SFAの導入に失敗する理由とは?原因や失敗事例・成功させるポイントを解説
コストをかけてSFAを導入したものの、定着せずに使われなくなるなど導入が失敗するケースがあります。本記事では、SFA導入でよくある失敗の原因や成功させるコツ、効果的に活用する方法を紹介します。導入してから最初に行うべきことも解説しているので、参考にしてみてください。
目次
SFA導入の失敗事例
営業業務の効率化のためにSFAを導入しても、失敗に終わってしまう例があります。ここからは、SFA導入のよくある失敗事例を紹介します。
導入したSFAの操作が難しく使いこなせなかった
SFAの操作方法が難しく使い勝手が悪い場合、担当者が利用を避けるようになってしまい、社内でSFAが浸透しないケースがあります。
SFAは、正しく運用できれば営業業務を効率化できる優れたツールですが、操作性が悪い場合は社内に浸透せず、入力作業だけが増えて余計に業務負担がかかってしまうのです。
また、機能が豊富すぎる場合も従業員が使いこなせず、余計な入力項目が増えてしまい利用を避けられてしまうこともあります。
利用目的があいまいで形骸的な導入になった
SFAの利用目的があいまいなまま導入すると、どのように活用すればよいのかわからず、形骸的な導入になるケースもあります。
他社がSFAを活用して業務を効率化しているからといって、目的もなく導入してしまうと効果的に活用しきれません。SFAでどのような課題を解決したいか、どのような目的で利用するかを明確にしてから導入する必要があります。
データが正しく入力されず正確な分析ができなかった
SFAは、入力漏れがあったり誤ったデータが入力されていたりすると、正確な分析が行えません。
入力項目が複雑であったり多すぎたりする場合は入力ミスが発生する可能性もあるため、使いやすいシステムの選定が大切です。また、従業員にも入力ミスがあると正確な分析ができないことを周知する必要があるでしょう。
業務フローを確立できていなかった
SFAに関する業務フローが確立できていないと、使用方法や使用頻度が従業員ごとに異なってしまいます。
従業員ごとに差が生じるため、特にITツールの操作に慣れていない従業員はなかなか活用できず、社内全体でもSFAを有効活用できなくなってしまうのです。
ツールの比較・検討が不十分だった
ツールの比較や検討が不十分な状態でSFAを導入すると、あとから機能の過不足があることが分かったり、ランニングコストの面で問題が生じたりする恐れがあります。
特にシステムの導入実績や評判だけで選んだ場合は、自社に本当に必要な機能が足りなかったり、余分な機能が多すぎたりする事態が発生します。
結果的に、従業員にとっても使い勝手が悪くなってしまい、SFAが社内に浸透しない可能性があるでしょう。
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現場のニーズに合っていなかった
現場からの同意を得ないままSFAの導入を進めてしまうと、現場のニーズと合わず積極的に活用されない場合があります。
また、同意を得ないまま導入することで現場の従業員の不満が募り、正しく入力されず正確なデータ分析が行えないケースもあるでしょう。
SFA導入を成功させるコツ
SFAを正しく導入できれば、業務効率や業績の改善が期待できます。ここからは、SFAの導入を成功させるための7つのコツを紹介します。
導入前に課題や目的を洗い出しておく
まず、導入前に自社の課題や導入目的をしっかりと洗い出しておきましょう。
例えば、業績の改善や営業プロセスの効率化、営業ノウハウの蓄積など、導入目的を明確にする必要があります。導入目的を達成できる機能が備わったSFAを選択すると、導入を成功させることが可能です。
また、現場の従業員にもヒアリングを行い、抱えている問題点を解決できるSFAを導入しましょう。
入力情報を必要最低限に絞る
SFAによって詳細なデータを取得しようと考え、入力情報を増やしてしまうと、逆に現場の負担が増えてしまう可能性があります。
データ入力の負担を減らし、データの正確性を高めるためにも、入力情報は必要最低限に絞りましょう。また、選択式を採用するなど入力の手間を省く工夫を行うことで、従業員の負担を減らせます。
SFAの導入は、あくまで現場の負担を軽減し業務を効率化することが目的です。導入後、担当者の作業効率が上がったタイミングで必要な入力項目だけを追加するなど、ルールを決めて運用しましょう。
運用ルールやマニュアルを作成する
導入前に、あらかじめSFA運用のルールやマニュアルを作成しておきましょう。 マニュアルを作成することで使用方法や頻度が統一されて利用が定着し、正確なデータ入力が行えるようになります。
なお、実際に活用する中で従業員から問題点や改善要望が出た際にマニュアルの更新を行うことが大事なので、初めから完璧なマニュアルを作る必要はありません。また、データ入力自体を従業員の評価内容に入れることも有効な手段の一つです。
資料請求や無料トライアルで製品を比較する
数多くあるSFAの中から、自社に合ったSFAを選択するのは難しいでしょう。そのため、いくつかのSFAをピックアップし、資料請求や無料トライアルを活用して比較検討してみましょう。
無料トライアルで実際の使用感を確認することで、自社に合っているか、業務を効率化できるかを判断できます。
いくつかの製品で十分に比較・検討をして、現場が使いやすい製品を導入しましょう。
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マネージャークラスに積極的に関与してもらう
SFAを活用すると、マネージャークラスはリアルタイムで売上予測や現場の状況を確認できます。しかし、導入が成功しなければこのような恩恵は受けられないため、マネージャークラスにも積極的に関与してもらいましょう。
また、SFAを導入すると業務フローが大きく変化するため、マネージャークラスによる調整が欠かせません。マネージャークラスは積極的に現場の従業員の意見を汲み取り、SFAの導入から定着をサポートしましょう。
ヘルプセンター要員とアナリストを確保しておく
運用後のトラブル発生に備えて、ヘルプセンター要員を確保しておきましょう。
SFAを導入すると、特に導入直後は使い方が分からないなどの質問が出てきます。トラブルが発生した時に対処するヘルプセンター要員を確保しておくと、迅速な対応ができるため安心です。
また、入力したデータを分析できるアナリストを確保することで、正確に詳細なデータの分析が行えます。これにより、導入効果を最大化できるでしょう。
SFAの効果測定ができる基準を作っておく
SFAの導入によって、効果測定ができる基準を作っておくことも忘れてはいけません。
例えば、勤務時間の変化や成約率など、効果測定ができる基準を設定します。設定した基準を基にPDCAサイクルを回して、SFAが効果を発揮しているかを測定しましょう。
SFAを導入してから最初に行うべきこと
SFAを導入する際には、何から始めるのか優先度を決めなければ一気に負担が増加してしまいます。 そこでここからは、SFAを導入してから最初に行うべきことを紹介します。
スモールスタートで運用する
まずは、運用者を10人程度に絞ってスモールスタートで運用しましょう。最初から全体で導入すると、問題が発生した場合に対処できなかったり効果検証がしにくかったりと負担が増大してしまいます。
スモールスタートで問題点や改善要望を確認したうえで、運用者を増やしていくことをおすすめします。
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モバイルでも使えるようにする
SFAは、担当者が外出先で使うことも多いため、モバイル端末でも使えるようにしておきましょう。スマホアプリがあれば、営業担当者にインストールするように伝えましょう。
外出先や外回り中に使えると会社に戻って作業する手間が省けるため、業務効率が上がります。
説明会を開く
導入後は説明会を開催し、導入理由やメリットなどを説明し納得して使ってもらうようにしましょう。 担当者が使い方が分からず活用できなければ、導入する意味がありません。
説明会を開く際は、SFAを提供する企業の担当者などに直接説明してもらうことも効果的です。
SFAを効果的に活用する方法
せっかくSFAを導入するなら、効果的に活用しなければ意味がありません。ここからは、SFAを効果的に活用する方法を2つ紹介します。
SFAのデータを営業業務にどう活かすか考える
SFAで得たデータを営業業務に活用することで、導入効果が最大限発揮されます。例えば、自社のどのような商品が人気なのか、売れやすい価格帯など、分析を行うことで自社の利益向上につなげられます。
ほかにも、どのように業務を効率化するか、成約率が上がるパターンなどをSFAで把握しましょう。
MAツールと連携させる
SFAとMAツールは、連携することで相乗効果が期待できます。
MAツールを用いることで、見込み客の情報を共有して実際の営業に生かすことが可能です。また、顧客ごとのニーズに合わせてアプローチやフォローも行えます。成約率の向上も期待でき、効果的な運用が可能になります。
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失敗しないSFAの選び方
ここからは、失敗しないSFAの選び方を3つ紹介します。
必要な機能は搭載されているか
自社の業務に必要な機能が搭載されているかを必ず確認しましょう。
例えば、蓄積されたデータから分析を行いたい場合は、レポート・分析機能が備わったシステムを選びましょう。ほかにも、AIが搭載されていれば適切なタイミングで顧客への行動提案を行ってもらえます。
自社に必要な機能が搭載されていれば、さらに業務を効率化したり利益を最大化することも可能です。
▷SFAに搭載されている機能一覧|SFAでできることや導入メリットを解説
従業員が使いやすいか
SFAは、従業員が使いやすいものを選ぶことが大切です。
従業員が日常的に使いやすいものでなければ、正確なデータが集められず導入効果が得られません。使い勝手が悪いと余計に業務負担がかかる可能性があるため、操作性が優れているシステムを選ぶようにしましょう。
また、モバイル対応やカスタマイズ機能が豊富なシステムであれば、現場の状況に合わせてより使いやすいように調整できます。
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サポート体制は万全か
SFAを導入した直後や運用中は、使い方が分からなかったりさまざまな問題が生じたりする恐れがあります。
自社で解決できない問題にも迅速に対応できるよう、ベンダーのサポート体制が充実しているシステムを選びましょう。サポートの対応時間やサポート方法、マニュアルやFAQの充実度などを確認しておくことがポイントです。
▷自社に合った最適なSFAの選び方は?7つのチェック項目を解説
失敗例を事前に把握し、対策を打ってSFA導入を成功させよう
SFAを導入することで業務効率の改善や人件費の削減といった効果が期待できますが、正しい手順と担当者の理解が必要です。
また、スモールスタートで検証と改善を行ってから全社で導入しなければ、負担が増大し不満につながります。 SFAツールを提供している企業は多いため、自社に合ったシステムを提供している企業を選定して比較検討してみてはいかがでしょうか。
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