ワークフロー図とは?書き方と作成方法・メリットをわかりやすく解説

2024/01/29 2024/01/29

ワークフローシステム

ワークフロー図とは

業務プロセスを可視化することで業務改善にも役立てられるワークフロー図ですが、作成方法がわからないという人も多いのではないでしょうか。本記事では、ワークフロー図とは何か、ワークフロー図作成のメリットを、書き方・作成方法とあわせてわかりやすく解説します。

ワークフロー図とは?

ワークフロー図は、業務フローとも呼ばれ、業務のプロセスを視覚的に表したものです。

ワークフロー図では、プロジェクトや業務を完了させるまでに発生する一連のタスクと業務内容を、実行する順番や流れに沿って図式化します。通常、矢印、記号、テキストの組み合わせによって、各ステップの連携や順序が明確に示されており、プロセスの効率化、問題点の特定、業務改善に役立てることができます。

とくに、複雑なプロジェクトや多くのステークホルダーが関与するビジネスシーンで重宝されるといってよいでしょう。

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ワークフロー図の種類

ワークフロー図は大きく5つの種類に分けられます。

UMLアクティビティ図

UMLアクティビティ図は、作業の流れやプロセスを表すための図であり、UML(統一モデル言語)とは、複雑なシステムに関するコミュニケーションを効率化することを目的に用いられています。

アクティビティ図では、ある業務の一連のタスクが、実行すべき順番で記載されるため、各作業のアクションが明確になるほか、複雑なプロセスにおいても業務全体の作業の流れが理解しやすくなっています。

BPMN

BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)は、ビジネスプロセスの流れをフロー形式でまとめたワークフロー図のことで、UMLアクティビティ図とよく似ています。

BPMNは、定型的な業務プロセスの可視化と効率化を目指す際に役立ち、チーム間のコミュニケーションや業務の標準化のほか、規模の大小を問わずプロジェクト管理においても有効です。

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ANSIフローチャート

ANSIフローチャートは、プロセスやシステムの流れを示す、最も一般的なフロー形式の図です。

現在、フローチャートによく使われるひし形・四角・楕円・矢印などの記号の多くは、このANSIフローチャートを起源としています。

SIPOC

SIPOCは、供給者(Supplier)、入力(Input)、プロセス(Process)、出力(Output)、顧客(Customer)」の頭文字から付けられた名称で、「SIPOC(サイポック)」と呼びます。

プロジェクト全体を把握するために用いられるフレームワークのため、ワークフロー図を作成するためのタスクの洗い出しなどにSIPOC分析を活用することで、作業を効率化できます。

また、SIPOCを通してプロジェクト全体を見渡した際の「ボトルネック」なども可視化されやすくなります。

スイムレーン

スイムレーン図は、業務プロセス内の部門ごとのタスク、あるいは、担当者ごとのタスクを明確にするための図です。部門ごとのタスクや役割をスイミングプールのレーンのように分割し、各レーンにプロセスを記述しつつ相互関係にあるタスクを矢印や線で示すことで実行すべき業務とフローを明確にします。

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ワークフロー図を作成するメリット

ワークフロー図を作成することで得られるメリットはどのようなものでしょうか? ここでは、3つのメリットを紹介します。

業務プロセスを可視化できる

ワークフロー図を作成する大きなメリットの一つは、業務プロセスを可視化できることです。業務に関わるメンバーは、ワークフロー図を見れば、ひと目で業務の流れや各ステップ間の関係を理解できるでしょう。業務の全体像も捉えやすく、自分の担当業務の前後の状況をイメージして、準備したり対応したりできるようになります。

課題の早期発見ができる

ワークフロー図を作成しておくことで、業務遂行中に問題が発生した場合、速やかに進捗状況を確認し、ボトルネックを洗い出すことができます。また、業務改善のため、潜在的なボトルネックを洗い出したり、非効率な作業を洗い出したりする場合にも役に立ちます。

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生産性が向上する

業務全体の流れと業務内容が明確になるため、業務の標準化が進むでしょう。

自分の担当業務以外の業務内容や流れが共有されることで、さまざまな視点からの改善のアイデアも得やすくなります。日々、作業を行っている担当者の目線では気づかない作業の無駄は意外にも多いものです。業務が共有されることで、より効率的な方法が見つかり、生産性が向上できることもあるでしょう。

ワークフロー図の書き方・作成方法

ワークフロー図はいくつかの手順にしたがって書く必要があります。一つずつ見ていきましょう。

ワークフロー図を作成する目的を明確にする

まず、ワークフロー図を作成する目的を明確にしましょう。作成の目的には、プロセスの効率化、課題の洗い出し、教育用など、さまざまなものがあります。

例えば、カスタマーサポートセンターのワークフロー図では、顧客からの問い合わせに的確に回答することが目的ですが、プロセスの見直しのためなのか、教育用なのかによって内容が変わってきます。目的によって、図の内容や焦点が変わるため、作成前にはっきりさせておくことが大切です。

ワークフロー図に記載する情報を収集する

次にワークフロー図を作成するための情報の収集をします。これには、業務の各工程、ワークや処理、判断によって処理が変わるポイントのヒアリングをはじめ、それぞれに関わる担当者、顧客、関係者などの洗い出しも含まれます。必要な情報を過不足なく集めておくことが、有効なワークフロー図を作る上で重要です。

情報を整理する

集めた情報をワークフローとして必要な情報を絞り込み、まずは部門や担当者ごとに分類し、続いて、業務のステップ、関与する人々、必要なリソース、達成すべき目標などの情報を含めて整理します。情報収集と整理の際には、SIPOC分析を活用するのもおすすめです。

ワークフロー図を作成する

情報を整理した後は、実際にワークフロー図を作成します。

業務を実際の工程の時系列で整理しながらフロー図を完成させていき、併せて相互関係も明確にします。また、作成した図はチームメンバーや関係者と共有し、フィードバックを得ることで、さらに精度を高めることができます。

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ワークフロー図を作成する際のポイント

ワークフロー図を作成する際のポイントを2つ紹介します。

情報が整理されたわかりやすいワークフロー図を作成する

ワークフロー図は、誰がみても分かりやすい図にすることが重要です。各業務プロセスの開始から時系列の流れ、条件によってフローが分岐するところを明確にしましょう。字の大きさや記号のサイズに配慮し、使用する記号には一定のルールを設けるなど、デザインを工夫するとよいでしょう。

ツールを活用する

ワークフロー図は、関連する部署や関わるメンバーが多くなればなるほど複雑化するため、ツールを使用するのも一つの手です。

ツールを活用することで、修正対応やメンバーへの共有も手間なく行えるため、より効率化が図れます。

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ワークフロー図を作成し生産性を向上させよう

ワークフロー図は、業務の流れを明確にすることで、業務改善につながり、生産性を向上させてくれます。ツールを活用してワークフロー図の作成を効率化しつつ、ワークフローの可視化による業務改善に着手してみてはいかがでしょうか。

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