マーケティングオートメーション(MA)の成功事例12選!導入成功の秘訣は?

最終更新日時:2023/02/07

MAツール

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マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入して成功している企業は数多くあります。本記事ではマーケティングオートメーションの成功事例12選と、導入成功の秘訣について紹介します。またMAツール導入の目的からメリットまで詳しく解説していきます。

MAツールとは?

MAツールとは、新規顧客の獲得や見込み顧客の育成のために行うマーケティング活動を効率化するITツールです。主な機能として、以下の内容が挙げられます。

  • 顧客情報の管理
  • 顧客のスコアリング
  • メールの自動配信
  • レポーティング
  • Webサイトの制作やアクセス解析

MAツールを活用することでマーケティングの工数を自動化し、手作業での業務を削減することで、業務の効率化を行います。

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MAツールを導入する目的について

MAツール導入の主な目的は、商談の前から顧客と接点を持てる点です。

インターネットを通じて誰でも情報収集ができる環境なので、購入したい商品・サービスがあれば、顧客は自らインターネットで情報を収集し、購入するか判断しています。

つまり、顧客は企業に相談する前に比較・検討から購入を終えているのです。そのため、いち早く自社の商品・サービスを知ってもらわなければ、比較・検討されません。

このような背景から、顧客情報をもとにした見込み顧客の抽出や、各顧客の検討段階に合わせたアプローチ方法の提案などを得意とするMAツールを導入する企業が増えつつあります。

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MAツール導入のメリット4選

ここからは、MAツールを導入する4つのメリットを紹介します。

(1)顧客とコミュニケーションが取れて関係性を構築できる

メール配信などで顧客とコミュニケーションを取ることが可能です。MAツールでは、以下のような内容を分析できます。

  • Webサイト内でどこに注目していたのか
  • どのような顧客が資料をダウンロードしたのか
  • 配信したメールの何に反応したのか

分析を行うことで、各顧客のニーズや好みを把握できます。また、顧客に合わせた最適な情報を提供することで、顧客は「欲しいタイミングに欲しい情報を与えてくれる」と考え、よりよい関係性の構築につながるのです。

(2)多角的に高度な分析が実現する

MAツールに蓄積されたデータを活用すると、顧客情報や実施した施策の結果などから、高度な分析を行えます。手作業で分析を行う場合、情報の収集からレポートの作成まで多くの工数が必要です。

しかし、MAツールを使うことで顧客情報の管理から分析・レポーティングまで一気に行えるため、多角的かつ高度な分析が可能になります。

例えばMAツールでは、メールマーケティングに関する以下のような機能が備わっています。

  • メールの開封率
  • メールの閲覧回数
  • メールからのアクセス数
  • メールの回帰率

MAツールに搭載された機能を使うことで、実施したメールマーケティングがどれだけの効果を発揮したのか、具体的な数値で把握できます。

そのため、次回の施策をどうすればよいのか具体的な改善につながるので、MAツールによって多角的な分析が可能になります。

(3)質の高い商談を設定できる

MAツールは顧客をスコアリングし、成約見込の高い順に顧客を抽出します。そのため、購買意欲の高い見込み顧客に絞ったアプローチが可能となり、成約率の高い商談が設定できるでしょう。

例えば、Webサイトに1度訪問しただけの顧客と資料ダウンロードを行っている顧客では、後者のほうが成約見込が高いといえます。

しかし、MAツールがなければ顧客のWebサイト内における行動が分析できないため、アクセス解析を行ったところで情報を見落としてしまう可能性があります。

MAツールを活用すれば、Webサイトの滞在時間などの行動を詳細に把握できるうえ、顧客が特定の行動を起こした際に通知をしてくれる機能もあります。

このように、MAツール導入によって、質の高い商談設定や失注防止につながるでしょう。

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(4)マーケティング業務の工数を削減できる

マーケティングは、多くの工数がかかります。

  • リスト作成
  • 顧客との接点づくり
  • 顧客分析
  • メール配信
  • 提案
  • レポート作成

多くの工数をかけることで成約やリピート購入につなげていきますが、顧客数が増えると担当者の負担は大きくなります。

しかし、MAツールを導入することで工数のほとんどを自動化でき、自動化が難しい提案も、顧客分析の結果をもとにした最適な提案・アプローチが可能になるので工数削減ができます。

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MAツールの成功事例12選

MAツールの導入・運用によって成功した企業の事例12選を紹介します。

(1)SREホールディングス

SREホールディングスは、不動産の売買仲介や賃貸管理を行う企業です。同社では、以下の内容を目標として掲げていました。

  • CPA(顧客獲得単価)を下げつつ問い合わせ数を増やす
  • サービス実装やキャンペーン実施のPDCAサイクルを高速化させる

そして、目標を達成するにはマーケティング基盤の整備が必要と判断し、MAツールを導入しました。

MAツールを導入し、各顧客に最適なコンテンツを配信するメールマーケティングを実施したことで、問い合わせ数が半年で2.5倍にも増加しました。

また、MAツールで一部の業務を自動化したため、キャンペーン業務の効率化にもつながっています。

(2)日本経済新聞社

日本経済新聞社では、営業部門とマーケティング部門でそれぞれ組織が構築されていたため、見込み顧客の育成やクロスセルが効率的に行えないという課題がありました。

そこで同社では、組織体制の見直しとマーケティング基盤の整備を行いました。

MAツール導入後は、MAツールを通じて顧客情報を客観的に捉えることが可能になり、営業部門とマーケティング部門の両方で見込み顧客に対して同じ認識でのアプローチができるようになりました。

また、サービス試用の申込があった際に、MAツールに蓄積された顧客の属性情報や行動履歴などを活用することで、関心がありそうな他サービスの提案をあわせて行えるようになりました。

このように、MAツールの導入によって効率的な見込み顧客の育成とクロスセルが実現しています。

(3)ビープラウド

ビープラウドは、システム開発事業や、プログラミング教育事業や技術書執筆・監修事業などを行っている企業です。

MAツールを導入した目的は、同社初となるBtoC事業を展開する際の認知度アップでした。

初のBtoC事業のため認知度が低く、購入以前にリードを獲得できないという課題がありました。そこで、MAツールを活用して各顧客の検討段階に合わせたメールマガジンの配信を行っています。

主な事業内容は、プログラミング言語「Python」のオンライン学習サービスで、実際のメールマガジンでは、以下のように段階的に内容を変えながら配信を行いました。

  1. プログラミングへの関心
  2. プログラミング言語「Python」への関心
  3. オンライン学習への関心

MAツールを通じて顧客の検討段階を予測しながら、メールマガジンの内容を工夫したことで、認知度アップ・無料試用・有料会員獲得といった効果が出ています。

(4)マックスプロデュース

マックスプロデュースは、社員総会や株主総会などのイベント企画・実施・運用を手がける企業です。

そもそもイベント制作業界は、新規顧客獲得が難しいという傾向があり、同社でも顧客へのアプローチの仕方に対する課題がありました。

そこで、Webサイト内で顧客行動を分析しニーズを測定するために、MAツールを導入しています。

MAツールでWebサイト内の顧客の行動を分析したところ、半年以上前に問い合わせがあり契約には至らなかった顧客が再度Webサイトに訪問していることが分かりました。そこで、顧客にコンタクトを取るとアポイントにつながっています。

このように、MAツールを使って分析することで検討を繰り返している顧客を発見できたからこそ、効率的な顧客獲得につながっています。

(5)LIG

LIGは、Webサイトの制作・運用やコンテンツ制作を手がける企業です。同社の営業部門には、以下のような課題が挙げられていました。

  • 営業電話をかけるリストがない
  • 営業電話をかける相手の検討レベルが分からない

営業部門の課題を解決するために、MAツールを活用して、同社が運営する実績ページや問い合わせページなどに訪問したユーザーのみを抽出しました。

このように、成約見込の高い顧客のみに営業電話をかけることで、アポイントの獲得率が6.3%から11.9%に引き上がりました。

(6)東洋ビジネスエンジニアリング

東洋ビジネスエンジニアリングは、生産管理パッケージの開発・販売を行う企業です。MAツール導入以前は、セミナーの実施や展示会への出展で新規顧客を獲得していました。

しかし、消費行動が変化している中で、従来のやり方を行っても新規顧客の獲得が困難になったことから、MAツールを活用した「インバウンドマーケティング」を開始したのです。

MAツールはWebサイト修正を簡単に行えるため、以前は1週間必要だった修正も1時間で完了するようになり、作業コストを大幅に削減しました。

さらに、MAツールで顧客をセグメント分けし、特定のセグメントに最適なメールを配信したことで、回帰率は40%ほどにも上昇しています。

(7)one visa

one visaは、外国籍の人材を採用する際に行うビザの取得や管理ができるクラウドサービスの提供企業です。

同社では、外国籍の人材を採用したい企業向けのサービスを提供しているため、ターゲットが限られてしまうという課題がありました。

そこで同社は、限られたターゲットのリード獲得には、オウンドメディアの運営が最適であると判断し、MAツールを導入しています。

MAツールはターゲットがどのようなキーワードで検索するのかを分析し、分析内容をもとに作ったディレクトリマップを意識しながらコンテンツ制作を進めました。その結果、MAツール導入とオウンドメディアの立ち上げから約1年半で、PV数が154倍にも伸びています。

(8)キリン

大手飲料メーカーのキリンは、ECサイト「キリンオンラインショップDRINX」を運営しています。しかし、サービス開発や展開が加速することで、マーケティング業務が追いつかないという課題がありました。

そこで、マーケティング業務の効率化を行うべく、MAツールを導入しメールマーケティングに活かします。

工数が多くPDCAを回しにくいメールの配信業務が、MAツールを活用することで顧客情報の一元管理を可能にしました。

また、いつ・誰に・どのようなメールを配信すればよいかが明確に分かる効率的な業務へと変化しています。

(9)ベネッセコーポレーション

ベネッセコーポレーションは、生活・語学・教育・介護など、幅広い事業を展開する企業です。しかし、運営するWebサイトが多く、顧客解析にかかる負担が大きいという課題を抱えていました。

そこで、複数サイトの顧客情報を一元管理するため、MAツールを導入しました。MAツールは、連携したWebサイトの顧客情報をすべて統合できるため、多くの顧客情報をMAツールで横断的に確認・管理できます。

そのため、それぞれのWebサイトにあった顧客情報を収集・分析する必要がなくなり、分析者の作業負担を大幅に削減しています。

(10)近畿日本ツーリスト

大手旅行会社の近畿日本ツーリストは、電話や訪問での法人営業をメインに行っていました。

しかし、電話・訪問による法人営業は非効率で、インターネット経由での申込が増えたことから、デジタルマーケティングへとシフトチェンジする必要がありました。

そこで、同社はMAツールを導入し、効率的な営業活動を目指しました。実際にMAツールを活用した施策は、以下の通りです。

  • 顧客スコアリングによる優先顧客の抽出
  • 顧客ニーズの分析
  • 分析データ蓄積の自動化

MAツールを活用した施策で成約率を高めただけでなく、「顧客ニーズの分析→分析データの蓄積」を行うことで、徐々に分析の精度を高めるといった好循環も生み出しました。

(11)シンコム・システムズ

シンコム・システムズは、企業向けにシステム開発・販売を行う企業です。

同社の営業は、顧客リストから見込み顧客に絞った営業活動を行ってきましたが、分析精度が低く、成約獲得には多くの時間とコストがかかっていました。

そこで、顧客リストの分析を最適化するため、MAツールを導入しました。MAツールは各顧客の検討レベルが可視化されるため、成約率の高い顧客を抽出することができます。

さらに、顧客分析でニーズや好みを把握できるようになったため、顧客に合わせた最適な商品の提案も可能になっています。

(12)カケハシ

カケハシは、調剤薬局の業務負荷を軽減するソフトウェアを提供している企業です。

しかし、調剤薬局にとってITシステムは高価で、ソフトウェアにまったく関心を持ってくれませんでした。そのため、同社は自社サービスを薬局に知ってもらうことが課題でした。

また、同社には営業部門があるもののマーケティング部門はなく、事業が拡大すると営業部門の負担も大きくなっていきました。

そこで、マーケティング部門の設立と同時に、営業部門とマーケティング部門の連携を図るべくMAツールを導入しています。

MAツールの導入後は、営業部門とマーケティング部門でデータが連携されたため、最新のマーケティング情報を活かしながらの営業活動が可能になりました。

具体的には、営業電話をかける直前に、「顧客が見ていたWebページの内容」「顧客が反応したメールの内容」などを確認することで、より顧客のニーズに合わせた提案が可能になっています。

自社に最適なMAツールの選び方とは?目的や機能など選定ポイントを解説

MAツール導入成功の秘訣

MAツール導入で成功している企業に共通するのは、MAツールを導入する目的が明確になっていることです。MAツールの導入目的が明確になっていることで、活用方法も明確になります。

また、MAツールは種類もさまざまで、備わっている機能や得意とする業種・企業規模など、それぞれ特徴があります。

そのため、MAツールの導入目的を明確にし、自社にとって最適なMAツールの選定と効果的な活用方法で、MAツール導入・運用を成功に導くことが大切です。

【費用が安い】おすすめMAツール7選!機能や導入コストを徹底比較!

MAツール導入に成功した企業事例から活用法を学ぼう

MAツールは、マーケティング施策や工数の削減などをサポートするツールです。

しかし、適切な活用ができていなければ、思ったような効果は出せません。本記事を参考に、他企業の成功事例を自社のMAツール活用に役立て、効果を最大化させましょう。

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ビズクロ編集部
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