メルマガ×DMの活用方法!それぞれの特徴やマーケティング手法を解説!

最終更新日時:2023/06/22

メール配信システム

メルマガとDM

マーケティング戦略の一環として活用されてきたメルマガやDM。デジタル化が進んでいますが、紙媒体のDMにも捨てがたいメリットがあり、メルマガと組み合わせることで売上アップが狙えます。本記事では、メルマガ×DMの効果的なマーケティング手法について、それぞれの特徴やメリットもまじえながら解説します。

メルマガとは?

メルマガは「メールマガジン」の略で、購読登録をした顧客に、サービスや商品などの情報メールを継続的に一斉配信するサービスです。メールマーケティング手法のひとつとして広く活用され、文字だけで構成する「テキスト形式」と、文字装飾や画像なども用いて視覚的にアピールする「HTML形式」という2つのメール形式があります。

配信目的は、顧客と自社の関係強化、自社製品やサービスの認知度向上、キャンペーンやセールなどの情報提供による販売促進です。

メルマガのメリット

メルマガが広く活用されてきた理由は、次のようなメリットによります。

コストを抑えられる

はがきや封書でDM(ダイレクトメール)を送る場合、デザインや印刷などの制作費のほか、発送費がかかります。

一般的に、制作費は部数を増やせばコストダウンできるものの、決して安い金額ではありません。発送費は、送付先が増えれば増えるほど、かさみます。トータルすると、印刷物のDM発送には、かなりの費用が必要です。

しかし、メルマガなら制作費や発送費はかからず、配信システムの利用もDMほどの費用はかかりません。大量送信をしても、通信料は一定です。

低コストで顧客に情報が届けられることは、メルマガの大きなメリットです。

メルマガとは?初心者でも簡単に理解できる基礎知識を徹底解説

ユーザーとの信頼関係を強化できる

メルマガの購読者は、自社の製品を購入したことのある人や、自社製品に興味を持ってくれている人、いわばファンです。キャンペーンやセール、新商品紹介など、企業が発する情報をいち早くキャッチしたいと思うからこそ、購読登録をしているといえるでしょう。

定期的に読者が欲する情報を配信すれば、自社への信頼が増し、関係も強化されるでしょう。結果、販売促進にも期待できる強力なツールといえます。

マーケティングの幅が広がる

マーケティングには、企業が顧客にダイレクトにはたらきかける「プッシュ型」と、顧客からのコンタクトを待つ「プル型」という手法があり、両者のバランスをとることがマーケティングの基本です。

代表的なプッシュ型のマーケティングには、訪問や電話による営業活動があります。営業は、直接コミュニケーションがとれる点がメリットです。反面、時間的にも精神的にもリソースに負担がかかるというデメリットがあります。営業をかければ成果に結びつくとも限りません。

じつは、顧客に積極的に情報発信するメルマガは「プッシュ型」のマーケティング手法です。一斉配信による営業がかけられるメルマガを活用すれば、リソースの負担は間違いなく軽減されます。

メルマガのクリック率の目安は?業界別の平均数値や改善する施策を解説

メルマガのデメリット

メリットがある一方で、メルマガには次のようなデメリットもあります。

必ず読んでもらえるとは限らない

メルマガのデメリットとしてまず挙げられるのは、必ず読んでもらえるとは限らないことです。

メルマガの平均開封率は20%程度という調査結果もあります。単純計算すると、5人に送って開封するのは1人ということです。

開封したら必ず読んでもらえるわけでもなく、数行しか読まれないこともあれば、流し読みされてしまうケースもあります。

そのため、送ればよいというわけではなく、読者が興味を持つ件名を考える・開封されやすい時間帯に配信する・読者の心をつかむ内容にするなどの工夫が必要です。この点は、メルマガのデメリットといえます。

迷惑メールに分類されることがある

メールの件名や配信頻度により、迷惑メールと判定されるケースがあることも、メルマガのデメリットかもしれません。

迷惑メールと判定されたメールは、読者の側で気づかなければ、以降も迷惑メールとして扱われます。常に迷惑メールに分類されていたのでは、読んでもらえません。

迷惑メール対策を自社でするのは難しいのですが、スパム判定されるような言葉は使わないことは、ポイントです。

配信頻度も1週間に1回など常識の範囲内で設定し、迷惑メールに振り分けられないように工夫していきましょう。

メルマガの最適な配信頻度は?平均的な回数や意識すべきポイントを解説

定期的に企画やアイデアを考えなければならない

メルマガの開封率を上げ、ホームページの訪問や購買行動に結びつけるためには、定期的に企画やアイデアを考えてメルマガに反映する必要があります。メルマガ担当になれば、ネタ集めや取材に追われることもあるでしょう。

費用をかけずに大量配信できるメルマガですが、読まれる内容にするために労力を必要とする点は、デメリットといえます。

ユーザーを虜にする人気のメルマガとは?最新事例も踏まえて解説!

DM(ダイレクトメール)とは?

DMは、郵便やFAXなどで、顧客にダイレクトに情報を届けるマーケティング手法です。昨今はメールも使われますが、本記事ではメルマガとの違いを明確にするため、紙媒体のDMに的を絞って話を進めます。

DMで特筆すべきは開封率の高さです。知っている企業からのDMであれば開封率は90%以上、特に関わりのない企業でも、クーポン券や特売案内を届ければ50%を超えるという調査結果があります。

DMのもうひとつの特徴は、保存率の高さです。保存してあれば、受け取った本人だけでなく、家族などの目に触れる可能性もあり、自社の認知拡大に期待できます。

さらに、インターネットやメールを利用しない層にも確実なアプローチが可能です。デジタル化が進む現代において、紙媒体のDMは「古い」ととらえられてきましたが、その効果に再び注目が集まっています。

DM(ダイレクトメール)のメリット

再び注目を集めているというDMの主なメリットについて見てみましょう。

ユーザーに直接情報を届けられる

DMは、宛先を明記して送るので、伝えたい情報を直接顧客に届けることができます。自分宛の手紙は、やはり気になるものです。目を通してもらえれば、確実に宣伝効果は上がるでしょう。

DMは保存率も高いので、開封後すぐのアクションはなくても、後日、問い合わせや購入につながる可能性も秘めています。

顧客の興味を引くよう、DMの形状を工夫したり、印象的なデザインにしたりすることで、視覚的な訴求が可能な点も、DMのメリットです。

ターゲットの属性に応じて送る情報を変更できる

例えば、新規顧客と既存顧客では、伝えたい情報や製品も異なります。新規顧客には取扱商品のお知らせ、既存顧客には再利用の特典を送付するなど、ターゲットの属性によって伝える情報を変えられる点もDMのメリットです。

さらにDMは、情報量のボリュームアップにも対応できます。メールでは読み飛ばしがちな企業理念やブランドイメージなど、商品紹介以外に伝えたいことも、フォントやデザインを工夫して盛り込むことが可能です。

伝える内容や情報量をフレキシブルに変更できる点は、DMの強味といえるでしょう。

あらゆる層にアプローチできる

メールやWebを使ったマーケティングが一般的になってきましたが、それらの情報を得られるのは、PCやスマートフォンなどのデジタル機器をユーザーです。しかしDMは、デジタル機器ユーザーも含め、あらゆる層にアプローチできます。

ターゲットがデジタルユーザーに限定されない点は、DMならではのメリットです。

【必見】メルマガ登録者を増やす方法14選!登録されない原因を解決しよう!

DM(ダイレクトメール)のデメリット

メリットはあるものの、やはりDMにもデメリットがあります。

作成に時間や費用がかかる

DMを送るまでには、ターゲットの選定・顧客リストの作成や宛名の打ち出し・原稿執筆・デザイン・印刷・発送作業など数多くの工程があります。

作業時間短縮のため、DM代行業者に依頼することもできますが、新たに発生するのが外注費用です。時間やリソース、さらには費用がかかる点は、DMのデメリットといえるでしょう。

開封されない可能性もある

開封率の高いDMですが、届いても開封されない可能性も当然あります。

メルマガに比べれば高い開封率とはいえ、制作費や送料がかかっていることを考えると、開封してもらえないのは痛手であり、デメリットです。

デメリットを解消するためには、開封してもらうための工夫やアピールが欠かせません。

顧客情報の収集や管理に手間がかかる

DMを送るためには、名前と住所が必要です。メールアドレスだけを取得すればすむメルマガに比べると情報収集に手間がかかることは、DMのデメリットといえるでしょう。

顧客情報の収集には、会員登録やアンケート回答などの方法がありますが、いずれにしてもDM送付の同意も取らなければなりません。個人情報に当たる顧客情報は、取り扱いも慎重にする必要があります。

また、顧客の引っ越しなどを考慮し、定期的に顧客情報を更新しなければなりません。情報収集だけでなく、管理に相応の手間がかかることも、DMのデメリットといえそうです。

メルマガはもう時代遅れ?その原因やファンを獲得する最新のメルマガ戦略

メルマガとDMの違い

メルマガとDMの特徴をふまえ、6つの視点でそれぞれの違いを整理してみましょう。

コスト

DMには、用紙、デザイン、印刷などの制作費や発送費がかかり、部数が増えれば増えるほどコストも上がります。一方のメルマガでかかる費用は、システム利用料と通信費程度です。送付件数が増えても、費用は変動しません。

そのため、コスト面ではメルマガのほうが安価です。

開封率

メルマガの開封率が20%程度といわれている一方で、利用したことのある企業から届いたDMの開封率は90%を超えるという調査結果が出ています。

この数字で比較するなら、DMのほうが、情報に触れてもらえる確率は間違いなく高いといえるでしょう。

データ引用元:一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2022

開封率がアップするメルマガタイトル作成のコツ!今すぐ使えるサンプルも紹介!

配信までのスピード

DMは、企画・制作・発送という工程を踏むため、配信までに時間がかかります。一方のメルマガは、メールさえ作成できれば、すぐに配信可能です。企画からアプローチまでのスピードに関しては、メルマガが優れているといえます。

アクセス率

メルマガの本文内リンクのクリック率は平均で2〜3%で、5%を超えれば高クリック率というのが実情です。

一方、DMからWebに誘導した場合のアクセス率は、平均34.5%という調査結果があります。

要因として指摘されているのは、Webページに簡単にアクセスできるQRコードの印刷、DMをユーザーのアクションにつなげるクロスメディア戦略などです。

意外かもしれませんが、アクセス率ではDMが優位に立ちます。

データ引用元:一般社団法人日本ダイレクトメール協会「DMメディア実態調査2022

カスタマイズ性

メルマガは、メールで送信するという性質上、カスタマイズできるのはHTMLメールでの画像処理や装飾程度です。

一方のDMは、特殊印刷、ユニークな形状の用紙選択、サンプルの同封など、さまざまな工夫ができます。

顧客にアピールするカスタマイズを施したいなら、DMが向いているといえるでしょう。

メルマガで配信するコンテンツの種類一覧!それぞれの用途や特徴を解説

パーソナライズ力

DMは、顧客属性に合わせた情報発信が可能です。メルマガは、Web上で顧客が起こしたアクションと連動した情報を発信できます。どちらもパーソナライズ力はあるといえますが、タイミングを逃さず「個」にアプローチできるのは、メルマガです。

メルマガなら、MA(Marketing Automaiton)機能を活用し、リンクをクリックしたり、資料をダウンロードしたタイミングで、あらかじめ用意したメールを自動送信することができます。これは、DMにはできない対応です。

メルマガとDMの使い分け

メルマガとDMの特性を活かして使い分ければ、戦略的なマーケティングが可能です。ポイントを確認しておきましょう。

メルマガの利用が適しているケース

メルマガの対象は、すでに商品を購入したことのある顧客や、自社に興味関心を持ってくれている顧客であり、読者登録をしてくれている顧客です。

自社を知らない顧客に比べると、新しいサービスや商品の告知に好意的に反応してくれると考えられ、販売促進ツールとしての効果に期待できます。メールは、読んだ時点で申し込みや購入行動に移れる即時性がある点も活かしたいポイントです。

DMの利用が適しているケース

DMのメリットは、保存性の高さと本人以外の人も見る可能性があることです。その強みを活かせば、販売促進や新規顧客の獲得が狙えます。

例えば、1ヶ月を1週間ごとに区切ったキャンペーン告知などは、保存性の高いDMだからこそ効果的です。クーポンやお試し券を同封すれば、本人以外の使用にも期待できます。

メルマガとDMの戦略的な併用例

メルマガとDMの効果的な使い分けは、売上アップにつながります。以下は、その具体例です。

保険会社の例

資料請求者に、保険商品申し込みを促すことを狙った保険会社の例です。

保険商品の紹介は情報量が多いこともあり、最初のアプローチはDMとしました。各種保険プラン、1ヶ月に渡るキャンペーン情報のほか、保険商品が役立ったという購入者の声、よくある質問なども同封しています。1週間後にDMが読まれていないことも想定し、リマインドのメルマガを配信しました。

さらに、キャンペーン期間の半ばに返信用ハガキつきのDMを送付、それでも反応のない顧客に再度メルマガを送るという方法をとっています。最後のメルマガでは、キャンペーン期間の終了が近いことをアピール、申し込みをプッシュすることで、成果につなげました。

アパレルメーカーの例

紳士服メーカーがDMとメルマガの併用によって、コンバージョン率を2倍以上アップさせた事例です。

まず、DMとメルマガで、同時期にキャンペーン告知を行いました。DMでは、詳しい商品紹介をしましたが、送付はこの1回のみでリマインドおよび、キャンペーン終了直前告知はメルマガで実施という流れです。

このメーカーは、マーケティング施策として併用パターンとメルマガのみのパターンでテストをしています。その結果が、併用パターンのコンバージョン率アップでした。DMの保存効果が推察できる事例です。

メルマガ×DMの活用でマーケティング効率を上げよう

メルマガとDMには、それぞれの特徴とメリットがあります。時代遅れと思われがちな紙媒体のDMですが、開封率と保存率の高さは、メルマガにはありません。

両者の特性に着目した組み合わせが売上アップにつながることは、事例でも紹介したとおりです。ぜひ自社ならではのメルマガとDMの活用法を考え、マーケティング効率を上げていきましょう。

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