アウトソーシング業界の将来性は?市場規模の推移や依頼する際の注意点

最終更新日時:2024/04/09

アウトソーシング

アウトソーシングの将来性

経営手法の1つとして注目されているアウトソーシング。業務の効率化、人材確保、コスト削減などの観点から導入する企業が増え、需要の高まりを見せています。一方で、アウトソーシング業界の今後の動向も気になるところです。本記事では、市場規模の推移も含めたアウトソーシング業界の将来性、依頼するメリットや注意点について解説します。

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アウトソーシング業界の市場規模の推移

アウトソーシングとは、自社で行っている業務の一部を外部企業に委託することです。アウトソーシングを導入する企業も増加していますが、実際のところ、アウトソーシング業界の市場規模は、どのように推移してきたのでしょうか。

2022年にIDC Japan株式会社が発表した「国内BPOサービス市場の予測」によると、アウトソーシング業界の売り上げは順調な伸びを示し、右肩上がりとなっています。

アウトソーシングの市場規模が拡大している背景

アウトソーシングの市場規模が拡大している主な背景として挙げられるのは、2つの要因が考えられます。

国内の生産年齢人口の減少

生産年齢人口とは、国内の生産活動を担う15歳から64歳までの人口で、少子高齢化が進む日本では、1995年をピークに減少を続けています。総務省の発表によると、2050年の生産年齢人口は2021年に比べ29.2%も減少すると予測され、労働力不足の中でいかに人材を確保するかはどの企業にとっても喫緊の課題です。

中でも懸念されているのが若年層の不足で、求人を出しても必ず採用できるとは限りません。採用できた場合でも、人材育成に時間や費用がかかるという問題が残ります。

このような背景から、即戦力となる人材が確保できるアウトソーシングが注目され、導入が進みました。

参考元:総務省「生産年齢人口の減少

社会情勢の変化

ビジネスのグローバル化、AI導入に代表されるテクノロジーの進化など、社会情勢は日々大きく、しかも急速に変化しています。

このような社会情勢の中、企業として成長を遂げるために、自社のコア業務に社内リソースを充てたいと考えるのは当然の成り行きでしょう。また、高度な知識や技術を必要とするIT部門などの業務は、外部専門家に依頼したほうが効率的であり、クオリティの高さも望めます。

そこで、ノンコア業務や専門性の高い業務をアウトソーシングする動きが広がりました。

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アウトソーシング業界に将来性はあるのか?

このような背景のもと成長してきたアウトソーシング業界ですが、今後の成長はどのように見込まれているのでしょうか。

先ほど紹介したIDC Japan株式会社の調査では、アウトソーシング業界の年間平均成長率は3.9%、2026年の市場規模は、約1兆717億円に達すると発表されています。

アウトソーシング市場拡大の背景にある、生産年齢人口の減少、社会情勢の変化を鑑みても、アウトソーシング業界の市場規模は、今後も拡大すると考えられます。

参考元:IDC Japan株式会社「国内ビジネスプロセスアウトソーシングサービス市場予測

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アウトソーシングが企業の発展にもたらす効果

では、具体的にアウトソーシングの導入は、どのような効果を企業にもたらすのでしょうか。3点、ピックアップして紹介します。

製品・サービスの質が向上する

アウトソーシングで企業のノンコア業務を外部の専門企業に委託すれば、優秀な社内リソースをコア業務に充てることができます。自社の主力製品やサービスに注力することは、経営力アップに欠かせません。

さらに、社内リソースがコア業務に集中できる環境は、画期的なアイデアを創出し、イノベーションを起こす可能性も秘めています。新たな事業は、同業他社との差別化にもつながるはずです。

また、ITなど専門スキルを必要とする業務をアウトソーシングで依頼すれば、自社だけでは解決しがたい課題が解決でき、結果的に製品やサービスの向上につながるといえるでしょう。

アウトソーシングと業務委託の違いとは?目的やメリット・デメリット

社会情勢に柔軟に対応できる

グローバル化、テクノロジーの変化など、変化の激しい現代のビジネスでは、スピード感と同時に質の高さも保たねばなりません。そのためには、社内リソースにこだわらず、柔軟に人材を確保することが必要です。

アウトソーシングでは自社でボトルネックになっている業務やリソースが足りない業務を委託できるので、必要に応じて業務進捗の調整が可能となります。

経営体質が強化できる

専門業務やノンコア業務を外部委託できるアウトソーシングには、自社で人材採用や育成をするよりも、人件費を削減できるというメリットがあります。コスト削減は、経営体質を強化し、長期的な成長を遂げるために欠かせない要素です。

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アウトソーシングの注意点

将来性もあり、経営力強化も見込めるアウトソーシングですが、依頼するときに注意したいこともあります。おもな注意点を確認しておきましょう。

アウトソーシングする業務を見極める

アウトソーシングのメリットを得るための基本は、コア業務に社内リソースを充て、ノンコア業務をアウトソーシングすることです。社内リソースがさかれているノンコア業務を洗い出し、依頼を検討してみましょう。

即戦力として高度なスキルが求められる専門業務の依頼も、アウトソーシングが有効です。

業務内容・進捗状況を管理する

業務を外部委託した場合、作業の状況が見えにくくなるというデメリットがあります。アウトソーシングを利用する際は、依頼する業務内容、進捗状況もしっかり管理しなければなりません。

具体的には、業務依頼表や進行管理表を作成して共有する、定期的に報告会を持つなどの対策が考えられます。任せっきりにせず、必要なコミュニケーションは、しっかり取るようにしましょう。

情報漏洩リスクに対処する

アウトソーシングでは社内の機密情報、顧客情報などを共有することがあります。そのため、情報漏洩のリスクを避けることができません。情報漏洩が発覚した場合、自社の信用が損なわれるだけでなく、損害賠償請求など法的対応を迫られる恐れもあります。

そういった事態を避けるためには、アウトソーシング先のセキュリティ対策、情報管理体制をしっかり確認することが欠かせません。

もちろん、自社の対策も必要です。依頼に関する契約書を作成し、機密保持規定や情報漏洩防止条項など、リスクを回避するための取り決めを明記しておきましょう。日常の業務でも、情報の取り扱いに関する細かいルールやマニュアルを作成しての徹底、業務状況の監視など、念を入れた準備が必要です。

ITアウトソーシングとは?活用する際の注意点やおすすめのサービス

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アウトソーシングを活用し成長を加速させよう

アウトソーシング業界は、今後も発展すると予測されています。生産年齢人口の減少が明らかになり、社会情勢がめまぐるしく変化する昨今、いかに競争力を維持し、成長していくかを企業は考えなければなりません。その方策となるのが、アウトソーシングの活用です。

アウトソーシングの効果を見据え、注意点を意識しながら積極的に活用し、競争社会を勝ち抜いていきましょう。

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