MA(マーケティングオートメーション)ツール導入による7つの効果とは?

最終更新日時:2022/03/01

MAツール

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MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入することには、質の高い見込み顧客の増加や、コストの削減効果などさまざまなメリットがあります。本記事では、MAツール導入による7つの効果と導入時のポイント、さらに成功事例やおすすめのMAツールもご紹介します。

MAツールとは

MAツールは、営業や販促の業務においてさまざまな効果に期待ができる魅力的なツールです。自社でも導入したい場合は、MAツールについて基礎的な特徴や導入のメリット、実際の成功事例まで、理解を深めておくことが重要となります。

MAツールは、営業やマーケティングの業務を自動化したり効率を高めたりするのに役立つITツールで、昨今、DX推進の流れもあいまって、MAツールは業種業態、事業の規模問わず多くの事業者から注目されています。

業務効率化やそれに伴う利益の最大化は、どの企業にとっても重要なビジネス課題です。MAツールはそうしたビジネス課題に効果的にアプローチできるため、具体的な効果や事例などを総合的に考慮し、自社に合った製品を導入していくことが望ましいと考えられます。

MAツール導入による7つの効果やメリット

MAツール導入により、以下のようなさまざまな効果が期待できます。ここでは、どのような効果が望めるのか整理し、自社で導入すべきか否かの判断材料にしていきましょう。

(1)質の高い見込み顧客の増加

MAツールではメール配信やwebトラッキングなどの便利な機能を通じて、見込み客の洗い出しを行います。ユーザーそれぞれがどのような興味関心を持ってwebサイトを閲覧しているのか、メールを見ているのかをチェックし、プログラムによって関心度の高い見込み顧客を明らかにするのです。

洗い出された見込み顧客の属性は、それぞれの行動や興味関心のデータに基づくため、比較的良質で確実性がある点が魅力だといえるでしょう。

(2)今まで受注できなかった案件・商談を獲得

MAツールでは、ツールによる分析・解析によってユーザーのニーズをつかむことが可能です。これまで放置されていた見込み顧客を案件化できたり、商談につなげたりすることもできます。

データに基づいて自動でプロモーションができるからこそ、手作業で行っていたときとは異なる案件や商談の獲得につながりやすくなるのです。

(3)シナリオ設計に基づいた施策の自動化

リードの温度感を推定で判断し、顧客一人ひとりに手作業でメール配信などを行っていくのでは、膨大な時間がかかります。しかし、MAツールなら、あらかじめシナリオを設計しておくことで営業活動やプロモーションを自動化することが可能です。

ここでいうシナリオとは、例えば「指定のメールを開封したユーザーには次のAのメールを配信する」といったアプローチを具体的に決め、ユーザーの関心度に応じて自動でプロモーション施策を実行することを意味します。

(4)興味関心の高い顧客に集中

興味関心の高い見込み顧客から優先的に営業活動を行うことができるのも、MAツールがもたらしてくれるメリットです。MAツールではユーザー一人ひとりの行動履歴や興味関心などをチェックし、自社サービスや商品に興味を持っている度合いをスコアリングします。

スコアリングにより関心度の高い顧客がわかるため、適切な優先順位をリードに対して把握することができ、営業活動の効率を最大化できるのです。

(5)コスト削減

MAツールではコスト削減の効果も期待できます。データ分析によって営業や宣伝を行うべきタイミングやターゲットがより明らかになるため、余分な施策の実行に必要な経費やコンテンツ製作費をカットし、必要最小限に抑えられるのがポイントです。

顧客ニーズの分析も非常に有益なため、手探りで行っていたマーケット調査やアンケートにかかるコストも導入前と比較すると抑えられるポイントです。

(6)営業・マーケティング部門の連携力の向上

営業とマーケティング、それぞれの部門のスピーディーな連携・情報共有にも、MAツールが役立つ可能性は高いです。同じシステム内で顧客情報や見込み具合が管理できるため、共通認識を持ちながらそれぞれの業務を遂行することが可能になります。

また、情報伝達が早くなるだけでなく、それぞれの価値観やルール・目標とするKPIを共有しながら事業を推進できるため、異なる部門同士の間で起こりがちな話の食い違いが生じにくくなるのもメリットです。

(7)営業・マーケティング業務の工数削減

業務におけるさまざまな工数が減るのも、実現可能な効果の一つといえます。システムによって多くの業務が自動化されれば、逐一データをチェック・抽出したり、より興味を持ってくれている見込み顧客の営業優先度を一から全てのリードを見極めたりといった作業を行う必要がなくなります。

雑多な業務の工数が減ればその分、本来人の手を入れるべき生産性の高い別業務に時間と手間を費やすことができるので、チームや会社全体としての生産性も高まります。

MAツール導入のデメリット

前項でピックアップしてきたように、MAツールを取り入れることにはたくさんの効果やメリットが望めます。しかし、実際には、MAツールの導入を阻むデメリットや課題があることも事実です。

ここからは、メリットと合わせて把握しておきたいMAツール導入のデメリットについて解説します。

(1)運用体制を整える必要がある

MAツールの導入時には、適切に使いこなしていけるように運用体制を整備することが欠かせません。マーケティングオートメーションにおける機能には操作性が複雑なものも少なくないため、定着させるにはある程度運用を行うための人員リソースが必要です。

運用の準備が整っていないと十分に人員を確保できず、想定していたような活用が実現できない可能性も否定できません。

シナリオ作成などの工程では多くの試行錯誤を重ねる必要もあるため、導入後に軌道に乗るまで、時間・費用・人員を割くことを覚悟する必要があるでしょう。

(2)継続的に費用がかかる

MAツールを取り入れる際には、毎月ある程度のランニングコストがかかることを認識しておくことが必要です。予算に限界がある場合は、残念ながらコストの問題で導入が実現できないケースも否定できません。

月額数万〜数十万円といった小さくない金額が費用として継続的にかかってくるため、常にMAツールの費用対効果をきちんと計測しながら最適なコストかどうか、あるいは本当にMAツールを導入すべきフェーズなのかどうかを判断する必要があります。

MAツール導入時のポイント

MAツール導入にあたっては、以下の点に注意が必要です。

(1)導入目的・目標を決める

MAツールは明確な目的・目標を持った上で導入すべきツールです。MAツールには多くの便利な機能があるからこそ、利用目的や解決したいビジネス課題が定まっていないと、宝の持ち腐れ状態になってしまいかねません。

必要な機能を効果的に活用していくためにも、なぜMAツールが必要なのか、MAツールを導入したらどんな施策を実行したいのか、事業KPIの目標値はどうなっているのかなど、目的や目標を明確にすることが大切です。

(2)マーケティング施策の設計を行う

MAツール導入にあたっては、プロモーション方法の設計をあらかじめ明らかにしておくことも重要です。MAツール製品にはさまざまな種類があり、搭載機能や特徴も大きく異なります。そのため、以下のような戦略を検討することが不可欠です。

  • 誰をターゲットにしているのか
  • 何を売るのか
  • 必要な施策は何か
  • 必要なコンテンツは何か

こうした戦略をMAツール導入前に事前に設計・準備しておいた上で、効果的に戦略を実行できる機能を備えたMAツールを選ぶことが重要になってきます。

(3)運用体制を構築する

MAツールは、利便性は非常に高いものの、複雑な仕組みとなっていることも少なくありません。そのため、スムーズに運用を軌道に乗せるためにある程度時間がかかることも多く、目に見える効果が出るまでに時間がかかるケースも多いです。

どのような場面においてどのような施策を講じるのがよいのか、オートメーション化のために効果的なシナリオ設計・スコアリング・リード管理を行う専任の運用担当者の存在も必要不可欠です。

そのため、導入前にMAツールの運用担当者を決定し、最低限の運用体制やルール、社内マニュアルや連携方法などを構築しておくことが導入を成功に導くポイントだといえるでしょう。

MAツールの導入効果を高める方法

MAツールを活用し、導入効果をより高めていくためには、以下のような施策も大切です。ここからは、数値で比較すること、外部システムと連携することなど、MAツール導入の効果を高めるポイントについて解説します。

(1)効果を数値でわかりやすく測る

MAツール導入後、誰が見てもわかりやすい効果が出るまでには時間がかかることも少なくありません。そのため、導入効果があったかどうかを確かめるために、まず数値化して導入前と後でデータを比較することが重要です。

具体的にはコンバーションの数やリード獲得の目標値に対する達成率、アポイントの獲得数などのデータが挙げられます。これらのデータを導入前後で比較しながら効果を検証し、改善が必要な場合は常に何が課題なのかを探りながら運用方法を見直していく必要があります。

(2)他システムとの連携

効果を高めるには、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)などの外部システムと連携することも大切です。これらのシステム・ツールと連携すれば、詳細な顧客情報を一元管理することが可能になり、データの可視化や業務効率化、新たな施策のヒントにもつながります。

MAツール導入の成功事例3選

ここからは、MAツール導入に成功した事例をご紹介します。

(1)株式会社エイトレッド

株式会社エイトレッドは、MAツールを導入したことで営業とマーケティングの戦略的統合を図っており、それにより月間リード数6倍・商談化数も3倍という高い成果を記録しています。

案件が増えたことによりフォロー体制が追いつかず、MAツールの導入を急ぎました。顧客が購買に至るまでのプロセスを具体的に洗い出し、結果に合わせた最適なコンテンツマーケティングを実現することで高いマーケティング施策を可能にしています。

(2)デイブレイク株式会社

デイブレイク株式会社は、MAツールを取り入れたことでリード獲得数30%&商談化50%アップに成功しました。

総合的な人手不足からMAツールの導入を行い、まず顧客フォローの自動化を実施しました。それにより、最適なタイミングでの営業活動についてマーケティング部門と営業部門間で情報が共有できるようになり、リード獲得や商談化の実績が上がっただけでなく、全体的な業務も効率化も実現しました。

(3)株式会社ユーザベース

株式会社ユーザベースの場合、MAツールを導入したことで、案件の受注率が前年比5倍アップにつなげています。

集客や商談の工数が多く、マンパワーに頼っていたことが課題となっていたことからMAツール導入を決めた同社は、「量より質へ」を目標に掲げたうえでMAを開始しました。

その結果、マンパワーに頼らなくても商談数は前年の成績をキープしたまま、契約IDの受注率は5倍になるという結果を残すことができたのです。さらに、セールス業務の効率が大幅にアップし、手が空いたことで新事業・新施策への着手もできるようになりました。

おすすめのMAツール3選を紹介

ここからは、MAツールのおすすめ製品をご紹介します。MAツール導入を行うことでどのような効果やメリットが望めるのかを確認しておきましょう。

おすすめ製品は以下の3つです。

  • List Finder
  • シャノン
  • Hubspot

これらはいずれも、中小企業から大企業まで多くの企業に支持されている人気のツールですので、導入を検討する際に特徴を確認することをおすすめします。

(1)List Finder

BtoBビジネスを展開する企業に特におすすめなのは、List Finderです。List Finderは、特に上場企業において非常に高い導入率を誇る実績を持っており、月額3万円台のリーズナブルな費用で運用を開始できるのもポイントです。

初めてMA運用をスタートさせる企業に向けて、活用コンサルも無料で実施しています。各種勉強会や相談会なども充実しており、定着のためのサポートが手厚いのも魅力です。

(2)シャノン

簡単操作・本格的な施策の実現といった2つの良さを兼ね備えたMAツールとして、シャノンがおすすめです。営業やマーケティングの自動化に必要な多くの機能が揃っており、そのままの人数で商談件数が何倍にもアップしたという大きな成功事例もあります。

見込み顧客の管理では、webサイト閲覧のトラッキング、関心度にあわせたメールマーケティングなどを効率的に行っていくことが可能です。スコアリングによって見込み顧客の関心度がわかるため、営業の優先度も素早く見極められます。

(3)Hubspot

Hubspotは、多くの企業が営業やマーケティングの効率化に向けて導入を行っている鉄板のおすすめCRM・MAツール。無料ツールから使えるため、初めてMAツールを取り入れることを検討している企業にとっては、利用のハードルが低いのがポイントです。

世界的に有名なツールとなっているため、導入実績は13万5,000社にも及びます。世界120カ国で支持されているため信頼性の高さも特徴で非常に安心です。ツール定着に向けたサポート体制がしっかりしているので、ぜひ初めてのMAツール運用を検討している方はチェックしてみてください。

MAツール導入成功の鍵は目的を明確にすること

MAツールを取り入れたいと考えるなら、まずはなぜMAツールが必要なのか、導入の目的を自社のビジネス課題とともに明確にしておくことが大切です。目的があらかじめわかっていれば、必要なツールの機能も明確になるでしょう。

また、MAツール導入によって期待できる効果について理解しておくことが大切です。MAツールで営業活動やマーケティング業務が自動化されれば、業務効率化により業績向上につながる可能性も非常に高いです。導入の目的を明確にした上で、MAツールの導入にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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ビズクロ編集部
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