デジタル化の意味とは?具体例やメリット・デメリットを簡単に解説!

最終更新日時:2023/04/06

デジタル化

デジタル化とは

近年ますます注目されている「デジタル化」とは正しくはどのような意味なのでしょうか。本記事ではデジタル化の意味や特徴、必要性が高まっている背景、メリット・デメリットを紹介します。実際にデジタル化を進める際の手順や具体例も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

福本大一

監修者 福本大一 Chatwork株式会社 DXソリューション推進部|マネージャー 大学卒業後、toC領域のWEBメディア事業で起業。事業グロースに向けたSEO戦略から営業・運用広告に従事し、約2年間の経営を経て事業譲渡。2021年3月からChatworkに入社し、カスタマーマーケティングやアライアンスを経験した後、メディア事業・運用広告事業の責任者としてミッションを遂行する。現在は、DXソリューション推進部のマネージャーとして新規事業領域のセールス・マーケティング・アライアンス・メディア事業を統括。

デジタル化とは?意味・定義を解説

デジタル化とはITツールやシステムの導入によって、これまでアナログで管理していた業務をデジタル上で運用・管理していくことを指します。

デジタル化によって、業務効率改善・コスト削減・業務の正確性向上を実現可能です。

デジタル化は段階ごとにデジタイゼーション・デジタライゼーションに分類でき、それぞれ特徴が異なります。二つの違いをみていきましょう。

デジタイゼーション

デジタイゼーションは、業務プロセスの一部または全体のデジタル化を図り、業務効率改善やコスト削減へつなげることが目的です。

例えば、web会議ツールの導入によって対面商談からオンライン商談へ移行すると、移動時間・交通費・商談準備の手間を削減できます。

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デジタライゼーション

デジタライゼーションは、デジタル技術の導入によって業務プロセス全体をデジタル化し、ビジネスモデル構築や新たな価値の創出に結び付けることを指します。

例えば、動画のサブスクリプションサービス・ファストフードのオンラインオーダー・カーシェアリングなどは、デジタライゼーションの事例です。

ワークフロー全体をデジタル化し、新たなビジネスモデルの創出・転換につなげています。デジタライゼーションによって社員の業務負担軽減に加え、顧客満足度を高められます。

デジタイゼーション・デジタライゼーションとは?違いやDXとの関係を解説

デジタル化の必要性が高まる背景

デジタル化の必要性が盛んに叫ばれる理由について紹介していきます。

働き方改革や人手不足のため

少子高齢化・人気企業への応募集中・人材獲得競争の激化など、様々な要因によって人手不足に陥る企業が増えています。

2022年に行われた帝国データバンクの調査では、正社員の不足している企業が47.8%、有期雇用契約者が不足している企業は27%に上りました。特にIT・建設業・飲食業は深刻な人手不足に悩まされており、長時間労働の慢性化や事業の停滞につながっています。

ただし、近年は一人の労働者を確保するために多額の採用コストが必要です。リクルートの調査によると、2019年度の採用に掛かった1人あたりの平均コストは、新卒採用が93.6万円、中途採用は103.3万円と算出されています。

新卒採用と中途採用、どちらを選んでも1人につき100万円掛かる他、業務を一人でこなせるようになるまで多くの時間やサポートが必要です。

AI・RPA・IoT機器などを導入すると、業務の自動化・省人化を実現でき、限られたリソースを最大限活かした業務体制を構築できます。さらに、ミスの削減・業務の正確性向上・業務のスピードアップなど、多くのメリットが望めます。

[出典:株式会社帝国データバンク 「人手不足に対する企業の動向調査(2022年1月)」]

[出典:株式会社リクルート/就職みらい研究所「就職白書2020」]

技術が急激に発展しているため

デジタル技術が急速な速さで発展を遂げており、私たちの生活に多大な影響を与えています。例えば、4Gの出現によって通信速度は3Gの10倍以上となり、消費者はスマートフォン1台で様々なことができるようになりました。

オンラインショッピング・動画ストリーミングサービス・SNSなど、生活に必要な商品・サービスの購入はスマートフォン内で完結できます。

今後は5Gの普及が全国規模で拡がり、車の自動運転・遠隔医療・VRなど、様々な業界への波及効果が期待されています。

消費者にとっては生活の利便性が高まる一方、企業にとっては画期的なサービスが出現すると、瞬く間に市場シェア率低下や顧客離れに悩まされます。

企業競争力を高めるためにはデジタル化を進め、市場ニーズの変化に柔軟に対応可能な組織作りを進めなければなりません。

働き方の多様化しているため

昨今ではワークライフバランスの改善・副業への挑戦・育児や介護との両立など、一人ひとりに合った働き方を求められる傾向が強くなっています。

web会議・ビジネスチャットなど、オンライン上で業務が完結できる体制が整うと、在宅勤務を導入できます。在宅勤務はコスト削減・ワークライフバランス改善・企業のイメージアップなど、社員と企業側双方に多くのメリットをもたらす働き方です。

状況次第で出社と在宅勤務をミックスするハイブリッドワークも使い分けられるため、コミュニケーション不足や業務効率低下に悩まされるリスクも抑えられます。


社員 
企業
内容
・通勤によるストレスの蓄積を回避
・プライベートな時間の増加
・職場の人間関係に伴うストレス軽減
・集中力向上
・育児や介護との両立が可能
・交通費やオフィス賃料削減
・業務効率改善
・ワークライフバランス改善
・優秀な人材の流出防止
・企業のイメージアップ

デジタル人材とは?必要なスキル・担う役割・育成や採用のポイントを解説

2025年の崖への懸念があるため

2025年の崖は、経済産業省が2018年に発表したDXレポートで登場する表現です。2025年の崖で伝えている内容は、老朽化した基幹システムの継続使用に伴うデメリットに加え、DXへの必要性を切実に訴えています。

老朽化・複雑化・ブラックボックス化した基幹システムを使い続けると、ランニングコストが増大します。機能維持のためメンテナンス頻度が増えるからです。

基幹システムは生産管理・受発注管理・在庫管理など、業務の中核を担う機能を一つのシステムに集約しています。

機能不全に陥ると業務の大半がストップするため、トラブルのリスクを最小限に抑えるためには定期的なメンテナンスが必要です。また、自社システムに精通した人材が退職・転職によって不在になると、システムトラブルが起きた時に対処できません。

ベンダーへの依存度が高まる他、頻繁に発生すると取引先から不信感を持たれ、今後の取引に影響を及ぼす可能性があります。一方、クラウドサービス・AI・IoT機器など、新たなデジタル技術の導入が遅れると、市場ニーズの変化へ柔軟に対応できません。

顧客が求める商品・サービスを提供できず、顧客満足度や売上が伸び悩みます。現在の状況が改善されない限り、最大12兆円の経済損失に発展すると報じられています。

市場競争力低下を防ぐためには、DXの必要性や内容に関しての理解向上が必要です。

[出典:経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(サマリー)」]

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蓄積したデータが新たな価値を生む時代に

インターネット環境・モバイル端末・SNSの普及によって、企業がビジネスで扱うデータ量が増加し、ビッグデータへの注目度が高まりました。

ビッグデータは容量(Volume)が多く、更新スピード(Velocity)が速い、豊富な種類(Variety )のデータを指します。

ビッグデータの活用例として、検索エンジン・クレジットカードの不正利用検知・画像認識など、幅広い業界の企業に利用されています。

また、ビッグデータはAIやIoT機器との連携も望めるため、今後はリアルタイムでの情報を反映した高度な売上予測・在庫管理・マーケティング戦略の立案が可能です。

デジタル化の目的とは?改めて考える必要性や得られる効果について

デジタル化を推進させるメリット

デジタル化によって得られるメリットを紹介します。 

(1)業務効率化・生産性向上

デジタル化によってこれまで人間が行ってきた作業を自動化できるため、業務のスピードアップを図れます。例えば、RPAツールを導入した場合はデータ取得・帳票作成・メール配信など、デスクワーク全般を自動化できます。

さらに、設定内容に従ってデータ処理や書類作成を行うため、設定さえ間違えなければミスが起きる心配もいりません。

デジタル化によって限られたリソースを最大限活かした業務体制を整備でき、社員が売上に直結するコア業務に集中できます。

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(2)BCPを確保できる

オンラインストレージを利用すれば、サイバー攻撃や自然災害にあった場合でも最短で事業を復旧できます。業務に必要なデータは、クラウド上にあるオンラインストレージに保存されているからです。

万が一クラウド上のデータが失われても、ベンダーが管理するバックアップサーバーにデータが保存されており、最短での事業復旧を実現できます。BCP対策の強化によって取引先へ安心感を与え、今後も継続的な取引が期待できます。

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(3)交通費や印刷代を減らせる

オンラインツールの導入やペーパーレス化の促進によってテレワークが進むことにより、会社までの交通費や印刷代などのコストカットにつなげられます。

加えて、オンラインストレージ・グループウェア・人事管理システムなど、オンライン上で業務が完結できる環境を整備すると、紙代・OA機器のリース代・印刷費を削減できます。

(4)企業競争力や顧客満足度を上げられる

スマートフォン向けのアプリを開発すると、顧客との接点が持ちやすくなります。プッシュ通知を利用し、割引クーポン・キャンペーン・新商品販売の告知が行えるからです。

ユーザーも口コミやレビュー投稿によって、企業側と積極的にコミュニケーションを図れます。

アプリを介したコミュニケーションによって顧客との関係が強固になると、顧客満足度向上・企業のブランディング確立・リピート率向上が見込めます。

さらに、SNSと連動したマーケティング戦略を展開すると、不特定多数の方へ低コストで情報を発信可能です。

また、近年はプログラミング知識不要で、アプリを開発できるサービスも増えています。ドラッグ&ドロップで作業を進められるため、新たにエンジニアを雇う必要はありません。

(5)リモートワークの拡充ができる

デジタル化によってオンライン上で作業が完結できる環境が整うとリモートワークを推進できます。

時間や場所に囚われない働き方の実現によって、社員のエンゲージメント向上・職場内クラスターの回避・離職率低下など多くのメリットが望めます。

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(6)手続きが簡素化され円滑になる

グループウェアやワークフローシステムの導入によって、各種手続きの申請・承認作業がオンライン上で完結できます。

見積書・有給休暇申請・経費精算など、複数人の承認が必要な申請書の稟議もスムーズに進み、顧客満足度向上や業務負担軽減につながります。

事務手続きが簡略化されることにより、ルーティン業務に追われることなくコア業務に専念できるので。業務効率の向上はもちろん、事業成長の促進も期待できます。

(7)データの保管や共有がスムーズに行える

オンラインストレージの導入によりネット環境だけで、アクセス地点を問わずデータファイルにアクセスできるようになり、ファイルの自動同期・自動保存が行われるため、常に最新の内容が反映されます。

オンラインストレージはベンダーの設定料金を支払えば、すぐに利用可能です。特別な作業を必要としなくとも、データを簡単に保管できます。

自社でサーバーを手配する必要が無いため、初期費用やランニングコストもほとんど掛かりません。

(8)ペーパーレス化が可能

Office365・人事管理システム・給与ソフトなど、クラウド型ソフトの導入でペーパーレス化を促進できます。オンラインやシステム上で書類内容を共有できるからです。

ペーパーレス化によって印刷する機会が減り、紙代・トナー代・OA機器のリース代を削減できます。さらに、保管スペースの縮小によって大きなオフィスを構える必要が無くなり、オフィス賃料を削減できます。

(9)コスト削減・売上増加が見込める

自社商品・サービスをオンライン上で利用できる環境に整えることによって、従来のビジネスモデルとは違った顧客層へのマーケティングができるようになります。

例えば、洋風レストランを経営している場合、従来は店舗へ足を運ぶ顧客層をターゲットにした商品開発・キャンペーン展開がメインです。

さらなる事業展開のために、非接触で自社メニューを楽しんでもらえるよう、冷凍食品やミールキットをオンラインショップで販売する決断を下します。

常連客に加え、店舗から離れた地域に在住の方からも注文が入るようになります。販売チャネルの多様化によって顧客との接点が増加し、売上拡大・顧客満足度向上・企業ブランディング確立ができるためです。

このようにデジタルをどのように自社のビジネスに取り入れるかによって、売り上げの向上やコスト削減の見込みが出てくるのです。

(10)人材の流出を防ぐ・優秀な人材を採用しやすくする

デジタル化によって在宅勤務を導入できれば、育児や介護との両立やリモートで働きたいニーズのある優秀な人材の流出を防げます。

他の社員からの視線やプレッシャーを感じる心配もいりません。在宅勤務の導入で育児や介護を理由に退職を選ぶ必要は無くなり、キャリアアップ・経済的不安の軽減・人生の充実につなげられます。

一方、企業にとってもワークライフバランス改善・離職率低下・社員のエンゲージメント向上など、多くのメリットを望めます。

また、「柔軟な働き方を実現しているホワイト企業」とのイメージを発信でき、優秀な人材を確保しやすくなります。

デジタル化のメリット・デメリットとは?解決できる課題や問題点について

デジタル化を推進する方法と成功させるためのポイントを徹底解説

デジタル化を推進させる上でのデメリット・問題点

ここからはデジタル化を進める過程で発生するデメリットを紹介します。

(1)高額な初期費用がかかる

社外でもオフィス内と同じような感覚で業務に励める環境を構築するには、多額の資金を用意しないといけません。

ネットワーク環境構築・インフラ整備・オンラインツール導入など、ソフトウェアとハードウェア両面の整備が必要であるためです。

ただし、一気にデジタル化を進める必要はありません。社員に多大な負担が発生するからです。デジタル技術を購入するための予算確保も必要です。

企業経営や通常業務への支障を避けるためにも、段階的なデジタル技術の導入が求められています。

デジタル化を進める際の課題とは?よくある問題点や課題解決のポイント

(2)セキュリティ面でのリスクが拭いきれない

リモートワークの推進によって、情報漏洩のリスクが高まります。自宅・カフェ・コワーキングスペースなど、社外からアクセスする機会が増えるからです。

特に第三者の出入りが多いカフェやコワーキングスペースを利用した場合、データの盗み見・盗聴・端末の盗難被害に気を付けなければなりません。

さらに、通信内容が暗号化されていない無料Wi-Fiスポットを選ぶと、マルウェア感染・モバイル端末の乗っ取り・サイバー攻撃の踏み台などの被害に遭う可能性も高まります。

対策としては、モバイル端末のパスワード設定・離席時の携帯・店内ステッカー有無の確認など、社外でモバイル端末を利用する場合のルール設定が重要です。

また、不正アクセス・ランサムウェア・内部漏洩に対するセキュリティ対策も同時に進めておかないといけません。取引先の情報が漏洩した場合は社会的信用を失い、顧客離れや業績低迷につながります。

(3)システム障害等のトラブルに発展する可能性がある

ネットありきであるデジタル化はシステム障害などの発生により自社システムやツールがダメージを受けると、業務の大部分に影響を及ぼします。

復旧までに時間がかかるとサービスを利用しているユーザーからの不満や離脱につながるので、十分に注意しておくべきポイントです。

ただし、クラウドサービスを利用していた場合には復旧作業を担当するのはベンダーであり、豊富なノウハウと経験を事業で培ってきているため早期の復旧が望めます。また、ベンダー側は普段から様々なセキュリティ対策を講じており、システムダウンのリスク最小化に努めています。

システムダウンが頻繁に起きると、多くのユーザーに迷惑が掛かるからです。ユーザーが取引先から不信感を持たれないよう、ベンダー側は常に安全性向上に努めています。

一方、オンプレミスでシステムを運用していた場合は、自社で復旧作業を行わないといけません。多くの時間とコストを失わないためにも、自社に優れたIT人材が不在の場合は、システム・ツールのクラウド化を検討してください。

(4)ITに精通した人材の確保が必要

業務プロセス全体のデジタル化に加え、新たなビジネスモデルの構築・転換につながる取り組みを実施するためには、優れたITスキルや豊富なノウハウを持つ人材が必要です。

さらに、システムダウンが起きた場合も対処できる人材がおらず、復旧まで多大な時間とコストが掛かります。優れたIT人材はどの企業にとっても必要な存在ですが、中途採用での獲得は困難な状況です。

2018年に経済産業省が実施した調査では2025年に約45万人、2030年には最大79万人のIT人材が不足すると算出されています。市場ニーズの拡大に、IT人材の育成・供給スピードが追い付いていないのが現状です。

市場でIT人材の獲得が困難である以上、自社でIT人材の育成を進めないといけません。外部サービスの積極的な活用や資格取得支援体制の整備など、スキルアップに励める体制作りが求められています。

[出典:みずほ情報総研株式会社「IT 人材需給に関する調査」]

デジタル化を推進する方法

デジタル化を進めるには以下のステップを踏んでください

  • 業務の棚卸

  • 業務の課題を洗い出す
  • 必要性の検討
  • ツール選定
  • セキュリティ対策
  • 導入後の効果測定

一つひとつ内容をみていきましょう。

(1)業務の棚卸

営業・総務・企画開発など、各部署ごとに業務内容を可視化します。

ルーティンワークで、アナログで行っている業務をピックアップしてください。デジタル化へ移行すると、業務効率改善・ミスの削減・品質向上が期待できます。

(2)業務の課題を洗い出す

「データ入力のミスが多い」「顧客先から帰社して事務作業を行うのは負担が大きい」「紙の種類が多く管理が大変」など業務上の課題を明確化してください。

上記の課題が出た後に、RPA・SFA・オンラインストレージを導入すると、業務の自動化やペーパーレス化を実現できます。さらに、外出先から商談結果を報告できる体制が整い、無駄な残業をする機会を大幅に削減することも可能です。

(3)必要性の検討

デジタル技術の選定作業に入る前に、業務体制の再整備で課題を改善できないかを検討してください。

例えば、優れたスキルを持つ社員に仕事が集中し、他の社員の手が余っている場合、デジタル技術を導入しても問題の解決には至りません。

仕事の振り分け方を見直し、業務量に極端な差が付かないよう配慮することが求められます。同時に研修体制拡充や資格取得支援によって、社員全体のスキルアップを促し、特定の社員への負担増大を防ぎます。

デジタル技術は業務の自動化や省人化を実現し、業務効率改善・ミスの削減・品質向上へ導くための方法です。

ただし、デジタル技術の導入=全ての課題改善につながるわけではありません。業務体制の見直しによって課題解決を図れないか、デジタル技術の選定作業へ入る前に確認をしてください。

(4)ツールの選定

web会議ツール・ビジネスチャット・グループウェアなど、業務上の課題解決やデジタル化推進に向け、必要なツールを選択してください。

近年は多くのサービスがベンダーから提供されており、どのサービスを選ぶべきか迷う場合には、使い勝手を確認するために無料トライアルのあるツールをを積極的に利用するのも一つの手です。

コストを掛けずに機能性や自社との相性を見極められます。仮にミスマッチが起きてもコストは発生しておらず、自社へのダメージは残りません。

(5)セキュリティ対策

マルウェア感染・不正アクセス・ランサムウェアなど、サイバー攻撃に対する対策を立てないといけません。

データをクラウド上に保存する形になるため、第三者からのデータ盗取・改ざん・破壊されるリスクがアナログ管理時よりも高くなります。

近年はターゲット企業の大企業を直接狙わず、セキュリティ対策の甘い取引先を狙ったサプライチェーン攻撃も増加しており、中小企業も他人事とは言えない状況です。

対策としては複数のセキュリティツールを導入し、不正アクセスのリスク軽減と端末内侵入後の被害最小化を両立することが重要です。

例えば、ファイアウォール・IPS/IDS・アンチウイルス機能を搭載したUTMを導入すると、低コストで不正アクセスへのリスクを軽減できます。一方、EDRを導入した場合は、スマートフォン・ノートPC・タブレット端末内に侵入した異常の検知・除去を行い、被害を最小限に抑えられます。

さらに、ウイルス対策ソフトでは検出困難なファイルレスマルウェアやランサムウェアもEDRでは検出可能です。さらに、感染経路の特定・分析もできるため、強固なセキュリティ対策を立てられます。

上記の例だけでなく様々なセキュリティツールを比較し、情報資産の保護体制強化につながるツールを選んでください。

(6)導入後の効果測定

デジタル技術の導入=ゴールではありません。導入したデジタル技術が本当に業務効率改善や業務負担軽減に役立っているか、検証する必要があります。

また、社内業務のデジタル化が終わった後は、顧客エクスペリエンス向上に目を向けてください。

顧客エクスペリエンスは、特定の商品・サービス利用時に得られる顧客満足度で顧客エクスペリエンスが高まると、リピート率・宣伝効果・ブランドイメージに好影響を与えられます。

日本企業よりもDXが進んでいる海外企業の多くは顧客エクスペリエンス向上に向け、デジタル技術の活用を進めています。世界企業から後れを取らないよう、継続的な取り組みが必要です。

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デジタル化が遅れている業界

様々な業界で取り組まれているデジタル化ですが、全ての業界でスムーズに進んでいるわけではなく業界によっては遅れをとっている業界があるのも事実です。

他の業界と比べてデジタル化が遅れている主な業界は下記の通りです。

  • 医療福祉業界
  • 金融業界
  • 飲食業界
  • 運輸業界

事業内容が異なる上記のような業界でデジタル化が遅れているのは、風土や体質が古くアップデートされない・リテラシーの高い人材が不足しているなどの原因があげられます。

業界内の年齢水準も高くなってきていることもあり、アナログからデジタルへの切り替えが進まないようになっています。

そのため、デジタル化を促進させるためには、ITに理解のある人材の確保・業界全体でデジタル意識を持つなどがあげられます。

デジタル化を実現させるための具体的な事例

DXの一歩であるデジタイゼーションの具体的な事例を5つ紹介します。

(1)電子契約の導入

紙の契約書に印鑑を押して契約合意の取り交わしをしていた従来の手法とは異なり、電子文書に電子署名を行い契約を締結する方法です。

リモートワーク推進や働き方改革に対応するため、導入する企業がここ数年増えてきました。

電子契約のメリットは契約業務に掛かる手間を大幅に削減できる点です。

相手がクラウド上で契約内容を確認し、合意を取れればその場で契約が締結されます。早ければ数分で契約業務が終了するため、他の業務に時間を割けます。

また、原本の印刷・製本・郵送を行う必要がありません。紙の契約書で発生していた印刷費・輸送費・保管費を削減できます。

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(2)MAツールの導入

MAツールの導入で、購買意欲の高い見込み顧客に絞ったマーケティング戦略を展開できます。スコアリング機能によって、過去の行動履歴から自社製品・サービスにどの程度興味を示しているか一目で把握できるからです。

ホームページ閲覧・資料請求・セミナーへの参加など、ユーザーの行動履歴から購買意欲を数値化し、客観的な指標として活用できます。顧客への新商品販売・キャンペーン・イベント案内は、MAの自動配信機能を活用するため、社員が対応する必要はありません。

また、Twitter・Facebook・Instagramなど、自社でSNSを運用していると、不特定多数の方へ低コストで情報を拡散できます。

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(3)会議をオンラインツールで行う

web会議ツールの導入によって、必ずしもオフィスに出社する必要が無くなり、在宅勤務やサテライトオフィスワークを導入場所に囚われない柔軟な働き方を実現できます。

また、顧客ともオンラインで商談できるため、交通費・移動時間・準備の手間を削減できます。浮いた時間を顧客との商談機会や提案資料作成に充てられ、成約率改善・営業活動の効率化・顧客満足度向上につなげられます。

(4)紙の書類をWordやExcelファイルにする

契約書・見積書・注文書など、書類全般をWord・Excel・PDFで保存しておくのもデジタイゼーションの一種です。電子データとして保存しておけば、必要な時にいつでも検索して利用できます。

保管スペースも不要になるため、運用費・備品購入費・オフィス賃料を削減できます。

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(5)ビジネスチャットの導入

ビジネスチャットの導入によってチームやプロジェクトごとにチャットルームを作成でき、メールよりも効率的にコミュニケーションを図れます。

伝達事項をメンバーとすぐに共有できたり、チャットルーム内でファイルやタスク管理も行えたりと対応漏れのリスクを最小限に抑えられます。また、ビデオ通話機能も搭載しており、必要に応じてオンライン会議を開催できるのも大きな魅力です。

デジタル化が生活にもたらす具体的な例

デジタル化=ビジネスというイメージを持っているかもしれませんが、実際にはデジタル化が進むことによって生活環境への変化も生まれます。

例えばこれまでには買い物をするためにスーパーや書店に出向いていたものが、デジタル化が進んだ昨今ではオンライン上でのネットショッピングや配送サービスが当たり前になってきています。

スマホやパソコン、タブレットがあれば自宅にいながら買い物や様々な情報を得られるという点こそが生活がデジタル化している要因です。これだけではなく、あらゆる面で生活にデジタル化が浸透しているケースがあります。

  • CDやレコードではなくスマホの音楽配信サービスで音楽を聴いている
  • スマートウォッチで健康管理をしている
  • 支払いが現金からキャッシュレスに移行している
  • あらゆるチケットが電子化されている

上記はほんの一例であり、生活上では様々な面でアナログからデジタルへの移行が行われているのです。

デジタル化が生活にもたらす影響や変化とは?身近な例や現状と今後について

デジタル化の3つの特徴

アナログ業務をデジタル化することで大きく3つの変化が生じます。

  • 作業の自動化・効率化につながる
  • 複製しても変わらない・劣化しない
  • 市場やニーズの変化に柔軟に対応できる

デジタル技術の導入でこれまで人間が行ってきた業務を自動化でき、ミスを減らしつつ業務のスピードアップが望めます。

また、製品の質のバラつきや情報の劣化に悩まされる心配もいりません。

(1)作業の自動化・効率化につながる

AI・IoT・RPAツールなどの導入で、これまで時間が掛かっていた作業を大幅に短縮できます。デジタル化によって、これまで人間が行ってきた作業を自動化できるためです。

例えば、AIを自社倉庫に導入した場合、商品別の在庫数量を迅速かつスピーディーに算出でき、在庫過多のリスクを減らせます。

算出した在庫数を基に発注業務の代行も一任できるため、受発注業務や在庫管理の業務負担を大幅に削減できます。AI導入前に起きていた重複発注や誤発注のリスクに悩まされる心配もいりません。

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(2)複製しても変わらない・劣化しない

製品を大量生産した場合の再現性の高さや情報の質が劣化しない点もデジタル化の特徴です。例えば、自社工場にAIを導入したとしましょう。AIは学習能力・理解力・記憶力に優れています。

大量のサンプルから行動パターンやルールを理解し、データベースに保存します。特定の工程に関する作業内容を実施するよう指示すると、同じ作業を忠実に再現できます。長時間正確な作業を継続できるため、業務効率改善・ミスの削減・品質向上を実現可能です。

また、異物混入や機器エラーが起きていた場合は作業を中断し、劣化品の製造を回避できます。一方、オンラインストレージにデータを保存した場合、情報の劣化を心配する必要はありません。

紙の劣化によって発生していた文字のかすれやインクの退色が起きないからです。容量の拡張性にも優れており、データの保管・運用に関しての手間を大幅に削減できます。

(3)市場やニーズの変化に柔軟に対応できる

デジタル化によって、顧客ニーズや市場の変化に対応しやすくなります。データを有効活用し、顧客や市場が今どのようなサービス・商品を求めているかが把握できるからです。

例えば、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、対面接触を避ける動きが強くなった中で需要が高まったのがオンラインショップやネットサービスです。自社商品・サービスを購入できる環境を構築できれば、新規顧客獲得・売上拡大・リピート率向上が期待できます。

ビジネス上でもオンラインでの商談が多くなったことやペーパーレス化が進んでいるなどもデジタル化の恩恵を受けています。このようにスピーディーかつ柔軟に対応できるのがデジタル化の大きなメリットと言えます。

デジタル化の意味や必要性を理解して推進へ

今回の記事では以下の4点についてまとめてきました。

  • デジタル化の必要性
  • デジタル化のメリットとデメリット
  • デジタル化の進め方
  • デジタル化の具体的な事例

労働力不足・働き方の多様化・2025年の崖に対応するため、デジタル化の必要性が高まっています。特に2025年の崖で述べられている老朽化した基幹システムの継続使用やIT人材の不足は、早急に解決しないといけない課題です。

状況が改善されないと、ランニングコスト増大・利益損失・セキュリティリスク増大などを招き、企業競争力低下や国内経済の停滞につながります。クラウドサービス・AI・ビッグデータなどを活用し、業務の自動化・省人化を進めてください。

ただし、長年アナログ式で業務を進めてきた場合、いきなりデジタル化へ移行するのは大変でしょう。今回の記事で挙げたデジタル化の進め方や事例を参考に、段階的にデジタル化を進めてください。

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