ワークフローの承認ルートとは?重要性や基本的なルートの型・見直すポイント

最終更新日時:2024/01/26

ワークフローシステム

ワークフローの承認ルート

ワークフローの改善を行う際、ポイントの一つとなるのが承認ルートの見直しです。では、効率とリスク管理を両立したワークフローを実現するためには、どのような承認ルートが望ましいのでしょうか。本記事では、ワークフローの承認ルートとは何か、承認ルートの重要性や基本的なルートの型、見直すポイントを解説します。

ワークフローの承認ルートとは?

ワークフローの承認ルートとは、ビジネスプロセスで発生する、承認や決裁の流れのことを指します。

例えば、経費精算をするときは、まず、経費精算申請を行い、上司や経理部に「経費として認めてもらう」ための承認を受けることになるでしょう。このときの申請から承認、経費支払い手続きの一連の流れがワークフローであり、なかでも「誰が承認するのか」の部分、経路が承認ルートと呼ばれています。

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ワークフローの承認ルートの重要性

ワークフローにおける承認ルートは、提案された内容に対しての意思決定となるため、当然ながら、重要な役割を持っています。適切な承認ルートの設定が重要である理由を詳しく見ていきましょう。

内部統制を構築するため

コーポレート・ガバナンス(企業統治)を強化し、内部統制の構築を図るためには、「いつ・誰が・何を」承認したのかを明確にしなければなりません。

そのためには、ワークフローの承認ルートを設定し、全社的にルール化することが重要です。

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企業が適切な意思決定を行うため

ワークフローの承認ルートが適切に設定されていなければ、然るべき役職者による承認を受けないまま決裁されてしまうため、誤った意思決定がなされる可能性が高まります。そうした事態を避けるためにも承認ルートを適切に設定した上で透明性を確保した運用が求められます。

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業務効率を確保するため

企業が進める案件やプロジェクトには、複数の部署が連携して実行するものも少なくありません。

その場合、あらかじめ関係する部署の上長が決裁担当者として設定されていることで、案件に対する理解を得た上で、それぞれの部署が業務に着手することができるため、連携もスムーズに行えるでしょう。

ワークフローの基本的な承認ルートの型

ワークフローの承認ルートには、直線型、指名型、条件分岐型、並列型の4つの型があります。それぞれ、どのような特徴があるのか見ていきましょう。

直線型

その名の通り、申請から承認までが一直線に進むシンプルなルートで、申請者から始まり、一連の承認者を経て最終的な承認(決裁)に至ります。多くの場合、申請者の直属の上長が決裁者になります。

プロセスが分かりやすく、追跡しやすいため、小規模な組織や単純な決定プロセスに適したルートです。

指名型

指名型は直線型から派生したもので、承認ルート上で新たに承認者を追加(指名)する型です。承認ルートに従って承認が進んでいく中で、別の部署の担当者の確認や承認が必要になった場合に採られる型です。指名型は、指名された承認者が別の承認者を指名してリレー型のような形になることもあります。

専門性が求められる決定や、特定の部門や個人に関連する業務に適しています。

条件分岐型

申請の内容や状況に応じて経路が分かれていく型です。例えば、金額が1万円未満であれば、係長のみの承認、1万円以上10万円未満であれば係長+課長の承認が必要、といった具合で、申請の種類や金額、緊急度などの特定の条件に基づいて、承認ルートが変わります。

大規模な組織や、より多くの視点からの判断が必要な案件に向いたスタイルです。

並列型

並列型は、複数の承認者が同時に申請を審査しながら進める最も複雑な承認ルートの型です。申請書類が異なる部門や担当者に同時に送られ、それぞれが独立して承認やフィードバックを行うことが可能なため、大規模なプロジェクトの意思決定に取り入れられる承認ルートといえるでしょう。

並列型には、次のような3つのパターンがあります。

  • 合議・AND承認…全ルートで承認されてから決裁ステップへ進む
  • 多数決承認…複数あるルートのうち、過半数の承認によって決裁ステップへ進む
  • OR承認…どちらかのルートで承認されたら決裁ステップへ進む

並列型は、重要な意思決定と多角的な視点を求める状況の承認ルートとして適しています。

ワークフローの承認ルートを見直すポイント

ワークフローの承認ルートを見直して、業務効率や内部統制を強化したい場合。まずどのような点を検討したらよいのでしょうか。ここでは、4つの「見直しポイント」について紹介します。

承認担当者の代理人を決める

承認ルートを見直すときには、承認者が不在の際にも承認できる代理の担当者を決めておくことで、業務の停滞が防げます。代理人の設定以外にも、経理部での承認は、あらかじめ複数の経理メンバーを承認者として設定しておくのも、業務の遅延を防ぐ上で効果的です。

承認ルートを周知する

設定した承認ルートは、必ず全社に共有しましょう。承認プロセスとルールが共有されることで、申請手続きの透明性が高まるほか、申請書類の作成を含む作業が効率化されます。

また、あらかじめ承認者が明らかになってることで、不正の未然防止にも役立つでしょう。

業務にあわせた承認ルートを決める

承認ルートは、業務プロセスに合わせて設定する必要があります。日常的な決裁にはシンプルな直線型が適しており、大規模プロジェクトでは、複数の部門の承認が必要な並列型が有効です。運用しながら業務に合わせて臨機応変に対応していきましょう。

ワークフローシステムを導入する

ワークフローの効率化をしつつ、よりガバナンスを強化したい場合には、ワークフローシステムの導入が効果的です。

承認ルートが電子化されることで申請から承認までの進捗が常に可視化され、状況確認が容易になるのはもちろん、システムには、自動通知機能やリマインド機能などの業務停滞を防ぐ機能が充実しています。

承認フローの透明性を保ちながら、効率化が実現できる点は、企業にとって大きなメリットとなるでしょう。

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おすすめのワークフローシステム

最後におすすめのワークフローシステムについて紹介していきます。

X-point Cloud

「X-point Cloud」は、ノーコードで申請書の入力フォームや承認ルートを作成できるため、システム管理者の経験がない方でも構築、運用することができる使いやすいワークフローシステムです。また、紙の帳票をイメージして作られた入力フォームは、紙ベースの運用からの移行における学習コストの低減が期待できるでしょう。

スマートフォンやタブレットにも対応しており、グループウェア、クラウドサービスなどのさまざまな外部システムとも連携可能です。

提供元株式会社エイトレッド
初期費用無料
料金プラン基本料金
  • スタンダード:550円(税込)/月/ユーザー
  • プリペイド:522円(税込)×ユーザー数×12/年
導入実績シリーズ累計4,000社以上(※2024年01月時点)
機能・特徴作成・申請、承認、検索・集計、管理者設定、外部連携、セキュリティ・内部統制ほか
URL公式サイト

Create!Webフロー

Create!Webフローは、「紙」になじみ深い業務をそのまま電子化することができるワークフローシステムです。承認画面では、自分への承認依頼を一覧で確認可能。次の承認者や決裁時の申請者への自動メール通知機能も搭載されているため、スピード感を失うことなくワークフローが進捗します。

提供元インフォテック株式会社
初期費用
  • クラウド版:無料
  • パッケージ版:ユーザー数によって異なる
料金プラン
  • クラウド版:550円(税込)/月、5,500円(税込)/年
  • パッケージ版(年間保守料金):製品標準価格の15%/年
機能・特徴基本機能(申請、承認・決裁、保管・検索ほか)、入力フォーム、構築・メンテナンス、運用管理、外部連携ほか
URL公式サイト

ワークフローの承認ルートを見直そう

ワークフローの承認ルートを見直すことで、業務の効率化が図れます。また、見直す過程では、抱えていた課題が明らかになり、解決のきっかけとなることもあるでしょう。

承認ルートには直線型、指名型、条件分岐型、並列型などの型があります。業務プロセスに合わせた型を選び、承認ルートを最適化しましょう。

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