勤怠管理をしていない会社は違法なのか?リスクや問題点・対処法を解説

記事更新日:2022/11/25

勤怠管理システム

違法な勤怠管理による長時間労働

勤怠管理をしていない企業は、気づかないうちに労働基準法に違反している可能性があります。違反した場合、それが過失であったとしても、企業が罰則を受ける可能性は避けられません。それだけでなく、企業の社会的信頼が失墜する恐れもあるでしょう。本記事では、勤怠管理をしていない会社が抱えるリスク・問題点と対処法をご説明します。記事の後半では、おすすめの勤怠管理システムを紹介しますので、ぜひ参考してください。

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勤怠管理をしていない会社が抱えるリスク

働き方改革関連法の施行により、「時間外労働の上限規制」「年次有給休暇の確実な取得」「労働時間状況の客観的な把握」などが定められました。これにより、企業にとっての勤怠管理はより重視すべき業務のひとつになっています。そのため、勤怠管理をしていない企業はさまざまなリスクを抱えているのです。詳しく確認していきましょう。

(1)労働基準法・労働安全衛生法などの違法による罰則

従業員の勤怠を管理することは、労働基準法と労働安全衛生法によって定められた会社の義務です。

従業員一人ひとりの労働時間の詳細を記載する「賃金台帳」は、企業に対して作成と保管が義務付けられている「法定三帳簿」のひとつとされ、労働基準法第108条にて以下の通りの定めがあります。

(賃金台帳)
第百八条 使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。

[出典:労働基準法 第第百八条]

この賃金台帳は、労働日数や時間外、深夜や休日に分けた労働時間、基本給や手当の種類と額など、主に給与に関わる事項が記載され、その項目も法律によって定められています(労働基準法施行規則第54条)。また、保管期間についても「5年間」との定めがあり、これらの法律に違反した場合は、企業に対し「30万円以下の罰金」が科せられます(労働基準法第109条)。

さらに、従業員の労働時間については、労働安全衛生法第66条8の3により、客観的に把握することが義務付けられ、これに対する罰則はないものの、労働時間の上限規制に違反すると「6か月以内の懲役、または30万円以下の罰金」が科せられます。

(2)残業代未払い等の遡及支払い命令

勤怠管理をしていなければ、従業員の労働時間を正確に把握することができません。そのため、時間外労働の管理ができず、残業代の未払いが起こる可能性があります。

厚生労働省は、平成31年度と令和元年度に未払いの残業代があり、かつ1企業につきその金額が100万円を超えていた企業に対する是正指導数について、1,611社あったと発表しています。そしてこのうち161社は1,000万円以上の未払い残業代を支払うことになりました。

これだけの金額を一度に支払うのは、企業にとっては、経営面において、大きなリスクとなります。また、それだけでなく社会的な信用を落としかねない事態となってしまうでしょう。

[参考:厚生労働省「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成31年度・令和元年度)」]

(3)ブラック企業と認定されブランディングが低下

勤怠管理をしていない会社では、従業員の労働実態が把握できません。そのため、従業員に大きな負担がかかる傾向にあり、長時間労働の常態化につながります。

このような会社の実態が世間に知られることになれば、ブラック企業と認定され、社会からの信頼や評価を失うことになるでしょう。これが、企業ブランドの低下につながり、営業面はもちろん、採用面にも影響するリスクがあるのです。

(4)従業員からの訴訟リスク

従業員の給与を正しく支払うためには勤怠管理は欠かせません。時間外労働を含めた実労働時間を正しく把握しなければ、給与計算が正しくできないからです。

給与の支払いに関わるトラブルは、訴訟にまで発展するリスクがあります。訴訟に発展してしまうと、対応にあたる担当者の業務増加や弁護士費用など、さまざまなコストが発生します。また、社会的信用を失う可能性もあるので注意が必要です。

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勤怠管理をしていない会社の問題点

勤怠管理をしていない会社では、さまざまな問題が発生してしまいます。ここでは、その問題点について具体的に解説していきます。

(1)長時間労働を把握できない

勤怠管理をしていない会社には、長時間労働が把握できないという問題点があります。

労働基準法第32条では、労働時間について「1日8時間、週40時間以内」と定めています。労使間で36協定を締結していれば、上記を超えて労働させることが可能ですが、それでも従業員の時間外労働の上限は原則として「月45時間(6ヶ月まで)、年360時間」とされており、また、以下の条件を超えるような労働は、たとえ労使間の合意があったとしても認められていません。

  • 年720時間以内
  • 複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
    「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」
  • 月100時間未満(休日労働を含む)

[出典:厚生労働省「働き方改革特設サイト(支援のご案内)

これらの規制の目的は、長時間労働による心身への影響から従業員を守る目的で定められているものです。そのため、勤怠管理をせず、労務環境が整えられていないとなれば、企業内での問題にとどまらず、社会問題にまで発展することもあります

(2)残業代の未払いが発生している可能性がある

労働時間を把握していなければ、本来、残業代が発生するはずの時間外労働についても把握できていないことを意味します。

つまり、残業代が適切に支払われていないことになるでしょう。そのため、未払いが発生している可能性があります。残業代の未払いは労務トラブルの原因につながる大きな問題のひとつです。

(3)従業員の不正に気づくことができない

適切な勤怠管理は従業員を守るだけでなく、会社を守ることにもつながります。従業員の自己申告のみで勤怠状況を管理している場合、遅刻や欠勤を申告しない、残業を水増しするなどの不正があっても気づくことができません。

そのため、本来であれば必要のない賃金を従業員に支払っている可能性も生じます。人件費は会社にとって重要なコストです。従業員による不正を防ぐためにも、適切な勤怠管理は欠かせません。

(4)パワーハラスメントなどコンプライアンス的に問題がある

勤怠管理をしていないと、定められた労働時間や時間外労働への意識が希薄になりがちです。そのため、ずさんな勤怠管理が、上長による過度な残業や休日出勤命令などのパワーハラスメントの温床となってしまうことがあります

長時間労働が、従業員の過労死や訴訟問題などを引き起こす前に、適切な勤怠管理で対応をする必要があります。

(5)労働時間管理が不要な名ばかり役員を不当に増やしている

会社法第329条が示すところの「役員」には、労働基準法が適用されないため、役員の勤怠管理をする必要はありません。

しかし、このような法律を勤怠管理に悪用している会社もあります。実態は労働者として業務をしているのにも関わらず、勤怠管理をしなくていいように「名ばかり役員」を不当に増やしているのです。

たとえ肩書きが役員であっても、実態から労働者と判断されれば、勤怠管理の対象となります。不当に役員を増やしている会社は、直ちに是正が必要です。

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勤怠管理をする上で会社が遵守すべきガイドライン

厚生労働省は、勤怠管理をする上で企業が遵守すべきガイドラインを定めています。以下はガイドラインを要約した遵守すべき6つの事項です。

(1)労働日ごとに始業・終業時刻を記録する。
(2)使用者の現認あるいはタイムカードなどの適切な手段により記録する。
(3)(1)(2)の手段について、従業員に十分な説明を行い、実態調査を実施する。また適正な記録を妨げる措置を行わない。
(4)労働基準法第109条に基づいて記録を5年間保存する。
(5)勤怠管理の担当者は、労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、管理上の問題の把握・解決を図る。
(6)必要に応じて労使協議組織を活用し、労働時間管理の現状把握・問題解決を行う。

[参考:厚生労働省「労働時間の適正な把握 のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」]

法律に則した勤怠管理を行うために、それぞれを確認して理解を深めておきましょう。

勤怠管理していない会社が今すべき対処法4選

勤怠管理をしていない会社には、多くの問題があることがわかりました。ここでは、そんな会社が今すぐすべき対処法を4つお伝えします。

(1)勤怠情報をタイムカードやシステムで管理する

勤怠管理は会社の義務です。そのため、勤怠管理をしていない会社は、すぐに勤怠管理を始めなくてはなりません。コスト面と運用面において、導入のハードルが低いのが、タイムカードを使った勤怠管理です。

タイムレコーダーとタイムカードを用意すれば始められるので、時間もかからず費用も抑えられます。より詳細で正確な勤怠管理を望むのであれば、システムの導入も手段のひとつです。労働時間の自動集計、有給休暇管理など、労働基準法に則した勤怠管理が可能になります。

(2)自己申告制の場合は勤務実態との乖離を調査する

客観的な労働時間の記録がなく、自己申告制での勤怠管理をしている会社では、必要に応じて、申告内容と勤務実態との乖離がないかの調査が必要です。自己申告では、従業員が遅刻や早退を報告していなかったり、残業を過大報告、もしくは過小報告していたりする不正が起きやすくなってしまいます。

また、上長の指示で休日出勤をしたにも関わらず、申告できていないことも少なくありません。申告内容と勤務実態を調査し、乖離がある場合は是正に務める必要があります。

(3)従業員に勤怠管理の重要性について理解を得る

これまでしていなかった勤怠管理をはじめるときには、従業員の理解を得なくてはなりません。従業員によっては、急にタイムカードを押したり、システムを使ったりすることに、困惑する可能性があるからです。

説明会を開催するなどして、以下5つのポイントを伝えるようにしましょう。

  1. なぜ勤怠管理を行うのか(重要性や従業員のメリット)
  2. いつからスタートするのか
  3. 具体的に何をすればいいのか
  4. 勤怠管理の方法や情報の使用目的
  5. 欠勤、遅刻、早退などのルール

従業員の理解を得ることが、適切な勤怠管理には欠かせません。

(4)長時間労働が生じている場合は是正する

勤怠管理をしていなかった会社は、長時間労働が生じていなかったかの調査が必要です。これまで把握していなかっただけで、過度な残業が慢性化している可能性があります。

もし、長時間労働が発覚した場合は、すぐに是正しなくてはなりません。長時間労働を招いている原因を分析し、解決に努めてください

勤怠管理を始めるのにおすすめのシステム3選

最後に、勤怠管理をしていなかった企業でも安心して導入できるおすすめのシステムを3つ紹介します。

(1)ジンジャー勤怠

ジンジャーは、勤怠管理だけでなく、労務業務全般や給与計算、経費精算など、あらゆるバックオフィス業務のシステム化が叶うサービスです。

その中で、勤怠管理ができるジンジャー勤怠は、ICカードをはじめ、パソコン、スマホ、タブレットなどさまざまな打刻方法に対応しています。異なる勤務形態にも対応しており、過度な残業や長時間労働を警告するアラート機能もあるため、法律に則した勤怠管理が行えます。

専任スタッフによる初期導入の設定から運用までのサポートも手厚く、これから勤怠管理をはじめる会社におすすめです。

◆料金
月額400円/人 ※最小利用人数10名

資料請求はこちら

(2)KING OF TIME

KING OF TIMEは、市場シェア、認知度、満足度でNo.1(※)を誇る勤怠管理システムです。残業や有給休暇など自社の就業ルールに即して設定できるので、管理業務の効率化が実現します。

シンプルでわかりやすい操作画面が特徴で、初めてシステムを使う人でも操作が簡単。専門スタッフによるサポートも充実しているので、システム導入が初めての会社でも安心です。

※出典:富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2021年版」勤怠管理SaaS市場 利用ID数

◆料金
月額300円/人 初期費用無料

(3)ジョブカン勤怠管理

ジョブカン勤怠管理は、必要な機能だけを自由に組み合わせて使える便利な勤怠管理システムです。テレワークやフレックスタイムなど、さまざまな勤務形態に合わせた運用が可能。多機能でありながら、誰でも簡単に使える操作性が魅力です。

万全のサポート体制はもちろん、設立3年未満の企業は1年間無料で利用できるサービスもあります。これまで勤怠管理をしていなかった中小企業の導入にも最適です。

◆料金

プラン 利用機能数 料金(1ユーザー)
無料プラン 1〜4つ(機能制限あり) 無料
有料プラン プラン1 1つ 月額200円
プラン2 2つ 月額300円
プラン3 3つ 月額400円
プラン4 4つ 月額500円

※月額最低利用料金2,000円

正しい勤怠管理で健全な会社経営に努めましょう

従業員の勤怠管理は、会社の義務です。勤怠管理を怠っていると、違法行為となる可能性だけでなく、従業員からの訴訟リスクや社会的評価の低下など、さまざまな問題が起こります。

これまで適切な勤怠管理をしていないと考えられるのであれば、今すぐに対策が必要です。法令を遵守するために、そして、従業員にとって働きやすい環境を整えるためにも、システムの導入をするなどして、正しい勤怠管理を始めましょう。






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