メール配信のブラックリスト登録とは?仕組みや確認・解除方法を解説!

最終更新日時:2023/06/27

メール配信システム

メール配信のブラックリスト

なりすましメールや迷惑メールを受信拒否するために「ブラックリスト」が存在します。メール配信におけるブラックリストは、どのような要因で登録されるのでしょうか。本記事では、メール配信のブラックリスト登録について、仕組みから確認・解除方法まで詳しく解説します。

メール配信におけるブラックリストについて

メール配信におけるブラックリストは、迷惑メールやなりすましなどの悪質なメールを配信するドメインを収集し、リスト化したものです。一般的にはDNSBL(Domain Name System Black List)と呼ばれています。

スパムメール対策を行う第三者団体によって作成・展開されており、さまざまなソフトウェアで使用可能です。DNSBLに登録されたIPアドレスは、リストが共有されている世界中のメールサービスで受信拒否されます。

ISPのブロックリストとの違い

ブラックリストは幅広いメールサービスで展開されています。登録されたIPアドレスは、リストを使用するすべてのメールサービスで受信拒否されるのです。一方、ISP(Internet Service Provider)の「ブロックリスト」は、メールサービスごとに作成された固有のリストを指します。受信拒否されるのは、ブロックリストに登録されたサービスのメールのみです。

例えば、Yahoo!メールのブロックリストに登録されていても、Googleメールでは配信できます。ISPのブロックリストは、サービス間で共有されないのです。

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ブラックリストの仕組み

ブラックリストは、主にスパムメール対策を行う管理団体が作成・運営しているサービスです。有料無料の違いを含め、さまざまなサービスが提供されています。サービスごとに内容が異なるため、どれを使用するか選ぶことが大切です。

代表的なブラックリストサービス「Spamhaus」を例に、ブラックリストの仕組みについて解説しましょう。

  1. メールを受信する
  2. 送信元IPアドレスのブラックリスト登録の有無を管理団体に問い合わせる
  3. 照合結果が通知される
  4. ブラックリストに登録されていた場合、受信メールの処理方法を選択する

送信元のIPアドレスがブラックリストに登録されていた場合、メールは「受信拒否」「受信」「迷惑メールフォルダに振り分ける」などの処理ができます。受信側でどのように処理されたかは、送信側には通知されません。

有名なブラックリストのサービス

ブラックリストはさまざまな管理団体が作成しており、世界中のメールサービスで利用可能です。ここでは、有名なブラックリストのサービスを3つ紹介します。

Spamhaus

Spamhausは、The Spamhaus Project, SLUが管理するブラックリストサービスです。世界中のスパムデータを取り扱っており、強力なブラックリストを作成しています。

「IPアドレス」「オープンプロキシ」「マルウェア」「ドメイン」それぞれのブラックリストがあり、無料で使用可能です。

提供元The Spamhaus Project, SLU
初期費用無料
料金プラン無料
機能・特徴
  • 世界中のスパムデータを扱う
  • Spamhausブロックリスト
  • エクスプロイトブロックリスト
  • ポリシーブロックリスト
  • ドメインブロックリスト
URL公式サイト

SpamCop

SpamCopは、Cisco Systems, Inc.が管理しているブラックリストサービスです。スパム判定されたIPアドレスを一覧で表示します。

リストは自動化されたレポートや、ユーザーからの情報提供をもとに作成されています。提出レポートが1つだけなど、情報不足の段階ではリストに載りません。緻密なルール下で情報管理を行うため、精度が高いのが特徴です。

提供元Cisco Systems, Inc.
初期費用無料
料金プラン無料
機能・特徴
  • 自動化されたレポートやユーザーからの報告をもとに作成
  • IPアドレスのリスト
  • 提出されたレポートが1つだけのIPアドレスはリスト化しない
URL公式サイト

MXToolBox

MXToolBoxは、MxToolbox社が提供するブラックリストサービスです。無料で使えるオンラインブラックリストチェックツールを提供をしており、100以上のリストからIPアドレス登録の有無を確認できます。

有料プランでは、メールの配信レポート機能も使用可能です。メールの配信状況などを分析でき、より効果的なメール配信に役立ちます。

提供元MxToolbox, Inc.
初期費用無料
料金プランFREE:無料
DELIVERY CENTER:$129/月
DELIVERY CENTER PLUS:$399/月
機能・特徴
  • 無料のオンラインブラックリストチェックツールを提供
  • 毎週のブラックリスト監視
  • 有料プランではメール分析が可能
URL公式サイト

メール配信においてブラックリスト登録される原因

IPアドレスは、なぜブラックリストに登録されてしまうのでしょうか。メール配信における、ブラックリスト登録の原因を解説します。

大量の一斉送信を行う

単一IPアドレスから大量の宛先に一斉送信を行うと、スパム判定を受けやすくなります。迷惑メールを送信する業者と判断され、キャリアやプロバイダにブロックされる可能性が高まるのです。その結果、ブラックリストに登録されてしまうことがあるでしょう。

何度も無効なメールアドレスへ送信する

無効なメールアドレスへの配信も、ブラックリスト登録のリスクを高めます。何度も送るとリスト型攻撃と判断され、最終的にブラックリストに登録されるのです。メール配信リストを定期的に確認し、使用されていないアドレスやスペルミスがないかをチェックしましょう。

スパムトラップへ送信し続ける

スパムトラップとは、迷惑メール業者を特定するためのトラップ用メールアドレスです。ブラックリストの管理団体やプロバイダが、迷惑メールを無くすために展開しています。

スパムトラップへのメール送信が続いててしまうと、迷惑メール業者だと判断されてしまうでしょう。ブラックリスト登録も避けられないため、注意が必要です。

パソコンのウイルス感染により大量のメールが送信される

パソコンがウイルスに感染し、意図せずメールが大量送信されることもあります。受信者側が迷惑メールと判断すれば、プロバイダやリストの管理元に報告を行うでしょう。報告が多いほど、ブラックリストに登録される可能性も高まるのです。

発生は非常に稀で、パソコンのセキュリティ不足に起因するケースとなります。

ハッキングにより大量にメールを送信してしまう

メールの大量送信は、外部からのハッキングで起こる場合もあります。ウイルスと同じく、パソコンのセキュリティが脆弱であることが一因です。1つのIPアドレスから大量にメールを配信する行為は、いかなる理由でもブラックリスト追加の可能性を高めてしまいます。パソコンのセキュリティ対策を万全にし、未然防止に努めましょう。

メール配信で考えるべきセキュリティ対策とは?様々なリスクの要因も解説

イタズラによる妨害を受ける

第三者のイタズラによる妨害行為も、ブラックリストに登録される要因の1つです。

例えば、問い合わせに搭載した自動返信機能が悪用されるケースがあげられます。無効なメールアドレスを何度も入力され、自動返信で繰り返しメールが送られてしまうのです。同一アドレスからの大量送信とみなされてしまい、ブラックリストへの登録につながります。

メール配信においてブラックリスト登録されるパターン

メール配信でブラックリストに登録される場合、大きく2つのパターンがあります。ブラックリスト登録のパターンについて、具体的に解説しましょう。

プロバイダのブラックリストに登録されるパターン

プロバイダにも独自のブラックリストがあり、スパムメールを配信していると判断したIPアドレスを登録しています。リストに載ると、そのプロバイダが運営するドメインすべてから受信拒否される仕組みです。

スパムメール撲滅のための団体に登録されるパターン

先に紹介した「Spamhaus」など、スパムメール撲滅のための団体があります。団体が運営するブラックリストへの登録が、もう1つのパターンです。ブラックリストの登録といえば、多くはこのパターンが当てはまるでしょう。

団体のブラックリストに登録されると、世界中のドメインから受信が拒否されます。特定ドメインのみ拒否されるプロバイダのパターンよりも、メール配信に大きな支障が出るでしょう。

メールアドレスがブラックリスト登録されているか確認する方法

メールが相手に送信できない場合、メールアドレスがブラックリストに登録されている恐れがあります。専用サービスを使い、ブラックリスト登録の有無を確認しましょう。

2つのサービスを例に、メールアドレスがブラックリスト登録されているか確認する方法を解説します。

IPひろばを利用して確認する方法

ブラックリストに登録されているか、IPひろばを利用して確認する方法は以下の通りです。

IPひろばにアクセスする
②検索窓に検索したいドメイン名を入力し、検索ボタンを押す
③検索結果ページの「RBL検索」項目を確認する

RBL検索の項目に「存在しません。安全です。」との表示があれば、ブラックリストには登録されていません。「問題があります」と表示された場合は、メールアドレスがブラックリストに登録されている可能性があります。

MGT.jpを利用して確認する方法

MGT.jpでもメールアドレスがブラックリストに登録されているか確認できます。利用方法は以下の通りです。

MGT.jpにアクセスする
②検索窓に検索したいドメイン名を入力し、チェックボタンを押す
③検索結果の表示を待つ

「登録されているサイト数」の表示が0であれば、ブラックリストには登録されていません。1以上の数字が表示された場合は、ブラックリストに登録されています。

メールアドレスをブラックリスト登録から解除する方法

メールアドレスがブラックリストに登録されてしまった場合、リストの管轄先により解除方法が異なります。ブラックリストサービスとメールプロバイダ、どちらのブラックリストに登録されたかがポイントです。各リストにおける解除方法についてみていきましょう。

サイト上で解除申請を行う

ブラックリストサービスの管理下にあるブラックリストは、運営団体が公開する公式サイト上で解除申請が行えます。公式サイトの解除申請ページにアクセスし、メールアドレスやドメインを入力するだけで申請可能です。

場合によっては、解除理由を詳細に聞かれることもあります。アクセスログ・メールログ・SMTP認証など、解除申請に必要な情報を用意しておくと良いでしょう。

メールプロバイダへの解除申請は難しい

メールプロバイダには、ブラックリストの解除申請用窓口がありません。問い合わせできたとしても、登録を解除してもらえるとは限らないでしょう。ブラックリストに登録されないようなメール配信を心がけておくことが大切です。

メールアドレスのブラックリスト登録を防ぐコツ

リストに登録されてから対処するよりも、事前に防ぐことが重要です。メールアドレスがブラックリストに登録されないためのコツを解説します。

定期的に配信のエラーを確認する

配信エラーは、無効なメールアドレスへの送信により起こるものです。無効アドレスに送信が続くと、ブラックリスト登録リスクが高まります。登録アドレスの解約や入力ミスで、結果的に無効になってしまうケースもあるでしょう。配信エラーを定期的に確認し、ブラックリスト登録を予防してください。

メールリストを精査する

メールリストを精査し、使われていないメールアドレスやスペルミスがないかをチェックしましょう。古いメールアドレスの場合、スパムトラップが含まれている可能性も考えられます。汚染されたメールリストを使い続けると、ブラックリストに登録される危険性が上がるでしょう。

定期的にメールリストの精査を行い、危険を取り除く必要があります。

メール配信の開封確認機能とは?設定方法や注意すべきマナーについて解説

迷惑メール認定されにくいメールを作成する

メールを作成するときは、迷惑メールだと判断されない作り方が重要です。受信側から迷惑メールとして報告される件数が多いと、リストに登録される可能性が高まります。

メール配信は同意を得たユーザーのみに行い、適切な内容と頻度を遵守しましょう。講読解除の方法が分かりやすく、簡単であることも大切です。ウイルス感染やハッキングを防ぐために、セキュリティ対策も行ってください。

メール配信システムを利用する

メール配信システムを使うメリットは、メールを一斉配信する際にIPアドレスの分散処理が行われる点です。ブラックリスト登録要因である「単一IPからの大量送信」を回避でき、登録予防につながります。

メール配信システムを活用すれば、メールリストの精査も自動化可能です。ブラックリストに載るのを防ぎつつ、メール配信業務の効率化も実現できるでしょう。

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業者からのアドレス購入を避ける

業者が販売しているメールリストの安易な購入は避けてください。無効なメールアドレスや、スパムトラップが含まれている可能性が高いためです。

無効なアドレスやスパムトラップへの送信は、ブラックリストの登録リスクを高めてしまいます。業者からのアドレス購入は危険であることを覚えておきましょう。

ブラックリストについて理解することは掲載リスクの軽減につながる

使用するIPアドレスがブラックリストに登録されないよう、気を付けてメールを配信することが大切です。ブラックリストに登録されるとメールの送信ができなくなり、メールマーケティングに支障をきたします。万が一登録が疑われるときは、専用サービスでの確認や解除手続きを行いましょう。

ブラックリスト化を防ぐには、事前対策が肝心です。日ごろから適切なメール配信を心がけ、リストへの登録を防いでください。

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