせに対して十分な対応ができないと、顧客満足度が低下してしまうおそれがあるでしょう。

顧客の信頼を得るためにも、問い合わせには迅速で丁寧な対応を行うことが重要であり、質の良い対応で顧客満足度が向上すると、製品・サービスの利用継続や再購入にもつなげられます。

また、顧客満足度の向上は、自社への愛着心を指すロイヤルティにも関わります。顧客に長期的に選ばれ続けるためには、ロイヤルティの向上が欠かせません。

利益の拡大につながるため

顧客からの問い合わせに迅速・丁寧に応対することは、ファンやリピーターの獲得にもつながります。自社の利益拡大も期待できるほど、重要な業務だといえるでしょう。

良質な製品やサービスがあふれている現代では、製品そのものの質で差別化を図るのは難しいとされています。問い合わせ対応の質を高めれば、他社とは異なる顧客体験の提供によって差別化を図れるのです。競合製品と比較したときの優位性としてアピールでき、自社の製品が選ばれやすくなるでしょう。

製品やサービスの改善につなげられるため

問い合わせから得られた顧客の声は、製品やサービスの改善にもつなげられます。問い合わせを参考にすると顧客の求めているものや需要の高い製品が理解でき、顧客ニーズを押さえた製品やサービスの提供が可能になるでしょう。

質の良い製品・サービスを供給し続ければ、新規顧客の開拓という好循環も期待できます。消費者の意見をそのまま事業に反映できる点からも、問い合わせ対応は高い重要性を秘めているのです。

問い合わせ対応を自動化する方法!課題や自動化するメリットを解説

問い合わせ対応業務で発生する主な課題

問い合わせ対応業務では、課題となりやすいポイントがいくつか存在します。ここでは、問い合わせ対応業務で発生する主な課題について解説します。

問い合わせの数が多い

問い合わせ件数が窓口の許容量よりも多くなってしまうと、対応にミスが生じたり、問い合わせの連絡がつながりにくくなったりすることがあげられます。焦りから丁寧な対応を欠くことも増え、顧客満足度が低下するおそれもあるでしょう。

また、問い合わせに対応するオペレーターへの負担やストレスも増大します。残業や長時間労働が常態化すれば、最悪の場合離職者や休職者が発生してしまうことも考えられます。

問い合わせへの対応に時間がかかる

1件ごとの問い合わせ対応に時間がかかるのも、よくある課題のひとつです。さまざまな製品やサービスが出ている現代では、問い合わせの内容も多様化しています。

イレギュラーな問い合わせには、オペレーター1人で対応しきれないことも多いものです。複数の部署や担当者をまたいでいるうちに、1件あたりの対応に多くの時間がかかってしまうことがあります。

このような状況が度重なると「対応が遅い」「満足する回答が得られない」といったネガティブな印象を抱かれることもあるでしょう。

対応品質にばらつきが生じる

担当者によって経験やスキルが異なることから、対応品質にばらつきがあるのも課題としてあげられます。同じ内容の問い合わせであっても、担当者ごとに違う回答をしてしまったり、経験の浅い担当者によって間違った回答をしてしまったりすることがあるでしょう。

昨今では、SNSなどでほかのユーザーの口コミを見ることも可能です。同じような問い合わせをしたのに対応が違っていたということがわかれば、企業への不信感を抱くことにもつながりかねません。

業務が属人化しやすい

問い合わせ対応は属人化しやすい業務とも言えます。特定の担当者のみが対応状況を把握しているなど、適切な情報共有ができていないこともあるようです。このような状況ではほかの社員との連携が取りにくくなり、対応品質のばらつきが生じる原因にもなります。

二重対応や伝達漏れによるトラブルを防ぐという意味では、1人の担当者が対応する方が良いかもしれません。しかし、担当者の負担が大きくなりすぎるため、属人化しないような業務配分が求められます。

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問い合わせ対応業務を効率化する方法

社員の負担軽減や顧客満足度向上のために、問い合わせ対応業務を効率化させましょう。ここでは、問い合わせ対応業務を効率化する5つの方法について解説します。

FAQを充実させる

問い合わせ対応を効率化するには、よくある質問とその回答をまとめたFAQを充実させるのがおすすめです。FAQページを充実させることで、顧客自身で解決できるようになり、問い合わせ件数の削減が期待できます。

FAQを有効活用するためには、想定される問い合わせ内容を網羅しておくことが重要です。また、顧客が求める答えにすぐ辿り着けるような導線設計や、わかりやすい回答を用意することにも気をつける必要があります。

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問い合わせ内容を分析する

問い合わせ内容を分析することも有効な手段のひとつです。どのような問い合わせが多いのか、1件あたりの対応にどのくらいの時間を要しているかなどについての分析を行いましょう。

顧客からの問い合わせの傾向を捉えておくことで、どのように改善していくかが検討しやすくなります。現状を把握しないまま効率化を図ろうとすると、方向性を見誤ってしまうおそれもあるため、あらかじめ問い合わせ内容や数についての分析を行うことが大切です。

チャットボットを設置する

問い合わせ対応業務の効率化を図る際は、チャットボットの導入も検討しましょう。チャットボットとは、チャットで会話しながら顧客の問い合わせに対応するロボットのことです。

チャットボットを導入することで、24時間365日いつでも顧客からの問い合わせに対応できます。よくある質問や簡単な質問であれば、チャットボットのみで対応が完結するため、オペレーターの業務負担の軽減につながります。

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対応マニュアルを整備する

対応マニュアルを整備することも、問い合わせ業務の効率化につながります。マニュアルによって対応方法を統一することで対応品質を標準化でき、担当者ごとのばらつきをなくせるでしょう。また、対応スピードの向上も期待できます。

イレギュラー時の対処法まで記載しておけば、トラブル発生時でもスムーズなやり取りが可能です。誰が読んでも理解できるようなマニュアルを作っておくことで、わからないことを調べる・聞くといった担当者の負担を減らせます。業務ストレス軽減にも役立つほか、新人教育や引き継ぎの場面でも重宝するでしょう。

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アウトソーシングを導入する

問い合わせ業務を外部にアウトソーシングするのも有効です。アウトソーシングを導入すると、高いスキルを持った専門家に業務を任せられ、対応品質の向上が期待できるでしょう。

アウトソーシングによって余裕ができたリソースをより重要度の高い業務にまわすこともでき、教育や採用にかかるコストが抑えられます。問い合わせ業務の担当者が不足しているなど、自社だけで対応しきれないときはアウトソーシングの利用を検討してみてください。

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問い合わせ管理システムを導入する

問い合わせ管理システムを導入することで、問い合わせ対応業務を効率化できます。問い合わせ管理システムとは、問い合わせに関する情報を一元管理し、社内の情報共有をスムーズにするシステムのことです。

メール・電話・LINE・チャットなどのさまざまな窓口から寄せられた質問に、1つの管理システムから返信できるようになります。ステータスの管理もできるので、問い合わせ状況の可視化も可能です。回答テンプレートなどで対応の効率化も期待でき、担当者の負担も軽減できるでしょう。

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問い合わせ対応を効率化させるおすすめのシステム

ここでは、問い合わせ対応を効率化したい方におすすめのシステムを紹介します。機能内容や料金を比較し、自社に合った製品を選びましょう。

Re:lation

Re:lationは、メール・LINE・電話といった10種類の窓口を一元管理できる問い合わせ管理システムです。スマホアプリにも対応しているので、場所や時間を問わずシステムを利用できます。

対応中のメールにはロックがかかるため、二重返信を防止できるのもポイントです。添付ファイルウイルスチェック機能など、高度なセキュリティ対策もなされています。

提供元株式会社インゲージ
初期費用要問い合わせ
料金プラン14,080円(税込)/月~
導入実績5,000社以上
機能・特徴マルチチャネル、案件管理・効率化、顧客管理・情報共有、教育・分析、セキュリティほか
URL公式サイト

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Tayori

Tayoriは、フォーム・FAQ・アンケート・チャットの4つの機能でカスタマーサポート業務を効率化するツールです。豊富なテンプレートが用意されており、フォーム作成が最短1分で行えます。

チャット機能も面倒な初期設定が不要で、自社のホームページなどにすぐに設置できるのが魅力です。また、フォームとの連携も可能なため、オペレーターが対応できないときはフォームで対応するなど、柔軟な問い合わせ対応を実現します。

提供元株式会社PR TIMES
初期費用
  • フリープラン:無料
  • スタータープラン:無料
  • プロフェッショナルプラン:無料
  • エンタープライズプラン:55,000円(税込)
料金プラン
  • フリープラン:無料
  • スタータープラン:4,180円(税込)/月
  • プロフェッショナルプラン:10,340円(税込)/月
  • エンタープライズプラン:27,940円(税込)/月
導入実績60,000アカウント
機能・特徴フォーム、FAQ、アンケート、チャット、公開URL設定、サブドメイン設定、レスポンシブ対応、データのエクスポート、自動応答メール設定など
URL公式サイト

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zendesk

zendeskは、世界10万社以上で導入されている問い合わせ管理システムです。メッセージング機能を搭載し、チャネルをまたいだ会話にも対応できます。

FAQ構築ソフトウェアやAIの活用により、問い合わせ対応業務の大幅な効率化が可能です。さらに、エージェントワークスペースで顧客情報の一元管理が行えます。

提供元株式会社Zendesk
初期費用要問い合わせ
料金プラン■Zendesk Suiteプラン(月払い)
  • Suite Team:$69/月
  • Suite Growth:$115/月
  • Suite Professional:$149/月
  • Suite Enterprise:要問い合わせ
導入実績世界10万社以上
機能・特徴チケット管理システム、メール、チャット、電話、メッセージアプリで顧客をサポート、ヘルプセンター(FAQ)、Standardボット、事前構築済みのダッシュボードなど
URL公式サイト

問い合わせ対応の効率化を実現した成功事例

問い合わせの効率化を図るには、企業の事例から学ぶのが得策です。ここでは、課題に対して適切な対策を講じ、問い合わせ対応の効率化に成功した企業の事例を4つ紹介します。

朝日新聞社

朝日新聞社は、1987年の創刊号からすべての記事をデータベース化し、Web上で記事の検索・閲覧が行える教育機関向けのサービスを提供しています。

教育現場では新聞を教材として利用することも多く、繁忙期には毎日200件以上の問い合わせがあるそうです。これまでは10名の従業員で対応していましたが、営業や開発といったサービス拡大のための業務に集中するため、問い合わせ業務の効率化が求められていました。

そこで同社は、問い合わせ管理システムを導入し、膨大な数のメールの整理にかかる時間を半減させることに成功しています。繁忙期ではメール管理の時間を1人あたり1日4時間ほど削減し、他の業務に時間を割くことが可能になったようです。

[出典:yaritori「導入事例 朝日新聞社」]

ナップ賃貸保証株式会社

ナップ賃貸保証株式会社は、入居者やオーナー、管理会社などに家賃保証サービスを提供しています。同社は、2,000社ほどの取引先から来る連絡や問い合わせを営業サポート部で対応していました。

しかし、1日300件以上のメールを受信していたことから、対応状況を把握しきれず、対応漏れや返信遅れなどが発生していたようです。そこで同社は、チャット機能が搭載されている問い合わせシステムを導入し、対応状況の可視化を実現しています。その結果、対応漏れがなくなり、取引先とのコミュニケーションがスムーズに行えるようになりました。

[出典:yaritori「導入事例 ナップ賃貸保証株式会社」]

関東運輸株式会社

関東運輸株式会社は、食品の物流サービスを手がける企業です。同社の共配主幹課では、全国の顧客から輸送依頼を受け、社内の部署や協力会社に輸送の手配を行っています。しかし、400件以上の顧客から輸送ルートや輸送量が異なる不定期の依頼を受けているため、対応遅れや漏れのフォローで発生するコストが課題となっていたようです。

同社はこれらの課題は体制を整えれば解決できると考え、顧客からの問い合わせ対応を効率化できるシステムを探しはじめ、メール管理システムを導入しました。その結果、担当者全員の対応状況が把握できるようになり、対応漏れがなくなったことで担当者の精神的負担の軽減にもつながっています。

[出典:Mail Dealar「導入事例 関東運輸株式会社」]

株式会社ベガコーポレーション

株式会社ベガコーポレーションは、ECサイトの運営などIT事業を手がける企業です。家具インテリアの「LOWYA(ロウヤ)」など、6つのショップを運営しています。

同社では1日500件ほどのメールを10人のスタッフで対応していましたが、全員同じメールを受信していたため、自分の担当しているメールが埋もれてしまい対応漏れが頻繁に発生していたようです。また、送信メールはそれぞれの担当者が管理していることから、業務が属人的になってしまうという課題も抱えていました。

そこでメールを一元管理できるシステムを導入し、担当者ごとに対応するメールを振り分けることで、返信漏れがなくなったほか、業務のノウハウを会社の財産として共有できるようになっています。

[出典:Mail Dealar「導入事例 株式会社ベガコーポレーション」]

最適な形で問い合わせ対応を効率化させよう

問い合わせ対応業務の効率化は、多くの企業で課題となっています。顧客満足度を高めつつ、担当者の負担を軽減するには、さまざまな対策を講じることが大切です。

問い合わせ対応業務を効率化するためには、自社の課題を理解して対処法を取り入れる必要があります。今回紹介したシステムや事例なども参考に、自社の問い合わせ対応業務を効率化する方法を検討しましょう。

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