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勤怠管理をしていない会社は違法なのか?リスクや問題点・対処法を解説

2022/02/19 2024/09/04

勤怠管理システム

勤怠管理していない会社の違法性

勤怠管理をしていない会社は、気づかないうちに労働基準法に違反している可能性があります。違反した場合、罰則を受ける可能性や社会的信用が失墜する恐れもあるでしょう。本記事では、勤怠管理をしていない会社が抱えるリスク・問題点と対処法と、勤怠管理に役立つシステムを紹介します。

勤怠管理に関する法律・ガイドライン

会社が勤怠管理を行うことは、労働基準法と労働安全衛生法によって義務付けられています。勤怠管理をしていない会社は法令違反となるため注意しましょう。

ここからは、勤怠管理に関する法律とガイドラインを詳しく解説します。

労働基準法

労働基準法とは、労働条件に関する最低限の基準や、労働者を保護するための内容が記された法律です。労働基準法には、勤怠管理に関しても以下のような記載があります。

第百八条 使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。

第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。

[出典:e-Gov法令検索「労働基準法」]

賃金台帳とは、各従業員への給与の支払い状況を記した書類です。労働日数や労働時間数、時間外労働の時間数などが記載されており、従業員の労働時間を正確に記録しなければなりません。

また、第109条にもあるように、会社は労働関係に関する重要な書類の保存義務があります。保存する書類には出勤簿やタイムカードなども該当し、勤怠管理を適切に行うことが求められているのです。

違反した場合は、30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

労働基準法とは?内容や遵守すべき事項をわかりやすく解説

労働安全衛生法

労働安全衛生法とは、働きやすい職場環境を形成し、労働者の安全と健康を確保するための法律です。勤怠管理に関して、以下のような定めがあります。

第六十六条の八の三 事業者は、第六十六条の八第一項又は前条第一項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。

[出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」]

上記のとおり、会社は労働者の労働時間を把握しなければなりません。労働時間を把握するための具体的な方法は、労働安全衛生規則の第52条の7の3にある「タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法、その他の適切な方法」があげられます。

このように、会社は労働者の労働時間を正確に把握することが義務付けられています。

[出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」]

厚生労働省による勤怠管理のガイドライン

厚生労働省による勤怠管理のガイドラインは、労働時間を適切に把握し労働基準法に違反する長時間労働などを防ぐ目的で策定されました。

ガイドライン内では、会社は以下のように労働者の勤怠管理を行うことが記載されています。

  • 労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録する
  • 使用者の現認またはタイムカード、ICカード、パソコンなどの客観的な記録を確認する
  • 自己申告制の場合は十分な説明を行い、実態と記録に乖離がある場合は実態調査を実施する
  • 労働基準法第109条に基づいて、労働時間の記録を5年間保存する
  • 勤怠管理の責任者は、労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、管理上の問題の把握・解消を図る
  • 必要に応じて労使協議組織を活用し、労働時間管理の現状把握と問題解決を行う

また、労働時間は実際に業務を行っている時間だけではなく、業務上必要な研修や教育訓練の受講、会社の指示で業務に必要な学習を行っている時間も該当すると明記されています。

[出典:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」]

勤怠管理をしていない会社のリスク・問題点

勤怠管理をしていない会社では、さまざまなリスクや問題が発生してしまいます。ここでは、そのリスクや問題点について具体的に解説していきます。

長時間労働を把握できない

勤怠管理をしていない会社は、長時間労働を把握できないという問題点があります。

労働基準法第32条では、労働時間について「1日8時間、週40時間以内」と定めています。労使間で36協定を締結していれば、上記を超えて労働させることが可能ですが、それでも従業員の時間外労働の上限は原則として「月45時間(6か月まで)、年360時間」とされています。

また、以下の条件を超えるような労働は、たとえ労使間の合意があったとしても認められていません。

  • 年720時間以内
  • 複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
  • 「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」
  • 月100時間未満(休日労働を含む)

[出典:厚生労働省「働き方改革特設サイト

これらの規制の目的は、長時間労働による心身への影響から従業員を守る目的で定められているものです。そのため、勤怠管理をせず労務環境が整えられていないとなれば、会社内での問題にとどまらず、社会問題にまで発展することもあります。

残業代の未払いが発生している可能性がある

労働時間を把握していなければ、本来、残業代が発生するはずの時間外労働についても把握できていないことを意味します。

つまり、残業代も適切に計算できていないといえます。そのため、残業代の未払いが発生している可能性があるでしょう。

残業代の未払いは、労務トラブルの原因につながる大きな問題のひとつです。

残業時間を正しく管理するには?知っておくべきルールや運用方法

社会的信用度が低下してしまう

勤怠管理を行わない会社は、長時間労働が蔓延していたり残業代の未払いが発生していたりするなど、大きな問題を抱えている可能性があります。そのため職場環境も悪くなり、社内の事実が社外に周知されると社会的信用度が低下する恐れもあるでしょう。

社会的信用度が低下すると、取引先などからの評価も下がる場合があります。また、自社に就職を希望する人材も集まらないようになり、人材確保も困難となります。

訴訟問題に発展する可能性がある

勤怠管理をしていないことで労働基準法に違反している場合、従業員から訴訟される可能性があります。

例えば、残業代の未払いが発生していたり、休暇が取得できていなかったりする状況では、特に訴訟問題に発展する可能性が高いといえるでしょう。

訴訟問題が社外に知られてしまうと、社会的信用度の低下にもつながります。

従業員の不正に気づけない

従業員の自己申告のみで勤怠状況を管理している場合、遅刻や欠勤を申告しない、残業を水増しするなどの不正があっても気づくことができません。そのため、本来であれば必要のない賃金を従業員に支払っている可能性もあります。

人件費は会社にとって重要なコストです。従業員による不正を防ぐためにも、適切な勤怠管理は欠かせません。

適切な勤怠管理は、従業員を守るだけでなく会社を守ることにもつながります。

労働時間管理とは?従業員の正しい勤怠情報を把握するためのポイント

勤怠管理をしていない会社がすべき対処法

勤怠管理をしていない会社には、多くの問題があることがわかりました。ここでは、そんな会社が今すぐにすべき対処法を4つお伝えします。

従業員に勤怠管理の重要性について理解を得る

これまでしていなかった勤怠管理を始める時には、従業員の理解を得なくてはなりません。従業員によっては、タイムカードを押したりシステムを使ったりすることに、困惑してしまう可能性があるからです。

まずは説明会を開催するなどして、以下5つのポイントを伝えるようにしましょう。

  • なぜ勤怠管理を行うのか(重要性や従業員側のメリット)
  • いつからスタートするのか
  • 具体的に何をすればよいのか
  • 勤怠管理の方法や情報の使用目的
  • 欠勤、遅刻、早退などのルール

従業員の理解を得ることが、適切な勤怠管理には欠かせません。

自己申告制の場合は勤務実態と乖離していないか調査する

客観的な労働時間の記録がなく、自己申告制での勤怠管理をしている会社では、必要に応じて申告内容と勤務実態との乖離がないかの調査が必要です。

自己申告では、従業員が遅刻や早退を報告していなかったり、残業を過大報告、もしくは過小報告していたりする不正が起きやすくなってしまいます。

また、上長の指示で休日出勤をしたにもかかわらず、申告できていないことも少なくありません。申告内容と勤務実態を調査し、乖離がある場合は是正に務める必要があります。

労働時間の自己申告は禁止?正しい勤怠管理の方法や注意点を解説

長時間労働の是正をする

勤怠管理をしていなかった会社は、長時間労働が生じていなかったかの調査が必要です。これまで把握していなかっただけで、過度な残業が慢性化している可能性があります。

もし、長時間労働が発覚した場合は、すぐに是正しなくてはなりません。長時間労働を招いている原因を分析し、解決に努めてください。

勤怠管理システムを導入する

勤怠管理は会社の義務であるため、勤怠管理をしていない会社はすぐに勤怠管理を始めなければなりません。コスト面と運用面において導入のハードルが低いのが、勤怠管理システムです。

特にクラウド型の勤怠管理システムであれば、契約後はすぐに利用可能です。システムのアップデートや保守などはベンダーが対応するため、システム管理の手間がかかりません。

勤怠管理システムを導入することで、労働時間の自動集計や有給休暇管理など、労働基準法に則した勤怠管理が可能になります。

【2024年最新】おすすめ勤怠管理システム15選を比較!失敗しない選び方も解説!

【最新】無料で使える勤怠管理システム15選!完全無料やトライアル付きなど

勤怠管理を始めるのにおすすめのシステム

ここからは、勤怠管理を始めるのにおすすめのシステムを3つ紹介します。すぐに導入できるシステムを紹介するため、参考にしてみてください。

ジンジャー勤怠

ジンジャーは、勤怠管理だけでなく、労務業務全般や給与計算、経費精算など、あらゆるバックオフィス業務のシステム化が叶うサービスです。

その中で、勤怠管理ができるジンジャー勤怠は、ICカードをはじめ、パソコン、スマホ、タブレットなどさまざまな打刻方法に対応しています。異なる勤務形態にも対応しており、過度な残業や長時間労働を警告するアラート機能もあるため、法律に則した勤怠管理が行えます。

提供元jinjer株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン希望サービスの利用料:330円(税込)/月~×利用者数
導入実績18,000社以上
機能・特徴出退勤管理、自動集計、各種申請・承認、シフト管理、有休管理、予実管理、アラート機能、システム連携など
URL公式サイト

\資料請求は完全無料!/

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Chatwork勤怠管理

Chatwork勤怠管理は、労働時間の集計や打刻、各種申請が一括で管理できる勤怠管理システムです。

Web打刻やICカード打刻、ログオン/ログオフ打刻やスマホ打刻などさまざまな打刻方法に対応しており、多様な働き方をする会社でも導入しやすいといえます。勤務データは自動集計を行い、全従業員の労働時間を簡単に可視化できる点がメリットです。

PCログデータの取得や打刻改ざん防止機能、36協定チェッカーなどの機能が備わっており、勤怠管理の改ざんや不正を防ぎ、36協定の違反も防止できます。

提供元株式会社kubell
初期費用無料
料金プラン33,000円(税込)/月~<br>※31名以上の場合は月額従量課金制
機能・特徴タイムカード、打刻、出勤予定(勤務表)の作成、残業申請、有給(休暇)申請、給与ソフト連携、PCログ取得、36協定チェッカー、有給(休暇)取得チェッカーなど
URL公式サイト

\資料請求は完全無料!/

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ジョブカン勤怠管理

ジョブカン勤怠管理は、必要な機能だけを自由に組み合わせて使える便利な勤怠管理システムです。

テレワークやフレックスタイムなど、さまざまな勤務形態に合わせた運用が行えます。多機能でありながら、誰でも簡単に使える操作性が魅力です。

万全のサポート体制はもちろん、設立3年未満の企業は1年間無料で利用できる「ジョブカン起業支援プログラム」もあります。これまで勤怠管理をしていなかった中小企業での導入にも最適です。

提供元株式会社DONUTS
初期費用無料
料金プラン■中・小規模の企業
  • 無料プラン:無料
  • 有料プラン:220〜550円(税込)/月

※利用する機能数により変動

■大規模(500名目安)の企業:要問い合わせ

導入実績シリーズ累計導入実績25万社
機能・特徴出勤管理、シフト管理、休暇・申請管理、スマートフォン(モバイル)操作、工数管理、集計、超過労働対策、外国語表示など
URL公式サイト

システムを導入して適切な勤怠管理をしよう

従業員の勤怠管理は、会社の義務です。勤怠管理を怠っていると、違法行為となる可能性だけでなく、従業員からの訴訟リスクや社会的評価の低下など、さまざまな問題が起こります。

これまで適切な勤怠管理をしていないと考えられるのであれば、今すぐに対策が必要です。法令を遵守するために、そして、従業員にとって働きやすい環境を整えるためにも、勤怠管理システムを導入するなどして、正しい勤怠管理を始めましょう。

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