就職氷河期世代とは?年齢・特徴・社会問題や就職に関する支援を解説

2022/8/21 2022/08/21

デジタル化

就職氷河期の文字

就職氷河期世代とは、主に1970年から1984年の間に生まれた、バブル崩壊後の就職難の時代に就職活動を行っていた世代を指しています。本記事では、そんな就職氷河期世代について、年齢や特徴、直面する社会問題まで詳しく解説していきます。

就職氷河期世代とは?

就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の雇用の冷え込みにより、全国的な就職難が社会問題となった時期に、就職活動をしていた世代を指します。

就職氷河期という言葉は、1994年に新語・流行語大賞にノミネートされており、当時の社会に大きな影響を与えていたことが分かります。

就職氷河期世代の年齢

就職氷河期世代の定義は諸説ありますが、一般的にはバブル崩壊を起点にするケースが多く、1990年代〜2010年ごろまでの時期に就職活動を行った世代が該当すると考えられます。

そのため、2022年時点での年齢としては、一般的に30代後半〜50代前半の方があてはまることになるでしょう。ちなみに、高卒・大卒を問わず、就職活動に取り組んでいた全ての新卒者に当てはまります。

就職氷河期と現在の就職状況の違い

就職氷河期と現在の就職状況における主な違いは、有効求人倍率と就職率にあります。

有効求人倍率の違い

厚生労働省が2020年に発表した厚生労働白書によると、1991年のバブル崩壊以降、有効求人倍率は減少傾向にあり、1999年には0.4倍近くまで下がっていました。

一方、2022年の有効求人倍率は1.23倍となっており、コロナショック直前ほどの数値には届かないものの、就職氷河期と比べて求職者の選択肢が増えていることが分かります。

特に就職氷河期は、団塊ジュニアと呼ばれる第2次ベビーブーム時代に誕生した世代が含まれるため、現在と比べて就職における競争率が高かったともいえるでしょう。

[出典:厚生労働省「図表1-3-32 有効求人倍率と完全失業率の推移」]
[出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年4月分)について」]

就職率の違い

内閣府が2020年に発表した「日本経済2019-2020」において、就職氷河期の新卒就職率は減少傾向にあったと記録されており、2000年前後には60%近くまで落ち込んでいます。一方、厚生労働省の調査結果において、2022年の新卒就職率は96.1%と、就職氷河期と比べて30%ほど高い数値を記録しています。

バブルの崩壊前後で、過剰雇用と雇用抑制の差がじわじわと影響していったこともあり、就職氷河期における内定獲得の難易度は、毎年高まっていたのではないかと推測されます。

[出典:内閣府「第2章 人口減少時代における働き方を巡る課題(第2節)」]
[出典:厚生労働省「令和4年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)」]

就職氷河期世代が生きてきた時代背景

就職氷河期世代は、就職活動時にバブル崩壊という歴史的な景気変動の影響を受けています。

当時は景気悪化による人件費の圧縮で、多くの企業が新卒採用の枠数を抑制していました。加えて業績が悪化する状況下において、企業に新卒者を育成する余力はなく、次第に採用条件が即戦力にシフトしていきます。

しかし、就職氷河期の時代において、雇用以外で収入を安定させる術は、決して多くありません。そのため、たとえ望まない仕事に就くことになったとしても、正社員として入社を希望する方が後を絶たない状況でした。

これらの影響によって雇用のミスマッチが多発し、法整備が進んでいなかったことも相まって、短期解雇に追い込まれるケースが続出するようになります。結果、就職氷河期に正社員として雇用される人は限られており、フリーターや派遣など、非正規雇用としての働き方を選ばざるを得ない状況も少なくなかったのです。

就職氷河期世代に多い特徴

就職氷河期世代は、真面目で堅実的な性格を持つ人が多いといわれています。この部分を裏付ける要素が、次の3つです。

  • 資格を取得している
  • 仕事に対してストイック
  • 節約を重視

これらについて、1つずつ解説していきます。

資格を取得している

正社員としての雇用機会が乏しかった就職氷河期世代は、何かしらの資格を取得している可能性が高いです。手に職をつけるという言葉にも表れているように、当時は正社員登用を目指すためにも、自分自身の能力を客観的に証明できる資格や専門技術は有力視されていました。

所属する会社がいつ倒産の危機に瀕してもおかしくなかったため、有事に備えて資格を取得し、転職活動に役立てようとする傾向が高かったのです。

仕事に対してストイック

バブル崩壊後に企業が成果主義の傾向を強めたことから、就職氷河期世代は仕事に対してストイックな人たちが多いことも特徴です。特に就職氷河期世代は採用枠が縮小されていた関係で、少数精鋭のチームで成果を最大化する必要がありました。

一方で、企業側に後進育成の余力がなかったため、就職氷河期世代は上司や先輩の背中を見て学ぶというスタイルが定着しています。この影響で就職氷河期世代は仕事に対して粘り強く、ストイックに成果を追い続ける傾向があります。

節約を重視

非正規雇用の多い就職氷河期世代は、倹約家としての一面を持っています。これは非正規雇用の年収が低く、節約志向にならざるを得なかったことが原因です。また、消費税の引き上げや不良債権処理の失敗による金融機関の破綻など、経済に影響を与える出来事が多かったことから、過度な消費を抑える傾向が強まったといわれています。

このような不景気の時代を生き抜いた背景から、就職氷河期世代はバブル世代と比べて、堅実的な消費行動を取る習慣が根付いているのです。

就職氷河期世代が抱える社会問題

ここでは就職氷河期世代が抱える3つの社会問題について解説します。

非正規雇用の割合が高い

内閣府の発表によると、就職氷河期世代に該当する1974年〜1983年生まれの人は、他の世代と比べて非正規雇用の割合が高いことが判明しています。これはバブル崩壊による新卒採用枠の縮小で、正規雇用の機会に恵まれていなかったことが原因です。

20代で正規化にたどり着けなかった場合、30代以降のキャリア形成が難しく、結果的に非正規雇用での働き方を継続する人も多いといわれています。

[出典:内閣府「第2章 人口減少時代における働き方を巡る課題(第2節)」]

年収が平均的に低い

国税庁の調査結果によると、バブル崩壊の前後では併給年収の伸び率が大きく異なります。バブル景気時は右肩上がりだった平均年収は、バブル崩壊によって伸び率が鈍化しました。

特に非正規雇用の期間が長い方ほど、生涯年収は低下する傾向にあります。そのため、働き盛りの時期に景気悪化の影響を強く受けた就職氷河期世代は、他の世代と比べても平均年収が低いようです。

[出典:国税庁「平均給与」]

育児や介護を同時に行っている

就職氷河期世代は就職難の期間が続いたことで、バブル世代よりも晩婚化および女性の高齢出産が多い傾向があります。その結果、収入が安定化する30代〜50代の時期に、育児と親の介護の両立に迫られる人もいます。

「オフィス出社」や「定時」での勤務が絶対とされ、働き方の柔軟性が低い社会の中で、夫婦共働きが一般化しつつあったため、現代よりも厳しくタイムマネジメントを実施しなければ、仕事と生活を両立するのが難しかった時代を過ごしてきた世代ともいえるでしょう。

就職氷河期世代が活用したい支援プログラムとは?

先述の通り、就職氷河期世代はキャリア形成や収入面で課題を抱えており、当人の努力だけでは解決が難しい状況です。

その状況を打開するため、政府主導で取り組んでいるのが、就職氷河期世代支援プログラムです。

対象者

就職氷河期世代支援プログラムの対象者は、約100万人の就職氷河期世代が当てはまると見込まれています。具体的な対象者は、次の3つのいずれかに該当する人です。

  • 不本意に非正規雇用として働く方
  • 様々な事情によって求職活動ができない長期無業者
  • 就労者としての社会参加に向けた丁寧な支援を必要とする方

就職氷河期世代支援プログラムでは、上記の対象者に対して、3年間の集中支援プログラムを実施することで、30万人の正規雇用者の増加を目指しています。

[出典:内閣官房「就職氷河期世代支援プログラム(3年間の集中支援プログラム)の概要」]

就職相談窓口の設置

就職氷河期世代支援プログラムでは、ハローワークに就職相談窓口を設置しています。専門担当者による職業訓練などのアドバイスを通じて、対象者の転職や社会復帰を支援することが目的です。

また、地方自治体では無料の職業紹介事業を活用し、就職氷河期世代と企業のマッチング制度の構築に取り組んでいます。

リカレント教育の推進

リカレント教育とは、社会進出後も学び直しを行い、仕事で必要な能力を磨き続けていくことを意味する言葉です。リカレント教育推進の一例として、就職氷河期世代支援プログラムでは、主に次の施策が採用されています。

  • 正規雇用化に有効な資格取得の支援プログラム
  • 企業のニーズに基づいた実践的な人材育成プログラム
  • 資格の短期取得と職場実習の両立を目的にした出口一体型のプログラム

また、一部のプログラムでは給付金制度を活用した、より多くの人が受講しやすい環境づくりにも注力しています。

企業へのインセンティブ整備

就職氷河期世代支援プログラムを成功させるには、企業側の協力が欠かせません。そのため、政府では企業側の受け入れ機会を増加する取り組みとして、各種助成金の見直しによる企業向けインセンティブの強化を実施しています。

この取り組みを通じて、企業側に就職氷河期世代を受け入れるメリットを訴求し、意識改革を促しています。

アウトリーチ型の支援強化

就職氷河期世代支援プログラムは求職者だけでなく、現在は活動を行っていない潜在層も対象としています。特に、家庭環境や本人の傷病など、個人の事情によっていますぐの求職活動が難しい場合には、状況に合わせて支援情報を適切に提供するための中長期的な伴走支援が大切です。

そのため、地域若者サポートステーションや生活困窮者相談支援機関との連携を促進し、継続的なサポート強化に取り組んでいます。

就職氷河期世代が対象の求人とは?

就職氷河期世代の正規雇用化をサポートする取り組みとしては、就職氷河期世代に限定した、あるいは、歓迎する求人の募集も可能です。

就職氷河期世代が対象の求人申込みの条件

「就職氷河期限定求人」「就職氷河期歓迎求人」の申込みには、次の4つの条件が必要となります。

  • 35歳~54歳の方を対象
  • 雇用期間を限定しない
  • 経験、資格、免許を問わない
  • 面接のみの実施

本来、募集・採用における年齢制限は、雇用対策法によって禁止されています。しかし、2023年3月末までの措置として、就職氷河期世代を対象とした年齢制限が例外事由として認められています。

[出典:厚生労働省「就職氷河期世代の積極的な採用を考えている事業主の皆さまへ」]

別の紹介会社の求人サイトなどからも申込み可能に

例外事由による年齢制限の解放により、就職氷河期世代を対象とした求人募集は、ハローワーク以外での申込みも可能となっています。民間企業や紹介会社が運営する求人サイトを活用することにより、今まで以上に求職者と企業がマッチングしやすくなるでしょう。

就職氷河期世代が就活する際のポイント

就職氷河期世代が就活をするうえで、重要なポイントは3つあります。

自分を過小評価しすぎない

就職氷河期世代は「非正規雇用の期間が長い」「転職回数が多い」などの理由により、自分自身を過小評価する傾向にあります。

確かに一般的な転職市場での書類選考において、前述の内容はマイナスポイントに見えてしまうかもしれません。しかし、「就職氷河期限定求人」「就職氷河期歓迎求人」の募集では、これらの要素を受け入れ、人材採用に取り組んでいる企業も少なくありません。

また、就業機会に恵まれなかった一方で、就職氷河期世代には忍耐力や対応力など、他の世代とは違った強みを持っています。そのため、自己評価を必要以上に下げず、過去の経験で得たものをアピールしていくことが重要です。

就職氷河期世代向けの求人に応募する

転職において大切なのは、スキルマッチよりも、カルチャーマッチです。人には仕事に対する価値観や、文化の向き不向きがあります。どれほどスキル適性があっても、社風に馴染めない職場で仕事を続けるのは難しいでしょう。

しかし、一般的な転職市場においてはスキルマッチが重視される傾向にあるのも、また事実です。そのため、「就職氷河期限定求人」「就職氷河期歓迎求人」など、スキルよりもカルチャーマッチを重視する企業に応募したほうが、結果的に採用される確率が高いといえます。

転職エージェントを活用する

自分自身の強みが分からない場合は、転職エージェントを活用すると良いでしょう。転職エージェントの魅力は、書類作成、面接対策、応募対応など、転職活動にまつわる細かなサポートが得られるだけではありません。

自分では気づけない長所や強みを見つけてくれるメリットもあるのです。自分自身がこれまでの経験で得たものを、客観的に捉えた際にどのようなアピールをしたほうが良いのかなど、プロの視点からアドバイスを受けることが可能です。

就職氷河期世代が就活する際は様々な支援を活用していこう

就職氷河期世代の年齢や特徴、時代背景や就職支援プログラムなどを中心にご紹介しました。バブル崩壊後の社会の中で経済活動を続けてきた就職氷河期世代は、苦しい時代を生きてきたことで、忍耐力や対応力に優れた一面を持ちます。

これは他の世代とは異なる、就職氷河期世代ならではの特色ともいえるでしょう。近年はダイバーシティなどの影響で、多様性の受容による社会課題の解決意識も高まっています。この変化は就職氷河期世代にとって、またとないチャンスです。

ぜひこの機会に様々な支援を有効活用し、安定した働き方を実現しましょう。

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