ワークフロー管理とは?重要性や課題・効率化するポイントを解説

2024/01/24 2024/01/24

ワークフローシステム

ワークフロー管理とは

業務の流れを意味するワークフローですが、ワークフローのルールは、作成しただけで適切に運用されるとは限りません。運用しながら社内の状況に合わせて管理することも重要です。当記事では、ワークフロー管理とは何か、重要性から課題や効率化するポイントまで解説します。

この記事の要約

・ワークフロー管理とは、業務上の一連の手順を見える化し、システムを通じて管理すること
・勤怠管理や経費精算、販売管理などがワークフローに向いている業務

ワークフロー管理とは?

ワークフロー管理とは、仕事上で発生する一連の手順を見える化・ルール化し、主にシステムなどを使って管理することを指します。システムを利用した管理が一般的ですが、書類やホワイトボードを活用して管理する場合もあります。

ワークフロー管理の重要性について

クレーム対応を例に解説します。クレーム対応のワークフローが、仮に「クレーム受付→関連部署への共有→事実確認→対応→報告書の作成」と定められていた場合、ワークフロー管理を怠ってしまうと、次のような問題が考えられます。

クレームを受け付けた担当者は、社内での確認状況や進捗が把握できず、顧客への対応の遅れが生じる可能性があります。対応の遅れが、さらなるクレームへとつながることもあるでしょう。

そもそも管理されていなければ、クレーム対応が、毎回、決められたワークフローに従って進めているかどうかもわからず、顧客対応に個人差が生まれてしまいます。こうした事態を防ぐためにも、ワークフローを作成するだけではなく、運用しながら改善を図り管理していく必要があるのです。

ワークフロー管理に向いている業務

ワークフロー管理は、業務の流れを定型化しやすい業務、そして、申請・承認のフローが多く発生する業務に適しています。それぞれの具体的な業務内容を見ていきましょう。

勤怠管理

有給休暇の取得や休日出勤届を行う際、「申請書への記入→上司に提出・承認→人事総務部に提出→人事総務部が勤怠システムに入力」といったフローを決めている会社も多いでしょう。申請手続き上、例外が発生しにくく定型化しやすいため、勤怠管理は特にワークフロー管理が向いている業務と言えます。

経費精算

経費精算も上司や経理部の承認が必要な業務なので、ワークフロー管理が求められます。経費精算の申請後、上司や経理部の承認が見える化されていなければ、進捗状況がわかりません。承認ルートとステータスの可視化は、確認作業の手間軽減にも役立つでしょう。また、経費精算は、月末などの締日前に業務が集中しがちですが、申請・承認のフローをオンライン化することで、外出先の隙間時間などを使って申請承認作業ができるため、業務の分散化も期待できます。

販売管理

販売管理も向いている業務の1つでしょう。複数の案件を同時に進めている場合でも、各案件の進捗が見えるようになることで、未着手や進捗の遅れにも気づきやすくなります。加えて、申請や承認の状況が見える化すれば、担当者が社内の承認を得ずに値引きを行うといった不正の防止にもつながるはずです。

稟議

決裁者が不在にしていたため、稟議が遅れた経験がある人もいるかもしれません。ワークフロー管理システム上で稟議書を作成し承認を依頼すれば、社外から確認し決裁をしてもらうこともできます。

会社規模が拡大すると、承認フローが複雑化するケースもあります。ワークフロー管理システムは稟議内容に合わせて自動的に次の決裁者に稟議書が送られるため、稟議が円滑に進みます。

ワークフロー管理を実施しない場合の課題

ワークフロー管理を行わなかった場合、さまざまな課題やリスクが発生しやすくなります。ここからは、ワークフローを管理しないことで起こる代表的な課題を3つ解説します。

進捗状況を把握できない

ワークフロー管理を行わないと、申請や稟議の進捗やステータスをリアルタイムで把握できません。

たとえ承認フローが停滞していても、承認ルートが可視化されていなければ、どの決裁担当者で止まっているのかわからず、急ぎ対応のお願いもしにくくなります。その結果、意思決定や手続きの遅れなどにより、ビジネスチャンスを失ってしまうことがあるのです。

無駄なコストが発生する

申請・承認のワークフローが可視化されていない状況は、業務の停滞を招くだけでなく、共有不足による無駄も発生しやすくなります。

例えば、申請状況がわからないことで起こる重複申請、あるいは、進捗状況が見えないことで発生する確認作業などは、フローが可視化されていれば、発生することのない無駄な作業とも言えます。そのため、これらの作業で発生する人的コストは、ワークフロー管理を実施することで低減できたコストと考えられるのです。

属人化する恐れがある

担当者によって仕事の手順が異なると、当然成果物の品質に差が生まれてしまいます。属人化が進むと、休暇や出張で担当者が不在の際に取引先から問い合わせを受けても、適切な対応ができず迷惑をかけてしまうでしょう。

ワークフロー管理が徹底されていれば、別の社員が代理で作業を進められるうえ、成果物の品質に差が生まれません。仮に担当者が他部署に異動しても、スムーズに引き継ぎができ、同じ業務品質を保つことができます。

仕事が属人化すると、稟議の過程などで不正が生じる恐れもあります。決裁者や決裁時期、内容などが可視化されれば、自ずと不正が行われにくくなるでしょう。

クラウド型のワークフローシステムを比較|メリット・デメリットや選び方を解説

ワークフロー管理システムを導入するメリット

ワークフロー管理をより効率的に行うには、ワークフロー管理システムの導入がおすすめです。導入で得られるメリットを詳しく解説します。

業務の手間を削減できる

稟議の承認ルートが、内容によって異なる会社もあるでしょう。ワークフロー管理システムでは、稟議申請のフォーマットに合わせて、決裁者が自動で選択される設定をすることができます。稟議内容ごとに、申請者が決裁者を選択する必要がなくなるため、決裁者の選択ミスによる差し戻しなどは、起きにくくなるでしょう。

また、申請や稟議が通った場合、自動で通知が届く機能により、社内での連絡に費やす時間も抑えられます。

内部統制の強化が期待できる

ワークフローが見える化されれば、不正防止も見込めます。適切な承認フローを経ずに稟議が通る事態は防げますし、アクセスログや変更履歴を確認すれば、稟議書や見積書などを誰が閲覧・変更したかがわかります。

紙の書類は紛失や盗難が危惧されますが、システム上で手続きが完結すれば、流出する心配はほとんどありません。

柔軟な働き方を実現できる

ワークフロー管理システム上で申請や手続きなどができれば、紙の書類をベースにした申請・承認がなくなるため、テレワークなどの柔軟な働き方も導入しやすくなります。出社しなくても手続きが滞る心配がないため、業務や事業のスピード感が失われるリスクも発生しないでしょう。

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ワークフロー管理システムを選ぶポイント

いくらワークフロー管理システムが便利だからといっても、自社に合ったシステムを選ばなければ効果がありません。ワークフロー管理システムを選ぶ際のポイントを紹介します。

操作や設定はしやすいか

企業によってはシステム管理を専門とする社員がいないケースもあるでしょう。承認フローなどを自社のワークフローに合わせて作成する場合、プログラミングの知識や専用ツールがなくても作成できるワークフロー管理システムがおすすめです。

現在使用している申請書などを継続して使いたいのであれば、Excelデータを取り込む機能があると便利です。実際にシステムを使う社員や担当者が操作や設定がしやすいシステムを選ぶように心掛けましょう。

複数のデバイスに対応しているか

パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレット端末からもアクセスできれば、外出中や出張中でも申請や承認ができます。空き時間や移動時間が有効活用できるため、業務効率化にもつながるでしょう。

対応しているデバイスを確認するとともに、アプリのダウンロードの必要性もチェックしてください。

外部システムと連携ができるか

ワークフロー管理システムと経費精算システムを連携させれば、ワークフロー管理システムで承認された経費精算のデータが自動で経費精算システムに反映されます。結果的に、支払い手続きが滞りなく進むでしょう。勤怠システムと、有休届や休日出勤届などの申請を連携させれば、入力の負担軽減が見込めます。

ワークフロー管理システムには集約したデータを別の形式でエクスポートし、外部システムと連携できるタイプがあります。もし自社で導入している外部システムとの連携ができるか知りたい場合は、ベンダーに問い合わせてみましょう。

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ワークフロー管理におすすめのシステム

最後に、ワークフロー管理の最適化が図れるおすすめのシステムを紹介します。システム選びの参考として、ぜひお役立てください。

X-point Cloud

SaaSワークフロー市場で12年連続国内シェアNo.1(同社HPより)を獲得しているのが、X-point Cloudです。

X-point Cloudの入力フォームは紙の帳簿をイメージしているため、今まで紙の申請書などを使っていた人でも違和感なく使いこなせるでしょう。入力支援機能も備えているため、ミスも防止できます。

入力フォームはノーコードで構築できるので、プログラミングの知識がなくても安心。グループウェアなどの外部システムとの連携も可能です。

提供元株式会社エイトレッド
初期費用無料
料金プラン
  • スタンダード:550円(税込)×ユーザー数/月
  • プリペイド:522円(税込)×ユーザー数×12/年
導入実績シリーズ累計導入数4,000社以上
機能・特徴
  • 紙の帳簿をイメージした入力フォーム
  • 申請書のテンプレートは1,000種類以上
  • 入力フォームなどはノーコードで構築可能
  • 外部システムとの連携が可能
  • 絞り込み検索や集計機能で書類の参照や抽出が手軽
  • 専用アプリのインストールでスマートフォンからも対応可能
  • 30日間無料トライアル
URL公式サイト

ジョブカン ワークフロー

ジョブカンワークフローは、使いやすさを追求したシステムです。マウスでクリックして移動させるだけで申請フォームを作成できるうえ、50種類以上のテンプレートをカスタマイズすることも可能です。

連携できるシステムにはGoogle Workspaceやクラウドサイン、Amazonビジネスなどがあり、契約書の作成から契約の締結までの一連の流れをスムーズに進められるでしょう。運用の開始は最短即日なので、すぐに導入したい企業におすすめです。

提供元株式会社DONUTS
初期費用無料
料金プラン
  • 中・小規模の企業:330円(税込)/月/1ユーザー
  • 大規模(500名目安)の企業:要問い合わせ
導入実績シリーズ累計導入実績20万社
機能・特徴
  • アラート通知
  • 英語・韓国語・タイ語に対応
  • Google WorkspaceやGoogleアカウント連携
  • クラウドサイン連携
  • スマートフォンに対応したUI
  • 30日間の無料お試し
URL公式サイト

楽々Workflow II Cloud

大規模運用がしやすいため、大手企業におすすめのワークフロー管理システムが楽々WorkflowⅡです。部門レベルでの導入から、全社レベル、グループ会社レベルに徐々に拡大していくことも可能です。

初めてシステムを利用する人でも使いやすい画面デザインは、直感的な操作が可能。Excelで作成した帳簿を取り込めるので、Excelからの移行であれば、既存の作業内容を大きく変えずに導入できるのも強みの1つです。

提供元住友電工情報システム株式会社
初期費用5万円
料金プラン基本料金:1万円/月 1ユーザー500円/月
機能・特徴・大規模運用にも対応
  • 社内外の他のシステムとの連携も可能
  • Excel帳簿の取り込みが可能
  • 日本語・英語・中国語に対応
  • 各種メール通知機能
  • モバイル対応
URL公式サイト

ワークフロー管理を実施して業務の効率化を行おう

ワークフロー管理を行えば、業務の無駄がなくなり、いっそう効率的に仕事を進められるようになります。自社に合ったワークフロー管理システムを使い、業務効率化を進めてみてはいかがでしょうか。

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