稟議メールの書き方とは?状況別の例文や注意点・メール以外で効率化する方法
従来の紙による申請・承認に代わる稟議手段「稟議メール」。稟議書の作成・回議・承認をメールを介して行うため、稟議の手間・時間を削減できます。本記事では、稟議メールの書き方について、状況別の例文や稟議メールの注意点、メール以外で稟議を効率化する方法等を解説します。
目次
稟議とは?
稟議とは、自分の権限だけでは決定できない事柄について、その内容をまとめて上司や責任者などの決裁者に回覧・承認してもらう手続きのことです。
このときに作成・使用される書類は「稟議書」と呼ばれます。
▷稟議書とは?書き方や必要な項目・目的別のテンプレート・例文を紹介
稟議を活用するシーン
稟議を活用するシーンには、以下のようなものがあります。
- 何らかの契約を締結したい
- 新規で人材を採用したい
- 業務に必要なものを購買したい
- 出張したい
上記はあくまで一例ですが、人事的判断が必要な場合、費用が発生する場合などに稟議が活用されることが一般的です。また、社内への影響度や必要な予算規模が大きくなるにつれて、承認を必要とする決裁者が増える傾向があります。
▷社内稟議とは?必要性や通すためのポイント・効率化する方法を解説
稟議メールとは?
稟議メールとは、紙の書面などを用いずに、メールで稟議を行うことです。
以前は紙ベースによる稟議が一般的でしたが、書類の作成・印刷・回覧・郵送・押印・回収など、承認を得るまでに膨大な工数や費用、時間を要していました。
これまで稟議にかかっていた金銭的・人的コストを軽減するために、メールを含むデジタルな手段で稟議を完結する効率的な方法が主流になりつつあります。
▷【簡単解説】稟議の意味とは?目的や必要な場面・承認されるポイントを解説
稟議メールの書き方|注意すべきポイントについて
稟議メールの具体的な書き方と、注意すべきポイントを6つ解説します。
メールの内容がひと目で分かる件名にする
稟議メールを書く際は、内容がひと目で分かる件名にしましょう。決裁者は日常的に多くのメールを受信しており、件名から内容を推測して優先順位を判断する傾向があるためです。
緊急性の高い稟議であっても、件名から内容や緊急性が伝わらなければ、後回しにされたり他のメールに埋もれたりする可能性があるため注意が必要です。
必要な項目を抜け漏れなく記載する
稟議に必要な項目を抜け漏れなく記載しましょう。稟議メールに記載すべき項目は以下のようなものです。
- 稟議の概要
- 依頼内容(判断してほしい、許可をもらいたいなど)
- 稟議申請の目的・理由
- 想定される費用
- 本件のメリット・デメリット
稟議においては、決裁者に何を依頼したいのかや、内容を判断・決裁するための情報を端的かつ十分に伝えることが重要です。
どのような稟議であっても、上記の項目は漏れなく記載されていることが望ましいといえます。
専門用語は馴染みのある言葉に置き換える
専門用語は馴染みのある言葉に置き換えましょう。稟議内容にもよりますが、仮に決裁者にとって理解できない専門用語が含まれていた場合、その用語の意味を確認するやり取りが発生してしまうためです。
特に決裁者が複数人になる場合、全員に専門用語が通じるとは限りません。稟議・承認をスムーズに進めるためにも、平易な表現を心がけることが大切です。
デメリットも記載しつつ、メリットを強調する
稟議内容のデメリットも記載しつつ、メリットを強調しましょう。稟議の目的はあくまでその事柄に対する承認・許可を得ることだからです。
ただし、稟議を通したいからといってメリットばかりを強調し過ぎないよう注意しましょう。デメリットは正しく伝えたうえで、対策や解決策を記載しておくことが重要です。
具体的な数字・データを記載して説得力を高める
稟議で内容を伝える際は、定性的・主観的な表現は避け、可能な限り根拠となる数字やデータを記載しましょう。決裁者は稟議内容を客観的に判断する必要があるためです。
その案件にはいくら費用が必要で、どの程度の利益や費用対効果が見込めるのかなど、定量的な根拠やデータを用いることで説得力が増し、納得感を得やすくなります。
事前に根回しをして稟議についての共通認識を持つ
稟議を上げる際は、事前に根回しをしておくことも重要です。稟議内容を事前に相談しておくことで、決裁者の警戒心を解くとともに、共通認識を持つことができます。
あらかじめ懸念点や解決策などを理解しておいてもらうことで、コミュニケーションロスの防止や稟議のスムーズな進行につながります。
▷稟議書を電子化する方法|メリット・デメリットや注意点、おすすめのシステム
【状況別】稟議メールの例文
稟議メールは稟議の内容によって書き方が変わります。ここでは、備品の購入時・システムの導入時・契約締結時を想定した稟議メールの例文を紹介します。
備品の購入時のメール文面
件名:【稟議申請】備品購入について
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◯◯部長 お疲れ様です。 ◯◯部の◯◯です。 下記のとおり備品購入をしたく、申請いたします。 内容をご確認のうえ、承認のほどよろしくお願いいたします。 ============================================= 品名:◯◯社製 デスクトップパソコン 目的:新入社員に貸与するため 数量:1台 金額:◯◯◯円(税込) 添付資料:(商品詳細のURLなど) 備考:◯◯よりも◯◯から購入した方が5,000円安くなるようです。 ============================================= 以上、よろしくお願いいたします。 (署名)
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システムの導入時のメール文面
件名:【稟議申請】◯◯システム導入について
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◯◯部長 お疲れ様です。 ◯◯部の◯◯です。 新たに◯◯システムを導入したく、詳細を以下に記載いたします。 内容をご確認のうえ、承認のほどよろしくお願いいたします。 ============================================= ■◯◯システムの概要 ◯◯業務における作業を一部自動化、一元管理するためのシステムです。 ■導入の目的 1. ◯◯◯◯ 2. ◯◯◯◯ ■導入によるメリット 1. ◯◯◯◯ 2. ◯◯◯◯ ■導入によるデメリット 1. ◯◯◯◯ 2. ◯◯◯◯ ■デメリットに対する対策・解決策 1. ◯◯◯◯ 2. ◯◯◯◯ ■費用 初期費用:◯◯万円 月額利用料:◯◯万円 ※導入から約2年で◯◯円の削減が見込めるため、上記コストを回収できる見通しです。 ■備考 上記費用は◯月◯日まで実施されているキャンペーンが適用された場合の価格です。 これ以降は◯◯万円増となるため、◯月◯日までにご判断いただけますと幸いです。 ============================================= 以上、承認のほどよろしくお願い申し上げます。 (署名)
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契約締結時のメール文面
件名:【稟議申請】◯◯株式会社との契約について
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◯◯部長 お疲れ様です。 ◯◯部の◯◯です。 新たに◯◯株式会社と◯◯における契約を締結したく、詳細を以下に記載いたします。 内容をご確認のうえ、承認のほどよろしくお願いいたします。 ============================================= ■本契約の概要 昨今の急速な市場の変化に対応するため、◯◯領域に強みを持つ◯◯株式会社と提携し、サービスラインナップの拡張と競争力の強化を図ります。 ■◯◯株式会社の概要 ◯◯◯◯ ■契約を締結した場合のメリット 1. ◯◯◯◯ 2. ◯◯◯◯ ■契約締結に伴うデメリット 1. ◯◯◯◯ 2. ◯◯◯◯ ■デメリットに対する対策・解決策 1. ◯◯◯◯ 2. ◯◯◯◯ ■備考 並行して株式会社◯◯との提携も検討しましたが、◯◯の理由により困難であるとの結論に至りました。 ============================================= 以上、承認のほどよろしくお願い申し上げます。 (署名)
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メール以外で稟議を効率化する方法
メール以外で稟議を効率化する方法としては、ワークフローシステムをおすすめします。稟議の申請から承認までをシステム上で進められるうえ、自社のルールに合わせて柔軟に設定を変更できるのがメリットです。承認ルートの進捗を随時確認できるほか、テンプレートを利用すれば必要事項の抜け漏れがなく差し戻しなどのタイムロスもありません。
ここでは稟議を効率化するワークフローシステムを3つ紹介します。
X-point Cloud
X-point Cloudは、申請・決裁業務を電子化することに特化した、クラウド型のワークフローシステムです。SaaSワークフロー市場において継続的に高い評価を得ており、99%以上の継続率を謳っています。
親しみやすい紙ベースの見た目をノーコードで実現でき、誰でも直感的に利用できるのが大きな特長です。グループウェアやクラウドサービスとの連携も豊富なため、既存システムがある場合でも導入しやすいシステムです。
提供元 | 株式会社エイトレッド |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | ■スタンダード(月額)
■プリペイド(年額)
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導入実績 | 4,500社以上(※2024年05月時点) |
機能・特徴 | 入力補助、関連書類、自動申請・一括申請・代理申請、印影機能、承認者通知機能、モバイル承認機能ほか |
URL | 公式サイト |
ジョブカンワークフロー
ジョブカンワークフローは、国内のワークフローシステムにおいてシリーズ累計20万社が導入している、高いシェア率を誇るシステムです。
使いやすさを第一に考えた直感的なUI設計と、スマホなどのデバイスを用いて社外からでも操作できる利便性が特長です。30日間の無料お試しで費用をかけずにテスト運用ができるほか、サポート体制も充実しているため、初めてシステムを導入する場合でも安心です。
提供元 | 株式会社DONUTS |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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導入実績 | シリーズ累計20万社以上(※2024年05月時点) |
機能・特徴 | あらゆる申請書に対応、見やすい申請一覧、承認+コメント機能、承認経路かんたん作成、入力内容を自動制御、多彩な通知機能、外国語表示ほか |
URL | 公式サイト |
コラボフロー
コラボフローは、申請・承認業務に特化した高機能ワークフローシステムです。
クラウドシステムのため導入や運用が非常に簡単で、パソコンに専用ソフトをインストールする必要がなく、ブラウザ上で稟議書や経費申請を完結できます。また、エクセルで申請書をデザインしてシステムに反映できるため、簡単にフォーマットを作成できるのも魅力です。
提供元 | 株式会社コラボスタイル |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
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導入実績 | 1,500社以上(※2024年05月時点) |
機能・特徴 | 申請時自動条件分岐、段階別の入力制御、相談機能、代理申請・代行判定、一括承認、印影表示ほか |
URL | 公式サイト |
メールやワークフローシステムを活用し稟議を効率化しよう
従来の紙での稟議に代わって一般化しつつあるメール稟議やワークフローシステム。稟議にかかる工数や費用、時間などを大幅に削減できるため、多くの企業で導入されています。
メール稟議でも十分な効率化が図れますが、企業規模や申請の種類、ワークフローなどによってはシステムを導入したほうがよいケースもあります。自社に合った方法を選択して、稟議業務を効率化しましょう。
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