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ドアインザフェイスとは?営業での活用方法や具体例・注意点を解説

2023/09/24 2023/09/25

業務効率化・業務改善

ドアインザフェイスとは

頼み事や交渉に活用できる「ドアインザフェイス」。営業活動などで取り入れられているテクニックですが、ビジネス以外で利用されることもあります。本記事では、ドアインザフェイスとは何か、その由来や営業での活用方法などをあわせて解説します。

ドアインザフェイスとは?

ドアインザフェイスは、初めに大きな要求を出して拒否された後、小さな要求を出すことで相手の合意を得やすくする方法です。別名「譲歩的依頼法」と呼ばれることもあります。

相手に何かをしてもらったときに「お返しをしなくては申し訳ない」と感じたことがある方は多いのではないでしょうか。ドアインザフェイスは、この心理を応用したテクニックでもあります。

例としては、まず高額な寄付を要求した後、それが拒否された場合により少額の寄付を求めることなどが挙げられるでしょう。このテクニックを上手く利用すれば、初めの大きな要求と比較して、後の要求が受け入れやすく見えるため、要求をのんでもらえる可能性が高まります。

ドアインザフェイスの由来

ドアインザフェイスという言葉は、門前払いを意味する「shut the door in the face」が由来とされていて、営業マンが訪問営業の際に断られるのを前提に、ドアから顔をのぞかせるという行為からきています。

ドアインザフェイスとアンカリング・フットインザドアの違いとは?

ドアインザフェイスと混同しやすい心理テクニックとして、アンカリングやフットインザドアといったものがあります。

これらの手法は、人々の意思決定や選択に影響を与えることを目的としていますが、その方法や背後にある心理的原理は異なります。ここでは、ドアインザフェイスとアンカリング・フットインザドアの違いについて見ていきましょう。

アンカリングとは?

アンカリングとは、人々が情報を評価する際に、最初に提示された情報(アンカーとして機能する情報)に影響されやすいという心理的な傾向を指します。例えば、最初に高価な商品を見せたあとに実際に販売したい価格帯の商品を見せます。高価な商品を紹介してから通常の商品を見ることにより、実際よりも安く感じ購入してもらいやすくなるのがアンカリングです。

最初に大きな要求を伝えるという点では、ドアインザフェイスと共通していますが、この2つには明確な違いがあります。ドアインザフェイスは、最初の要求を一度断らせて罪悪感を抱かせ、次の要求を受け入れやすくします。一方アンカリングは、前者と後者の対比によって要求を通しやすくするテクニックです。

アンカリング効果とは?具体例や活用方法・フレーミング効果との違い

フットインザドアとは?

フットインザドアも、ドアインザフェイスと似た交渉術として知られています。フットインザドアの特徴は、最初に小さな要求を出し、それが受け入れられた後に本命の大きな要求を出すテクニックです。

初めの小さな要求が受け入れられることで、相手は後の大きな要求も受け入れやすくなるという心理的効果が期待されます。これは、一度合意した事柄に対して、矛盾しないように振る舞うという人々の一貫性の原理を応用したものです。

ドアインザフェイスは「最初に提示した大きな要求を一度断らせる」のに対し、フットインザドアは「最初に小さな要求を提示して徐々に本命の要求に近づけていく」と覚えるとよいでしょう。

ドアインザフェイスの具体例

ドアインザフェイスの技法は、さまざまな状況で応用されています。ここからは、どのようなシーンで利用されているか具体例を見ていきましょう。

営業

ドアインザフェイスは、営業のあらゆる場面で利用されています。たとえば、営業マンが新製品の販売のために企業を訪問したとしましょう。その際、まずは高額なプレミアムパッケージを提案します。

そこでクライアントが提案を拒否すると、営業マンはそれよりも手頃な価格のスタンダードパッケージを提案します。クライアントは2つ目の提案が最初の要求と比較してリーズナブルに感じ、契約に合意する可能性が高まるでしょう。

恋愛

ドアインザフェイスは、恋愛にも応用できるテクニックです。気になる相手をデートに誘う際、はじめに高級なレストランでの食事を提案したとしましょう。相手がそれを拒否した場合、その後にもっとカジュアルなカフェに行くことを提案してみます。

はじめてのデートでいきなり高級レストランに行くのは気が引けるという人でも、「少しコーヒーを飲んで話すくらいなら」と提案を受け入れてくれるかもしれません。

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ドアインザフェイスが失敗する時

ドアインザフェイスは、非常に効果的なテクニックですが、提案の仕方によっては効果が薄れてしまうため注意が必要です。ここでは、ドアインザフェイスの失敗例を紹介するので、実践する際の参考にしてください。

最初の要求が高すぎる

ドアインザフェイスを活用する際は、最初の要求を高めに設定することが重要です。しかし、過度に要求を高くしてしまうと、相手に不快感を与えてしまうことにもなりかねません。

その結果、次に提案する要求に対しても拒否的な姿勢をとる可能性が高まります。相手に最後まで話を聞いてもらうには、適切なバランスが必要です。そのため最初に提案する要求は、相手が少し難しいと感じる程度のものにすることを心がけましょう。

本要求の提示が遅い

ドアインザフェイスは、相手の罪悪感を利用したテクニックです。そのため、最初の要求が拒否されてから2つ目の要求(本来の要求)を提示するタイミングが遅い場合、効果が薄れてしまいます。相手が1つ目の要求を断ってしまった罪悪感があるうちに、次の要求を提案するようにしましょう。

同じ人に何度も使う

同じ人に対してドアインザフェイスを多用すると、相手に気づかれてしまうことがあります。その結果、相手に嫌悪感をもたれたり、信用を失ってしまうことにもつながります。

一度成功したからといって、同じ相手に何度も使用するのは避けましょう。

ドアインザフェイスの効果的な活用方法

ドアインザフェイスを効果的に活用するためには、相手との信頼関係や提案するタイミングが重要です。

ドアインザフェイスを成功させるには、相手に最初の提案を断らせて罪悪感を抱かせる必要があります。そのため、信頼関係が構築された相手に活用するのが効果的です。

とくに関係性がない相手の要求を断ったとしても罪悪感は感じにくく、埋め合わせをしたいという気持ちにはなりません。ドアインザフェイスを活用する際は、相手との信頼関係を築くことからはじめましょう。

実際に行う際は、最初の要求が断られたあとすぐに本命の要求を行うことも重要なポイントです。これらのポイントを考慮することで、ドアインザフェイスをより効果的に活用でき、期待する結果を得られるでしょう。

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ドアインザフェイスをビジネスに活用しよう

ドアインザフェイスは、ビジネスのあらゆる場面で利用できるテクニックです。上手く活用することで、販売促進や成約率の向上を期待できるでしょう。

実践する際は、相手との関係性や要求の大きさ、提案のタイミングなどに注意が必要です。本記事で紹介したポイントを参考に、ぜひビジネスなどに役立ててみてください。

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