経理が取得すべきおすすめの資格一覧!資格の必要性や取得難易度を解説
企業の中でも特に正確な管理が求められている経理。そんな経理になるためには、どのようなスキルや資格が必要になるのでしょうか。本記事では、経理が取得すべきおすすめの資格一覧について、資格の必要性からおすすめの勉強方法まで徹底解説していきます。
目次
経理の資格取得の必要性
経理は、専門的な経理の資格を取得していなくても業務が可能です。しかし、未経験から転職を考えている場合、資格があると他の応募者との差別化を図れます。
ここでは、経理の資格を取得するメリット・デメリットについて解説します。
資格を取得するメリット
経理の資格を取得する大きなメリットは、企業に経理のスキルや知識を証明できることです。転職や就活で役立つのはもちろん、自身のキャリアアップや年収アップにも役立ちます。
とくに、未経験から経理への転職を考えている人や年収を上げたいと感じている人にとって資格の取得はおすすめです。
資格がない場合のデメリット
経理の業務は大きく、日次・月次・年次と期間によって業務が異なります。その際、資格がなければ専門的な知識の証明ができず、専門知識が不要な日次業務しか任せてもらえないケースも十分に考えられます。
また経理はミスが許されない業務であるため、過去に経験があっても資格がなければ、知識・スキルがないという理由で採用される可能性が低下してしまうことも考えられます。
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経理におすすめの資格一覧【取得難易度別】
経理の知識・スキルを証明するためにおすすめの資格を、取得難易度別に紹介します。また、グローバルな活躍を目指す場合にも役立つ資格についても合わせて解説します。
未経験から経理になる際におすすめの資格
未経験から経理になる際におすすめの資格には、次のようなものがあります。
- 日商簿記
- ビジネス会計検定
- 給与計算実務能力検定
- MOS検定
- ファイナンシャル・プランナー(FP)検定
それぞれ詳しく見ていきましょう。
日商簿記
日商簿記は、商工会議所が主催する経理業務の基礎的な知識が身につけられる資格です。知名度が高く、実務でも役立つレベルの経理知識を取得できるため、未経験者にもおすすめです。
日商簿記には1級・2級・3級とありますが、企業に求められるスキルが身につくのは2級とされています。1級は合格率が1割以下と難易度が高く、専門知識に特化したい方におすすめです。
そのため、中途採用において採用される確率の高い2級以上の資格を取得するようにしましょう。
ビジネス会計検定
ビジネス会計検定は、大阪商工会議所が主催する損益計算書や貸借対照表など財務諸表に関する知識や技術力をはかる資格です。
ビジネス会計検定を取得するメリットは、企業の財務諸表が読めるようになる点です。自社の経済状況はもちろん、新聞やニュースの経済データも理解できるようになります。
とくにビジネス会計検定2級で簿記や財務諸表の分析が可能な人材だと評価する企業も多いため、就職や転職に役立ちます。
給与計算実務能力検定試験®
給与計算実務能力検定試験®は、企業・組織に必要な給与計算業務についての知識やスキルを証明するための資格です。
資格を取得することで、法改正の知識・スキル等を活かして正確な法律・制度を反映した給与計算を学ぶことができます。
つまり給与計算実務能力検定は、給与計算にかかわる知識・スキルを実務に活かせることから、企業へアピールできるおすすめの資格となっています。
MOS検定
MOS検定は、ExcelやWordなどOffice365で使用するソフトの技術が問われる資格です。
経理業務でOfiice365を利用する企業は多いため、MOS検定の取得でExcelやWord等の関数やさまざまなスキルを保有している証明になります。
また、実務でOffice365のスキルを活用して経理業務の効率化を図ることも可能です。スペシャリスト・エキスパートなどレベル別で試験があるほか、国際的にも有名な資格であるため、応募先の企業にもスキルをアピールできます。
ファイナンシャル・プランニング技能検定
ファイナンシャル・プランニング技能検定は、一般社団法人 金融財政事情研究会とNPO法人の日本FP協会が運営している国家資格です。
経理に関する知識だけでなく、お金に関する幅広い分野の知識が取得できるため、税金等の日常生活にも役立つスキルが習得できます。そのため、金融業界で経理を担当したい場合に企業へお金に関する知識・スキルをアピールできるでしょう。
▷経理事務とはどのような仕事?仕事内容や必要なスキル・他の事務との違いを解説
経理としてキャリアアップしたい人におすすめの資格
ここでは、経理として更なるキャリアアップ・スキルアップを考えている人におすすめの資格について紹介していきます。
- FASS検定
- 経理事務パスポート検定
- 公認会計士
- 税理士
それぞれの資格を理解して、転職時の参考にしてください。
FASS検定
FASS検定は、日本CFO協会が開発し2005年度から実施されている検定試験で、経理や財務に関する実務スキルをどの程度保有しているかが測れます。
FASS検定はスコア制で評価されるため、ハイスコアを取れば経理や財務分野における業務全般の知識を保有していることが証明できます。
企業によっては、社員にFASS検定の受験を推奨しているため、事前に取得することでスキルアップやキャリアアップに役立つでしょう。
経理事務パスポート検定
経理事務パスポート試験は、日本CFO協会とパソナが共同開発した民間資格で経理事務の従事者に求められる知識が問われる資格です。
試験は1〜3級に分かれており、3級は経理初心者向けの資格となっているため、経理の基礎知識や高度な知識を証明したい場合は2級以上の取得をおすすめします。
公認会計士
公認会計士は、日本の会計分野におけるトップレベルで難しく、知名度の高い資格です。
公認会計士は、会計や経営の分野で高い専門性を活かせるほか、高度な知識や技術が必要なため求められる仕事は専門的な内容が多くなります。
経理担当者からのキャリアプランの幅も広く、上場企業などにおける高度な経理業務に就くことや個人で独立開業して会計事務所を運営することも可能です。そのため、将来的なキャリアアップや年収を上げたいという方におすすめの資格です。
税理士
税理士は、国税庁が主催する国家資格です。学歴や実務経験の有無など受験資格はさまざまですが、簿記検定1級を保有している場合は無条件で受験資格が得られます。
試験合格率は10%前後と難関ですが、取得することで税金の申告や納付・財務の資料作成スキルを証明できます。
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国際基準の経理を目指している人におすすめの資格
ここでは、国際基準の経理を目指している人におすすめの資格を4つ紹介します。
- 米国公認会計士(US・CPA)
- 米国税理士(U.S.EA)
- 米国公認管理会計士(U.S.CMA)
- 国際会計検定(BATIC)
海外で活躍したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
米国公認会計士(US CPA)
米国公認会計士(US CPA)は米国各州で認定されている会計士資格で、日本での受験も可能なこともあり、国際的に通用する会計スキルを身につけたい方の受験が増加しています。
また、米国公認会計士(US CPA)の中には、「情報技術やビジネス法」等の周辺領域も試験科目に含まれています。そのため、経理の業務で必要なIT知識の習得が可能です。
英語力の証明にもなるため、外資系企業やグローバルで活躍したいという方におすすめします。
米国税理士(US EA)
米国税理士(US EA)は、米国の内国歳入庁(IRS)が認可した税理士に与えられる国家資格です。
3つの試験科目で構成されており、2年以内に全ての科目に合格すると米国税理士の資格が取得できます。18歳以上であれば受験可能で、学歴や職歴は関係ありません。
日本ではまだあまり普及率していませんが、世界各国に居住するアメリカ人の税務申告ができるため取得すれば世界中で活躍できます。
米国公認管理会計士(US CMA)
米国公認管理会計士(US CMA)は、管理会計士協会(IMA)が主催する国家資格です。
経営に関する幅広い知識が問われる資格で、ビジネス実務に直結しているといえます。また、資格を取得するとコンサルティング会社で高く評価され、企業におけるマネジメントや会計・財務・企画などの業務での活躍も可能です。
英語能力の証明にもなるため、外資系企業への転職を考えている方におすすめの資格といえます。
経理の資格を取得する際の注意点
経理に関する資格はさまざまですが、取得の際に注意すべき点が2つあります。
取得にかかる期間を確認する
経理の資格を取得したい場合は、どれくらいの期間がかかるのかをあらかじめ確認しておくようにしましょう。
資格の期間を把握していなければ、就活や転職活動に間に合わない可能性があります。また、試験の日程は状況に応じて変更されることもあります。余裕を持って資格試験を受験できるように、取得にかかる期間を確認してください。
さらに経理は、繁忙期・閑散期があるため、求人数が多かったり転職しやすかったりするタイミングがあります。そのため、取得した資格を転職活動に役立てたい場合は、転職活動の時期を考慮して学習スケジュールの立案をおすすめします。
本当に必要な資格なのか確認する
応募する企業の求める資格が、求人票に記載されているかも確認しておきましょう。
さまざまな資格があるため類似しているものも多く、希望の応募先が提示している資格の内容を把握して勉強する必要があります。仮に、求めている資格とまったく別の資格を取得した場合、就活や転職活動に活かせない可能性があります。
就活や転職活動を円滑に進めるためにも、求人情報に記載されている資格の情報を適切に把握しておきましょう。
経理の資格を取得する際の勉強法
限られた時間の中で効率的に資格の勉強をする方法は主に2つあります。
現職の状況や使える時間を考慮して、無理のない勉強方法を見つけてください。
参考書を活用する
経理のどのような勉強から始めていいかわからない方は、参考書の活用がおすすめです。
参考書で学習するメリットは、イラストや図解入りでわかりやすい内容が多く、体系的に経理の学習が進められる点です。
また、スクールなどと異なり本を数冊購入するだけで勉強できるため、資格取得の費用を少しでも抑えたいという方にもおすすめします。
オンラインで勉強する
近年はYouTubeやUdemyなどオンラインで学習できる環境が整っています。
オンラインで学習するメリットは、資格取得の知識が身につくだけでなく、実務に活かせる知識も習得できる点です。
また、オンライン家庭教師なども普及しており、経理の学習が効率よく行えます。そのため、自分でスケジュールを決めて効率的に学習したい方に向いているといえるでしょう。
経理資格を独学で取得可能?
資格の種類や難易度にもよりますが経理向けの資格は、参考書の活用や動画学習など独学で取得可能です。しかし独学で学習する場合は、取得に時間がかかったり合格率が低かったりする傾向にあります。
そのため、費用はかかりますが、経理の知識を効率的に学習できる講座やスクールの受講がおすすめです。
ただし、費用をかけたくないという方は、自分に適した学習方法を選択するようにしましょう。
経理に求められるスキル
経理業務で求められるスキルについて紹介してきます。
コミュニケーションスキル
経理担当者は、経営陣だけでなくさまざまな部署と連携をとって業務をこなしていく必要があります。そのため、業務を円滑に進めるためのコミュニケーションスキルが必須です。
また、現代では会計ソフトを導入して複数で経理業務を効率的に行うケースが増加しています。そのためシステム化によるやり取りを他部署と行う場合には、経理に関連する専門用語を分かりやすく伝えるスキルも求められます。
課題解決能力・分析スキル
経理担当者には、課題解決能力や分析スキルも求められます。
将来的なキャリアを築くためには、経理として数字を計算するだけでなく、経営課題や経営戦略を兼ね備えている必要があります。経理担当者は、会社の財務状況を理解し、将来のトレンドを予測するために、財務データの分析が必要です。
そのため、数字を分析して周りと連携を図り、課題解決のための協調性も求められるでしょう。
資料作成スキル・プレゼン能力
経理担当者には、帳簿の作成や財務関連の表作成だけでなく、経理に詳しくない人にも自社の経営状態について理解できるような資料を作成するスキルが必要です。
また、作成した資料を相手の知識レベルに合わせて解説したり、必要な情報を提示したりする柔軟なプレゼン能力も求められます。
経理のプロとして有利に進める資格を取得していこう
企業の経理担当者として働く場合、経理の知識・技術の証明ができる資格の取得がおすすめです。ただし、経理に関連する資格を何も考えずに受験しても、企業が求める人物像になれません。企業が求めている資格であるかをよく確認してから、受験するようにしましょう。
資格の取得は独学でも可能なものの、少しでも合格率を上げたい、効率的な学習をしたいといった場合は、スクールや専用講座の受講が効果的です。また人によって、スキルアップのために取得したい、未経験から経理担当者になりたいなど目的が異なります。本記事を参考に自分にあったスキルや学習方法を見つけて、目的に応じた資格の取得を目指しましょう。
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