ステップメールに不可欠なシナリオ設計の方法!重要なポイントまとめ
メールマーケティングの手法の1つであるステップメールでは、効果を最大化させるためのシナリオの設計が重要であることをご存知でしょうか。本記事では、ユーザーへの有効な訴求につながるシナリオ設計のポイントや重要性を解説いたします。
目次
シナリオとは?
ステップメールのシナリオとは、メルマガ登録や会員登録など、特定のアクションをしたユーザーに対して、関係性を維持しつつ、購買や問い合わせといった次の行動へと導くための筋道を示すものです。
シナリオには、送付する内容のほか、送付する頻度やタイミングの設計などが含まれます。いずれもユーザーとの関係性維持に大きく影響する要素となることから、シナリオによっては、負担に感じて配信を解除されてしまうなど、ネガティブな印象を与えてしまうこともあるため、慎重に検討しなければなりません。
▷シナリオメールとは?ステップメールとの違いや使い分けについて
ステップメールのシナリオ設計が重要な理由
ステップメールの目的達成において、シナリオの設計が重要な鍵となる、具体的な2つの理由を詳しく解説します。
1.訴求効果はシナリオ設計によって左右される
たとえば、ECサイトを利用した際には、次のようなステップメールが送られます。
STEP1:「注文確認」
STEP2:「発送準備中」
STEP3:「発送完了」
STEP4:「口コミ・レビュー依頼」
STEP5:「商品レコメンド」メール
上記ステップのうち、STEP5の「この商品を買われたお客様は、こんな商品も購入しています」などの商品レコメンドメールが記憶にある方も多いのではないでしょうか。
しかし、このレコメンドメールは、多くの場合、STEP1の注文直後、あるいは、購入からあまりにも長期間経過した後に送付しても有効なリテンション、つまり、ここでいう追加購入の訴求とはなりません。
ステップメールにおけるシナリオは、ユーザーに対して最適な内容を最適なタイミングで送信することで興味・関心を最大化させ、目的のアクションへと導くための非常に重要な役割を担っているのです。
適切に設計されたシナリオは、費用対効果を向上させ、マーケティングキャンペーンが成功する確率を上げる効果が期待できるでしょう。
2.適切なシナリオがユーザーとの良好な関係維持につながる
ステップメールは、サービスや商品の購入を促すだけでなく、企業とユーザー間の接点を保つ手段でもあります。そのため、ユーザーの関心を維持するための適切なコミュニケーションが求められます。
かといって、例えば、頻繁にメールを配信してしまうと、購読を解除されてしまったり、開封率が下がってしまったりなど、かえって関係性を悪化させてしまうこともあるでしょう。
ユーザーとの関係性を維持し、関心が高まるタイミングで適切な内容を配信するシナリオ設計は、既存ユーザーとの継続的かつ良好な関係性を維持することにつながるのです。
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ステップメールのシナリオ設計するための必須ポイント
ステップメールのシナリオ設計するための必須ポイントは5つあります。
- 目的(ゴール)とターゲットを決める
- まかな流れや方向性を決める
- ゴールから逆算して説得力のある内容を肉づけする
- AIDMAの法則に沿って分割する
- シーンに合わせたフレーズやイベント要素を盛り込む
各ポイントについて、詳しく見ていきましょう。
1.目的(ゴール)とターゲットを決める
まずはリード獲得や売上増加、顧客ロイヤリティ向上など、ステップメールの目的を明確にします。次にターゲット層を決定し、その層に合わせたメッセージングを行いましょう。
ターゲットの分類は、年齢層や性別、職業などの属性で分ける方法のほか、購入頻度や購入価格、最終購入日といった購入履歴によりグルーピングする方法もあります。
2.大まかな流れや方向性を決める
次に、ターゲット層の興味関心に合わせたメールの流れを考えましょう。
ステップメールは、複数のメールを指定した順番とタイミングで送付するため、最初に送付するメール内容だけでなく、段階的なストーリーの組み立てが重要となります。
また、リード獲得後のアプローチとして送信するメール内容やタイミングなどの方向性についても、大まかに決めておくと良いでしょう。
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3.ゴールから逆算して説得力のある内容を肉づけする
事前準備の詰めとなるのが「ゴールから逆算した説得力のある内容の肉づけ」です。
例えば、商品購入を促す場合、商品説明や使用者の声などで商品の魅力を伝え、価格や送料などの情報を提供、その後、お得なキャンペーン情報を提供するといった一連の流れなどが挙げられます。複数のメールによるコミュニケーションという特性を活かし、段階的に詳細な情報を提供するのが望ましいでしょう。
ただし、ステップメールの各ステップで提供する内容は、ターゲットの関心やサービス・商品の特性に合わせて最適化しなければなりません。価格に敏感なユーザーであれば、最初のメールから価格について詳しく説明することが効果的でしょう。
ステップメールのシナリオ設計は、ゴールから逆算して必要な情報を提供し、リードを段階的に説得していくことが重要です。
4.AIDMAの法則に沿って分割する
AIDMAとは、Attention(注意)、Interest(興味)、Desire(購買欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の頭文字をとったマーケティング用語です。
この法則に従ってステップメールのシナリオを分割することで、リードを段階的に導き、最終的に目的の行動を促せます。
Attention(注意)では、タイトルや見出しなどに工夫を凝らし、まずはメール自体に興味を持ってもらい、メールを開封してもらうことが重要な役割となります。
Interest(興味)は、興味を引くための情報提供です。リードが関心を持っていることについて、より詳しく説明することが求められます。
Desire(購買欲求)では、リードに商品やサービスへの欲求を持たせるために、商品やサービスの魅力を強調するとよいでしょう。
Memory(記憶)は、ユーザーの記憶に残るような情報の提供です。一例として、期間限定のキャンペーン情報や割引コードのお知らせなどにより、「購入したい」という記憶を思い出してもらいます。
最後のAction(行動)については、最終的な目的である購入や申し込みなどの行動を促すため、購入の機会を提供します。
このように、AIDMAの法則に従ってステップメールのシナリオを分割することで、段階的にリードを導き、スムーズに目的の行動を促す効果が期待できます。
5.シーンに合わせたフレーズやイベント要素を盛り込む
最後が「シーンに合わせたフレーズやイベント要素」の追加です。
ターゲットの感情や状況に合わせて、メッセージの内容を調整することで、より強い関心を惹きつけることも可能です。例えば、クリスマスやバレンタインなどの季節イベントに合わせたフレーズのほか、ユーザーの誕生日など、パーソナルなイベントに合わせた内容でメールを送信するのも有効でしょう。
シーンに合わせたフレーズは、購買意欲を高められるだけでなく、ユーザーのサービス・商品に対する親近感を高めることにもつながります。
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ステップメールを成功させる方法・注意点とは?
ステップメールを成功させるためには、以下5つの方法を実行する必要があります。
- 最初から複雑なシナリオは設計しない
- HTMLでメールを配信する
- 資料請求や購入を毎回迫らない
- セールスライティングを工夫する
- 検証と改善のサイクルを継続的行う
各方法について、詳しく見ていきましょう。
1.最初から複雑なシナリオは設計しない
ステップメールを設計する際には、リードが理解しやすいシンプルなステップメールを作成することが大切です。例えば、売り込み色を抑えるためなどの理由から情報を削った結果、「誰からの、何のメール」なのか分かりづらくなってしまい、不信感を抱かれてしまうことがあります。
もちろん過度な売り込みや押し付け感のあるメール内容は避ける必要がありますが、ユーザーにとって目的が理解しにくい複雑な内容は、かえって顧客離れを引き起こします。
商品購入を促す場合であれば、最初のステップは商品の特徴や価格などの情報提供、次のステップで購入の決断を促すといったように、シンプルな内容で段階的に興味関心を進めていきましょう。
その後、リードの反応を見ながら改善していくことも忘れてはいけません。
2.HTMLでメールを配信する
メールは、テキストメールよりもデザイン性が高く、視覚的な訴求が可能なHTML形式で配信するようにします。
また、HTMLメールを配信する際には、以下のポイントにも注意してください。
- 目的やターゲットに合わせたデザインを作成する
- テキストよりも画像や図解を活用する
- レスポンシブデザインを採用する
上記のほかにも、スパムメール(迷惑メール)だと判断されてしまわないよう、件名は必ず書く、「今すぐ申し込もう!」などの煽り文句や!マークを多用しないなどが挙げられます。
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3.資料請求や購入を毎回迫らない
毎回、購入を促す内容のみを配信していると、売り込み感の強さにうんざりしてしまい、配信停止をされてしまう可能性も高まってしまいます。
もちろん目的とする行動を促す情報や内容の掲載は重要ですが、双方向のコミュニケーションであることを忘れず、「ユーザーが有益と感じる情報」の視点を失わないようにしましょう。
ステップメールの内容には、コスメであれば、美容に関するお役立ち情報も一緒に伝えるなど、購入に直結しない情報も適宜盛り込みつつ内容を構成することで、有効な情報源として継続的にメールを受け取りたいと思ってもらえるようになります。
メールに掲載された情報への信頼度は、結果として、商品・サービスへの安心感にもつながるでしょう。
4.セールスライティングを工夫する
商品やサービスの魅力を伝えるための文章であるセールスライティングを工夫する方法はいくつかありますが、まずはユーザーのニーズや関心への理解を高めたうえで、ユーザーにおけるメリットや利益を、簡潔かつ短い文章で伝えられるキャッチーな表現を心がけましょう。
5.検証と改善のサイクルを継続的に行う
配信後は、開封率やクリック率などのデータから、ユーザーの反応を分析しましょう。
開封率の高いタイトルや配信タイミング、クリック率の高いキャッチコピー・文章のほか、反応の良いターゲットの属性などのデータを収集し、配信内容やターゲット、配信頻度などの改善、最適化を図ります。
また、A/Bテストなどを実施して、より効果的なメールの配信方法を検証するのもおすすめです。
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ステップメールのシナリオ例
ここからはステップメールのシナリオ例を、2種類紹介します。ぜひ作成時の参考にしてください。
見込み客からの「購入」を目的としたシナリオ例
メルマガ登録や資料のダウンロードなどを行った、見込み客に対して、購入を促す目的としたステップメールのシナリオ例です。
ステップ1:登録完了・お礼のメール送信
メルマガ登録であれば、登録完了のお知らせとともに登録への感謝の気持ちを伝え、どのような情報が届くのかなど、メール配信の趣旨や注意点などを記載します。
ステップ2:興味関心を高める
サービス・商品の情報だけでなく、関連したお役立ち情報などを交えて発信し、興味関心を高めていきます。
ステップ3:サービス・商品の特徴を説明
興味関心が高まったところで、お客様の声などで信頼感や安心感を高めつつ、商品・サービスの特徴を詳しく説明し、強みをアピールします。また、ここではユーザーの「疑問」を解決するための情報を盛り込むことも重要です。
ステップ4:購入の促進
最後に、特別キャンペーンや割引などの情報を提供し、サービス・商品を思い出してもらうとともに、購買意欲を高め、購入を促進します。
既存顧客への売上拡大を目的としたシナリオ例
2つめは、既存の顧客に対し、プランアップや追加購入を促す際のシナリオ例です。
ステップ1:購入後のメール
発送が完了したことをお知らせする「発送完了メール」、商品が無事に届いたかを確認する「お届け確認」、使用感をフィードバックしてもらう「レビュー依頼メール」などが該当します。
ユーザーが安心できる情報の発信により、自社への信頼度やロイヤリティを高めつつ、引き続き、質の高いサービスの提供に努める旨を伝えます。
ステップ2:サービスの活用状況に応じた情報提供
「こんな使い方もあります!」といった便利な活用方法やお役立ち情報の提供により、サービス・商品への興味関心を維持します。
ステップ3:アップセル・継続利用の促進
「会員限定クーポン」、「継続割引キャンペーン」など、継続的に得られる特典や割引を提示し、購買意欲を高める情報を配信します。
ステップ4:おすすめサービス・商品の案内
最後に、おすすめのサービス・商品を紹介し、購入を促します。また、契約継続などが目的であれば、契約更新までの残り期間をリマインドするメールを送信し、購入を後押しするのも良いでしょう。
シナリオの重要性を理解し、ステップメールの効果を上げよう!
ステップメールは、見込み客や既存顧客との継続的な関係を保つ上での重要な接点であり、有効なコミュニケーション手段の一つとなります。
ただし、ユーザー視点を無視したシナリオ設計によるステップメールの送信は、ユーザーとの関係性や商品・サービスへのイメージを悪化させてしまうリスクもあることを忘れてはなりません。
ステップメールの目的を予め明確にした上で、ユーザーにとって有益となる情報発信の観点に留意し、売上の拡大につながるメールマーケティングを実現しましょう。
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