【SaaSの重要KPI】チャーンレートとは?目安の平均値や計算式を解説

最終更新日時:2023/05/22

SaaS

チャーンレートとは

SaaSやサブスクなどのビジネスモデルにおいて最重要視されているチャーンレート。しかし、計算方法やそもそもなぜ重要なのかわからないという方も少なくありません。そこで本記事では、そんなチャーンレートについて、重要性や計算式など詳しく解説していきます。

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SaaSビジネスで重要視されているチャーンレートとは?

チャーンレートは解約率を表す数値のことで、SaaSのビジネスを展開している企業では特に注目される指標です。

チャーンレートによってどれぐらいの顧客がサービスを解約しているのか把握でき、数値が低ければ低いほど、優れているサービスということになります。

また、動画や音楽の配信サービスなどのサブスクリプションでも重要とされており、チャーンレートを重要な指標として注目することで、企業は顧客にサービス利用を継続してもらえるよう、日々サービス改善に取り組んでいるのです。

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SaaSビジネスにおけるチャーンレートの重要性

チャーンレートはなぜSaaSを展開する企業にとって重要なのでしょうか。

チャーンレートが注目される理由について解説します。

チャーンレートが売上に直結する

SaaSビジネスにおけるチャーンレートは、売上に直接関わってくる点で重要です。

ビジネスの世界では「LTV(顧客生涯価値)」という、1人の顧客から生涯でどれだけの売上を得られるかを表す指標があり、「ユーザー平均月次単価×粗利率÷チャーンレート」で算出できます。

LTVはチャーンレートが低いほど数値が上がりますが、逆にチャーンレートが高くなるとLTVも落ちてしまいます。

このように、チャーンレートは企業の売上に直結する、とても重要な数値なのです。

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チャーンレートを下げる方がコストが低い

企業にとってはほとんどの場合、既存顧客の維持より新規顧客の獲得の方がコストが高いため、チャーンレートを下げる方がコストを抑えられます。

マーケティング業界では既存顧客の維持と新規顧客の獲得のコスト比は1:5になるといわれており、既存顧客が減少していくことに危機感を持ち、新規顧客を増やすための施策を次々と打ち出す企業は少なくありません。

しかし新規顧客の獲得は、既存顧客を維持するよりもコストが5倍もかかってしまうため、企業にとっては大きな負担となってしまいます。

そのため、チャーンレートを下げる方が利益を上げるためには重要となってくるのです。

SaaSビジネスで重要視されているチャーンレートの種類

SaaSビジネスで特に重要なチャーンレートの種類は以下の2つです。

  • カスタマーチャーンレート
  • レベニューチャーンレート

これら2つの指標について詳しく解説します。

カスタマーチャーンレート

SaaSビジネスで重要視されているチャーンレートのうち、解約した顧客数から算出するのがカスタマーチャーンレートです。一般的にチャーンレートといえばカスタマーチャーンレートを指しています。

カスタマーチャーンレートからは月ごとや年ごとにどれくらいの顧客がサービスから離脱したか、有料会員から無料会員に切り替えたかなど、顧客の動向がわかります。

レベニューチャーンレート

SaaSビジネスで重要視されているレベニューチャーンレートとは、収益をもとに解約数の計算をおこない、月ごとや年ごとに出た損失を示す数値のことです。

顧客数だけでなく、本来得られたはずの収益に対してどれだけ損失が出たかがわかります。

収益をもとに計算するため、価格帯がいくつもあるサブスクリプションの場合、低価格帯での解約と高価格帯の解約とでは出てくる数値に大きな差が出るのです。

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SaaSビジネスに欠かせないチャーンレートの計算式

SaaSビジネスに欠かせないチャーンレートの計算式について解説します。チャーンレートの理解はSaaSビジネスに欠かせないため、しっかりと理解しておきましょう。

カスタマーチャーンレートの計算式

カスタマーチャーンレートの計算式は以下になります。

当月の解約顧客数÷前月末の顧客数×100

この計算式で全体の有料会員数のうち、一定期間内で解約した割合を算出することが可能です。

たとえば、前月末の時点では有料会員数が500で、当月に解約した有料会員数が50だった場合、「50÷500×100=10%」となります。

顧客数をもとにしているので、値は常にプラスです。

アカウントチャーンレートの計算式

アカウントチャーンレートは以下の計算式で出すことができます。

当月の解約顧客数÷前月末の顧客数×100

この計算式では、全体の契約社数や契約者数から一定期間内で解約した割合を算出することが可能です。計算式自体はカスタマーチャーンレートと変わりませんが、値が契約社数や契約者数になるという点が違っています。

たとえば、前月末は契約社数が500、当月解約した契約社数が50だった場合、アカウントチャートレートは「10÷500×100=10%」となります。

一つの会社でサービスを利用している人数はそれぞれ違うため、実態とは違う数値が出てくることがあるため、注意してください。

グロスレベニューチャーンレートの計算式

グロスレベニューチャーンレートは以下の計算式で求めることができます。

(当月のChurn MRR + 当月のContraction MRR)÷前月末のMRR×100

MRRとは月ごとの経常利益を表す「Monthly Recurring Revenue」の略であり、グロスレベニューチャーンレートはMRRをもとにした解約率を示しています。

当月の解約数やプラン内容の変更、顧客がダウングレードしたことで減ったMRRの数値を、前月末時点のMRRで割ることで数値を算出できます。

たとえば、前月末時点でのMRRが50万円、当月の解約によるMRRの減少が5万円、ダウングレードのMRRの減少が1万円の場合、「6÷50×100=12%」です。

収益をもとにしているので、カスタマーチャーンレートよりも実態に近い数値が算出され、こちらも値は常にプラスとなります。

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ネットレベニューチャーンレートの計算式

ネットレベニューチャーンレートは以下の計算式で算出します。

(当月のChurn MRR+当月のContraction MRR-当月のExpansion MRR)÷前月末のMRR×100

グロスレベニューチャーンレートと同じくMRRをもとにしているものの、数値の意味は異なっています。

ネットレベニューチャーンレートの場合、解約や安い価格のプランに変えたことなどによる収益の減少だけでなく、会員区分のアップグレードなどによる収益アップも考慮しています。

たとえば、前月末の時点のMRRが50万円、当月の解約によるMRRの減少が5万円、顧客のダウングレードによるMRR減少が1万円、アップグレードで10万円のMRR増加となった場合、「(5+1-10)÷50×100=-14%」です。

マイナスの数値が算出されたということは、減益よりもアップグレードによる収益増が上回っているという意味を表しています。

他のチャーンレートと違い、結果として収益が上がっている場合はマイナスの値が算出されるのが特徴であり、値がマイナスになるチャーンレートはガティブチャーンと呼ばれています。

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SaaSビジネスで重要なチャーンレートの目安となる平均値

SaaSビジネスで重要なチャーンレートの目安となる平均値が高いか低いかは、サービス内容や成長度合い、競合他社の状況などによって変わってきます。

SaaSビジネスで平均とされている数値は月次だと3~7%、年次は31~58%が目安です。

SaaSは開発を始めてからリリースまで長い準備期間が必要であり、リリースまで時間を要するため、開発費や人件費などによっては顧客獲得コストが高くなる傾向にあります。

そのため、チャーンレートを低くしておかないと、コストを回収する前に顧客に解約されてしまい、利益を出すことができないのです。

大企業と比べて中小企業はリリースまでが早くて顧客獲得コストは抑えられるものの、利用数が少なかったり、導入コストが低かったりなどの要因によってチャーンレートの数値に直結しやすくなります。

チャーンレートにはさまざまな要因が含まれているので、数字だけに着目せず、他の分析による数値なども合わせて考え、自社の状況や計画に応じたチャーンレートを検討していきましょう。

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SaaSビジネスでチャーンレートを下げるためにおこなうべき対策

SaaSビジネスでチャーンレートを下げるためにおこなうべき対策とは、具体的に何をすればいいのでしょうか。

おこなうべき対策について解説します。

ユーザーガイドを作成する

SaaSビジネスでチャーンレートを下げるための対策として、問題が起こったときにユーザーが自分で解決できるようにユーザーガイドを作成しましょう。ユーザーガイドを作成しておかないと、ベンダー側に問い合わせなくてはならないなど、時間や手間が増えてしまいます。

最悪の場合、せっかく作り込んだ機能にも関わらず、ベンダー側への問い合わせが面倒だと感じることによって、そのまま使わなくなってしまう可能性も考えられるでしょう。このように、ユーザーがきちんと使いこなせていなければ意味がなくなるので、チャーンレートを下げるためにも、ユーザーガイドを作成しておくことが大切です。

解約に繋がる原因を把握する

自社のサービスが解約される原因をできるだけ早く把握するように努めることも、SaaSビジネスでチャーンレートを下げるための対策に挙げられます。

常時利用されているからと安心していても、ユーザーがある日突然解約を決めるケースは珍しくありません。

ベンダーにとっては唐突かもしれませんが、実は契約更新の時期がきていたり、最近ログイン回数が減っていたりなど、解約しそうな兆候があった可能性も考えられます。

このことから、サービスを改善して解約を防ぐためにも、サービスのどこに問題があったのかを顧客にヒアリングするなど、解約の原因を追求してください。

ユーザーのフィードバックを集める

SaaSビジネスでチャーンレートを下げるための対策として、サービス改善やより良いサービスに進化させられるよう、ユーザーからアンケートをとるなどしてフィードバックを集めることも重要です。

顧客の意見は常日頃サービスをたくさん利用しているからこそ感じる、サービスへの不満や使いづらさなどを把握することができるため、サービス向上につなげることができます。

定期的にチャーンレートを分析する

チャーンレートを月次や年次で定期的に分析することも、SaaSビジネスでチャーンレートを下げるうえで、重要な対策方法の一つです。

その際には、グラフなどを用いてだれでも一目で把握できるようにしておくと、メンバーと共有しやすくなり、改善に向けたスムーズな話し合いにつながります。

また、解約が多い時期や競合他社の動向などと照らし合わせ、出てきた数値を定期的に分析することで、効果的な施策も出やすくなるでしょう。

チャーンレートの減少に繋がるツールを導入する

SaaSビジネスでチャーンレートを下げるための対策には、ツールを導入するのもいいでしょう。

顧客数が少なければツールがなくてもエクセスなどで分析できますが、顧客数が多くなると手間や時間、コストがかかり、人的リソースが分析にとられてしまいます。

しかし専用ツールを導入すれば、顧客の利用状況をモニタリングでき、解約の兆候が見られたらアラートで知らせてくれるなど、チャーンレートを効率的に低くすることが可能です。

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カスタマーサクセスを導入する

カスタマーサクセスの導入も、SaaSビジネスでチャーンレートを下げるための対策にはおすすめです。

カスタマーサクセスとはサービスを利用することで顧客が目的を成し遂げられるよう、能動的におこなう活動を指しています。

具体的には、問題が出てくる前に原因を解消し、顧客がまっすぐに目標にたどり着くようにフォローするのです。自社のサービスが役立つことを実感してもらえれば、解約率を低く抑えられるでしょう。

チャーンレートの改善に向けて行動しよう

チャーンレートはSaasサービスを提供する上で非常に重要な指標となり、定期的にモニタリングしていくことが大切です。

チャーンレートが高くなっている場合には、なぜ解約が起きるのか・どうすれば解約を防げるのか、原因と対策を考えてチャーンレートの低減させる行動をしてみてください。

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ビズクロ編集部
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