社内SEはアウトソーシングできる?対応可能業務や採用する場合との違いを解説

最終更新日時:2023/05/29

アウトソーシング

社内SEのアウトソーシング

企業のIT環境を維持するには、社内SEが必要不可欠です。しかし、優秀なIT人材の確保や育成は、コストや手間がかかります。当記事では、社内SEをアウトソーシングに依頼できるのか、対応可能な業務や自社で採用する場合との違いを解説します。

社内SEはアウトソーシングできる

アウトソーシングとは、普段おこなう業務の一部を外部へ委託することです。たとえば、顧客からの電話対応を専門のコールセンター企業にアウトソーシングするなどがあります。

そして、社内SEについても同様にアウトソーシングすることができます。社内SEの業務をアウトソーシングできる範囲としては、システムの運用・保守や社員からの問い合わせ窓口を担うヘルプデスク業務などが挙げられます。

アウトソーシング先によっては、経営戦略が対応可能な会社も存在するため、委託できる範囲は広範囲であるといえるでしょう。

アウトソーシングをするメリット・デメリット|導入を判断する方法

社内SEのアウトソーシングにかかる費用相場

社内SEのアウトソーシングにかかる費用相場は、委託する業務や企業によって異なり下記の表のとおりになります。

仕事内容費用相場
PCの管理・キッティング作業5〜20万円/月
ヘルプデスク業務5〜20万円/月
システム運用15〜30万円/月

社内SE業務でアウトソーシング可能な業務範囲

社内SE業務の中でアウトソーシングが可能な対応業務については、以下のとおりです。

  • PCの管理や設定
  • ヘルプデスク業務
  • ITインフラの構築
  • システムの運用や保守

それぞれ詳しく見ていきましょう。

PCの管理や設定

社内SEでは、通常業務として同じ会社の社員が利用するPCの管理や設定(キッティング)をおこないます。たとえば、PCの配備やOffice365の設定、ファイアウォールの設定などを実施するケースが多いです。

ファイアウォールとは、総務省によると下記のように定義されています。

インターネットの世界では、外部のネットワークからの攻撃や、不正なアクセスから自分たちのネットワークやコンピュータを防御するためのソフトウェアやハードウェア

[出典:総務省「国民のための情報セキュリティサイト」]

このようにPCに関わるさまざまな設定・管理のアウトソーシングが可能です。

ヘルプデスク業務

社内SEは、社員からIT全般に関する問い合わせに対応する、ヘルプデスク業務を担います。問い合わせ内容はさまざまで、「マウスの接続方法がわからない」のように簡単な内容から「ネットワークの調子が悪いから見に来て欲しい」など少し重たい内容の場合もあります。

社内からの問い合わせに対応している間は自身の作業が滞ってしまうため、アウトソーシングすることで、時間を有効活用できるメリットは大きいといえるでしょう。

ヘルプデスクはアウトソーシングできる?業務内容やメリット・デメリット

ITインフラの構築

社内SEは、企業の業務効率化を図るために、基幹システムの構築や新規事業所のネットワーク・サーバーなどのインフラ構築を担います。事業所が複数存在する場合は、社内SEが少人数体制になってしまったり、そもそも社内SEがいない際には対応のために移動したりなどの工数が増加するのです。

また、社内で利用するWebサーバーや、メールにおけるネット回線を用いたサービスの構築のように、社内での構築が難しいという理由からアウトソーシングしている企業は多いです。

システムの運用や保守

防犯カメラやWi-Fiルーターなど、さまざまな機器・システムにトラブルが生じないように監視することも、社内SEの業務です。社内SEは、企業が業務を円滑におこなうためのシステムを安定して稼働させられるように、さまざまな対策を講じます。


ITアウトソーシングとは?活用する際の注意点やおすすめのサービス

社内SEをアウトソーシングするメリット

社内SEをアウトソーシングするメリットは、以下のとおりです。

  • 自社が求めるシステムの構築や運用をおこなえる
  • 重要な業務にリソースを割ける
  • 人件コストを抑えられる
  • 依頼先がトラブルに対応してくれる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自社が求めるシステムの構築や運用をおこなえる

すべての社内SEが事業に必要となるレベルのシステムを構築できるとは限らず、DX化の進む現代において求められる技術や知識を把握し、システムの構築・運用をおこなっていく必要があります。しかし、自社の社内SEが現代に適した技術・知識を保有していない場合も考えられるでしょう。

そこで、社内SEのアウトソーシングにより企業のニーズや環境の変化に柔軟に対応することが可能です。アウトソーシングする業務と自社で対応する業務を洗い出し、分担することにより事業運営の効率化に期待できるでしょう。

重要な業務にリソースを割ける

社内SEをアウトソーシングするメリットとして、重要な業務にリソースを割けることも挙げられます。社内SEの業務の多くは、社員からの小さな問い合わせからシステム開発、インフラ構築、事業所で発生したITインフラのトラブル対応などさまざまです。そのため、企業に利益をもたらすような業務に専念できず、「コスト部門」と呼ばれることも珍しくありません。

そこで社内の問い合わせやインフラ周りをアウトソーシングすることで、企業の利益に必要な業務のみに注力することができます。重要な業務に人的リソースを割くことができれば、企業の売上や生産性の向上に期待できるでしょう。

人件コストを抑えられる

人件コストを抑えられる点も、社内SEをアウトソーシングするメリットの一つです。社内SEを新規で雇用・育成するには、多大な人件費がかかります。経済産業省の調査によると、2030年までのIT人材の不足数を計算した場合、約40〜80万人不足するといわれているため、社内SEを確保できない可能性も考えられるでしょう。

そこで、社内SEのアウトソーシングにより人材を短期間で確保できるほか、専門的な知識を保有した人材が担当してくれるので、即戦力に期待できます。

また、ヘルプデスク業務やインフラ整備などの業務をアウトソーシングできるため、社員は重要な業務に時間を割くことが可能です。

このように、社内SEのアウトソーシングは、人材確保のための人件コストや育成のための教育コストを削減できる点が魅力的といえるでしょう。

[出典:経済産業省「参考資料(IT人材育成の状況等について)」]

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依頼先がトラブルに対応してくれる

企業によっては夜間や休日などに業務が滞るとまずいため、トラブル発生時は社内SEが夜勤や休日出勤が発生する場合があります。このような対応では、長時間労働になることも珍しくなく、社内SEの肉体的・精神的負荷が大きくなってしまうのです。

しかしアウトソーシングする場合は、アウトソーシング先がトラブル対応してくれるため、自社社内SEの負荷軽減が可能です。

サービスレベルに応じた保守作業内容が用意されているので、自社の業務に適したアウトソーシング先を選定するようにしましょう。

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社内SEをアウトソーシングするデメリット

社内SEをアウトソーシングするデメリットは、以下のとおりです。

  • 社内にノウハウが蓄積されにくい
  • 認識や指示のズレが生じやすい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

社内にノウハウが蓄積されにくい

社内にノウハウが蓄積されにくいといった点が、社内SEをアウトソーシングするデメリットです。業務を外部にアウトソーシングするため、トラブルの対応方法やインフラ整備などのノウハウが社内に蓄積されにくくなります。また、自社で社内SE業務に対応できる人材が育成できず、委託先に頼り続けたままになる可能性も考えられるでしょう。

そのため、アウトソーシング先の経営破綻やサービスの撤退のようなリスクを考慮し、社内SEにおける業務の内容や進め方を可能な限り把握しておくことが大切です。

認識や指示のズレが生じやすい

アウトソーシングすると、依頼先・クライアントのそれぞれが離れた場所で作業を実施するケースがあるため、コミュニケーションをとるのが難しく、お互いの認識や指示のズレが生じやすいデメリットが存在します。

たとえば、マクロ構築などで実装して欲しい内容を指示した際に、アウトソーシング先が適切な理解をしていない場合、一から組み直さなければなりません。

また自社の業務に変更が生じた場合は、アウトソーシング先と連携をとる必要があるため、対応に時間がかかることもあります。アウトソーシング先とのコミュニケーションがうまく取れていなければ、アウトソーシングした効果が薄れる可能性があるため注意が必要です。

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社内SE業務の依頼におすすめのアウトソーシング先

社内SE業務の依頼におすすめのアウトソーシング先を5つ紹介します。

Chatworkアシスタント

Chatworkアシスタントは、月に10時間から企業が必要なタイミングでWeb制作や労務など、さまざまな業務をアウトソーシングすることが可能なサービスです。ビジネスチャットツールである「Chatwork」を活用して作業依頼ができるため、難しい操作など不要で、最短で即日対応ができたりと、アウトソーシングにおける時間をあまりかけずに活用できます。

また、専門性に長けた人材がアサインされるので、社内SEの採用・育成におけるコストを削減することも可能です。

提供元Chatwork株式会社
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • 1ヶ月プラン:47,000円~/月
  • 3ヶ月プラン:45,000円~/月
  • 6ヶ月プラン:40,000円~/月
  • 年間プラン:35,000円~/月
  • カスタムプラン:要問い合わせ
機能・特徴
  • 経理業務
  • 総務業務
  • 労務業務
  • 営業
  • Web制作
  • 秘書業務
  • 採用業務
  • その他
  • マニュアルが不要
  • 最短で即日開始 など
URL公式サイト

ビズアシ

ビズアシは、国内最大級のクラウドソーシングサービスである「クラウドワークス」の豊富なデータベースから、経験やスキルに適した人材のみを提案するサービスです。自社の状況に応じて最適な人材を提案してもらえるため、特に行動を起こさずに求める人材に出会える可能性があります。

また担当者固定制を採用しており、日々のコミュニケーションの中で業務のPDCAを回せるので、アウトソーシングのデメリットである「社内にノウハウが蓄積されにくい」部分を解消できます。

契約継続率が95%とサポート体制も充実しているため、安心して利用することができるでしょう。

提供元株式会社クラウドワークス
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
機能・特徴
  • 営業事務
  • ライティング・編集
  • 人事・労務
  • 経理
  • カスタマーサポート
  • データ入力
  • デザイン・コーディング
  • 広告運用
  • 1to1の担当者固定制
  • 国内最大級のクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」の豊富なデータベースを保有
URL公式サイト

Genny

Gennyは、忙しい経営者を支えることをコンセプトとしたアウトソーシングサービスです。対応可能な業務が幅広く、メール確認や問い合わせ対応などにより社内SEのノンコア業務を削減することが可能です。

また、256bitSSL通信という金融機関レベルのセキュリティ技術を採用しているなど安心のセキュリティ機能が豊富です。

そのため、コア業務に注力したい&安全なサービスが利用したい企業にとっておすすめのサービスといえるでしょう。

提供元株式会社クロコ
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • 2ヶ月プラン:11万5500円/月
  • 6ヶ月プラン:10万7800円/月
  • 12ヶ月プラン:10万5600円/月
  • カスタムプラン:要問い合わせ
機能・特徴
  • メール確認/返信代行
  • スケジュール管理
  • ドライバー手配/運行管理
  • アポイント調整
  • 調査/報告
  • ビジネスランチ/会食の予約
  • 出張手配
  • 契約書作成補助
  • 名刺管理
  • 経費精算補助
URL公式サイト

HELP YOU

HELP YOUは、優秀なオンラインチームが企業の課題を解決する、継続率98%のオンラインアウトソーシングサービスです。

幅広い業務に対応可能であるほか、オンラインで簡単に導入できるため、人件費や教育費などのコスト削減もできます。

また、専属ディレクターが担当してくれるので、個別で業務の依頼をする必要がない点もメリットといえます。

HELP YOUは、経営利益につながるようなコア業務に集中したい企業におすすめのサービスです。

提供元株式会社ニット
初期費用要問い合わせ
料金プランHELP YOU:要問い合わせ

HELP YOU + plus:要問い合わせ

機能・特徴
  • バックオフィス業務に特化
  • 総務
  • 経理
  • 人事・採用
  • 営業サポート
  • ECサイト
  • マーケティング など
導入実績600以上のクライアント
URL公式サイト

Caster Biz

Caster Bizは、株式会社キャスターが独自に選考基準を設け、通過した1/100の人材が業務をサポートするアウトソーシングサービスです。

日々のルーティン業務から経理・人事など専門領域に幅広く対応しています。そのほかにも、受電代行等も対応しているため、企業のニーズに応じてカスタマイズするのが良いでしょう。

提供元株式会社キャスター
初期費用要問い合わせ
料金プラン
  • BASIC(6ヶ月プラン):14万5200円(税込)/月※稼働時間月30時間~
  • LONG(12ヶ月プラン):13万2000円(税込)/月※稼働時間月30時間~
  • CUSTOM:要問い合わせ
  • 導入コンシェルジュオプション:55,000円(税込)月
  • 助成金・補助金サポートプラン:19万8000円(税込)/月
機能・特徴
  • 採用倍率「1/100」厳選された優秀なアシスタント
  • 秘書
  • 事務
  • 人事
  • 経理サポート
  • 翻訳
  • 制作
  • その他(文字起こし,受電代行等) など
URL公式サイト

社内SEをアウトソーシングして会社のITインフラを整えよう

企業の経営には、社内のITインフラ構築や業務効率化のために社内SEが欠かせません。しかし、現代のニーズに適した人材が常に確保できるとは限らず、新規で採用するにも採用・教育コストがかかります。

そこで、社内SEをアウトソーシングすることで、専門性を備えた人材をヘルプデスク業務やPC管理などのノンコア業務へアサインすることが可能です。ITインフラを低コストかつ効率的に整えられるほか、社内SEが自社に存在する場合は、企業の売上につながる「コア業務」に注力できます。

企業の売上向上やITインフラ整備を効率的におこないたい方は、社内SE業務のアウトソーシングを検討してみましょう。

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