【簡単解説】稟議の意味とは?目的や必要な場面・承認されるポイントを解説

2024/05/16 2024/05/17

ワークフローシステム

稟議とは

ビジネスパーソンにとっては身近なプロセスである「稟議」。自身の権限だけでは決定できない事案の承認を得る手続きとして、さまざまなシーンで活用されています。本記事では、稟議の意味とは何か、目的や必要な場面、ワークフロー、稟議の承認をスムーズにするポイントを簡単に解説します。

稟議の意味とは?

稟議とは、自身の権限では決定できない事案に対して、文書を用いて上長をはじめとした関係者の承認を得る手続きのことです。

具体的には、事案についての説明や提案を文書化し、それを関係者に回覧します。関係者は内容を精査したうえで承認や決裁を行うことで、組織全体としての合意形成を目指します。このプロセスを通して、組織内での責任と権限を明確にするとともに、効率的な意思決定を促すことが可能です。

稟議制度導入の目的

稟議制度を取り入れる最大の目的は、企業全体としての意思統一を図り、それぞれの部署が同じ方向を向いて進めるようにすることです。案件の内容を複数の部署で共有し承認を得ることで、合意についての共通認識を持つことができ、企業としての統一された意思決定フローが確立されます。

稟議と決裁の違いとは?

「決裁」とは、稟議の最終工程を指すものであり、稟議の内容について最終的な判断を下すことを意味しています。稟議は、課題や案件の内容を複数の部署で検討し、賛同を得る過程ですが、それらをふまえたうえで最終決定を行うのが「決裁」なのです。

稟議と決済の違いとは?それぞれの意味や目的・効率化するためのポイント

稟議が必要な主な場面

日頃の業務の中で、稟議を行う場面は実はたくさんあります。以下は、稟議が特に必要とされる具体的な場面の例です。

  • 新規取引先との契約締結
  • 備品・大型設備の購入
  • 新商品の開発
  • 人員の増減
  • 出張や会議に伴う経費支出
  • 従業員の採用
  • 福利厚生制度の変更

このように、人事関連や費用が発生する事案など、企業活動を進めるうえで重要な意思決定が伴う場合は、稟議を経ることが求められます。一人の判断だけでなく、関係部署間で十分に検討を重ね、組織として適切な方針を定めるためです。経営資源の投入が大きければ大きいほど、稟議を経る必要性が高まる傾向があります。

稟議書とは?書き方や必要な項目・目的別のテンプレート・例文を紹介

稟議の種類

稟議にはさまざまな種類があり、それぞれの目的に応じた稟議が用いられています。主な稟議の種類をご紹介しましょう。

捺印・契約稟議

企業間で取引を行う際には、お互いに契約書へ捺印を行う必要があります。そのような契約を締結する際に行われるのが「捺印・契約稟議」です。契約内容について関係部署で検討し、承認を得たうえで締結に至ります。

購買稟議

業務に必要な備品や物品を購入する際に用いられるのが「購買稟議」です。机や椅子、パソコンなどの物品を購入する際、予算の範囲内で適切な物品を選定し、関係者の承認を得ることが求められます。

購買稟議では、物品の必要可否、選定商品の価格を含めた妥当性などが精査されることになります。

採用稟議

新しい従業員を雇う際に、求める人材像や採用人数、給与水準などについて検討し、関係部署の了承を得るプロセスが「採用稟議」です。採用稟議を通じて、企業は人材の質を保ちながら、組織のニーズに応じた採用を行うことができます。

【例文つき】採用稟議書とは?必要性や承認される書き方と作成のポイント

会議費・交際費稟議

取引先との会食代や贈答品の購入など、いわゆる経費の支出を行う際には、「会議費・交際費稟議」が行われます。費用対効果を考慮し、予算の範囲内で適切な支出内容となるよう、関係者で検討されます。

その他、経費を出費する際の稟議

出張交通費や宿泊費の申請をする際に行う稟議もあります。これは、従業員の出張が業務の効率化や事業の拡大に寄与するかを評価し、必要な支出を承認するためのものです。適切な稟議を行うことで、企業は費用対効果を最大化し、経費の透明性を保てます。

稟議のメリット

稟議を行うことには多くのメリットがあり、効率化や組織内の透明性向上など、ビジネス運営の基盤を強化するでしょう。以下では、稟議がもたらす具体的な利点を解説します。

不要な会議を削減できる

稟議書には、案件の内容や背景、予算案など、必要な情報がすべて記載されています。そのため、これまで必要とされていた承認を得るための会議が不要となり、会議の準備や実施にかかる時間、コストなどの無駄を省けるのです。

また、稟議による承認プロセスは、関係者を一同に集める必要がないため、急ぎの決定が求められる場合にも迅速な対応が可能となります。

承認者が稟議内容を理解しやすい

稟議書は、提案の詳細を具体的かつ端的にまとめることで、承認者が内容を迅速かつ正確に把握できるようにします。稟議書には事柄の背景、理由、予算、期待されるメリットが明記されているため、承認者は情報に基づいた明確な判断を下せるのです。誤解を防ぎ、意思決定の質の向上にもつながるでしょう。

決定した事項をスムーズに実行できる

稟議で承認された事項は「会社の決定事項」として正式に認められたことになります。そのため、業務やプロジェクト開始後の関係者間の調整や業務の割り振りもスムーズに行えるでしょう。

特に、複数の部署をまたいだプロジェクトなどでは、稟議によって各部署の上長が事前の共通認識を持つことで、業務調整も効率的かつスピーディーに実行できるのです。

ボトムアップによる意思決定(提案)ができる

稟議制度は、通常、部下から上司へと意見や提案が上がるボトムアップ方式で運用されます。

稟議を通して、現場の実情や声を直接上層部に伝えることができ、全体の意思決定に現場の意見が反映されるため、組織全体としての満足度や運営の効率が向上するメリットも期待できます。

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稟議のデメリット

稟議制度は企業活動を円滑に進めるための有効な手段ですが、一方でいくつかのデメリットも指摘されています。

責任の所在が不明瞭になる

稟議制度において複数の承認者が関与する場合、責任の所在が不明瞭になることがあります。一つの決定に多くの関係者が関わると、誰が最終的な責任を持つのかがあいまいになりがちです。問題が発生した際に責任を追及することが困難になり、また、各承認者がそれぞれに「他人事」になってしまうなど、責任感の欠如につながる可能性があります。

最終の承認までに時間がかかる

稟議書の作成・修正や、承認者への回覧など、稟議を進めるうえではいくつかの手順を踏む必要があります。

特に承認者は役員や管理職の立場であることが多く、多忙であることがほとんどです。しかし、1人でも出張や会議などでの不在が続けば、結果的に、全ての承認者の決裁を得るまでの多くの時間を要してしまいます。緊急の案件では、こうした時間的なロスが課題になる可能性があります。

稟議書を構成する要素

適切な稟議を行うためには、所定の稟議書を用意し、必要事項を記載しなければなりません。稟議書にはさまざまな構成要素が含まれており、それらを漏れなく記入することが求められます。

稟議の起案者・起案日・決裁日

誰が、いつこの稟議を起案したのかが分かるよう、起案者の氏名と起案した日付を記載します。また、正式に承認されたこと及び文書の有効性を示すため、稟議が承認された日付、すなわち決裁日も文書には不可欠です。

申請番号・決裁番号

稟議書には、社内のルールに従って付与された申請番号が必ず記載されます。稟議のプロセスや管理は、会社によってさまざまですが、承認決裁後には、決裁番号が文書に付与されるることも多いでしょう。

タイトル・件名

稟議書のタイトルや件名は、文書の内容を簡潔に伝える役割を持っています。文書を手にした人が、一目で何についての稟議であるかを理解できるタイトルにしましょう。

稟議の内容

稟議の中核をなす部分が「内容」の項目です。一般的には以下のような構成になっています。

  • 稟議を申請する具体的な事柄
  • 申請理由や背景事情
  • 承認・合意を求める内容
  • 金額の内訳や予算案

添付資料の情報

稟議書には、必要に応じて見積書やその他の関連資料が添付されることがあります。これらの資料は、提案内容の裏付けや、詳細情報の提供に役立ち、稟議内容の理解を深めるために重要です。稟議書にも添付資料名を付記しましょう。

承認・決裁者の押印欄

稟議書の最後には、承認や決裁を行う人の押印欄を設けます。この押印欄は、文書が正式に承認されたことを物理的に証明するためのものであり、組織内での文書の正式性を保証するために欠かせません。

スムーズに稟議の承認を得るポイント

稟議の承認をスムーズに得るためには、いくつかの重要なポイントがあります。これらを理解し適用することで、承認プロセスを効率的に行うことが可能です。以下でその具体的なポイントを紹介します。

稟議の承認者に事前に根回ししておく

稟議書を回す前に、承認者に対して稟議内容や申請理由などを説明しておくことが大切です。承認者の疑問や不安を事前に解消しておけば、警戒心を和らげ、円滑に承認が得られるでしょう。

要点をまとめて余分な情報は記載しない

稟議書には、稟議の事柄、申請理由、予算案などの要点を分かりやすくまとめる必要があります。一方で、稟議の論点がずれないよう、承認者に混乱を招きかねない余分な情報は避けることも大切です。稟議の核心部分を明確にすることで、承認者が内容を迅速に把握しやすくなるでしょう。

稟議が承認されなかった場合のリスクを記載する

稟議書には、承認が得られなかった場合に想定されるリスクやデメリットを具体的に記載するようにしましょう。リスクも提示しておくことで、承認者は決定を下す際に、その影響をより総合的に考慮できます。

関連書類を添付する

稟議を通すには、稟議内容がどのくらいの期間でどのくらいの利益をもたらすのかなどを資料にまとめて添付することもポイントです。稟議内容を裏付ける資料は、承認者が稟議の内容を詳細に理解し、最終判断を下すための重要な参考になります。例えば、契約に関する稟議なら、見積書や利益計画書などを添付するとよいでしょう。

ポイントを押さえ稟議申請をスムーズに進めよう

稟議申請を成功させるには、準備と戦略が必要です。根回しや要点の整理、リスクの説明、関連資料の提供など、各ステップを丁寧に実行することが、承認を得るための鍵となります。ポイントを押さえて稟議申請をスムーズに進めましょう。

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