ICカード式勤怠管理システムおすすめ8選!導入メリットや選び方も解説!
ICカードを使用する勤怠管理システムは、カードを専用端末にかざすだけで打刻が行えるシステムです。従業員がそれぞれに所持するICカードを使うため、勤怠管理の効率化だけでなく、不正打刻を予防できるなどのメリットもあります。この記事ではICカード式勤怠管理システムのメリット・デメリットや選び方について詳しく解説しています。
目次
ICカード式勤怠管理システムとは?
正確で効率的な勤怠管理ができるICカード式の勤怠管理システムについて、まずは、どのような特徴があるのかを、詳しく確認していきましょう。
(1)ICカードによる打刻ができるシステム
ICカード式勤怠管理システムは、ICカードを専用の読み取り機(カードリーダー)にかざすだけで出退勤時間などの時刻と打刻した人の情報が、システムに自動登録される勤怠システムです。
また、ICカード式の入退室管理システムの中には、その日の最初の入室を出勤時刻、最後の退室時刻を退勤時刻として、それぞれ自動で記録してくれる機能を備えたものもあります。このようなシステムでは、それぞれのICカードに、特定の場所(部屋)へのアクセス権を設定することもできるケースがほとんどです。そのため、セキュリティの強化、入退室管理、勤怠管理が効率的に行えるようになります。
(2)交通系ICカードなどをそのまま利用できる
ICカード式の勤怠システムでは、多くの場合、交通系ICカードをそのまま使えます。また、規格内であれば、ICカードタイプの社員証の利用も可能です。そのため、企業によっては、勤怠管理用のICカードを新たに作ることなく導入できるでしょう。
勤怠管理システムで利用できるICカードは、主に下記の2種類です。
- FeliCa(フェリカ)規格 国内で最も多く使われている規格。交通系ICカードや小売店のICカードなどに採用されている。
- MIFARE(マイフェア)規格 世界で広く使われており、安価な点が特徴。日本ではtaspoや社員証などに採用されている。
ICカードを読み取るICカードリーダーは、どちらか一方の規格にしか対応していないものもあるため、既存のICカードを利用する場合は、その規格に対応した製品を選ぶ必要があります。
ICカード式勤怠管理システムを導入する5つのメリット
ICカード式の勤怠管理システムを導入するメリットは多くあります。ここでは、主なメリットを5つ紹介します。
(1)勤怠管理が効率化できる
ICカード式勤怠管理システムを導入する最も大きなメリットは、業務の効率化です。給与計算のために行う労働時間の集計は、タイムカードや台帳などに記録された出退勤時刻を、手作業でシステムに入力して行うのが一般的でした。
手作業での入力は手間がかかる上に、ミスや漏れが発生するリスクもあります。修正対応も必要なため、担当者の大きな負担になっていたのです。ICカード式勤怠管理システムなら、カードの読み取りだけで打刻が完了し、集計も自動で行われます。入力の手間もなくミスも防げるため、効率的に正確な給与計算が行えるのです。
また、システムによっては交通系ICカードで打刻すると、定期区間を控除した交通費が自動で計上されるものもあります。このような機能も併用すれば、経費精算の効率化も一気に図れるでしょう。
(2)不正打刻やデータ改ざんの防止になる
タイムカードによる打刻やエクセルファイルによる勤怠管理の場合、欠勤や遅刻を隠すために、同僚が代わりにタイムカードを打刻したり、虚偽の時間を入力したりなど、勤怠管理の不正が起こりやすいことが問題点のひとつとして挙げられていました。その点、ICカードは個々の認識番号が設定されているため、本人以外による、身代わりでの打刻が難しくなります。
また、勤怠管理における不正行為は、従業員に限ったことではありません。企業が残業代を削減するために、労働時間のデータを改ざんすることもあります。そのような際も、システム化された勤怠管理であれば、データの修正履歴が残るため、不正の防止につながります。
(3)ICカード用のツールならすぐに導入しやすい
前述のとおり、ICカード式勤怠管理システムは、交通系ICカードの他、社員証ICカードなどが活用できます。そのため、企業によっては、ICカードを新たに用意する必要もなく、導入できるケースもあるでしょう。
従業員が使用するICカードの規格に対応したICカードリーダー(読み取り機)さえ設置すれば、すぐに利用が可能なため、導入しやすい点もメリットのひとつです。
(4)操作が簡単なので従業員も使いやすい
新たなシステムを導入したり、システムを変更したりする際は、従業員から「分かりづらい」「使いにくい」といった不満が出ることは珍しくありません。特に、ITツールに苦手意識がある人にとっては、システム化に大きなストレスを感じることもあります。
しかし、ICカードをカードリーダーにかざすといった動作は、すでに交通機関やキャッシュレス決済などにおいて、日常的に利用されている方法です。従業員が混乱することなく使え、操作に関する複雑な説明や研修の時間を長々と取ることもなく、運用を開始できるのは大きなメリットです。
(5)比較的費用が安い
紙に印字するタイプの勤怠管理の場合、使用するタイムカードは消耗品のためランニングコストがかかります。
一方、ICカード式勤怠管理システムでは、従業員が使用するICカードは、不具合などが起きない限り、退職するまで使用可能です。既存のカードを利用する場合は、初期費用を抑えることもでき、さらに、ランニングコストが少しでもカットできるのは魅力的なポイントでしょう。
ICカード式勤怠管理システムの3つのデメリット
ICカード式勤怠管理システムには、メリットだけでなく、デメリットもあります。そこで、導入前に知っておくべき3つの注意点をお伝えします。
(1)テレワークや直行直帰に対応していない
ICカード式の勤怠管理システムは、打刻に専用の端末を必要とするため、テレワークや営業職などの直行直帰など、オフィス外の勤怠管理には向いていません。
リモートワークを実施している企業や、外回りの営業職が大半を占める事業者などは、ICカードによる勤怠管理が自社にマッチしているかをよく検討してください。また、導入する場合には、オフィス外勤務の従業員に対する管理の手順とルールを、あらかじめ決めておくようにしましょう。
(2)カードの紛失リスクがある
ICカードを利用するため、当然ですが、紛失した場合は、打刻ができなくなります。紛失の際は、まず速やかに担当部署に申告し、必要に応じて警察に遺失の届け出をするようにしましょう。
また、ICカードの再発行による勤怠管理システムへのID変更・再登録という手間も発生します。運用ルールには、ICカードを紛失や盗難により失った場合の再発行されるまでの期間の打刻方法について、あらかじめ決めておくと安心です。
(3)セキュリティ強化のコストがかかる
セキュリティの強化にコストがかかることも注意点のひとつです。企業には従業員の勤怠管理データを、5年間保管する義務があります(労働基準法第109条)。さらに、勤怠情報は個人情報でもあり、データの漏えいや紛失は大きな問題です。
また、従業員のICカードに、社員食堂や社内の売店でのキャッシュレス決済機能を付けている企業もあるでしょう。これらの情報も管理するのであれば、セキュリティの強化が必要です。ログインIDやパスワードの徹底管理、パソコンのウィルス対策、定期的な複数のバックアップなど、セキュリティ強化にはコストがかかります。
ICカード式勤怠管理システムの選び方は?
次にICカード式勤怠管理システムを選ぶポイントを5つ紹介します。
(1)自社の勤務形態に合っているのか
ICカード式勤怠管理システムが自社の勤務形態に合っているかの検討は、大切なポイントです。先ほどお伝えしたように、テレワークや直行直帰の従業員が多い会社では、ICカードによる打刻は機能しません。
場合によっては、打刻申請や管理者の確認、別入力など、作業が煩雑になる可能性があります。関係部署で協議するなど、そもそもシステムの導入が本当に必要かどうかを確認してください。または、無料トライアルを設けているシステムを実際に試してみるのもいいでしょう。
(2)ICカードの用意は必要か
勤怠管理システムに利用するICカードは、すでに社員証がICカードの場合、または従業員が交通系ICカードを持っている場合は用意する必要はありません。
しかし、ICカード社員証を採用していない企業や、交通系ICカードを持たない従業員が多い場合は、企業側で準備する必要があります。ICカードが新たに必要な場合は、そのコストと手間も考慮した上で、勤怠管理システムの導入を検討しましょう。
(3)必要な機能は備わっているか
勤怠管理システムには、ICカードによる打刻機能や労働時間の自動集計機能以外にも、さまざまな機能が搭載されています。主な機能は下記のようなものです。
- シフト管理
- 申請・承認などのワークフロー
- 交通費精算
- 有給休暇管理
- 労務アラート
- 他システムとの連携
- データのダウンロード
- 多言語対応
システムによって、備わっている機能は異なります。自社の規模や業種、勤務形態などを考慮して、正確な勤怠管理と業務効率化に必要なものを事前に確認しておきましょう。
(4)セキュリティは万全か
勤怠情報は重要な個人情報のため、セキュリティ対策は重要です。特に、従業員の交通系ICカードや小売店ICカードを活用する場合は、利用履歴やキャッシュレス決済機能なども管理するため、気をつけなくてはなりません。
まず、データ通信の暗号化やアクセス権限の制限などがされているかを確認してください。データが保存されるサーバーの場所や管理体制のチェックも必要です。さらに、勤怠記録は5年間の保存義務があるので、自動バックアップの有無も見ておきましょう。
(5)サポートはあるか
勤怠管理システムのスムーズな導入と運用には、サービス提供会社のサポートが必要です。
利用開始時には、自社の就業規則や勤務形態に合わせて、必ずシステムの初期設定をしなくてはなりません。また、実際に運用を始めてからも、社内ルールの変更や従業員の増加などで、運用や設定の変更が必要になることもあるはずです。システムに不具合が生じることもあるでしょう。
このような場合に、どのような方法でサポートしてくれるのか、サポートは有料なのか無料なのかといった点の確認が大切です。サービスによっては、電話やメール対応だけでなく、専任スタッフがついたり、セミナーを開いてくれたりする場合もあります。システムの導入に不安がある場合は、特に注意して確認しておきましょう。
おすすめのICカード式勤怠管理システム8選
最後に、ICカード打刻に対応した勤怠管理システムを8つ紹介します。ぜひ参考にしてください。
(1)ジンジャー勤怠
ジンジャー勤怠は、契約継続率99%以上(※)を誇る高機能勤怠管理システムです。ICカードを含む豊富な打刻方法に対応。シフト管理や有給管理など、高機能でありながら、「ラクに、シンプルに」をモットーにしており、操作しやすいシンプルな画面が魅力です。※2019年10月時点(公式サイトより)
<特徴>
◆パソコン操作が苦手でも使えるシンプルな画面
◆サポート担当が伴走して設定支援
◆法改正にしっかり対応
▼料金プラン
月額400円/人 ※最小利用人数10名
(2)KING OF TIME
KING OF TIMEは、ICカードと自社のパソコンだけで、高度な勤怠管理が行えるシステムです。シンプルでわかりやすい画面が特徴で、システム利用が苦手な従業員が多い会社でも安心。紙のタイムカードからの乗り換えもスムーズです。
30日間の無料体験も可能なので、実際に試してから検討するのもいいでしょう。
<特徴>
◆誰でも簡単に使えるシンプルな画面構成
◆残業や有給休暇など就業ルールに則して設定が可能
◆専門スタッフによる回数無制限の無料サポート
▼料金プラン
月額300円/人 初期費用無料
(KING OF TIMEの公式サイトはこちら)
(3)freee人事労務
freee人事労務は、会計ソフトや税務申告ツールなどを提供するfreee株式会社の勤怠管理システムです。設立したばかりの小規模企業から、従業員50名以上の企業まで、規模に合わせた料金プランが用意されています。
従業員21名以上の企業には専任の担当者が付き、初期設定や従業員設定をサポート。システム導入がはじめての企業でも安心です。
<特徴>
◆残業や有給休暇をリアルタイムで管理
◆給与計算、社会保険料、所得税を自動計算
◆アラートや勤怠申請の自動チェック機能を実装
◆導入前の無料相談が可能、疑問にも対応
▼料金プラン
ミニマム | ベーシック | プロフェッショナル | エンタープライズ |
---|---|---|---|
基本料金1,980円/月 (3名まで利用可) + 一人追加ごとに 300円/月 | 基本料金3,980円/月 + 一人 500円/月 | 基本料金8,080円/月 + 一人 700円/月 | 要問い合わせ |
(freee人事労務の公式サイトはこちら)
(4)kincone
kinconeは、勤怠管理と交通費精算が同時に行えるシステムです。ICカードを読み取り機にかざすだけで、勤怠と交通費を同時に読み取って記録。自動で交通費精算もできるので、経理業務のコスト削減にもつながります。アプリやチャット打刻など、多彩な打刻方法も選択可能です。
<特徴>
◆ポップアップの指示に従うだけの簡単な初期設定
◆従業員5名から利用が可能
◆打刻漏れ、残業超過を防ぐ豊富なアラート機能
▼料金プラン
月額200円/人 初期費用無料
(kinconeの公式サイトはこちら)
(5)楽楽勤怠
楽楽勤怠は、マニュアル不要で使いこなせるシンプルな画面が特徴です。そのため、システムに慣れていない従業員の多い企業でも、ストレスなく利用できるでしょう。導入時にはサポート担当がつくので、設定や運用開始時も安心です。
<特徴>
◆勤務体系や雇用形態に合わせた集計が可能
◆1〜5段階までの承認フローの設定が可能
◆SSL暗号化通信、24時間365日の管理体制など万全のセキュリティ
▼料金プラン
月額30,000円〜
※詳細・初期費用は要問い合わせ
(楽楽勤怠の公式サイトはこちら)
(6)e-就業ASP
e-就業ASPは従業員50人未満の中小企業から、大手企業まで導入実績がある勤怠管理システムです。導入前の徹底したヒアリングと、導入後の相談、運用、設定アドバイスや管理者教育支援など、徹底したサポート体制が完備されています。また、2021年4月には「e-就業ASP」で得た知識や技術を元に、クラウド型の勤怠システムとして新しく開発された「e-就業OasiS」もリリースされています。
<特徴>
◆安定稼働で堅牢なASPサーバ
◆豊富な機能で自由度の高いカスタマイズが可能
◆法改正への対応、時流に合わせた機能追加など、年2〜3回のバージョンアップを実施
▼料金プラン
要問い合わせ
※参考価格:200名利用時 初期費 231,000円+年間利用料 924,000円
(e-就業ASPの公式サイトはこちら)
(7)SmileWork
SmileWorkは、簡単・便利・低コストを実現した勤怠管理システムです。ICカードによる簡単な出退勤処理に加え、設置場所を選ばないコンパクトな読み取り機が利便性をアップしています。社員証やスタッフカードとして使えるオリジナルのICカードの作成も可能です。
<特徴>
◆モバイル端末などICカード以外の打刻にも対応
◆全スタッフの勤務状況をリアルタイムで確認
◆集計データをCSVし給与会計ソフトと連携可能
▼料金プラン
基本料金3,000円/月+1人300円/月 初期導入費用3,500円
(SmileWorkの公式サイトはこちら)
(8)ネクストICカード
ネクストICカードは勤怠管理のほか、交通費精算、経費精算の機能を備えたクラウドサービスです。申し込みの翌営業日から使用できる導入スピードが魅力。業務効率化によるコスト削減を急ぎたい企業におすすめです。また専任コンサルタントの無料サポートもあります。
<特徴>
◆見やすさと使いやすさにこだわったシステム
◆交通費精算も可能。定期区間の控除や運賃記入ミスを防いで適切に精算
◆専任コンサルタントによる無料サポート
▼料金プラン
基本料金 | 勤怠管理 | 交通費精算 |
---|---|---|
10,000円〜/月 | 1人200円/月 | 1人400円/月 |
※初期費用無料
(ネクストICカードの公式サイトはこちら)
ICカードでスマートに勤怠管理しましょう
ICカードを利用した勤怠管理は、従来の印字式のタイムカードでの管理に比べ、人為的ミスや不正を防げるメリットがあります。また、勤怠情報の記録だけでなく、労働時間の自動集計、さらには給与計算や経費精算機能が搭載されているシステムを選ぶことで、正確な勤怠管理だけでなく、労務業務の大幅な効率化が実現するはずです。
本記事で紹介した、8つの勤怠管理システムを参考に、自社の目的と勤務形態に合ったシステムを選びましょう。
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