業務プロセスと業務フローの違いとは?初心者にもわかりやすく解説

最終更新日時:2023/06/08

業務効率化・業務改善

業務プロセスと業務フローの違い

「業務プロセス」と「業務フロー」は似たような言葉ですが、何が異なるのでしょうか。本記事では、この2つの用語についての意味や違い、そして業務プロセスと業務フローがビジネスにどう役立つのかに焦点を当てて解説しています。業務の流れを効率化し、改善したいと考えている人はぜひ参考にしてください。

福本大一

監修者 福本大一 Chatwork株式会社 DXソリューション推進部|マネージャー 大学卒業後、toC領域のWEBメディア事業で起業。事業グロースに向けたSEO戦略から営業・運用広告に従事し、約2年間の経営を経て事業譲渡。2021年3月からChatworkに入社し、カスタマーマーケティングやアライアンスを経験した後、メディア事業・運用広告事業の責任者としてミッションを遂行する。現在は、DXソリューション推進部のマネージャーとして新規事業領域のセールス・マーケティング・アライアンス・メディア事業を統括。

業務プロセスとは

「業務プロセス」とは、業務全体の進め方や流れのことを指し、業務プロセスの最適化が業務の効率化につながります。

ここではまず、業務プロセスの意味やなぜこのプロセスを理解する必要があるのかについて述べています。

業務プロセスの意味

業務プロセスとは、業務の開始から終了までの一連の流れを指しています。

企業が利益獲得のために行う活動は複数の業務が一連となっています。例えば製造業務から営業、販売までの流れであったり、総務や人事、経理といった会社の基盤となるものなど、いくつもの部門が関わっています。

これらの連なりと利益獲得までの流れを「業務プロセス」と呼んでいます。企業には常に業務プロセスを改善し、効率化することが求められており、業務プロセスがスムーズに流れるような対策を打つことが必要です。

具体的には、「時間・コストの削減やデジタル化の推進」などが重要です。

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業務プロセスを理解する必要性

業務プロセスを正しく理解し、業務内容の分析を行うことで利益獲得までの流れを把握できます。その結果、各業務の生産効率がアップして企業の利益拡大にもつながるのです。

また、業務プロセスを把握することで業務における無駄を省き、最適な企業活動を図れるようになります。さらに、業務フローで部署やチームごとの業務内容を図でまとめて可視化することで、どこに課題があるのかなどを分析できるでしょう。

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業務フローとは?

業務フローにはどのような意味があり、企業が業務フローを理解する必要性とは一体どこにあるのでしょうか?

この先は、業務フローの持つ意味と業務フローの活用が企業にとってなぜ重要なのかを解説します。業務プロセスを適切に見直すためにも、業務フローの意味を押さえておきましょう。

業務フローの意味

業務フローとは、業務の流れをわかりやすく図にしたものをいいます。それぞれの業務を線でつなげていくことで、業務終了までの全体の流れをチーム単位でまとめます。業務フローを活用することで、業務の改善や問題点の発見につなげることもできるのです。

業務フローを理解する必要性

図で可視化してわかりやすくまとめた業務フロー表を利用すれば、業務上のプロセスで生じている課題や改善すべき点を見つけるのに役立ちます。フロー表が社内の業務を改善するための建設的な議論の材料となり、根本的な業務上の問題について認識することもできるでしょう。

上場企業は「内部統制報告書」と「有価証券報告書」を提出する義務があります。業務フローを使って業務の内容を根本的に見直すことは、内部統制報告書の作成にも役立ちます。

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業務プロセスと業務フローとの違い

「業務フロー」はチーム単位の業務の流れを指しています。一方で「業務プロセス」は会社全体の業務の流れを指したものとなり、何らかの業務を開始してから終了するまでの流れです。そのため、業務プロセスという大枠の中に業務フローが内包されていると考えるとイメージしやすいかと思います。

例えば、新入社員を採用するケースを考えてみましょう。新入社員の採用には人事部が関わりますが、必要書類の発行は総務部、社員研修は配属先の事業部など担当部署は異なることが多いものです。

このように、一つひとつの業務の流れを部署やチームごとに分けて見ると、全体の流れを捉えづらくなってしまう場合があります。しかし、業務プロセスの考え方を活用すれば、会社全体で見た時の業務の流れをまとめられるため、効果的に業務の改善を実現できるのです。

業務フローの類義語はワークフロー

「業務フロー」と近しい意味を持つ言葉に「ワークフロー」という言葉があります。基本的に両者に大きな意味の違いはありませんが、どちらも業務の流れをまとめて可視化したものだといえるでしょう。

一連の流れをまとめることで、業務上の良い点・悪い点が浮き彫りになり、業務内容の改善に役立ちます。

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業務プロセスを改善するための手順

ここでは、業務プロセスを実行する具体的な手順について解説します。会社業務のプロセスにおける改善点を発見し、業務改善につなげてください。

1.現状業務を見える化する

現状の業務プロセスを把握するためには、会社全体の業務プロセスをフロー表にまとめて確認することが有効です。

フロー表で会社の業務プロセスを図式化したら、どの業務プロセスに時間やコストが掛かっていて、どの程度改善の余地があるのかを分析します。

例えば、経理業務における事務コストが想定よりも大きい場合、業務のどの部分に問題点があるのかを可視化することによってどのような対処をすれば良いのかが判断できるようになります。

2.課題の解決に向けたアイデアを出す

業務プロセスのフロー表を見直してプロセスの問題や改善できる点が確認できたら、優先順位をつけて課題解決に取り組みましょう。このとき、費用対効果を考えて、改善効果が高いと見込まれる課題から取り組むのが一般的です。

大きな課題から着手してしまうと、課題解決まで大幅な時間がかかってしまい、その他の課題解決に取り組めなくなり効果が実感的なくなります。そのため、小さな課題から解決に向けた取り組みを実施し、ステップを踏んでいくようにしましょう。

また、あらかじめ課題解決の時期やゴールについてのロードマップを描いておくことで、ゴールから逆算した取り組みが可能となり目標に向けてチーム全員での取り組みができます。

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3.改善案の検討

業務プロセス上の課題について正確に検討したら改善案について考えましょう。改善案を考える際に重要な基準は以下の3点です。

  • 労働時間の短縮に結びつくかどうか
  • 工数を削減して、どの程度コスト削減できるか
  • 従業員の働くモチベーションにつながるか

改善案を考える際には、業務プロセスの改善が作業工数や必要なコスト、従業員の働くモチベーションにつながるかどうかを考えて検討しましょう。

4.業務の再設計

業務プロセスの改善を考えていく中で、現状の業務内容全体を再設計する必要に迫られるケースもあります。

どの業務をどの程度改善すれば会社が求める業務レベルに達成できるのかを考えていきましょう。場合によっては、業務プロセスそのものを刷新していくことも必要となります。

5.改善の実行と検証

各業務プロセスにおける課題の改善案を実施したら、「改善案を実施した結果、どのような結果が得られたのか」を客観的に振り返ることが大切です。

重要業績評価指数(KPI)を使って、改善の結果得られた売上や契約獲得数などを計りましょう。その結果、どの改善案が効果的で、どの点に効果が見られないかを把握します。

目標とするKPIを記録した改善案は、「役立つノウハウ」として、その後の業務プロセスの見直しのために有効活用していきましょう。KPIが低かった改善案については、どの点が改善に結びつかなかったのかを分析して次回以降の業務改善に活かすのがおすすめです。

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ワークフローシステム導入で得られるメリット

「ワークフローシステム」とは、従来は紙や口頭で行っていた申請業務をペーパーレス化、システム化することで業務を効率化するシステムです。

この章では、ワークフローシステムの導入で得られるメリットを解説します。業務改善の必要性を認識している方は、ワークフローシステムを導入して業務上の課題を解決していきましょう。

業務の効率化が見込める

ワークフローシステムを導入することで、これまで時間やコストがかかっていた実務などを効率化し、全体の業務効率を向上させます。

例えば何らかの申請や承認・決定のプロセスを終えるまでにはいくつものプロセスをクリアしていく必要があります。紙や口頭で申請を行う場合、承認までに時間が掛かってしまうケースは少なくありません。

しかし、ワークフローシステムを活用することで、煩雑な業務フローを効率化することを可能とします。その結果、承認処理などの業務スピードを加速させることにつながるのです。

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ペーパーレス化によるコスト削減につながる

ワークフローシステムを導入するメリットのひとつは、ペーパーレス化によるコストの削減です。紙媒体で処理する場合、印刷代や郵送費などにコストが発生します。

しかし、業務に関連するフローを電子化および自動化することで、不要な書類や処理にかかる事務的な費用を削減することができます。また、申請や書類のフォームをシステム内で統一することによって、一連の業務にかかる工数を削減できる点もコストのスリム化につながります。

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社内業務が統制化できる

ワークフローシステムを業務に導入することで社内ルールを制定し、従業員が独断でルール外の行動を取ることを抑制することもできるでしょう。

また、システムで申請から承認までの業務を自動化することにより、資料や承認プロセスにおける不正・改ざんを回避することも可能となります。

多様な働き方が実現する

ワークフローシステムを導入することは業務の自動化と効率化につながり、社外で実務を行うことも可能となります。従来のように、実務のために出社して申請業務を担う必要もなくなるのです。

従業員が自ら出社しなくても申請業務が完結するため、リモートワークやハイブリッドワークといった多様な働き方ができるようになります。

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業務プロセス・フローの違いを把握して使い分けよう

この記事では、「業務プロセス」と「業務フロー」の特徴と違い、そして業務プロセスの流れや業務改善に役立つワークフローシステムについて解説してきました。業務フローは部署やチームごとの業務の流れです。

一方で業務プロセスにおいては、業務全体の流れを、部署やチームの垣根を越えて把握することで、業務の流れをミクロとマクロの視点から捉えることができるでしょう。

申請から承認の流れを効率化するワークフローシステムの導入も、生産性の向上に向けた有効な手段です。業務プロセス・フローの違いを認識した上で業務全体の流れを把握し、業務の効率化に役立たせていきましょう。

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