ウィンザー効果とは?事例やメリット・デメリットを解説

2023/07/28 2023/07/31

業務効率化・業務改善

ウィンザー効果

マーケティング活動において注目を集める、「ウィンザー効果」。ビジネスや恋愛などさまざまなシーンで活用されていますが、ウィンザー効果とはどのような効果なのでしょうか。本記事では、ウィンザー効果の基本やメリット・デメリットについて、効果を得るための事例とあわせて解説します。

ウィンザー効果とは?

ウィンザー効果とは、高い評価を受けているものがさらに高い評価を受けやすいという心理的な現象を指す用語です。人々はすでに評価が高いものに対して、更なる価値を認める傾向があることを示しています。これはビジネス界だけでなく、日常生活のなかでも見受けられる現象です。マーケティングや製品設計など、さまざまな領域でウィンザー効果への理解と応用が求められています。

ウィンザー効果が起こる仕組み

ウィンザー効果が起こる背後には、人間の認知と心理が大いに関与しています。人は何に価値を置くべきかを判断する際、他人の意見や評価を頼りにすることが多いものです。なかでも利害関係のない第三者からの意見ほど、判断材料に足ると感じる傾向にあります。

「私は優秀です」と自分で言う人と「あの人は優秀です」と他人から言われる人では、後者を信じることが多いでしょう。ウィンザー効果の仕組みも同じです。「ほかの人が優秀と言っているからあの人は優秀だ」という、第三者からの評価をもとにした心理効果が働きます。

これは「社会的証明」の原理とも関連しており、すでに高い評価を得ているものに対しては更なる信頼性や価値を認めやすいという傾向があります。

ウィンザー効果の由来

ウィンザー効果の名称は、ミステリー小説「伯爵夫人はスパイ」の登場人物が由来です。アメリカの作家であるアーリーン・ロマネスが書いた本で、作中にウィンザー伯爵夫人という人物がいます。

ウィンザー伯爵夫人のセリフである「第三者の褒め言葉がどんな時も一番効果があるのよ、忘れないでね」が、ウィンザー効果の由来となりました。伯爵夫人の言葉通り、外野の人間による意見は非常に大きいものなのです。

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ウィンザー効果とハロー効果の違いとは?

ウィンザー効果とハロー効果は、ともに人間の認知と判断に関する心理的な現象ですが、作用する領域と原理に違いがあります。

ハロー効果は、一部の良い特性が全体の評価を高める、または一部の悪い特性が全体の評価を下げる現象です。「高学歴だから優秀」「顔が美しいから性格も良い」など、特定の評価に影響される形で全体像の評価を下す心理効果をいいます。

ハロー効果はある「特性」が全体の評価に影響を与えるのに対して、ウィンザー効果は「評価そのもの」が更なる評価を引き寄せるという点で異なります。

ウィンザー効果のメリット

ウィンザー効果は、ビジネスやコミュニケーションの場で多くのメリットがあります。製品やサービスのマーケティングから信頼関係の構築まで、多岐にわたるメリットについて紹介していきます。

購買意欲を刺激できる

ウィンザー効果を適用したマーケティングは、顧客の購買意欲を刺激する優れた効果があります。代表的なものが商品レビューです。レビューが多いほど第三者から評価を得ている証明になり、信頼性や安心感を与え買いたい気持ちを引き出せます。良いレビューだけでなく、低評価の口コミも載せることで公平性もアピールできるでしょう。

高い評価や人気がある商品・サービスは、さらなる需要を生む傾向があります。ほかの人々が認めているものへの安心感・信頼感からくるウィンザー効果そのもので、購買意欲を強く喚起するのです。

信頼を得ることができる

ウィンザー効果は、企業やブランドに対する信頼の構築にも寄与します。製品やサービスが一度高評価を獲得すると、消費者の間での信頼の証になるためです。

商品の口コミやレビューを書くとき、多くの場合購入者にはメリットがありません。利害関係を問わず評価をしていることとなり、レビューを見た消費者からの信頼を得やすくなるのです。

ウィンザー効果を活用すると企業やブランド全体の信頼性が向上し、顧客のロイヤルティを高めることができます。

コミュニケーションを円滑にできる

コミュニケーションの質を高める目的にも、ウィンザー効果が使用されます。例えば相手を褒めるとき、第三者からの声として伝える方が効果的です。「素晴らしいですね」と直接言うよりも、「課長が素晴らしいと褒めていましたよ」と声をかけた方が相手の信頼度が上がります。

リーダーシップの位置にある人も、ウィンザー効果でコミュニケーションを図るのがおすすめです。他者からの高い評価を通じて信頼を得ることで、より効果的なコミュニケーションと影響力を持つことができます。組織内のコミュニケーションを円滑にし、全体の生産性や効率を向上させるために重要です。

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ウィンザー効果のデメリット

ウィンザー効果は多くのメリットを提供しますが、その一方でデメリットも存在します。それは主に、不適切な評価や偏見、競争の歪みといった形で表れます。

不適切な評価や偏見の生じる可能性

ウィンザー効果はすでに高評価を得ているものがさらに評価を得やすい現象であるため、本質的な価値に基づかない評価が生じる可能性があります。レビュー内容が個人の主観に溢れていても、それを見た人は正当な評価として受け取ってしまうのです。仮に誤った情報が書かれた場合でも、製品本来の価値として信じ込んでしまうかもしれません。

不適切な評価や偏見を防ぐには、顧客の声を真摯に受け止めて改善を行う必要があります。レビューの真偽を確認したり、多くの人に当てはまる問題かをチェックしたりする工程を設けましょう。良質なサービスを提供することで、地道に評価を高めていかなくてはなりません。

競争の歪み

ウィンザー効果は競争状況を歪める可能性もあります。市場や業界全体で一部の製品や企業が高評価を得ている場合、ほかの製品や企業がその評価に追いつけず、市場の健全な競争が阻害される恐れがあるのです。

ステルスマーケティングは、競争の歪みを悪化させる要因といえるでしょう。いわゆる「やらせ行為」と呼ばれるもので、自社の職員が良いレビューを書き込むなどの行いです。やらせ行為が横行すると正当な評価が反映されず、正常な市場競争が困難になります。イノベーションを阻害し、市場の健全な発展を阻む可能性もあるでしょう。

やらせ行為が発覚すれば、信頼を大きく損ねるリスクもあります。ステルスマーケティングには手を出さず、自然な評価のみを活用して競争の歪みを防いでください。

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ウィンザー効果のマーケティングでの活用例

ウィンザー効果は、マーケティング戦略に効果的に組み込むことができます。高評価を引き寄せる性質を利用して、製品やサービスの認知度を高め、顧客の信頼を得ることが可能です。以下に具体的な活用例を示します。

アンケート・インタビュー

製品やサービスについてのアンケート・インタビューを公開することで、ウィンザー効果を活用できます。アンケート・インタビューで肯定的な意見の共有が進み、それが広く認知されると、製品やサービスに対する評価がさらに高まります。

アンケート・インタビューで利害の絡まない第三者の声を集めると、ウィンザー効果による信頼獲得に繋がります。顧客の本音やニーズに迫ることもでき、より良い商品・サービスの開発に活かせるでしょう。アンケートは顧客のペースで答えやすく、インタビューはレスポンスに応じて質問を柔軟に変えられるのが利点です。

さまざまな方法がありますが、現在主流といえるのがWebアンケートです。用紙を使うよりもコストが低く、集計が簡単なのも魅力でしょう。商品情報をネットから得るユーザーも珍しくないため、Web上で公開できるアンケート・インタビューは好相性となります。

口コミ・レビュー

口コミやレビューも、ウィンザー効果を活用するのに有効な方法です。購入者が付与した高評価は、潜在的な購入者に対して製品やサービスの価値を伝え、購買意欲を刺激します。

口コミを利用したマーケティング手法は「バイラルマーケティング」とも呼ばれます。ネットを活用した圧倒的な拡散力で、商品の価値・魅力をアピール可能です。現代人にとって、口コミ・レビューは製品やサービスを選ぶ指針の一つといえます。

バイラルマーケティングにおけるウィンザー効果の活用例といえば、口コミサイトへの掲載でしょう。製品やサービスがサイトに載ると、消費者からさまざまな口コミが寄せられます。評価の良し悪しに関係なく多くの声が集まることで、信頼を得ているのです。飲食店や宿泊施設など、多彩なジャンルの口コミサイトがあるのでチェックしてみてください。

SNS・YouTubeによる情報発信

SNSやYouTubeなどのプラットフォームで情報を発信し、多くの「いいね」「フォロー」「視聴数」を得ることもウィンザー効果を利用した方法です。多数の支持を集めることでさらなる支持を引き寄せ、ブランドの認知度や信頼性を向上させます。

SNS上は、利害関係者でない人々の意見でひしめきあっています。気になっている製品・サービスの声が目にとまると、第三者の評価として無条件に受け入れやすくなるのです。特にフォローしている相手に対しては、「この人の意見を信じたい」という強いウィンザー効果が働くと考えられています。

そのため、YouTubeで活動するインフルエンサーを利用して、ウィンザー効果を高める手段もあるでしょう。

パブリシティ活動

メディアでの露出やパブリシティ活動も、ウィンザー効果を活用する一つの手段です。製品やサービスがポジティブな報道を受けると評価がより高まり、一般の認知度やイメージを向上させられます。

パブリシティ活動の例であるプレスリリースは、掲載するメディア側に決定権があります。どの情報をどれくらい載せるのかは企業の手のうちではないため、利益に直結しない広告として消費者からの信頼を得やすいのです。

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ウィンザー効果の人事分野での活用例

人事分野でも、ウィンザー効果は有効に活用できます。特に人材の評価や開発において効果的です。活用例の一部を紹介しましょう。

部下に対する評価

ウィンザー効果を理解し活用することで、部下に対する評価がより公正かつ効果的に行えます。例えば、一度良い評価を得た部下に対しては、その評価を再確認する機会を増やすと良いでしょう。このとき第三者から伝えてもらうことでウィンザー効果が働き、信憑性の強い評価だと感じてもらえます。

ウィンザー効果をうまく使って評価すれば、部下の能力やモチベーションの向上につながるでしょう。ただし、過度な利用や偏った評価を下すのは避けてください。部下全員が公平に評価されるように、評価の方法や頻度を調整することが重要です。

注意点は、部下に対するマイナスの評価が第三者から伝わらないようにすることです。ウィンザー効果は低評価に対しても働くため、耳に入ると悪い評価を重く受け止める恐れがあります。ネガティブな評価を本人以外に口にするのは避けましょう。

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ウィンザー効果の日常生活での活用例

ウィンザー効果は、日常生活にもさまざまな場面で影響を与えます。恋愛においての効果をもとに、日常生活での活用例を解説しましょう

恋愛

恋愛において、ウィンザー効果は相手の評価に影響を与える重要な要素です。「Aさんは人気がある」と聞くと、Aさんに対して好意的な印象を持ちやすくなります。他人からの高評価を受けている人は、自然と魅力的に見えるというウィンザー効果が働いた現象です。

気になる相手がいる場合、第三者から気持ちを伝えてもらうと効果的でしょう。このとき、あなたの良い人柄や魅力も同時に話してもらうと相乗効果が期待できます。第三者からの発言で気持ちの真実性が高まり、評価も話すことで魅力を感じてもらいやすくなるのです。

ビジネスにウィンザー効果を取り入れよう

ビジネスにウィンザー効果を取り入れることで、マーケティングや人事分野などさまざまな領域で成果を得ることができます。

ウィンザー効果を活用する際には、公平性とバランスを重視することが大切です。偏った評価や過度の利用は逆効果をもたらす可能性があるため、適切な判断と対応が求められます。

ビジネスにおいてウィンザー効果を有効に使えば、ポジティブな影響が期待できるでしょう。うまく利用して競争力の強化や顧客満足度の向上、従業員のモチベーションアップなどに繋げてください。

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