【最新】MAツールの市場規模はどれぐらい?導入率や市場シェアを解説
MA(マーケティングオートメーション)ツールの市場規模は、国内で600億円、世界では2026年までに39億ドルを超えると予想されています。この記事ではMAツールのシェア拡大の背景や導入率のほか、国内外で市場シェアが高いMAツールを紹介します。
目次
MAツールの市場規模が拡大している背景
「MAツール」の市場規模が拡大している背景としては、主に4つが考えられます。
- インターネット投資大国であるアメリカの影響
- 流入経路の多様化による営業プロセスの変化
- 生産性向上の必要性
- コロナ禍による働き方の変化
以下で具体的に解説します。
(1)インターネット投資大国であるアメリカの影響
MAツールの市場規模が拡大している背景として、アメリカの影響が考えられます。アメリカは国土が広いため、対面での営業活動が難しい環境にあります。
そのため、遠隔地同士でも可能な営業方法を模索してきた結果、IT化が進んだこともあり、近年ではデジタルマーケティングが主流になっています。そして、マーケティングについても発展し、マーケティングオートメーション(MA)が普及しています。
これに対して日本は、国土が狭く移動も難しくないため、信頼関係を築きやすい対面営業が主流でした。
そして、対面営業を重視してきた人間が経営層に就いている背景もあり、マーケティングへの取り組みが遅れていましたが、アメリカの影響を受けて、現在、日本においてもマーケティングオートメーションの導入が進んでいます。
(2)流入経路の多様化による営業プロセスの変化
インターネットの普及によって、流入経路の多様化が進んでいることも理由に挙げられます。現在はウェブサイトやSNSなど、さまざまな媒体を介して商品やサービスの情報を得られる時代です。
対面や電話で営業した時点では既に商品やサービスを知っていることも多いため、ほしいと感じる人以外は、おそらく話を聞いてくれないでしょう。このような背景から、インターネットによる営業活動に切り替える企業が増えています。
特に近年では、顧客一人ひとりに適したアプローチを行わなければ購買行動につながりにくいため、顧客分析・営業分析を自動的・効率的に行えるMAツールに注目が集まっています。
▷MAツールがなぜ重要なのか?事業にとっての必要性や具体的な活用法を解説
(3)生産性向上の必要性
生産性向上の必要性が高まっていることも、MAツールの市場規模が拡大している理由の一つです。
少子高齢化や人口減少による人材不足が顕著になっている昨今、政府により働き方改革が進められているため、営業活動の効率化や生産性の向上を図れるMAツールは、多くの企業から注目を集めています。
(4)コロナ禍による働き方の変化
MAツールは、コロナ禍の影響で市場規模が拡大したと考えられます。従来、主流だった対面営業がコロナ禍で行いづらくなり、また、テレワークが中心になったため、営業方法を変更せざるを得ない状況になりました。
そこで、インターネットを介して行えるデジタルマーケティングへ移行し、MAツールの導入を検討する企業が増えてきたと考えられます。
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MAツールの2021年の市場規模
MAツールの市場規模は、日本と海外では大きく異なります。2021年時点の国内外の市場規模は以下のとおりです。
(1)日本国内の市場規模は600億円
株式会社矢野経済研究所の2021年の調査では、日本国内のMA市場規模は、2021年には600億円まで成長する見込みと発表されました。
2020年は約540億円だったことからも、順調に市場規模が拡大していることがわかります。新型コロナウイルスの感染拡大によりさまざまな市場のオンライン化が進んだことを受け、MAツールへの投資も進んだと考えられています。
参考:矢野経済研究所「DMP/MA市場に関する調査を実施」
(2)海外の市場規模は2026年までに63億ドルに成長すると予想
新型コロナウイルスの感染拡大は、海外市場にも影響を及ぼしています。2021年の「グローバルマーケティングオートメーション市場レポート」では、世界中でDX化が進み、2021年のMAツールの米国市場は12億ドルに達する見込みと発表されました。
また、中国市場は2026年までに8億9840万ドルまで成長する見込みのため、世界全体のMAツールの市場規模は、2026年までに63億ドルと著しい成長を遂げることが予想されます。
参考:GlobeNewswire「グローバルマーケティングオートメーション市場レポート」
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日本国内のMAツールの導入率
日本は海外と比べると、MAツールの導入率が低い傾向にあります。2021年時点の日本国内におけるMAツールの導入率を解説します。
(1)日本国内企業の導入率は1.2%
2021年、株式会社Nexalが日本国内の企業約58万社にMAツールの導入の有無を調査したところ、6,866サイト、つまり国内企業全体の1.2%が導入済みであると回答しました。
MAツールの導入には多額のコストがかかることから中小企業での導入が進みにくく、結果として国内全体での導入率は低くなっています。
(2)上場企業の導入率は11.3%
同調査によれば、国内企業約58万社のうち、上場企業は2021年1月時点で3,824社、MAツール導入済みの企業は431サイトであり、上場企業だけで見るとMAツールの導入率は11.3%と、2020年1月時点の8.9%から、2.4%上昇しています。
コロナ禍の後押しもあり、MAツールの市場が少しずつ拡大しているのがわかります。これをみると、国内上場企業には資金力が高い背景もあり、中小企業よりも導入率が高いといえるでしょう。
参考:株式会社Nexal「MAツール実装調査」
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日本国内で市場シェアが高いMAツール
日本は対面営業の文化が強いため、アメリカと比較すると、MAツールの導入について検討中の企業が多いのが現状です。そのため、国内ではフリープランやトライアル期間を設けたり、低価格なMAツールの市場シェアが高くなっています。
なお、日本国内で市場シェアが高いMAツールは以下のとおりです。
(1)Marketing Cloud Account Engagement
Marketing Cloud Account Engagementは、Salesforceと一体化しているMAツールです。スコアリング機能で見込み客の確度を計測し、適切なタイミングでその見込み客にメールを送信できます。
また、ROI(投資対効果)の測定を行い、マーケティング施策の成果を見える化できるのが特徴です。
提供元 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | Growth:16万5000円(税込)/月 Plus:33万円(税込)/月 |
導入実績 | 非公開 |
機能・特徴 | WEBトラッキング、スコアリング、グレーディング、シナリオメールシステム、ダイナミックコンテンツ、Salesforce連携、ライフサイクルレポート、キャンペーンレポート |
URL | 公式サイト |
(2)BowNow
BowNowは、国産のMAツールのうち最も導入社数が多いMAツールです。自社サイトに訪れた見込み客の情報を収集・分析して、その見込み客に有益な情報を配信できます。
見込み顧客との関係を築きやすいため、効果的なタイミングで商談のアプローチができるのが特徴です。また、フリープランも選べるので、導入のハードルが低いのも大きなメリットです。
提供元 | クラウドサーカス株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ ※フリープランは無料 |
料金プラン | フリー:無料 エントリー:13,200円(税込)/月 |
導入実績 | 11,000社以上 |
機能・特徴 | ユーザーの情報分析、アクセスログ解析、フォーム作成、条件検索、メール配信、ABMテンプレート、追客アラート、商談履歴管理、ユーザーアクションの分析、Cookie取得一覧表示、アカウント作成無制限Salesforce連携 |
URL | 公式サイト |
(3)Adobe Marketo Engage
Adobe Marketo Engageは、アドビ株式会社が提供しているMAツールです。
蓄積した行動データを活かして顧客体験を設計し、関係を構築できます。機能が多く、マーケティングだけでなくインサイドセールスや営業にも活用できるのが特徴です。
提供元 | アドビ株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | Seleect:要問い合わせ Prime:要問い合わせ |
導入実績 | 非公開 |
機能・特徴 | クロスチャネルエンゲージメント、ソーシャルマーケティング、電子メールマーケティング、モバイルマーケティング、デジタル広告、ダイナミックチャット、セールスインサイト、セールスコネクト、アカウントプロファイリング、ターゲットアカウント管理、予測オーディエンス、リードジェネレーション、セグメンテーション、ターゲティング、コンテンツパーソナライゼーション、マーケティングアナリティクス等 |
URL | 公式サイト |
(4)List Finder
List Finderは、BtoB企業のマーケティングに必要な機能のみを搭載したMAツールです。
低価格で利用できたり、わかりやすいUIになっていたりと、導入のハードルが低いのが特徴です。また、導入初期は担当コンサルタントがサポートしてくれるので、MAツールになじみがない企業でも利用しやすいといえます。
提供元 | 株式会社Innovation & Co. |
初期費用 | 10万円 ※フリープランは無料 |
料金プラン | フリー:無料 ライト:39,800円/月 |
導入実績 | 累計導入実績1,600アカウント以上 |
機能・特徴 | 名刺データ化代行、企業属性付与、フォーム作成、Sansan連携、メール配信、アクセス解析、PDF閲覧解析、セミナー管理、スコアリング、優先リード通知、アプローチ管理、Salesforce連携 |
URL | 公式サイト |
世界で市場シェアが高いMAツール
海外では、多機能のMAツールが人気を集めています。国土が広いアメリカではデジタルマーケティングが主流のため、高額なMAツールも積極的に導入する企業が多くなっています。
オンラインで関係性を深める必要があるという背景もあり、顧客育成に力を入れているMAツールが多く導入されているのです。
なお、世界で市場シェアが高いMAツールは以下のとおりです。
(1)HubSpot
HubSpotは、幅広い業務に利用できるCRMプラットフォームです。MAツール以外にカスタマーサービスやコンテンツ管理なども行うことができます。また、ソフトウェアを組み合わせれば、マーケティング業務をHubSpotのみで完結できるのも特徴です。
提供元 | HubSpot Japan株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | <大企業向け>
<小規模企業向け>
|
導入実績 | 15万8000社 |
機能・特徴 | 商談スケジュール設定、SNSツール、Eメールトラッキング、Eメールオートメーション、広告ツール、Eメールマーケティング、リード管理、パイプライン管理、ウェブサイト作成ツール、セールスEメールテンプレート、フォーム作成ツール、チャットボット作成ツール、ランディングページ作成ツール、マーケティングアナリティクス |
URL | 公式サイト |
(2)Adobe Experience Cloud
Adobe Experience Cloudは、コンテンツ管理やキャンペーン管理を得意とするMAツールです。
「Adobe Target」では過去の顧客行動を分析し、顧客に応じたコンテンツの出し分けができるので、顧客に合わせたマーケティングを展開したい企業におすすめなMAツールです。また、マーケティングに必要な機能がそろっているため、使い勝手もよいでしょう。
提供元 | アドビ株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 非公開 |
機能・特徴 | 顧客接点のデータ分析、顧客に応じた情報提供、Webコンテンツ管理、高度なセグメント作成、オンライン広告の効果予測と投資の最適化、顧客対話の管理と自動化、動画配信・コンテンツのマネタイズ |
URL | 公式サイト |
(3)Oracle Marketing Cloud
Oracle Marketing Cloudは、高いセキュリティレベルを誇るMAツールです。国が公的に認めるほどのセキュリティレベルのため、情報セキュリティ要件が厳しい企業でも対応できます。
すでにOracle製品を利用している場合は導入がスムーズになるのが特徴です。また、フリープランがあるので、一度試してから導入を検討できるのもメリットといえます。
提供元 | 日本オラクル株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 非公開 |
機能・特徴 | カスタマー・データを統合した有効活用、関連するエクスペリエンスをリアルタイムで提供、B2B・B2Cキャンペーンやカスタマー・エクスペリエンスを構築、購買行動・好みに基づいてパーソナライズされたキャンペーンを提供 |
URL | 公式サイト |
(4)Active Campaign
Active Campaignは、特にメールマーケティングに力を入れているMAツールで、メールマーケティングに必要な多くの機能を搭載しています。テンプレートを使えば、簡単にデザイン性の高いリッチメールを作成できるのが特徴です。メールマーケティングの自動化に力を入れたい企業に向いているでしょう。
提供元 | ActiveCampaign, LLC |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ライト:29ドル/月 プラス:49ドル/月 |
導入実績 | 170か国(18万人以上) |
機能・特徴 | メールマーケティング、セグメンテーション、動的コンテンツ、配信成功率、連絡先管理、自動リードナーチャリング、高度なレポート、動的コンテンツ、CRM、リードマグネット&フォーム、当選確率、セールスエンゲージメント、サイトメッセージ、SMS、エンゲージメントの追跡、サイトの追跡、リードスコアリング、パイプラインの自動化など |
URL | 公式サイト |
MAツールの市場規模は拡大傾向!早めの導入検討を
MAツールの市場規模は、国内外ともに拡大傾向にあります。顧客分析・営業分析を行った上でマーケティング活動を行えば、顧客獲得や売上アップにつながるでしょう。
ライバル企業の前に導入すれば、より高い効果も期待できます。もし、有料のMAツールに手を出しにくいという場合は、無料で始められるMAツールの導入を検討するのがおすすめです。
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