文書管理で実践したい分類方法!分類の流れやポイント
適切な文書管理を実現するために必要な文書の分類。しかし、文書の分類方法を知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、文書管理で実践したい分類方法について、分類の流れや分類基準・分類する際のポイントなど徹底解説していきます。
目次
文書管理の3つの分類方法とは?
文書管理は、情報を整理し迅速にアクセスできるようにするための手法です。特にビジネスの現場では、大量の文書を効率的に管理することが求められます。ここでは、文書管理の主要な3つの分類方法について解説します。
1.ワリツケ式
ワリツケ式は、総務部などの文書を管理する主管部門が、「大分類→中分類→小分類」のようにトップダウン方式で文書を整理する方法です。
この方法は、特定の属性を基準に文書を迅速に検索する際に有効で組織的な統制ができる点がメリットです。しかし、属性の設定や更新が必要となるため、継続的にメンテナンスしなければ形骸化してしまう可能性がある点です。
2.ツミアゲ式
ツミアゲ式は、ワリツケ式とは逆に「小分類→中分類→大分類」と小さな分類から大きな分類の順番で文書を整理する方式です。
多くの企業や公共期間で採用されているツミアゲ方式は、業務を理解している実務担当者が文書を分類していくことになるため、文書管理のルールと実態に相違が生まれにくくなります。しかし、既存の全ての書類に目を通さなければならないため、時間がかかってしまうのがデメリットです。
3.ハイブリッド式
ハイブリッド式は、ワリツケ式とツミアゲ式の双方のメリットや特徴を取り入れた文書分類方法です。一定の階層までをワリツケ方式で分類し、業務上の細かい分類が必要な書類についてはツミアゲ方式で分類していきます。
組織的な視点と現場的の意見などの双方のニーズを取り入れられるため、書類のばらつきを防ぐことができます。
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文書を分類する際の流れ
文書管理の効率化は、ビジネスの生産性向上に直結します。適切な文書分類の流れを確立することで、情報の検索性やアクセス性が向上し、業務効率が大きく改善される可能性があります。ここでは、文書を分類する際の基本的な流れを解説します。
文書を分類する基準を明確にする
文書を分類する際の最初のステップは、分類の基準を明確にすることです。たとえば、文書の種類・作成者・作成日・関連するプロジェクトや部署など、文書の属性に基づいて分類基準を設定することで文書の整理や検索が容易になります。
ドキュメントの保存期間を設定する
書類はどんどん増えていくため、全ての文書を無期限に保存することは不可能です。法的な要件やビジネス上のニーズに応じて、文書の保存期間を設定することが重要です。
保存期間が過ぎた文書は適切な方法で廃棄することで、情報のセキュリティを確保しつつストレージの効率的な利用が可能となります。
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MECEを実施する
MECEとは、「漏れがなく、重複もない」という意味でMutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字をとった略称です。
文書管理において、漏れや重複があると正しく分類することはできません。MECEを実施し文書を分類することで、重複や欠落を避け効率的な文書管理が実現できるでしょう。
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部署ごとに文書の分類方法を変える
会社にはいくつもの部署があり、それぞれ業務が大きく異なるため、企業や組織の部署ごとに文書の性質や利用頻度が異なることが多いです。そのため、部署ごとに文書の分類方法をカスタマイズすることで、各部署の業務効率を最大化できます。
全社一律で文書管理をするのではなく、それぞれ部署の業務に応じてマニュアルを設けることが重要です。
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文書の分類基準|5つの種類
文書の分類は、情報の迅速なアクセスや管理の効率化を実現するために重要なステップです。適切な分類基準を設定することで、文書の整理や検索が容易になり、業務の生産性向上に寄与します。ここからは、文書の分類基準としてよく用いられる5つの種類を解説します。
1.手順別
手順別の分類は、特定の業務やプロセスに関連する文書を順序に従って整理する方法です。たとえば、営業・人事・経理などプロセス順に階層を作り、ツミアゲ式で管理します。
この方法は、業務の流れを追いやすくするため、特にプロジェクト管理や業務手順の確認に有効です。またわかりやすいため、検索の手間が軽減できる点もメリットといえます。
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2.地域別
地域別の分類は、文書の関連する地域や場所に基づいて整理する方法です。
国内外の支店や拠点、特定の市町村や地域に関連する情報を分類する際に用いられます。特に多拠点を持つ企業や地域に特化したビジネスでの情報管理に適しています。
地域は、北から南に分類する方法や五十音順に並び替える方法を用いることで検索の効率が向上するでしょう。
3.発生日別
発生日別の分類は、文書の作成日や更新日に基づいて整理する方法です。時系列に沿って文書を管理することで、最新の情報や過去の履歴を迅速に参照できます。
電子データでも紙データでも、上部に新しい文書を配置することで作業効率が向上するでしょう。
4.顧客別
顧客別の分類は、特定の顧客やクライアントに関連する文書を整理する方法です。顧客の情報や取引履歴、契約内容などを一元的に管理することで、顧客対応の迅速化やサービスの向上が期待できます。
顧客の名前を50音で分類する方法が一般的ですが、使用頻度や案件の優先順位などで分類する場合もあります。
5.書類別
書類別の分類は、文書の形式や内容に基づいて整理する方法です。たとえば、報告書・契約書・申請書・マニュアルなど、文書の種類ごとに分類することが考えられます。これにより、特定の書類を迅速に検索・参照することが容易になります。
書類別の分類は、発生した日や重要度・50音順に並べることで検索性を高めることが可能です。
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文書の分類方法を押さえて文書管理を効率化しよう
文書の適切な分類は、情報の迅速なアクセスと管理の効率化に不可欠です。手順別・地域別・発生日別・顧客別・書類別などの基準に従って文書を整理することで、業務の生産性が向上します。
特にビジネスの現場では、これらの分類方法を活用し、文書管理のシステムを構築することで、業務の迅速化と質の向上を実現できます。
適切な文書管理ができておらず改善したいと考えている方は、本記事を参考に自社のルール策定を実践してみてください。
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