BtoBとBtoCで必要なMAツールの違いは?それぞれの選定ポイントを解説

最終更新日時:2022/03/25

MAツール

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BtoBビジネスとBtoCビジネスの双方でMA(マーケティングオートメーション)ツールは活用できますが、それぞれのビジネス特性の違いから選ぶべきツールは異なるので注意が必要です。この記事では、BtoB・BtoCビジネスの特徴やMAツールの選び方、おすすめのMAツールをご紹介します。

BtoBとBtoCそれぞれのビジネスの特徴

はじめに、ビジネスにおけるBtoBとBtoCはどのように違うのか、基本的な特徴を見ていきましょう。

BtoBとBtoCの定義は、以下の通りです。

BtoB(B2B):Business to Businessの略。法人向けビジネスのこと

BtoC(B2C):Business to Customerの略。個人・一般消費者向けビジネスのこと

主な違いや特徴として、以下のことが挙げられます。

(1)BtoBビジネスの場合

BtoBビジネスの場合は、商品やサービスを販売する対象は企業や団体などの組織です。主な特徴を見ていきましょう。

#1:管理する顧客情報は少ない

BtoBでは企業といった組織単位で1件の顧客となるため、管理しなければならない顧客の数はBtoCに比較して少ないのが特徴です。事業規模や業界によって変わりますが、数百、数千程度であることが少なくありません。

#2:決裁期間が長い

企業が商品を買ったりサービスを利用したりする際には、その決定を簡単に下すことはできません。企業には一つの決定事項に多くの人が関わり、逐一承認・決裁プロセスを経る必要があるからです。

また、BtoBビジネスでは、法人向けサービスや商品であるため、BtoCのビジネスに比較して、決済金額が大きくなる傾向があります。そのため、購入までの意思決定・決裁までにかかる時間が長くなる傾向にあります。

#3決裁担当者が多い

企業には、商品やサービスの購入・導入の際に決裁を行う担当者が何人も存在することが少なくありません。各部門の担当者や責任者が、契約の内容などについて逐一確認しなければならないため、関わる人数はBtoCよりも多くなりやすいのです。

#4:購買へのアプローチは電話・商談がメインになる

BtoBビジネスでは、営業や販促の方法は電話や商談などが一般的です。もちろん、近年は各種Webサービスを使った集客方法が浸透しつつあります。

しかし、多くの人が関わるからこそ、電話や商談を通してより丁寧にアプローチして、サービスや商材の説明をした後に、購入の意思決定をしていくことが必要とされる傾向にあるのです。

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(2)BtoCビジネスの場合

BtoCビジネスの相手は一般消費者、つまり個人です。そのため、BtoBとは大きく異なる特徴があります。

#1:リード数が非常に多い

見込み顧客(リード)の多さが、BtoCビジネスにおける最大の特徴だといえるでしょう。一人ひとりのエンドユーザーがビジネスの対象となるため、見込み顧客の数は多ければ数百万、それ以上に及ぶことも珍しくありません。

#2:配信チャネルが多様である

近年、一般消費者が商品やサービスの情報に触れる手段は、非常に多様化しています。そのため、企業はWebサイトやメール、広告、LINEやSNSなど多くの配信チャネルを通じて、商品やサービスの情報を発信しているのです。

#3:決裁期間が短い

BtoBと比べると、BtoCでは決裁期間が短くなりやすいのも特徴です。なぜなら、基本的に決裁に関わるのは本人のみで、企業のように複数人の決裁は原則として不要だからです。

そのため、購入する商品やサービスが高価な場合を除き、短い期間で購入決定に至るパターンが少なくありません。

#4:決裁の決定をするのがカスタマー自身である

前述のように、BtoCでは決裁に関わるのは原則として顧客本人のみです。もちろん、マイホームの購入などといった高価な買い物の場合、家族が関わる場合も少なくありません。

しかし、そういう場合を除き、BtoCビジネスにおいては一人の決裁者に対してアプローチをしていくのが基本になります。

#5:購入基準が個人それぞれで異なる

顧客一人ひとりのライフスタイルや価値観の多様化に伴い、購入へと至る際の基準は一概に決まっているとはいえません。性別や年齢、居住地など、顧客の属性がほぼ同じであっても、どのような暮らし方をしているかで、購買行動は異なってきます。

そのため、BtoBと比べると、BtoCではこのような顧客属性の多様性が顕著に反映されるといえるでしょう。

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BtoB向けとBtoC向けのMAツールの選び方の違い

BtoB向けとBtoC向けのMAツールには、選び方にもさまざまな違いがあります。選ぶ基準をあらかじめ押さえておくことが、自社のビジネスにマッチするMAツール選びにおいては重要です。

(1)BtoB向けMAツールの選定ポイント

BtoB向けMAツールは、電話営業や商談を効率化できる製品であるか否かが重要なポイントです。ここからは、BtoB向けMAツールで押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

#1:顧客ごとのスコアリング機能に強い

BtoB向けMAツールを選ぶ際には、顧客ごとのスコアリング機能に優れていることが重要。なぜなら、顧客の行動や興味関心の度合いをチェックし、最適なタイミングでプロモーションをかけられるようにすることが必要だからです。

#2:営業支援ツール等との連携ができる

すでにSalesforceなどの営業支援ツール・システムを導入しており、営業成果を上げるための施策・効率アップのための施策を打ち出している企業も多いでしょう。そのため、営業支援ツールなど外部ツールと円滑に連携できる製品なら、営業・販促ともにさらなる効率化が可能です。

#3:フォームなどのコンテンツ作成ができる

資料請求や問い合わせが簡単にできるフォーム作成機能に優れていることも、BtoB向けMAツールを選ぶ際に大切なポイントです。

BtoBビジネスにおいては、問い合わせフォームからのアプローチも少なくありません。そのため、円滑にフォームなどのコンテンツを作成し、MAツールと連携できることが見込み顧客獲得のためには重要なのです。

(2)BtoC向けMAツールの選定ポイント

BtoB向けMAツールの場合、数多い一般消費者に向けてプロモーションや営業を行うため、それに適した機能を備えているMAツールを選ぶことが大切です。

#1:データ管理数が多い

BtoCビジネスにおいては、BtoBに比べると管理しなければならないデータ量が圧倒的に多いのが特徴です。一般消費者である個人が顧客になるため、リードの上限が多いツールを選ぶことが重要だといえるでしょう。

ただし、業態や事業規模などによって変わってくるため、自社の規模や商品・サービスの特徴に適したデータ容量の製品を選ぶことが望ましいです。

#2:パーソナライズされた情報配信が必須である

BtoCビジネスでは、顧客一人ひとりの購買行動は非常に多岐にわたるのも特徴です。そのため、顧客ごとにパーソナライズされた情報発信に優れていることもBtoC向けMAツールを選ぶ際に重要なポイントだといえます。

顧客それぞれの趣味嗜好や、行動パターンに合わせて最適なアプローチ方法を提案してくれることに加え、莫大な情報量を処理するためオートメーション化できることが大切です。

#3:顧客行動の分析機能がある

企業を相手にするBtoBと異なり、BtoCビジネスでは、顧客それぞれの行動が複雑になりやすいため、必要に応じて顧客行動を分析できる機能が備わっていることも重要です。

例えば、GPS連携機能によって、店舗に顧客が近づいたときに顧客の興味関心に合わせたプロモーションを行うことが挙げられます。顧客一人ひとりの行動を細かく分析し、タイミングに合致した即時性のあるプロモーションができると、獲得できる可能性が高くなるでしょう。

#4:対応チャネルの範囲

BtoCビジネスでは、情報入手のチャネルが非常に多いため、できるだけ多くのチャネルで情報配信できることも大切です。顧客は、メールやWebサイト広告、LINE、SNSなどさまざまなチャネルで日々商品やサービスの情報に触れています。

そのため、対応チャネルが多いほど多種多様なアプローチが可能となり、見込み顧客獲得につながるのです。さらに、複数のチャネルをまとめて連携・管理できれば、運用もよりスムーズとなります。

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BtoB向けおすすめMAツール3選

MAツールを自社に取り入れる際には、BtoBビジネスにはBtoB向け、BtoCビジネスにはBtoC向けのツールを導入するべくプランを検討することをおすすめします。

顧客や企業のニーズ変化・多様化に伴い、登場してきたMAツールは多岐にわたります。また、それぞれ特化しているポイントや強みが異なるため、機能や特徴についてあらかじめ確認しておきましょう。

ここでは、BtoBビジネスの活性化におすすめのMAツールをご紹介します。

(1)List Finder

初めてMAツールを取り入れるBtoB企業におすすめなのが、List Finderです。List Finderは「満足度ナンバーワン」「導入しやすさナンバーワン」「サポート品質ナンバーワン」など、さまざまな部門において1位を獲得している人気の製品です。

国内では1,600以上の導入実績を持ち、対上場企業においても高いシェアを誇ります。活用コンサルタントによって手厚くサポートしてもらえるため、導入初期の「困った」の解決もスムーズです。

メール配信やフォーム作成、企業属性付与、スコアリング、セミナー管理、Salesforce連携など、MAツールとして重視したい機能が網羅的に搭載されています。

(2)GENIEE MA

GENIEE MA(旧名:MAJIN)は操作性に優れ、誰でも簡単に使えるのが魅力のMAツール。定着率99.0%を誇り、信頼性が高いのもポイントです。

セグメンテーションやスコアリングを効率的に行い、メール配信やLINE通知、SMSなど、それぞれの温度感に合わせたシナリオで顧客に対して自動的に働きかけるのが特徴。多様な配信チャネルを持っているのも魅力です。

したがって、顧客発掘から営業まで、ワンストップで事業拡大に貢献してくれるツールとして期待できるでしょう。行動分析に即して、顧客の興味が高まったタイミングで適切なアプローチを行います。

(3)Kairos3

BtoBビジネスにおける営業や販促におすすめのMAツールなら、Kairos3もおすすめです。SFAツールと合わせた機能を持ち、1,500アカウント以上の導入実績があるのも魅力。中小企業から大企業まで、多くの企業に支持されています。

Kairos3では、顧客情報集約からメールナーチャリング、来店型施策活用、営業活動改善までさまざまな機能を活用できるのが特徴です。リード管理、メール配信、スコアリング、フォーム作成など、MAツールに欠かせない機能が備わっているため、BtoBビジネスの効率化を実現できます。

また、専任スタッフによるサポートも充実しています。IT活用に慣れていない企業でも安心して導入できるでしょう。

BtoC向けおすすめMAツール3選

BtoC向けビジネスでは、膨大な顧客データを扱いながら営業や販促活動を行っていくため、膨大なデータ量に対応したMAツールを選ぶことが望ましいといえるでしょう。

また、顧客行動に合わせ、さまざまなチャネルに対応していることも大切です。

(1)PROBANCE

PROBANCEは、成果につながる機能を多数搭載しているおすすめのBtoC向けMAツール。PROBANCEでは購買履歴やポイント履歴、GPS、Webアクセスログ、来店情報などさまざまなデータを統合し、適切な分析を行います。

また、必要に応じて基幹系システムなど外部システムとの連携もスムーズ。データの管理工数も減らしてくれます。

さらに、機械学習により、顧客一人ひとりの興味や行動を読み取り、次の行動を速やかに予測します。そのため、顧客ごとにパーソナライズされた適切なアプローチができ、成果獲得につながりやすいでしょう。

(2)Liny

Linyは、LINEアカウント運用を効率的に行ってくれるMAツール。BtoCビジネスにおいて、LINEという配信チャネルはいまや必須ともいえる存在であり、導入により見込み顧客獲得に大いに貢献することが期待できます。

導入実績は3,500社以上に及び、MA、チャットボット、セグメント配信などが一つのツールで完結するという利便性が魅力。顧客とのコミュニケーションを活性化させることにより、興味や行動に合わせたプロモーションを効率的に行うことが可能です。

また、アップデートが頻繁に実施されており、常に変化するビジネストレンドにもいち早く対応しているのも魅力となっています。

(3)Aimstar

AimstarはBtoC向けMAツールとして、数多くの大企業に導入実績があるのが特徴です。顧客一人ひとりの行動をトラッキング・分析し、売上向上に向けて重要な施策の提案を行います。

DMやカタログ、メール、Web、アプリなど多岐にわたるチャネルでの情報配信も可能です。

このように、BtoCビジネスに最適なMAツールは非常にさまざまであり、いずれの製品も魅力的な機能が搭載されています。別記事でもBtoC向けおすすめMAツールについては詳しく紹介しているため、自社にマッチする製品を見極める判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。

BtoB/BtoCそれぞれに適したMAツールを使うべき

MAツールは、自社の業態や規模をチェックしたうえで必要な機能を整理し、自社のニーズに適した製品を選ぶことが重要です。

BtoBとBtoCではビジネスの内容や特徴の点で違いがあるため、適したものを選べるかどうかがMAツール活用の効果を最大化し、利益向上・業務の効率化を図るためのカギとなります。

自社に合ったMAツールの選び方のポイントを参考に、数あるMAツールから使いこなしやすい自社に適したMAツールを見つけて導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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