エクセルで営業管理はできる?欠点やSFAを導入すべき理由について

最終更新日時:2022/08/05

SFA(営業支援システム)

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営業活動の際に重要となる顧客情報や対応履歴などのデータをエクセルで管理しているといったケースは多いのではないでしょうか。しかし、営業活動に関連するデータは多岐に渡るため、エクセルによる「人力」での管理には限界があります。そこで活用を検討したいのが営業支援システム(SFA)の導入です。本記事では、エクセルでの営業管理やSFAツールを利用するメリット・デメリットを紹介します。

何のために営業管理をするのか?

営業管理は、売上拡大や顧客満足度の向上を目的とし、顧客情報や営業担当者の対応履歴などの情報を迅速に組織内で共有すること、また、それらのデータを適切な営業戦略の立案へと生かすためにおこなう業務です。

営業管理は、大きく分けて以下の6つの管理業務があります。

  • 部全体の目標管理
  • 案件管理
  • 顧客情報管理
  • 対応履歴などの行動管理
  • 営業担当者の目標管理

多くの場合は、エクセルやSFAなどのシステムを利用してこれらを管理していきます。

営業管理によって、案件ごとの顧客情報のほか、部内の「誰が」、「何を」「どのように対応」しているのかを可視化することによって、ナレッジの共有による業務の効率化やボトルネックの割り出しなどが迅速におこなえるようになります。

また、「担当者のみが情報を把握している」といった業務の属人化も防げるため、チーム全体で営業戦略を考えられる環境が整い、組織全体の営業スキルの向上も期待できるのです。

エクセルで営業管理は可能だが欠点も多い?

導入のしやすさや操作性への慣れなどから、営業管理の業務をエクセルでおこなう企業は少なくありません。しかし、エクセルはあくまで表計算に特化したツールのため、組織の規模や管理する項目によっては、使い勝手が悪く欠点が多いのも事実です。

例えば、複数人での同時編集ができない点はデメリットとして把握されている方も多いのではないでしょうか。一方のSFAは、そもそも営業支援に特化したシステムのため、営業管理のための多種多様な機能が搭載されています。

そのため、営業管理ツールとして、エクセルまたはSFAのどちらの方法を選択するかは、それぞれのメリットとデメリットを知る必要があります。

営業管理をエクセルでおこなうメリット・デメリット

エクセルでの営業管理は、導入ハードルが低いことやカスタマイズ性の高さなどの魅力があるものの、扱う情報量が増えると、管理の手間が増大するといった懸念もあります。

営業管理のツールとしてエクセルを使用する場合のメリットとデメリットを、詳しくみていきましょう。

(1)メリット

まずは、エクセルで営業管理を行うメリットからご紹介します。

#1: 導入ハードルが低い

エクセルは、すでにビジネスシーンで広く使われているソフトであることから、導入ハードルが低い点が挙げられます。

初期費用やランニングコストが不要なことに加えて、多くの場合、操作方法に関しても、特別な研修などの時間を設ける必要がありません。導入から活用までをスムーズに進められることは、最大のメリットともいえるでしょう。

#2: 組織のスタイルに合わせて作れる

エクセルは、組織の目的や用途に合わせて、イチからシートを作成することが可能です。「本当に必要な項目」のみで管理シートを構成できるのは、実際に運用する際の手間の軽減にも役立つでしょう。

また、数式やマクロを設定したフォーマットさえ完成させてしまえば、あとは適宜データをアップデートしていくだけといった情報更新の手間が少ない点も魅力です。

(2)デメリット

続いて、エクセルで営業管理を行った場合のデメリットも合わせてチェックしていきましょう。

#1: 同時編集が難しい

エクセルは、同時に複数人のユーザーが編集作業をおこなうことはできません。仮に同時編集をおこなってしまった場合は、自動的にコピーファイルが保存されてしまうため、「どのファイルが最新情報なのか」混乱してしまう場合もあります。

そのため、営業部門でひとつのエクセルファイルを使用するのは現実的ではなく、情報管理の面でもリスクの低い方法とはいえないでしょう。

#2: データ分析や抽出を行いにくい

エクセルでのデータの抽出や集計には、関数が用いられることが一般的ですが、営業管理において使用するデータは、その形式も多様なため運用は難しいでしょう。

また、数百種類以上ある関数の使い分けやマクロを組んでフォーマットを作成するには時間を要するため効率的とはいえません。さらに、データ量が増えすぎてしまうと動作が重くなり、場合によってはエクセルのファイルが開かなくなることもあります。

#3: セキュリティ面に課題

エクセルを営業管理ツールとして利用するには、セキュリティ面にいくつかの課題もあります。

特に懸念されるのが、ファイルのパスワード機能です。当然パスワードの設定をしておけば、パスワードを知っている人しか開けませんが、それはパスワードさえ知っていれば誰でも閲覧できる環境でもあります。

誰が閲覧したかを記録するコードはあるものの、複雑なコードをファイルごとに設定しなければならないのは、効率的な運用とはいえないでしょう。

#4: 変更履歴を遡るのが困難

エクセルには変更の追跡機能が付いていますが、「変更点が容易に把握できるか」といえば、そうではなく、変更履歴を遡るのが困難なケースもあります。また、この機能は運用開始当初にオンにしておかないと変更履歴の記録ができません。

他にも、デフォルトの保存期間が30日間となっているなど、あくまで簡易的な「リスクヘッジ」機能的な位置付けであり、履歴管理としての利便性は決して高くないことを認識しておく必要があります。

#5: 他システムとの連携があまりできない

エクセルでの営業管理は、他システムとのリアルタイムでのデータ連携ができない点も大きなデメリットでしょう。抽出やデータの取り込み、コピー&ペーストなど、連携作業ごとに手間が発生してしまうため、業務の効率化のボトルネックとなりがちです。

営業管理をSFAでおこなうメリット・デメリット

SFAは、営業支援に特化したシステムのため、効率的な営業管理が実現できる一方で、コストや運用が定着するまでのリードタイムを懸念する声も聞かれます。

営業管理にSFAツールを導入した場合のメリットとデメリットを詳しくみていきましょう。

(1)メリット

まずは、営業管理ツールとしてSFAを導入した場合のメリットからご紹介します。

#1:リアルタイムに情報共有可能

SFAツールでは、顧客情報から案件の進捗、顧客の対応履歴といったあらゆる情報が一元管理でき、かつアップデートされた内容はリアルタイムで共有されます。そのため、いつでもメンバー全員が最新情報をチェックできるのです。

また、情報の更新も多くの場合入力フォームに沿っておこなうだけなどの簡単なプロセスになっているため、後回しすることによる「入力忘れ」のリスクを軽減できます。

#2: データの抽出・分析がしやすい

SFAツールには、優れたデータ分析機能を備えているシステムも多々あります。データ抽出といった取り扱いの容易さだけでなく、動向・要因・検証といった営業戦略にかかせない多角的なデータ分析が自動でおこなえ、それらのレポート作成を自動化することも可能です。

これらの機能を活用することにより、エクセルでの営業管理に比べ大幅な業務時間の短縮が実現できるでしょう。

#3: 時系列で情報管理ができる

SFAは、顧客対応履歴など時系列での情報の可視化が重要となる情報の管理も簡単におこなうことができます。時系列での情報管理は、案件の進捗管理にも役立つため、営業プロセスと成果を照らし合わせ、ナレッジとして蓄積していく際にも有効な機能となるでしょう。

#4: 成績の良い営業の真似がしやすい

SFAツールに蓄積された営業ノウハウやナレッジを、効率的な人材育成に生かすことも可能です。

成績の良い営業担当者のプロセスを体系化して、「効果的な営業手法を真似できる環境」が整うことで、新人教育にかける時間やコストを削減することができます。また、人材育成のプロセスが効率化されることにより、組織全体のパフォーマンスの底上げにもつながるでしょう。

#5: 有効な事業継続計画対策となる

クラウド型のSFAツールであれば、ツールの使用やデータの保管はすべてオンライン上で行われるため、オフィス外においてもツール操作やデータの閲覧が可能となります。

データがオフィスのみに集中しないこと、場所を問わずに業務を遂行できることは、有事の際にも最低限の業務を継続するための有効な事業継続計画対策となるでしょう。

(2)デメリット

SFAには、多くのメリットがあるもののデメリットと感じられる点もあります。ここでは、事前の把握と理解が必要となる2つのデメリットについてお伝えします。

#1: コストがかかる

SFAの導入には、初期費用やランニングコストが発生します。

コストは導入するツールによって大きく異なりますが、目安としては、以下を費用相場として考えておきましょう。

  • 初期費用:0〜100万円
  • 月額費用:1,000〜20,000円/1ユーザー

初期費用については、クラウド型に比べてオンプレミス型が高額になる傾向があり、また月額のランニングコストについては、使用する機能や規模によって上下します。

ランニングコストを抑えるコツとしては、高機能なシステムを盲目的に選ぶのではなく、導入目的と費用対効果を精査し、必要な機能を見極めることが重要となります。

#2: 定着させるのに時間がかかる

新しいツールは定着させるのに時間がかかるため、社員が導入を嫌がるケースもあります。ワークフローの変更や、これまで個人での管理に託していた営業活動記録をすべて可視化するとなると、少なからず抵抗する社員が出てきてもおかしくはありません。

ツールを導入する際には、営業管理の必要性とSFAツールによるメリットをしっかりと周知したうえで社員の理解を得ましょう。

SFAを導入し、より効率的な営業管理をしよう

営業管理にエクセルを使用するのか、SFAツールを導入するのかは、目指す目的によって判断が異なります。より効果的な営業戦略の立案と売上拡大を目的としているのであれば、SFAツールの導入を検討すべきといえるでしょう。

しかしながら、いくら多機能なSFAツールであっても、組織において活用されなければその有効性を発揮することはありません。システムの運用に不安がある場合は、まずは無料のトライアル期間があるSFAツールを実際に使用してみる段階から始めてみてはいかがでしょうか。

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