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経理に向いている人・向いていない人の特徴|業務内容や経理の魅力を解説

2023/07/04 2023/07/04

経理アウトソーシング

経理に向いている人

転職先として考える人も多い経理の仕事。企業の中でも重要なポジションですが、経理にはどのような人が向いているのでしょうか。本記事では、経理に向いている人・向いていない人の特徴のほか、魅力ややりがいについても詳しく解説していきます。

経理とは?

経理とは、会社や組織のお金を管理、記録する部署です。

具体的な業務内容は、毎日の売上や仕入の処理、売掛金・買掛金や現金・預金の管理、交通費精算といった日々の業務、定期的な財務報告書の作成、月次の給与計算や支払いなど、多岐に渡ります。

さらに、経営陣が今後の企業経営について判断をくだせるよう、これらのお金の情報を提供することも、経理の重要な業務です。

会計との違い

企業によっては経理と会計を分けていないケースもありますが、両者には、似て非なる面があります。

会計は経営者など企業内部の人にお金に関する情報を提供する「管理会計」と、株主や債権者など企業外部の人に情報を提供する「財務会計」の2つが主な業務です。

この情報提供には、経理で処理している帳簿などの書類が欠かせません。つまり、経理は会計の一部であるといってよいでしょう。

財務との違い

経理と財務の大きな違いは、管理するお金のタイプです。経理が過去から現在において動いているお金を管理するのに対し、財務は将来的に使うお金を管理します。

日々の業務で見ると、経理の主な業務は、取引先との金銭的なやり取り、従業員の経費精算や給与計算、決算書類の作成などです。

一方の財務は、将来の経営を見据えた資金調達、資産運用などを担当します。経理が作成した決算書類などをもとに、銀行への融資依頼、M&Aなども業務のひとつです。

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経理の主な業務内容

経理の主な業務について、詳しく見ていきましょう。大きく、次の5つのカテゴリーに分けることができます。

  • 給与の支払い
  • 現金や預金管理
  • 伝票作成
  • 決算書類などの作成
  • 税金計算と納税

給与の支払い

従業員への給与支払いは、経理の担当業務です。具体的には、従業員の基本給や各種手当、残業時間、休暇取得状況などを確認して総支給額を計算し、所得税や社会保険料などを差し引いて支払いを行います。

差し引いた税金や保険料を自治体などに納付することも、経理の仕事です。

労働基準法24条では、毎月1回以上、一定の期日に賃金を支払うことと定められています。そういった観点からも、給与の支払いは、経理の重要な業務といえるでしょう。

現金や預金管理

会社が保有する現金や銀行口座の預金は、企業経営をするうえでの資本です。お金の動きを正確に記録し、残高を把握できるようにしなければ、健全な経営はできないといっても過言ではありません。このお金をしっかり管理することも、経理の役割です。

伝票作成

伝票作成は、企業間で行われた取引に関する「伝票」と呼ばれる書類を作成する業務です。伝票の種類には、「入金伝票」「出金伝票」「仕入伝票」などがあり、請求書や領収書などの証明書類をもとに作成します。

伝票は、お金の動きを把握する上でも大切な書類ですが、帳簿記帳をスムーズに進める上でも必要不可欠な書類です。

決算書類などの作成

決算書類は、自社の収支状況や損益を確認、把握するための資料です。この書類の月次および年次で作成も、経理が担当します。

特に、1年に1度、年次決算の際に作成する書類は、翌年以降の経営方針を決定するものであり、外部への公開資料にもなるものです。

この書類作成に関わる年次決算の時期は、経理にとってもっとも忙しい時期ともいわれています。

税金計算と納税

会社も定めに応じた税金を支払わなければなりません。年次決算の書類をもとに納税額を算出し、期日までに納税することも経理担当の業務です。

期日までに納税をすませない場合、利息に相当する延滞税が課せられます。頻繁に実施される税制改正に対応し、正確に納税することは、企業活動を支える業務ともいえるでしょう。

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経理の仕事に向いている人の特徴

経理の仕事内容が見えてきたところで、経理にはどのような人が向いているのかを見ていきましょう。

自覚と責任感がある

経理は、企業や組織のお金を動かし、管理する業務です。基本的には、1円の誤差が出ることも許されません。そのため、たとえ1円であっても誤差が出た場合には書類を洗い直して原因を探し出すという責任感が、経理には求められます。

会社のお金を預かっているという自覚、責任感をもって業務に臨める人であれば、経理に向いているといえるでしょう。

几帳面で正確な作業が得意

几帳面で正確な作業を得意とする人は、経理の仕事に向いています。

数字を扱う経理業務では、正確性が不可欠です。ケタの取り違えなど、伝票の記載や打ち込みにミスがあると、書類の再確認、修正など、本来は必要のない業務に取り組まなければなりません。時間をロスするだけでなく、周囲に迷惑もかけることにもなるでしょう。

数字の細部にも注意を払い、几帳面に作業ができるという人は、経理向きです。

数字に対して抵抗がない

経理業務で扱うのは「お金」という数字です。数字に触れない日はありません。データ入力や伝票記載では、日常生活で見ないようなケタがずらりと並んでいることもあるでしょう。

数字を見たり入力したりすることに抵抗がない人であれば、どんな数字を見ても臆することなく、スムーズに作業できるはずです。

コミュニケーションが好き

計算やデータ入力など、毎日のように数字と向き合う経理は、人と接することも多い部署です。

例えば、請求書の発行にあたって他部署に確認を取らなければならないこともあります。取引先からの入金が確認できなければ、その連絡をすることも経理の仕事です。

お金の扱いには気を遣います。だからこそ、人とコミュニケーションを取ることをいとわずに動ける人は、経理に向いているといってよいでしょう。

計画的に動ける

経理には、月次の請求や入金、給与支払いのほか、年次の納税や決算書類作成など、期日までに終えなければならない業務が多々あります。

スケジュールを組み、計画的に仕事を進めることができなければ、業務に支障が生じるだけでなく、関係者にも迷惑をかけてしまいかねません。

計画的に動けない人にとってはストレスになることもありますが、計画的に動ける人なら、その心配はないでしょう。

経理の仕事は将来なくなる?懸念されている理由や経理として活躍し続ける秘訣

経理の仕事に向いていない人の特徴

「経理の仕事に向いている人」に該当しない場合、経理には不向きと考えられます。向いていない人の特徴として、主に下記の通りです。

  • コツコツとした作業が苦手
  • 細かい数字を見ることが苦手
  • コミュニケーションが苦手
  • 新しいことが苦手
  • マルチタスクが苦手

経理は、人とコミュニケーションを取りながら数字と向き合い、コツコツと作業を進める業務です。このような作業が苦手と自覚しているのであれば、経理には不向きといえるでしょう。

また、法改正、パソコンや新規システムの導入など、経理でも新しいことに取り組まねばならないことがあります。そのような新しい動きに抵抗を感じてしまうタイプであれば、経理は難しいかもしれません。

また、経理では、複数の業務を並行してこなすマルチタスクも多く発生します。マルチタスクが苦手で混乱しがちな人にも、経理は不向きといえるでしょう。

経理のやりがいや魅力

向き不向きはあるものの、経理には経理ならではのやりがいや魅力があります。主な5つを挙げてみました。

ワークライフバランスが取りやすい

基本的に月次や年次の動きが決まっている経理業務は、繁忙期と閑散期が比較的はっきりしています。忙しい時期が事前にわかっていれば、プライベートの予定も調整しやすいでしょう。そういった点で、ワークライフバランスが取りやすいことが魅力として挙げられます。

企業の経営に関わることができる

会社の経営に関われる点も、経理のやりがいや魅力のひとつです。

企業規模が大きくなればなるほど、経理では、膨大な金額を扱うことになります。それらを管理する経理という存在なしには、経営陣はお金の動きを把握することも、戦略を立てることもできません。

経理という業務を通して企業の成長、発展に貢献ができ、経営に関する視点も学べる点は、大きなやりがいであり魅力といえるでしょう。

専門的なスキルが身につく

日々の帳簿業務、伝票作成、決算書類や納税書類の作成など、経理業務には専門的な知識が求められます。例えば決算書類の一つ「損益計算書」に並ぶ専門用語を理解できていなければ、書類作成もままなりません。

年々変わる税制度、社会体制に関する知識も必要です。

このようなスキルは、経理だからこそ身につくともいえます。仕事をしながら専門知識を習得できる点は、経理ならではのやりがいであり、魅力です。

安定して働き口がある

経理は、企業にとって必要不可欠な部署です。経理がなければ、企業は存続できません。

つまり、安定して働き口があるということであり、経理経験者であれば転職もしやすい職種といえます。

経理事務とはどのような仕事?仕事内容や必要なスキル・他の事務との違いを解説

経理の仕事は未経験からでも目指せる?

経験が必要と思われがちな経理ですが、次のいずれかの方法で、未経験からでも目指すことができます。

部署異動を願い出る

現在の職場で経理の仕事に就くための方法のひとつは、異動を願い出ることです。

大きな企業であれば、定期的な人事異動の前に、希望調査を実施することもあります。いずれにしても、まずは直属の上司に、経理への異動を願い出てみましょう。

その際のポイントは、自分のスキルや経験を、いかに経理に役立てられるかアピールすることです。説得できるだけの材料をもって臨みましょう。

経理に役立つ資格を取る

経理の仕事をするために資格が必要というわけではありませんが、役立つ資格や有利な資格はあります。

この後で詳しく説明する「日商簿記検定試験」「経理事務パスポート検定」などです。

資格はスキルの証明になるので、取得しておいて損はないでしょう。

経理が取得すべきおすすめの資格一覧!資格の必要性や取得難易度を解説

経理の具体的な業務スケジュール

経理は、月次、年次のおおまかなスケジュールが決まっている業務です。それぞれの例を紹介します。

1日の業務スケジュール

経理の1日の一般的な仕事の流れを、繁忙期と閑散期に分けて紹介します。

繁忙期

8:30出社
10:00 ~ メールチェックや小口現金の準備
11:00 ~ 経費精算や仮払金など社内現金業務
12:00 ~ お昼休憩
13:00 ~ 決算書類の作成やデータ集計
16:00 ~ 伝票作成、データ入力や集計
17:00 ~ 現金と預金の入出金確認、ファイル整理
19:00    退社

繁忙期の場合、17時までに終えられなかった業務に関しては、残業になることも少なくありません。

閑散期

8:30  出社
10:00 ~ メールチェックや小口現金の準備
11:00 ~ 経費精算や仮払金など社内現金業務
12:00 ~ お昼休憩
13:00 ~ 銀行口座の入出金確認
14:00 ~ 伝票作成、データ入力や集計
15:00 ~ 残高照合
16:00 ~ ファイルや書類整理、メールチェック、事務処理
17:00    退社

閑散期は、繁忙期時期には手が回らなかったファイリングや書類整理のなどの業務を行います。

1年の業務スケジュール

経理の一般的な年間業務スケジュールは、下記のとおりです。

4月
前年度の決算整理、財務諸表作成、税務申告準備
5月決算書類作成、株主総会の準備
6月株主総会開催、税務申告
7月賞与振込業務、支払届の提出、労働保険の年度更新手続き、社会保険料関係書類の提出
11月年末調整準備
12月年末調整、賞与振込業務、支払届の提出
1月法定調書と給与支払報告書の提出、支払調書の作成と提出
3月実地棚卸、年次決算準備

企業や業種にもよりますが、8~10月、2月は、月次業務のみに専念できることがわかります。

経理の忙しい時期とは?年間スケジュールからわかる繁忙期

経理を目指している人におすすめの資格

経理を目指すなら、次のような資格を持っていると、就職や転職の際に有利です。

  • 日商簿記検定試験
  • 給与計算実務能力検定試験®
  • 経理事務パスポート検定
  • ファイナンシャル・プランナー
  • マイクロソフトオフィススペシャリスト
  • ビジネス会計検定試験®

日商簿記検定試験

日商簿記検定試験は、簿記に関する習得度を証明できる検定です。試験に合格すれば、1~3の各級で設定されている内容を理解し、相応の簿記技術を身につけていると認定されます。

多くの企業が求める資格としても認知され、経理職希望者には、「簿記2級必須」という条件を出す企業も少なくありません。経理を目指すなら、2級、できれば1級まで取得しておくと転職の助けになるでしょう。

給与計算実務能力検定試験®

経理を目指すなら、給与計算実務能力検定試験®もおすすめです。

給与計算は、企業や組織に欠かせない業務ですが、その知識や実務能力を試験で判定します。合格は、給与計算業務のエキスパートとして認定されたことの証なので、経理のほか、人事や労務の担当者、その業務を目指す人にもおすすめです。

経理事務パスポート検定

経理事務パスポート検定は、経理の業務標準である経済産業省の「経理・財務サービススキルスタンダード」に準拠した実践重視の検定で、3段階のレベルに分かれています。

幅広い経理業務ではなく、事務スタッフが必要とする経理知識に的を絞った認定資格で、学習から資格取得までを一本化したe-ラーニングプログラムである点が特徴です。

経理経験の浅い人、これから経理の勉強を始めようという人でも取得しやすい資格のひとつといえます。

ファイナンシャル・プランナー

「FP」とも略されるファイナンシャル・プランナーは、個人の資金計画、投資、保険、税金など経済面の総合的なアドバイザーとして、ライフプランを実現へ導く仕事です。この資格取得には、金融、税制、年金制度など幅広い金融知識が必要とされています。その知識はどれも、経理の仕事に役立つものばかりです。

この資格があれば、経理だけでなく、金融業界や保険業界など活躍できる場も広がるでしょう。

マイクロソフトオフィススペシャリスト

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、Excel、Word、PowerPointなどMicrosoft Office製品の活用スキルを証明できる資格です。

この資格を取得するメリットは、学習内容をすぐに実務に生かせる点にあります。もちろん、経理業務に必要なスキルも習得可能です。

しかもMOSは、世界中で通じる国際資格なので、履歴書や面接でも、堂々とアピールできます。経理以外の業務で幅広く生かせる点も見逃せない資格です。

ビジネス会計検定試験®

ビジネス会計検定試験®は、主に財務諸表に関する知識や分析力を判定する試験ですが、ビジネスの現場だけでなく、社会経済を把握する上でも役立ちます。財務諸表の分析ができれば、会社にとって意義ある提言も可能になるでしょう。

経理が取得すべきおすすめの資格一覧!資格の必要性や取得難易度を解説

経理に向いている人の特徴、魅力を知り、経理職を目指そう

経理業務に焦点をあて、具体的な業務内容、向いている人の特徴、仕事としてのやりがいや取得すると役立つ資格について解説しました。

経理は、企業経営をお金の面から支えるという点でも、魅力のある仕事です。自覚と責任を持って業務を遂行すれば、会社にとって必要不可欠な存在にもなれるでしょう。

資格の中には、幅広く金融や経済に役立つものもあります。ぜひ資格も取得し、経理という立場から企業活動を支えていきましょう。

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