MAツールでオンラインとオフラインの施策を統合するメリットと方法

最終更新日時:2022/12/15

MAツール

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セミナーや展示会などのオフライン施策で得たリードを活用し、オンラインと掛け合わせて顧客の温度感を把握できるようにすることが求められています。本記事では、MAツールを用いてオンラインとオフラインの施策を統合するメリットと方法、その際のポイントを紹介します。

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オンラインとオフラインの施策を統合するメリットは?

新型コロナウイルスの影響によって、オンライン上でのマーケティングが重要視されているものの、展示会やセミナーなどのオフライン施策もマーケティングにおいてはいまだ重要です。

オフラインには直接対話できる点や、実際に体験してもらうという点など、オンラインにはできないメリットがあるためです。

ここで注意すべきなのは両方の施策結果をしっかりと管理できているかという点で、オンラインの施策のみMAツールで管理しているというケースも少なくありませんが、オフラインの施策を含めて管理できるような状態を作り上げることが必要といえます。

(1)オフラインでの接点とWebの行動データの掛け合わせ

オンラインとオフラインの施策を統合する例として、オフラインでの接点とWeb上での行動データを掛け合わせることがあります。

例えば、オフラインイベントでの接触履歴を、MAツール上でのスコアリング基準に追加する手法が挙げられます。

接触履歴については、「参加したセミナー・イベントはどのような内容だったか」「参加した回数はどれくらいか」といった内容を追加するのがおすすめです。これらの情報を記録しておくことで、のちにスコアリングの指標として利用できます。

また、自社サービスの導入事例セミナーなどのオフラインイベントに参加した見込み顧客は、自社サービスへの興味度合いが比較的高い傾向にあります。そのため、積極的に営業を行える対象となるのです。

オフラインの接触履歴についても漏れなく記録しておくと、新たなビジネスチャンスを創出できます。

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(2)顧客にとって快適な体験を実現できる

OMOとは「Online Merges with Offline」の略で、オンラインとオフラインの併合を指し、近年OMOの概念が小売業などで注目されています。

OMOの目的は、顧客がオンラインとオフラインの垣根を意識せずにモノやサービスを購入する体験を提供し、ユーザーエクスペリエンス(UX:顧客体験)を最大化させることです。

つまり、オンラインとオフラインを融合させれば、顧客へより快適な体験を提供でき、顧客満足度やリードナーチャリングなどに役立つのです。

OMOが注目される背景には、スマートフォンの普及が急速に進んだことが挙げられます。OMOが利用されやすい環境が整ったことから、OMOによる新たな価値を顧客に提供しやすくなったといえるでしょう。

その他、カーシェアリングアプリや飲食店に導入されているモバイルオーダーなど、OMOを利用したサービスも次々に登場しています。OMOは今後のマーケティング戦略において定石となる可能性があるのです。

MAツールとは?機能や導入メリットを解説

ユーザーの嗜好が多様化してきた現代において、マーケティングの重要性は高まりつつあります。多様化に加えて変化も激しいため、マーケティングのために必要なデータの収集や分析は手動では厳しくなってきているのです。

マーケティングの効率化は各企業において重要な課題といえますが、この課題を解決に導くのがMAツールです。

MAツールにはさまざまな機能が備わっており、使いこなすためには事前準備が必要です。

ここでは、MAツールに備わっている機能にはどのようなものがあるのか、また導入することによるメリットについて具体的にご紹介します。

MAツールの代表的な機能

MAツールにはさまざまな機能が提供されているため、導入する場合はある程度各機能の概要を抑えておく必要があります。代表的な機能は以下の通りです。

リード管理機能

Webサイト上の訪問履歴といったオンラインの施策から、セミナーで得た名刺情報のオフラインの施策に関する内容まで、すべてを一元管理することが可能です。

スコアリング機能

顧客のアクションをスコアリングすることによって、スコアが高い顧客をシステムで通知してくれます。

自社サービスを利用する可能性のある見込み顧客を自動で洗い出せるため、効率的にアプローチすべき見込み顧客がわかります。

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MAツールの導入メリット

MAツールの導入を検討しているなら、費用対効果を考えなければなりません。そのためには得られるメリットを知っておく必要があります。

MAツール導入の大きなメリットは以下の2つです。

見込み客に適切な情報が配信できる

MAツールでは見込み客の履歴が蓄積されているため、履歴情報の分析が可能です。

分析することでどのような製品やサービスを提供すればいいのかがわかるため、見込み客が興味をもっている情報やコンテンツを適切なタイミングで届けることができます。

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受注率の向上

自社サービスに好意的なユーザーが自動で洗い出せるため、コンバージョン率の高い顧客を狙ったアプローチを実行しやすくなり、受注率のアップが見込めます。

MAツールでオンラインとオフラインの施策を統合する方法

オンラインとオフラインの施策を統合する上で大切なのが、ターゲットに合った方法で行うことです。間違ったやり方で統合してしまうと、意図した分析結果が導き出せなくなるなどの弊害が出るので注意しなければなりません。

失敗しないためにも、まずは自社サービスが企業向け(BtoB)なのか、それとも一般消費者向け(BtoC)なのかで分類するのがおすすめです。BtoB向けか、BtoC向けかで、マーケティングの方法が異なります。

さらに、MAツール製品には、BtoBに適しているものと、BtoCに適しているものがあるので、MAツール製品の事前知識も必要です。それぞれの違いを理解することで、最適なMAツールの選定や使い方ができるようになります。

(1)BtoBの場合

BtoBのマーケティングにおいては、セミナーや展示会といったオフラインの施策はオンラインと同じ程度の重要さがあります。

マーケティングを行う上ではどちらも欠けないようにする必要があるため、それぞれの施策結果をMAツールなどのシステムで一括管理することが好ましいでしょう。

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#1:展示会等のオフラインの施策で得た名刺情報をデータ化する

オフラインの施策で得た名刺情報を名刺入れに保管していても、社内のメンバーとの情報は共有できません。

データを共有して営業に活かすためにも、名刺などの情報は、デジタル化するのがおすすめです。

枚数が多くて面倒という人という場合でも、名刺管理システムを利用することで素早くデジタル化できます。また、名刺のデータ入力を代行するサービスなどもあるので、名刺をデジタル化する作業にリソースが割けない企業でも安心です。

MAツールの中には、名刺管理システムと連携できるものもあるので、名刺管理システムを利用する場合はそれに対応したMAツールを導入するとよいでしょう。

#2:アンケートやセミナーで得たリード情報をインポートする

イベントなどオフラインの施策では、見込み顧客にアンケートを実施することがあります。その際、共催の企業からCSVファイルなどのデータを入手できることもあります。

これらの結果も社内に共有すべき情報なので、デジタル化して一括管理することがおすすめです。

MAツールには、エクセルファイルやCSVファイルなどといった電子データを一括インポートする機能が備わっています。この機能を利用することで、短時間に情報をツール内にインポートすることが可能です。

なお、インポートしたデータ以外の情報も付与できます。後から見返した際に見やすいよう、接触したイベントの情報やアンケートから推測した顧客のステータスなどの情報を紐付けておくと、後の営業のフォローにも役立つでしょう。

#3:どのイベントに何回参加したか等の接触履歴を入れる

オフラインの施策として、名刺のデータやアンケートの回答結果などをデータに加え、どのようなセミナーやイベントに参加したか、またその回数などの情報を得ることもできます。

こうした接触履歴もマーケティング分析に活用できるので、システムで管理できるようにしておくことをおすすめします。

例えば、自社サービスの導入に関するセミナーに参加した見込み顧客は、そのサービスへの興味度合いが参加していない人よりも高いといえます。そこで、参加した見込み顧客は不参加の顧客よりもスコアリング情報を高く設定することで、営業活動を優先的に行えるようマーキングすることが可能です。

このように、顧客ごとにスコアリングすることで分析スコアリングの指標として使えるため、さまざまな効果的施策を打ち出すことができます。

(2)BtoCの場合

BtoCの場合、BtoBと違って基本的にはすべてが個人で完結するといった特徴があります。実際に自分で商品を購入する場合、検討してから購入まで一人で行うことがほとんどです。

そのため、BtoCの場合は多くの人数を管理する必要があり、購入までが早いのでマーケティングや営業活動においては素早い対応が不可欠です。

BtoCマーケティングでMAツールを導入する場合は、大量の顧客データを管理できるだけの容量があるか、また操作する回数が増える可能性があるかを考えて、操作性のよいものを選択する必要があります。

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#1:予めユニークなコードを付けた店舗で利用できるクーポンをオンラインで配布する

BtoC向けサービスでは、BtoBよりも数が多く、かつ多様性もある見込み顧客が対象となることから、より細かくデータを収集する必要があります。「この年代の人はこの商品を好む」といったデータが取れると、マーケティングにも活かしやすいからです。

見込み顧客と購買データを結びつけるやり方の例としては、「あらかじめユニーク(一意)なコードを付けた店舗で利用できるクーポンをオンラインで配布する」方法が挙げられます。

リピート顧客に対して、店舗で利用できるクーポンをアプリなどのオンラインで提供します。その際に、各クーポンコードをユニークにすることで、クーポン利用履歴からオンラインで実施した施策効果を計測できるというわけです。

また、登録時に年齢などの情報を入力してもらえば、どの年代がどのクーポンを利用したかなどの情報を得ることもできます。

MAツールを用いてオフラインのリードをオンラインで活かすポイント

MAツールを用いてオフラインのリードを把握した後は、どのようにオンラインで活かせばよいのでしょうか。

ここからは、オフライン施策で得た情報をオンラインで活用するポイントをご紹介します。

(1)オフライン施策ごとにリードに合わせたナーチャリング方法を検討する

展示会やセミナーなどのオフラインイベントに参加してくれた見込み顧客は、その後のナーチャリング方法によって、顧客になってくれるかどうかが分かれます。

適切なアプローチをしていくことで自社サービスへの印象を向上させ、利用してみたいと思われるようになるからです。

反対に的外れなアプローチをすると、見込み顧客の気持ちは冷めるので注意が必要です。

このような見込み顧客の状態によって、適切なナーチャリング方法は変わります。

例えば、参加者にメルマガを配信し、開封率やクリック率がいい見込み顧客に対しては次のセミナーのお知らせを行うことで、好意的な見込み顧客をナーチャリングしていくという方法があります。

反対に、反応が悪い見込み顧客に対しては過度なアプローチは行わず、挨拶やコラムなどを中心としたアプローチを継続し、徐々に関心や興味を高めていくといった方法が適切です。

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(2)お礼メール等を送ることでWebサイトへ誘導し、データを取得する

最初の接触がセミナーなどのオフライン施策だった場合は、MAツールでトラッキングすることはできません。

しかし、MAツールではオンライン施策とオフライン施策の統合が大切で、トラッキングできるようにする必要があります。

具体的には、イベント参加のお礼メールを送信する方法が一般的です。お礼メールは通常のメルマガよりも比較的開封率が高いため、お礼のメールにWebサイトなど見て欲しいページの導線を貼り付けましょう。

お礼メールについては受信者が知らないメールアドレスからのメールに驚かないよう、送信者の情報を開示するようにするなど、信頼性の高い内容も盛り込むことをおすすめします。

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オンラインとオフラインを統合し、効果的にMAツールを使おう

昨今のスマートフォンの普及やIoTの台頭によって、従来のマーケティング方法から変化しています。その結果がOMOによるサービス提供であり、それを支えるMAツールです。

コロナ禍の影響で減少しているオフラインイベントですが、オンライン上にないメリットがあるため、今後もなくなることはないと考えられます。オフラインの施策も効果的にMAツールに取り込みながら、自社の売上アップを図っていきましょう。

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