団塊ジュニアとはどんな世代?年齢や特徴は?直面する社会課題も徹底解説

2022/9/18 2022/09/18

デジタル化

団塊ジュニア世代の筆文字

団塊ジュニア世代とは、1971年から1974年の間に生まれた世代のことを指します。就職氷河期などの厳しい社会を生きてきたため、現実的思考を持つ人が多い傾向があるとされています。本記事では、そんな団塊ジュニア世代について、年齢や特徴、直面する社会問題まで詳しく解説していきます。

団塊ジュニア世代とは?

団塊世代を親にもつ団塊ジュニア世代は、第2次ベビーブーム生まれにあたり、その圧倒的人口の多さから、各ライフステージにおいて社会に様々な影響をもたらすといわれている世代です。

団塊ジュニア世代の年齢

1971〜1974年生まれの団塊ジュニア世代の年齢は、2022年時点で48〜51歳です。1970〜80年代という日本の高度経済成長の中で幼少期〜10代を過ごした世代にあたります。

団塊ジュニア世代の由来

「団塊ジュニア」は、「団塊世代の子供たち」という意味で、親である団塊世代にジュニアの単語を付けた派生語です。元となる「団塊世代」の語源は、作家・堺屋太一氏の小説「団塊の世代」にあり、「大きな塊になった世代」という意味で同氏が用いた造語です。

同小説では、人口の多い世代(=団塊世代)が高齢者になった時の社会が抱える問題が予想され、その内容が話題となったことから、「団塊世代」という言葉が一般的に使用されるようになりました。

団塊ジュニア世代が生きてきた時代背景

団塊ジュニアは生まれてから成人するまで、そして社会に出てからも、激しい時代の移り変わりに常に影響を受け続けてきました。

学歴重視の社会

団塊ジュニアが幼少期から10代を過ごした1970〜80年代は、経済も生活水準も右肩上がりで、「1億総中流社会」と呼ばれるように、格差なく日本全体が豊かになっていた時代でした。

学業で優秀な成績を修め、良い大学に入り、卒業後は大手企業に就職して、安泰の人生を送ることが最良の人生設計とされた時代であったため、子供たちの間でも競争は激化していったのです。第2次ベビーブームに生まれた団塊ジュニアたちは、ただでさえ世代人口が多いことから、同世代の子供たちとの競争が当たり前の環境で育っています。

地域によっては1クラスの生徒数が40人を超えることも珍しくはなく、入試重視・偏差値重視の詰め込み教育によって、子供たちは常に大きなプレッシャーを負いながら勉強を強いられていました。子供たちのストレスは、いじめや不登校、家庭内暴力などのトラブルとなって顕在化し、当時の厳しい受験戦争は社会問題にもなったのです。

同時代に放映された人気ドラマ「3年B組金八先生」や「スクール・ウォーズ」などは、過度な期待とプレッシャーをかける親との歪んだ関係性の描写が目立つ内容となっており、当時の深刻さがよくわかります。

団塊ジュニア世代の価値観に関する調査では、中学時代にテストの点数や成績に関してどの程度両親が干渉してきたかという問いに対し、「母親がとても気にしていた」と感じた人は約半数にのぼっています。

さらには、点数や成績を気にする母親に対して、7割以上の子供が不満に思ったと答えており、学歴社会により大きなストレスを抱えて学生時代を過ごしたことが浮き彫りになっています。

[出典:財団法人ハイライフ「「団塊世代と団塊ジュニア世代の価値観比較調査研究」報告書」]

バブル崩壊・就職氷河期

熾烈な受験戦争をくぐり抜けて大学を卒業する直前の1991〜1993年、バブル景気が崩壊し、未曾有の不況が日本を襲いました。

企業の破綻が相次ぎ、持ち堪えた企業も軒並み新卒採用を控える動きに出たため、バブル崩壊直後の1991年に約84万件でピークを迎えた大卒者の求人数は、95年には40万件を割り込むまで落ち込んでいます。

団塊ジュニア世代は、良い大学さえ卒業すれば安泰だったはずの就職戦線が急変し、突如として訪れた就職氷河期の中で、厳しい就職活動を強いられるようになったのです。

奇しくも高卒就職組の方が自分の希望条件の企業に就職できてしまったケースも多く、当時はこれまでの努力が水の泡となったことから立ち直れない団塊ジュニア世代も少なくありませんでした。

厳しい就職活動の末、団塊ジュニア世代は、非正規雇用での就職、起業、ブラック企業を転々とするなど、その後のキャリアは大きく分かれ、「高学歴ワーキングプア」という言葉も生まれるほどの、格差が拡大していったのです。

団塊ジュニア世代の特徴

厳しい競争社会で育ち、努力が報われないことも多い時代を過ごしてきた団塊ジュニア世代には、どのような特徴が見受けられるのでしょうか。

現実的な思考を持つ

10代では受験戦争を強いられ、20代では就職難に直面した団塊ジュニア世代には逆境に強い精神力が培われました。

いつ何時仕事を失うかもしれないという危機感から自己研鑽に励み、幼いころから培われた闘争心をもってひたすら目の前の仕事に一所懸命取り組むため、仕事に真面目な印象を与えます。

仕事とプライベート双方に対して、極めて現実的・保守的に考える傾向があるため、貯金や節約に励み、堅実に人生を歩もうとする点が大きな特徴です。一方で、現実的で堅実な考えが、仕事に対するプライドの高さやお金に対する執着となってネガティブな印象を与えてしまう場合もあります。

恋愛に対して消極的

団塊ジュニア世代は、多くの人が恋愛、結婚を経験する20代に大不況と就職難を経験したことにより、恋愛に対して消極的な姿勢になりがちなことも特徴です。

大きな原因としては、非正規雇用の増加や正規雇用であっても低賃金で昇給もままならない状態が続いたことで、経済的に恋愛や結婚をすることを難しいと感じ、足が遠のいてしまったことがあげられるでしょう。

加えて、親の考えに対し従順に育ってきたことから、就職や結婚においても親に主導権を握らせ進めてもらう団塊ジュニア世代も多く、この特有な親子関係も消極性を促す一因になっていると考えられます。

このような理由により団塊ジュニア世代の未婚率が上昇したことは、子供世代にあたる第3次ベビーブームが起きなかったことにつながっていくのです。

無駄なことにお金は使わない

景気がいい状態を経験したことがない団塊ジュニア世代は、お金に対してもシビアな考え方を持つ傾向にあります。バブル崩壊後に入社し、賃金が上がらない状態に慣れてしまっている団塊ジュニア世代にとって、節約と貯金は当然のことです。

団塊ジュニア世代は、危機感が強く、不遇な環境に対するストレス耐性は高いものの、成功体験の乏しさにより自信が持てず、何事に対しても保守的な姿勢が見られます。

そのため、お金に対しても、投資などで積極的に資産を増やすというより、確実に資産を「守る」という考えが基本姿勢となっているのです。

団塊ジュニア世代の消費観

お金に対しても現実的でシビアな姿勢を保つ団塊ジュニア世代ですが、消費に関してはどのような特徴が見られるのでしょうか。

口コミを重視

無駄遣いはご法度の団塊ジュニア世代は、自分自身が納得したうえで、価値あるものにお金を払いたいと考えています。そのため、ブランドやメーカーによる主観的な宣伝文句よりも、実際のユーザーからの客観的な感想や意見を重視し、購入するか否かの判断を下します。

自分と同じ一般ユーザーによる客観的な意見を参考にする一方で、その品質や価値を保証する「プロによるお墨付き」も欲しいと思う点は、団塊ジュニア世代ならではの指標と言えるでしょう。

ただし、団塊世代の親の影響を受けてブランド志向な感覚も持ち合わせており、「良品は高い」という考えが根底にあるため、納得したうえでの出費は惜しまない側面もあります。

子供への投資は惜しまない

団塊ジュニア世代は、自身の苦労が多かった分、自分の子供には苦労してほしくないと願っています。自分自身が学歴社会で育ったことから、就職に有利に働く学校に通わせたいという気持ちが強く、塾や習い事などの教育に関することには惜しまず投資します。

投資に必要な費用は、他の部分の支出を切り詰めるなどの節約と地道な貯金や積立により捻出するスタイルも、団塊ジュニア世代の堅実な消費傾向が垣間見える点です。

商品へのこだわりが強い

団塊ジュニア世代は、自分に合った価値あるライフスタイルを送りたいという願望が強く、自分が納得するものが見つかるまで探し続けるといった消費傾向が目立ちます。

広告代理店のADKホールディングスが行った取り組みでは、団塊ジュニア世代男性の消費傾向は、こだわりのベクトルを5つに設定することができ、どのベクトルにこだわりを持つかによって重視する価値観が異なるとしています。

こだわりのベクトルは「自分磨き」「趣味」「つながり」「ファミリー」「優越感」の5つに分けられており、重視する価値観は以下のように各ベクトルと紐付いています。

こだわりのベクトル 重視する価値観
自分磨き 成長意欲、チャレンジ精神、社会的ステータス、成功願望
趣味 知識欲、好奇心、ひとり時間、マイペース
つながり コミュニケーション、人脈、信頼関係、成功願望
ファミリー 家族との時間、ワークライフバランス
優越感 お金、社会的ステータス、異性からの人気

団塊ジュニア世代を皮切りに、個々が重視する価値観に基づく選択型のこだわり消費は次世代にも受け継がれています。

[出典:株式会社ADKホールディングス「団塊ジュニア40オトコが動く5つの消費とは?ADK「Men’s 40 5Stars」で明らかに!」]

団塊ジュニア世代に向けたマーケティングのポイント

生産年齢にあたる働き盛りで、他の世代に比べて経済力も高い傾向にある団塊ジュニア世代は、その人口の多さから、企業から見れば有望な消費者層となるでしょう。そんな団塊ジュニア世代をターゲットとしたマーケティング施策を講ずる際のポイントは、SNSです。

2022年現在で年齢が50歳前後の団塊ジュニア世代は、前述の通り、購入前にしっかりリサーチと検討を重ねる傾向にあり、その際の検討材料として一般ユーザーやプロの声を重視しています。

そのため、情報収集に関しては日頃からインターネットを利用することが多く、中でも50代の多くがSNSを活発に利用しているという調査結果があります。アプリ別では、LINEの利用率が最も高く、続いてFacebook、Instagram、Twitterとなり、なかでもTwitterの利用率が近年著しく伸びていることが特徴的です。

加えて、ニュースなどの情報を得る手段も、ポータルサイトのニュース配信が最も多く、次いで新聞、ソーシャルメディアによるニュース配信となっています。

オンラインでの動画視聴も、団塊ジュニア世代の利用率は高く、YouTubeなどのオンデマンド型動画共有サービスの利用率は全年代平均が73.5%であるのに対し71.2%となるなど、利用率の高さが目立ちます。

そのため、多くの企業がマーケティングにSNSを活用し、動画や公式サイト、ECサイトなどと相互リンクさせることで効果を高めており、今ではスタンダードなマーケティング手法となっています。

SNSを軸としたマーケティングは、ミレニアル世代やZ世代といったデジタルネイティブ世代に適しているとされがちですが、団塊ジュニア世代にも十分な効果を期待することができるのです。

[出典:総務省情報通信政策研究所「令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」]

団塊ジュニア世代が直面する社会課題とは?

出生当時、毎年200万人以上が生まれたとされる団塊ジュニア世代は、現在、高齢化が進み、2025年、2040年、2054年に渡って、超高齢化社会に拍車を掛ける社会問題に発展することが予想されてます。

少子化が進み、生産年齢人口が減少の一途を辿る日本において、団塊ジュニア世代という最後のボリュームゾーンが高齢化することにより、社会保障体制の崩壊に追い討ちをかける構図となっているのです。

今後、日本社会はどのような課題に直面していくのでしょうか。

貧困化する老後問題

生産年齢人口の減少がさらに進んだ将来、団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年には、総人口に対する高齢者率は33.3%まで上昇し、およそ3人に1人が高齢者となることが予測されています。

高齢者1人に対する生産年齢人口の割合の変動に連動して、高齢者の年金受給額も変化する「マクロ経済スライド」による年金制度を継続するのであれば、団塊ジュニア世代の年金受給額の減少は免れません。

そこにさらに追い討ちをかけるのが、国民年金しか支払っていないというケースです。この場合は、厚生年金や企業年金が上乗せされて受給される正規雇用の会社員に比べて、受給額に大きな差が生まれます。

不景気により非正規雇用が多い団塊ジュニア世代は、国民年金しか支払っていないケースも多いため、65歳となる2040年以降、同世代の高齢貧困者が増加する可能性が高いのです。

加えて、就職氷河期を経験した団塊ジュニア世代を含む40〜64歳の中高年者のひきこもり人口が60万人を超える中、ひきこもり当事者と面倒を見る親の高齢化にフォーカスした「8050問題」も忘れてはいけません。

親の年金収入に頼って暮らしている場合、親が死亡した後の生活が困難を極めることは自明です。厚生労働省の発表によると、令和2年度の時点で、ひと月あたりの国民年金受給者の高齢年金はおよそ5.6万円、厚生年金保険(第1号)受給権者の場合の平均受給額はおよそ14.4万円です。

受給額はさらに減少しないとも限らないため、そうなれば、当然、国が定める最低限度の生活水準も満たせないケースが多発することになってしまいます。

[出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」]
[出典:厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」]

定年の延長

2021年4月、70歳までの定年引き上げや継続雇用を努力義務とする「改正高年齢者雇用安定法」が施行されました。そして2025年からは、全ての企業において、従業員本人が希望すれば65歳まで雇用を継続しなければならなくなります。

これは、少子化による労働力の減少や、平均寿命が延びたことによる高齢者増加に伴う社会保障費の増大、財政のひっ迫などの問題解消を目的とした施策です。

これらの施策により国や企業が労働力確保と保険料収入の増加を見込む一方で、従業員にとっても、老後の資金不足を示す「老後2000万円問題」などから、現役期間を延長して働く必要性が生じています。

そのため定年の延長は一見、国・企業・労働者の全てにおいて有効な施策と思われがちですが、しかしながら、このような法整備を行ったことで、新たな課題も噴出しています。

例えば、定年後も継続雇用した際の賃金の保証です。厚生労働省の調査では、50〜54歳男性・大卒者の平均月額賃金が52.6万円であるのに対し、65〜69歳になると平均賃金は35.4万円まで減少します。

定年後も働けるようにはなったものの、現実は賃金が大幅に減少するなど、企業側の受け入れ体制が万全であるとは言えない現状、また、企業においても、雇用者数が増えることで、人件費とともに社会保険関連の負担も大きくなことなど、多くの課題が残されたままであるといった実態もあるのです。

[出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」]

団塊ジュニア世代の特徴や社会課題を押さえておこう

人口が多い分、社会に与える影響も大きいからこそ、団塊ジュニア世代のライフステージが移り変わるにつれて、その都度様々な社会課題が浮き彫りになっていきます。

幾多の苦難を乗り越えてきたことで、打たれ強く、野心家・努力家の側面が強く現れることの多い団塊ジュニア世代ですが、「厳しい老後生活」という荒波にまたしても襲われようとしています。

人生100年時代と言われる昨今、団塊ジュニア世代が直面する課題に対し、全ての国民が真摯に向き合い、社会のあり方や人生の送り方を自分ごととして、今一度考える必要があるのではないでしょうか。

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