社内SEはアウトソーシングできる?メリット・デメリットや対応可能な業務を解説

最終更新日時:2023/09/22

アウトソーシング

社内SEのアウトソーシング

企業のIT環境を維持するには、社内SEが必要不可欠です。しかし、優秀なIT人材の確保や育成は、コストや手間がかかります。当記事では、社内SEをアウトソーシングするメリットやデメリット、対応可能な業務について解説していきます。

社内SEはアウトソーシングできる

アウトソーシングとは、普段おこなう業務の一部を外部へ委託することです。たとえば、顧客からの電話対応を専門のコールセンター企業にアウトソーシングするなどがあります。

そして、社内SEについても同様にアウトソーシングすることができます。社内SEの業務をアウトソーシングできる範囲としては、システムの運用・保守や社員からの問い合わせ窓口を担うヘルプデスク業務などが挙げられます。

アウトソーシング先によっては、経営戦略が対応可能な会社も存在するため、委託できる範囲は広範囲であるといえるでしょう。

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社内SEのアウトソーシングにかかる費用相場

社内SEをアウトソーシングすることで発生する費用は、委託する企業やプランなどによっても大きく異なります。一例としての費用相場は下記の通りです。

仕事内容費用相場
PCの管理・キッティング作業5〜20万円/月
ヘルプデスク業務5〜20万円/月
システム運用15〜30万円/月

社内SE業務でアウトソーシング可能な業務範囲

社内SE業務の中でアウトソーシングが可能な対応業務については、以下のとおりです。

  • PCの管理や設定
  • ヘルプデスク業務
  • ITインフラの構築
  • システムの運用や保守

それぞれ詳しく見ていきましょう。

PCの管理や設定

社内SEでは、通常業務として同じ会社の社員が利用するPCの管理や設定(キッティング)をおこないます。たとえば、PCの配備やOffice365の設定、ファイアウォールの設定などを実施するケースが多いです。

ファイアウォールとは、総務省によると下記のように定義されています。

インターネットの世界では、外部のネットワークからの攻撃や、不正なアクセスから自分たちのネットワークやコンピュータを防御するためのソフトウェアやハードウェア

[出典:総務省「国民のための情報セキュリティサイト」]

このようにPCに関わるさまざまな設定・管理のアウトソーシングが可能です。

ヘルプデスク業務

社内SEは、社員からIT全般に関する問い合わせに対応する、ヘルプデスク業務を担います。問い合わせ内容はさまざまで、「マウスの接続方法がわからない」のように簡単な内容から「ネットワークの調子が悪いから見に来て欲しい」など少し重たい内容の場合もあります。

社内からの問い合わせに対応している間は自身の作業が滞ってしまうため、アウトソーシングすることで、時間を有効活用できるメリットは大きいといえるでしょう。

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ITインフラの構築

社内SEは、企業の業務効率化を図るために、基幹システムの構築や新規事業所のネットワーク・サーバーなどのインフラ構築を担います。事業所が複数存在する場合は、社内SEが少人数体制になってしまったり、そもそも社内SEがいない際には対応のために移動したりなどの工数が増加するのです。

また、社内で利用するWebサーバーや、メールにおけるネット回線を用いたサービスの構築のように、社内での構築が難しいという理由からアウトソーシングしている企業は多いです。

システムの運用や保守

防犯カメラやWi-Fiルーターなど、さまざまな機器・システムにトラブルが生じないように監視することも、社内SEの業務です。社内SEは、企業が業務を円滑におこなうためのシステムを安定して稼働させられるように、さまざまな対策を講じます。

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社内SEをアウトソーシングするメリット

社内SEをアウトソーシングするメリットは、以下のとおりです。

  • 自社が求めるシステムの構築や運用をおこなえる
  • 重要な業務にリソースを割ける
  • 人件コストを抑えられる
  • 依頼先がトラブルに対応してくれる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自社が求めるシステムの構築や運用をおこなえる

すべての社内SEが事業に必要となるレベルのシステムを構築できるとは限らず、DX化の進む現代において求められる技術や知識を把握し、システムの構築・運用をおこなっていく必要があります。しかし、自社の社内SEが現代に適した技術・知識を保有していない場合も考えられるでしょう。

そこで、社内SEのアウトソーシングにより企業のニーズや環境の変化に柔軟に対応することが可能です。アウトソーシングする業務と自社で対応する業務を洗い出し、分担することにより事業運営の効率化に期待できるでしょう。

重要な業務にリソースを割ける

社内SEをアウトソーシングするメリットとして、重要な業務にリソースを割けることも挙げられます。社内SEの業務の多くは、社員からの小さな問い合わせからシステム開発、インフラ構築、事業所で発生したITインフラのトラブル対応などさまざまです。そのため、企業に利益をもたらすような業務に専念できず、「コスト部門」と呼ばれることも珍しくありません。

そこで社内の問い合わせやインフラ周りをアウトソーシングすることで、企業の利益に必要な業務のみに注力することができます。重要な業務に人的リソースを割くことができれば、企業の売上や生産性の向上に期待できるでしょう。

人件コストを抑えられる

人件コストを抑えられる点も、社内SEをアウトソーシングするメリットの一つです。社内SEを新規で雇用・育成するには、多大な人件費がかかります。経済産業省の調査によると、2030年までのIT人材の不足数を計算した場合、約40〜80万人不足するといわれているため、社内SEを確保できない可能性も考えられるでしょう。

そこで、社内SEのアウトソーシングにより人材を短期間で確保できるほか、専門的な知識を保有した人材が担当してくれるので、即戦力に期待できます。

また、ヘルプデスク業務やインフラ整備などの業務をアウトソーシングできるため、社員は重要な業務に時間を割くことが可能です。

このように、社内SEのアウトソーシングは、人材確保のための人件コストや育成のための教育コストを削減できる点が魅力的といえるでしょう。

[出典:経済産業省「参考資料(IT人材育成の状況等について)」]

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依頼先がトラブルに対応してくれる

企業によっては夜間や休日などに業務が滞るとまずいため、トラブル発生時は社内SEが夜勤や休日出勤が発生する場合があります。このような対応では、長時間労働になることも珍しくなく、社内SEの肉体的・精神的負荷が大きくなってしまうのです。

しかしアウトソーシングする場合は、アウトソーシング先がトラブル対応してくれるため、自社社内SEの負荷軽減が可能です。

サービスレベルに応じた保守作業内容が用意されているので、自社の業務に適したアウトソーシング先を選定するようにしましょう。

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社内SEをアウトソーシングするデメリット

社内SEをアウトソーシングするデメリットは、以下のとおりです。

  • 社内にノウハウが蓄積されにくい
  • 認識や指示のズレが生じやすい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

社内にノウハウが蓄積されにくい

社内にノウハウが蓄積されにくいといった点が、社内SEをアウトソーシングするデメリットです。業務を外部にアウトソーシングするため、トラブルの対応方法やインフラ整備などのノウハウが社内に蓄積されにくくなります。また、自社で社内SE業務に対応できる人材が育成できず、委託先に頼り続けたままになる可能性も考えられるでしょう。

そのため、アウトソーシング先の経営破綻やサービスの撤退のようなリスクを考慮し、社内SEにおける業務の内容や進め方を可能な限り把握しておくことが大切です。

認識や指示のズレが生じやすい

アウトソーシングすると、依頼先・クライアントのそれぞれが離れた場所で作業を実施するケースがあるため、コミュニケーションをとるのが難しく、お互いの認識や指示のズレが生じやすいデメリットが存在します。

たとえば、マクロ構築などで実装して欲しい内容を指示した際に、アウトソーシング先が適切な理解をしていない場合、一から組み直さなければなりません。

また自社の業務に変更が生じた場合は、アウトソーシング先と連携をとる必要があるため、対応に時間がかかることもあります。アウトソーシング先とのコミュニケーションがうまく取れていなければ、アウトソーシングした効果が薄れる可能性があるため注意が必要です。

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社内SEにおすすめのアウトソーシング先

社内SEにおすすめのアウトソーシング先を3つ紹介します。

Chatworkアシスタント

Chatworkアシスタントは、月に10時間から企業が必要なタイミングでHP制作やWebサイトの更新などのアウトソーシングすることが可能なサービスです。

また、専門性に長けた人材がアサインされるので、社内SEの採用・育成におけるコストを削減することも可能です。

提供元Chatwork株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • 1ヶ月プラン:47,000円~/月
  • 3ヶ月プラン:45,000円~/月
  • 6ヶ月プラン:40,000円~/月
  • 年間プラン:35,000円~/月
  • カスタムプラン:要問い合わせ
機能・特徴
  • Web制作
  • HP制作
URL公式サイト

Total IT Helper

Total IT Helperは、リップル株式会社が提供しているアウトソーシングサービスです。ネットワークの構築やキッティング、ITコンサルティングなどの様々な業務に対応しています。

高いITスキルと豊富な実績を持っているスタッフが課題を解決してくれて、企業内の負担軽減・コストの削減が期待できます。

提供元リップル株式会社
初期費用10,000円
料金プラン
  • ヘルプデスクプラン:2,000円~/PC1台
  • 情シス代行プラン:3,000円~/PC1台
  • プレミアムプラン:5,000円~/PC1台
  • カスタマイズプラン:要問い合わせ

※最低利用期間:半年

導入企業数42,668社(2023年2月現在)
機能・特徴ヘルプデスク、OA機器管理、コンサルティングなど
URL公式サイト

IT無双

IT無双はシステムの保守〜運用やITコンサルティングなどをはじめとした、IT関連の業務をまとめて解決してくれるITアウトソーシングサービスです。

SEの日常的な業務の代行や生産性の向上に向けたシステムの構築・運用などの多岐にわたる業務に対応してくれます。なお、ライト・ベーシック・プレミアムの3つのプランを提供しているため、自社の状況やコストにあわせて最適なプランを選べるのも特徴です。

提供元有限会社こだまシステム
初期費用無料
料金プラン
  • ライトプラン:55,000円(税込)〜
  • ベーシックプラン:220,000円(税込)〜
  • プレミアムプラン:550,000円(税込)〜
機能・特徴社内ヘルプデスク、システム運用代行、システム障害対策、ITコンサルティングなど
URL公式サイト

社内SEをアウトソーシングして会社のITインフラを整えよう

企業の経営には、社内のITインフラ構築や業務効率化のために社内SEが欠かせません。しかし、現代のニーズに適した人材が常に確保できるとは限らず、新規で採用するにも採用・教育コストがかかります。

そこで、社内SEをアウトソーシングすることで、専門性を備えた人材をヘルプデスク業務やPC管理などのノンコア業務へアサインすることが可能です。ITインフラを低コストかつ効率的に整えられるほか、社内SEが自社に存在する場合は、企業の売上につながる「コア業務」に注力できます。

企業の売上向上やITインフラ整備を効率的におこないたい方は、社内SE業務のアウトソーシングを検討してみましょう。

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ビズクロ編集部
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