オンプレミス型SFAとは?クラウド型との違いやおすすめサービスを紹介
SFAにはオンプレミス型とクラウド型がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。本記事では、オンプレミス型SFAにフォーカスしながら、クラウド型SFAとの特徴の違いや導入のメリットを紹介します。おすすめのツールも記載しているので参考にしてください。
目次
オンプレミス型SFAとクラウド型SFAの特徴の違い
まずはオンプレミス型SFAとクラウド型SFAについて、それぞれの特徴をご紹介します。
(1)オンプレミス型SFAの特徴
オンプレミス型SFAとは、ベンダーからSFAのライセンスを買い取り、自社の管理施設内にハードウェアを設置して、SFAを運用する仕様です。サーバーやネットワーク機器を自社で管理・運用することから、自社運用型とも呼ばれます。
クラウド型とは異なり、自社のみの利用を前提とした運用形態となるため、自社の事業スタイルに合わせてカスタマイズしやすく、機能面やセキュリティ面での自由度が高い特徴を持っています。
(2)クラウド型SFAの特徴
クラウド型SFAとは、ベンダーが提供するクラウド環境下でSFAを利用する仕様です。事前にサーバーなどの機器調達をせず、インターネット経由で気軽に導入することができます。
オンプレミス型とは異なり、自社のインフラ環境に依存せず、プラン変更によってSFAのリソース拡張ができるため、事業成長に合わせた運用がしやすい特徴を持っています。また、運用・保守をベンダーが担当するため、作業工数や人件費の負担を抑えることが可能です。
オンプレミス型SFAの導入メリット
オンプレミス型SFAを導入するメリットは、主に3つあります。
- セキュリティに優れている
- 従業員が多い会社は、オンプレミス型のほうが安いことも
- 自社に合わせてカスタマイズできる
(1)セキュリティに優れている
1つ目は、セキュリティに優れている点です。この背景にはクラウド型が汎用性を重視しているのに対して、オンプレミス型が独自運用に特化していることがあります。
オンプレミス型であれば、データを社外に出すことなく、自社の判断でセキュリティレベルを柔軟に調整し、対策を立てることができます。
(2)従業員が多い会社は、オンプレミス型のほうが安いことも
従業員が多い会社の場合、オンプレミス型のほうが安い傾向がある点です。クラウド型SFAは基本的にライセンスの必要数に対して料金が加算されるため、SFAを利用する従業員が多い場合、オンプレミス型のほうが割安になる可能性があります。
さらにクラウド型は従量課金を採用しているケースもあるため、運用するうちに利用頻度が増えてきて、当初の試算より月額利用料が高くなる場合もあります。
従業員規模と併せて計算した際、ハードウェアの費用を超える場合は、オンプレミス型のほうが結果的に安く運用できるでしょう。
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(3)自社に合わせてカスタマイズできる
3つ目は、自社に合わせてカスタマイズできる点です。クラウド型SFAは汎用的な機能を取り揃えている反面、その汎用性を維持するためにカスタマイズを制限する傾向があります。一方でオンプレミス型SFAは、自社の事業規模や活動内容に応じて機能をカスタマイズ可能です。
そのため、営業スタイルや運用ルールに独自の考え方があり、クラウド型SFAでのカバーが難しい場合は、オンプレミス型SFAが選択肢として挙がってくるでしょう。
クラウド型SFAのメリット
クラウド型SFAを導入するメリットは、主に3つあります。
- 導入のハードルが低い
- オフィス以外でもインターネット環境があればすぐにアクセスできる
- 初期費用が安く抑えられる
(1)導入のハードルが低い
1つ目は、導入のハードルが低い点です。クラウド型SFAではベンダーのインフラ環境を使用するため、サーバーやネットワーク機器を自社で調達する必要がありません。
インフラ機器の調達・構築費、運用・保守費など、決裁が複雑化するオンプレミス型SFAと比べて、承認の速度や難易度的にもスムーズに導入ができるでしょう。
(2)オフィス以外でもインターネット環境があればすぐにアクセスできる
2つ目は、オフィス以外でもインターネット環境があればすぐにアクセスできる点です。クラウド型SFAはPCだけでなく、スマホやタブレットなど、マルチデバイスでの接続に対応しているものが多く存在しています。
顧客の要望に対して迅速かつ適切に応えることが重視される営業活動において、外出先で情報が確認できることは、営業の対応力や柔軟性を向上させます。
クラウド型SFAであれば、状況把握のためにオフィスに戻る必要がないため、営業担当の負担を軽減しながら、より業務の品質を高めることができるでしょう。
(3)初期費用が安く抑えられる
3つ目は、初期費用が安く抑えられる点です。導入ハードルで説明した通り、クラウド型SFAではインフラ機器の調達・構築や運用・保守をベンダーが実施するため、オンプレミス型と比べて導入のコストパフォーマンスに優れています。
月額定額制で費用が発生するものの、事業規模や従業員数に合ったプランを選定すれば、必要以上にコストがかかる心配もありません。
クラウド型SFAを導入する際は、使いたい機能や必要なストレージ容量などを検討したうえで、自社のスケールに合ったプランの見極めが重要です。
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オンプレミス型SFAとクラウド型SFAの違い比較表
オンプレミス型SFA | クラウド型SFA | |
特徴 | 自社のみの利用を前提とした運用形態 | 幅広いユーザーの利用を前提とした運用形態 |
初期費用 | 低コスト | 高コスト |
維持費用 | インフラ機器のリース費 システム運用費 | 月額定額制 従量課金制 |
インフラ調達・構築 | 自社で対応 | ベンダーが対応 |
運用・保守 | 自社で対応 | ベンダーが対応 |
カスタマイズ性 | 制限なし | 制限あり |
ストレージ拡張 | 追加のリソースが必要 | プラン変更で調整可能 |
セキュリティ対策 | 自社に合わせたセキュリティレベルを実現可能 | 汎用的な基準でのセキュリティレベル |
導入メリット |
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オンプレミス型SFAがおすすめな企業
次の3つのいずれかに該当する企業の場合、クラウド型SFAではなく、オンプレミス型SFAのほうが適しています。
- 高いセキュリティが必要な企業
- 自社に合わせたカスタマイズをしたい企業
- 従業員が多い大企業
(1)高いセキュリティが必要な企業
金融機関や防衛産業など、極めて機密性が高い情報を保有する企業の場合、セキュリティに対する要求も高まってくるため、クラウド型SFAの汎用的なセキュリティ対策では要求を満たせない可能性があります。
この場合、セキュリティレベルを調整できるオンプレミス型が、候補として挙げられるでしょう。
(2)自社に合わせたカスタマイズをしたい企業
クラウド型SFAは幅広いユーザーの利用を前提としているため、自社の営業スタイルにマッチしないこともあるでしょう。
この場合、カスタマイズ性の自由度が高いオンプレミス型SFAのほうが、特殊な営業スタイルにも柔軟に対応できます。
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(3)従業員が多い大企業
オンプレミス型とクラウド型を比較する際、試算対象として挙がるのが数年運用した場合のトータルコストです。
クラウド型はライセンスの付与数で料金が変動するため、一定のユーザー数を超えるとオンプレミス型よりもトータルコストが高くなります。SFAを利用するユーザー数が多い場合は、結果的にオンプレミス型のほうがコストを抑えられるでしょう。
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おすすめオンプレミス型SFA4選
ここではオンプレミス型SFAを活用するうえで、おすすめのシステムを4つご紹介します。
(1)eセールスマネージャーRemix Cloud
1つ目は、ソフトブレーン株式会社が提供する「eセールスマネージャーRemix Cloud」です。
タイムライン形式での情報共有と自動通知で連携を高めるだけでなく、契約後の障害となりやすい導入・稼働・定着を専門チームがサポートしてくれる特徴があります。サポート体制の手厚さは満足度の高さにも表れており、2023年1月時点で利用継続率95%を誇っています。
提供元 | ソフトブレーン株式会社 |
初期費用 | 要問合せ |
料金プラン |
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導入実績 | 5,500社以上の導入実績、利用継続率95% ※2023年1月時点 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
(2)InfAjast
2つ目は、株式会社エーエスピーコムが提供する「InfAjast(インフアジャスト)」です。
オンプレミス型とクラウド型どちらでも導入可能で、クラウド型はクラウド環境をNTTコミュニケーションズまたは丸紅グループのどちらかを選択できます。CRM/SFAの幅広い機能の中から、自社に合うものだけを厳選して構築する機能選択型システムという特徴があります。
提供元 | 株式会社エーエスピーコム |
初期費用 |
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料金プラン | ■InfAjast×オンプレミス
■InfAjast×Cloudest
■InfAjast×ECL2.0 Cloud
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
(3)LaXiTera
3つ目は、日鉄日立システムエンジニアリング株式会社が提供する「LaXiTera(ラクシテラ)」です。
最低5名から契約できる月額課金制のクラウド版と、ライセンス買い切りのオンプレミス版が用意されています。機能としては日々の営業活動の管理・報告・共有にフォーカスしたものを厳選しており、シンプルさにこだわられています。
提供元 | 日鉄日立システムエンジニアリング株式会社 |
初期費用 | ■オンプレミス版
■クラウド版
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料金プラン | クラウド版:500円〜/月(1ユーザーあたり) |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
(4)Ecrea
4つ目は、株式会社エクレアラボが提供する「Ecrea(エクレア)」です。中小企業向けのコーディネート型SFAというサービス体系を提示しており、営業スタイルに合わせて機能を調整できる特徴を持っています。
クラウド版は初期費用が無料で、30日間の無料トライアルで使い勝手を試せるため、どのくらいの機能が必要かを実際に使いながら確かめることができます。
提供元 | 株式会社エクレアラボ |
初期費用 |
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料金プラン | ■オンプレミス版:要問合せ ■クラウド版
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
SFA選定時のチェックポイント
SFAの選定時に確認すべきポイントは主に4つあります。
- 現場が使いやすいか
- サポートが充実しているか
- モバイル対応しているか
- 必要な機能とコストのバランスが取れているか
(1)現場が使いやすいか
1つ目は、現場が使いやすいかという点です。SFAを導入したとしても、活用されなければ意味がありません。しかし、営業活動の強化よりも、使い勝手の悪さが目立ってしまうと、営業担当者が活用に消極的な態度を取る可能性もあるでしょう。
使い勝手はシステム活用の習慣化を左右します。そのため、営業担当が直観的に扱えるようなデザイン性や操作性を持ったSFAを選ぶことが重要です。
タイピングを削減する選択形式での入力項目や、転記情報の自動反映機能、システムの応答速度などを、デモ画面で確認してみましょう。
▷中小企業向けおすすめSFA(営業支援システム)10選!必要性や選び方も解説
(2)サポートが充実しているか
2つ目は、サポートが充実しているかという点です。SFAを活用して営業力を強化し、売上の拡大を実現するためには、営業担当がシステムを有効活用できることが絶対条件になります。
しかし、SFAに精通したエンジニアが社内にいない場合、導入・稼働・運用において分からないことも出てくるでしょう。その際、ベンダーのサポート体制が充実しているかによって、サービスの満足度は変わってきます。
運用方法の質問や障害発生時の対応速度や情報提供の品質など、サポートの手厚さについて事前に確認すると良いでしょう。
(3)モバイル対応しているか
3つ目は、モバイル対応しているかという点です。SFAのメイン利用者は営業担当であるため、外出先でもSFAにアクセスできるかどうかは、営業効率にも影響を与えます。
スマホやタブレットなど、社内で使用しているデバイスにどれだけ対応しているかを、事前に確認するようにしましょう。
(4)必要な機能とコストのバランスが取れているか
4つ目は、必要な機能とコストのバランスが取れているかという点です。特にクラウド型SFAの場合、汎用的な機能を揃えていることが、必ずしもメリットになるとは限りません。
コストバランスを考えた場合、自社に必要な機能だけを厳選したほうが、導入コストやランニングコストを抑えることができます。
そのため、自社の営業活動における課題感を洗い出したうえで、それを解決するための機能を定義し、本当に必要な機能を見極めていきましょう。
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本記事では、オンプレミス型SFAとクラウド型SFAの特徴やメリットなどについて解説しました。
近年はクラウドサービスを利用する企業が増えている関係で、どうしてもクラウド型のほうが良く映ってしまいます。しかし、セキュリティ対策やカスタマイズ性、従業員規模によってはオンプレミス型に軍配が上がるなど、状況によって選ぶべき利用形態は異なります。
そのため、オンプレミス型SFAを選ぶ場合は、自社の事業内容の特性や営業活動の課題を整理して、クラウド型とも比較したうえで、必要な機能やサポート体制を絞り込んでいきましょう。
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