経理事務とはどのような仕事?仕事内容や必要なスキル・他の事務との違いを解説

最終更新日時:2023/05/24

経理アウトソーシング

経理事務とは

企業を支える事務職の1つである経理事務。お金に関わる業務全般を担当しますが、一般事務や会計事務などとの違いはどこにあるのでしょうか。本記事では、経理事務の具体的な仕事内容や必要なスキルについて解説します。その他の事務との違いについても詳しく見ていきましょう。

経理事務とは?

経理事務は、主に会社のお金の管理をしたり、日々の取引内容の記録をしたりする仕事です。経理事務が担当する業務範囲は企業によっても異なりますが、取引・経費の出金管理や伝票の仕訳などを行います。

大企業の場合、経理部門の中でも役割を細分化しているケースが多く、担当業務の範囲は限定されます。一方で、担当業務の専門性や正確性は高いレベルを要求されるでしょう。

中小企業の場合、人的リソースが限られているため、幅広い業務を担当するのが特徴です。資金調達や節税対策など、財務や経営関連の業務を兼任するケースもあります。外資系企業の場合は経理に関するスキルだけでなく、高度な語学力も必要です。

経理事務の具体的な仕事内容

経理事務の担当業務は、大きく分けて「日次業務」「月次業務」「年次業務」の3つに分類できます。それぞれの業務内容を詳しくみていきましょう。

日次業務

日時業務とは、毎日処理しなければならない業務のことをいいます。商品売買やお金の出入金、経費は日々発生するため、取引内容やお金の流れを記録しておくことが重要です。

日次業務は以下6つが該当します。

  • 入出金の管理
  • 帳簿の作成
  • 経費精算
  • 仕訳処理
  • 伝票の作成・発行
  • 与信管理

入出金の管理

入出金管理は、自社に入ってきたお金と出ていったお金を可視化する作業です。経理事務の重要業務の一つである出納業務をおこなう上で、欠かせない仕事でもあります。

該当する取引の内容を以下の表にまとめました。

 入金管理出金管理
現金での管理
  • 商品を販売した際に現金で対価を受け取った場合
  • 会社の預金口座から現金を引き出し、小口現金金庫に入れた場合
  • 掛取引で商品の売買をした場合の買掛金による入金
  • クレジットカードやコンビニ払いでの入金
預金での管理
  • 商品や消耗品を現金で仕入れた場合
  • 経費精算の支払い
  • 小口現金金庫から会社の預金口座へ入金した場合
  • 買掛金の支払い
  • 経費の支払い

すべての入出金管理業務が正確に処理されないと、帳簿残高と現預金の額が一致しません。高いレベルでの正確性が求められる業務です。

帳簿の作成

会計帳簿は日々の取引内容を証明するために作成しておく書類です。株式会社は、会社法によって正確な会計帳簿を作成しなければならないと義務付けられています。会計帳簿には、日付・取引相手・取引内容・目的・金額が明確にわかるように記載しなくてはなりません。

こうしたお金の流れを把握することで、会社の経営状況を確認したり、意思決定の精度を高めるといった目的があります。

会計帳簿の保存期間は法人の場合、10年間と考えておくといいでしょう。会社法で定められていない領収書や請求書については、7年間もしくは9年間の保存期間が必要です。期限前に破棄した場合、過去の取り引きについて確認できないだけでなく、罰則をを受ける可能性もあります。

また、会計帳簿は主要簿と補助簿の2種類に分けられます。主要簿は取引のたびに記帳が必要で、複式簿記で記帳をしなければなりません。一方、補助簿は必要に応じて、記帳が求められている帳簿です。

 仕訳帳総勘定元帳
特徴
  • 時系列順に取引内容を記載
  • 日々の取引を借方と貸方で管理
  • お金の流れを可視化する役割
  • 仕訳帳へ記帳した内容を基に、勘定科目ごとに取引を記載
  • 勘定科目別に取引内容を把握できる帳簿
  • 損益計算書や貸借対照表を作成する際に必要

補助簿に該当する帳簿の特徴は下記の通りです。

 現金出納帳預金出納帳買掛帳売掛帳経費帳固定資産台帳
特徴
  • 現金の出入りを管理
  • 現金を使ったすべての取引を記帳
  • 現金出納帳上の金額と実際の現金残高が一致する仕組み
  • 金融機関の口座ごとに預金額を管理
  • 企業間の支払いは基本的に振込のため、取引の詳細を記入
  • 仕入先の管理
  • 仕入れの日付や金額、購入先を記帳
  • 取引と支払いの事実を証明するための書類
  • 顧客管理に使用
  • 商品の販売実績と代金の回収実績を記録
  • 使用した経費の可視化や無駄な費用削減が目的
  • 消耗品購入費や交通費などを記帳
  • 勘定科目は自由に設定が可能
  • 減価償却資産や繰延資産などを管理
  • 耐用年数や資産内容を記載

経費精算

経費精算とは、営業活動や出張で発生した費用を従業員が立て替えた場合に、申請書と領収書の添付と引き換えに精算することです。経費精算は計上する費用の内容に応じて、3種類の清算方法を使い分けます。

各精算方法について以下の表にまとめました。

 小口精算交通費精算旅費精算
特徴や対象経費
  • 書類提出の際に領収書を添付
  • 取引先との会食費
  • 消耗品購入費
  • 電車やバス、タクシー利用にかかった費用の精算
  • 電車の場合は乗り換え経路を入力
  • 出張で発生した経費の精算
  • 領収書やチケットを添付
  • 宿泊費
  • 交通費
  • 出張費

上記の清算方法で多く利用するのは、交通費精算です。経費を精算するには、経費精算システムを活用してデータ入力や書類提出を求めるのが一般的です。システムの入力内容と提出された書類を照らし合わせ、正確な処理がおこなわれているかの確認をします。

仕訳処理

仕訳処理とは、日々発生する取引の一つひとつを借方と貸方に分類し、金額と勘定科目を仕訳帳に記載する処理です。仕訳処理では取引の内容や経営状況、お金の流れを可視化します。

たとえば、5万円の商品を販売したとしましょう。代金を現金で受け取った場合、仕訳帳には以下のように記帳します。

借方貸方
現金50,000売上50,000

また、仕訳処理は決算の際に必要な貸借対照表と損益計算書を作成するためにも必要です。

資産や負債、純資産は貸借対照表に記載され、収益と費用は損益計算書に記載されます。各勘定科目が増減した際のルールや該当する内容を下記の表にまとめました。

勘定科目増えた場合減った場合具体的な内容
資産借方貸方
  • 現金
  • 預金
  • 売掛金
  • 商品
  • 固定資産
  • 有価証券
負債貸方借方
  • 買掛金
  • 借入金
  • 未払い金
  • 支払手形
純資産貸方借方
  • 資本金
  • 資本剰余金
  • 自社株
  • 利益剰余金
収益貸方借方
  • 売上
  • 受取利息
  • 受取配当金
  • 雑収入
費用借方貸方
  • 仕入
  • 給与手当
  • 福利厚生費
  • 外注費
  • 旅費交通費
  • 水道光熱費
  • 通信費

伝票の作成・発行

伝票作成とは日々の取引で発生した取引内容を記載することです。伝票に取引内容を記録しておき、実際に取引先や顧客との取引があった事実を証明します。

また、取引内容ごとに伝票を使い分けることで、日付や勘定科目ごとに並べられた総勘定元帳を作成する目的もあります。

代表的な伝票の種類を以下の表にまとめました。

伝票の種類特徴
入金伝票
  • 現金が入金された時に起票
  • 商品やサービスを販売し、現金で対価を受け取った際に起票
  • 借方に現金勘定が固定され、貸方には取引内容を記載
出金伝票
  • 現金が手元から出ていった時に起票
  • 商品や原材料の仕入時に起票
  • 貸方に現金勘定が固定され、借方に取引内容を記載
振替伝票
  • 現金を使わない取引の際に起票
  • クレジットカードでの消耗品購入や賞与の積み立ての際に起票
  • 勘定科目は取引内容によって変動
仕入伝票
  • 掛取引によって商品や原材料を仕入れる際に起票
  • 借方には買掛金と記載
売上伝票
  • 商品やサービスを掛取引で販売した際に起票
  • 貸方は売掛金と記載

与信管理

与信管理とは、取引先の支払い能力や経営状態を調査することで、取引先の倒産にともなう売掛金の未回収を防ぐのが目的とされています。

与信管理は信用調査会社に依頼し、取引先の情報を収集することから始めます。集めた情報を基に支払い能力を可視化し、能力に応じてランク付けするのが一般的な流れです。

評価基準は各企業によって異なるため、事前に確認しておきましょう。情報は定量分析や定性分析、商流分析の3つの方法によって分析します。以下に分析対象となる指標をまとめました。

 定量分析定性分析商流分析
主な評価指標
  • 売上
  • 資本金
  • 従業員数
  • 自己資本率
  • 利益率
  • 増収率
  • 流動比率
  • 経営者の手腕
  • 取引金融機関
  • 市場での優位性
  • 技術力
  • 取引先からの評価
  • 担保設定
  • 原材料や商品の仕入先
  • エンドユーザー
  • 決済条件
  • 取引条件
  • 納品の方法と場所

経理事務は信用調査会社への調査依頼や販売額の設定、支払い能力の分析などを行います。状況に応じて営業担当者と相談し、与信額の設定見直しや取引の継続可否を判断します。

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月次業務

月次業務は、当月に発生した取引内容やお金の流れを記録する業務です。BtoBの場合は締め日や支払い日を基準に請求業務を進めるのが一般的です。月次業務は以下の4つが該当します。

取引先への支払い

取引先から送られてきた請求書の内容を確認します。確認すべき項目を以下にまとめました。

  • 宛名
  • 請求書発行日
  • 取引年月日
  • 商品単価や購入数
  • 合計金額
  • 消費税
  • 支払期限
  • 指定口座

請求書の内容が正しいことを確認した上で、取引先ごとに設定された期日に合わせて指定口座へ振込みます。期日までに支払いがスムーズに進められるよう、事前に取引先データや振込予定日などをまとめておきましょう。

振込が終わった後は振込日や支払先、支払金額などを出金伝票へ記帳します。記帳後は過去の取引金額と支払額が一致しているかを確認するための消込作業を行います。これは、未払いや過払いを防ぐためにも重要な作業のひとつです。

請求書の発行

請求書を発行する前に、請求額を確定させなければなりません。請求額の確定方法は締め請求と都度請求の2種類に分けられます。締め請求は毎月の取引金額を集計し、取引の合計金額を一括で請求する方式です。

相手が指定した締め日までに請求額の確定と請求書の発行を終わらせます。取引歴が長い企業や頻繁に取引がある企業は、締め請求を使用するのが一般的です。

一方、都度請求の場合は商品やサービスの売買があった際に、その都度請求書を発行する方式です。都度請求は、新規顧客と取引する際や単発での取引が生じた際に使用します。請求額の確定後、請求書の発行に移ります。

基本的にはシステム上へ必要な情報を入力し、請求書を完成させていきます。記載する主な項目を以下にまとめました。

  • 請求書を作成した担当者と会社名
  • 取引金額
  • 取引内容
  • 取引年月日
  • 商品名やサービスの名称
  • 商品単価や消費税
  • 請求書の発行日
  • 支払期限
  • 請求金額の振込先

システムにはテンプレートが搭載されており、一からフォーマットを作成する必要はありません。作成した請求書は郵送やメール添付で取引先へ送り、期日までに指定口座へ入金がされているかの確認をします。入金がない場合は、取引先の担当者へ催促を行います。

給与の支払い計算

各部署が完全に独立していない企業の場合、経理事務が給与計算も担当する場合があります。給与計算は高いレベルで正確性を求められる業務です。未払いや支払い不足が発生した場合、従業員は不信感を抱き、信頼関係の崩壊にもつながります。

給与支払いについては、人事データや出張の有無を確認してから計算することが重要です。また、残業代も従業員ごとに支給額が異なります。勤怠システムに保存された時間外労働や深夜労働、休日労働の時間数を確認し、残業手当を算出します。

1日8時間、週40時間を超える労働を命じた場合、割増賃金の支払いが必要です。時間外労働の場合は、基礎賃金×1.25×時間数の計算式を、休日労働の場合は基礎賃金×1.35×時間数の計算式を使って割増賃金を計算します。

割増率が異なるため、時間外労働と休日労働を一緒に計算しないように注意が必要です。総支給額を算出した後、社会保険料や税金の控除額を計算します。控除した額を税務署や社会保険事務所に支払い、残った額を給与として従業員の指定口座へ支払います。

自社で定める毎月の給与日までに、一連の作業を済ませておくことが必要です。また、総務や人事など、各部署が独立している場合、経理事務は従業員の指定口座への振込と税金や保険料の支払いといった業務に限定されます。

月次決算

月次決算は、毎月の売上高や財政状況を把握するためにおこなう業務です。自社の経営状態を正確に把握するため、多くの企業が月次決算を導入しています。

以下の流れで業務を進めていきます。

  1. 現金と預金の残高確認
  2. 月次棚卸高の確定
  3. 仮勘定の整理
  4. 経過勘定の計上
  5. 減価償却費や引当金の計上
  6. 売掛金と買掛金を計上
  7. 月次決算書の作成
  8. 月次業績の報告

年次業務

年次業務は、1年の取引内容や会計記録を資料に反映する作業です。1年間の企業活動や自社の経営状況を公開する目的で作成するため、非常に重要な作業となります。

年次業務に該当する業務は、以下の3つです。

  • 年次決算
  • 税務申告
  • 有価証券報告書の作成

年次決算

年次決算は期末に1年間の企業活動と経営状況を可視化する決算業務です。年次決算は月次決算とは異なり、会社法や税法によって毎年実施が義務付けられています。

年次決算は以下の流れで進めていきます。

  1. 勘定整理
  2. 決算書作成
  3. 税金計算

税務申告

法人税と消費税を納めるため、法人税申告書や勘定科目内訳書、法人事業概況説明書を作成します。貸借対照表や損益計算書など、決算書の提出も求められるため、準備をしておきましょう。

法人税の申告及び納付期限は、決算日翌日から2ヶ月以内です。3/31が決算日の場合、5/31までに申告と納付が必要になります。期限内に確定申告と納付が終わらない場合、延滞税や無申告加算税などを支払わなければなりません。

有価証券報告書の作成

有価証券報告書とは財務諸表や事業の概況など、企業に関する情報をまとめた報告書です。主に株式を発行している上場企業が有価証券報告書を作成します。

金融商品取引法によって自社の情報開示が義務付けられているため、株式の売買をしている場合には有価証券報告書の作成が必要です。有価証券報告書は、事業年度ごとに財務局や金融庁を通して内閣総理大臣に提出します。

提出期限は決算から3ヶ月以内と設定されています。

経理事務に必要なスキル

経理事務の仕事内容について紹介しました。ここからは、経理事務に必要な5つのスキルをみていきましょう。

基本的な商業簿記のスキル

経理事務は仕訳処理や伝票処理、帳簿作成など、日々の取引やお金の流れを記録する業務を担当します。正確性を求められるため、基本的な簿記の知識が必要不可欠です。日商簿記3級程度の知識量が業務で必要となるレベルとされています。

PC操作・ソフトに関するスキル

資料作成の機会が多く、エクセルやパワーポイントの操作スキルが必要です。特にエクセルは使用頻度が高いので、関数やピボットテーブルなどに関する操作方法を身に付けておきましょう。

また、会計ソフトをスムーズに使いこなせる能力も求められます。企業によって使用する会計ソフトは異なるため、入社後に操作方法について学びます。しかし、近年はユーザーインターフェースに優れた会計ソフトも多いので過度に心配する必要はありません。

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正確な事務処理スキル

経理業務は正確性が重視される業務です。業務量が多かったとしても、会計ソフトへ入力するデータの内容や作成した書類のミスは許されません。忙しい時でもひとつひとつの作業を丁寧に処理する意識が求められます。

また、ミスがないかを徹底して確認する姿勢も重要です。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルも経理事務に求められる重要なスキルの一つです。他部署で働いている従業員が、経理の業務内容を把握しているとは限りません。社内の人間と会話をする際は、経理の専門用語をわかりやすく説明する能力が求められます。

他部署とのやり取りが発生した場合、言葉の使い方を意識しましょう。また、取引先の担当者とは請求業務に関するやりとりが多く発生します。スムーズに手続きを進めるためにも、テキストによるコミュニケーション能力や電話応対力が求められます。

語学スキル

外資系企業へ勤務する場合、高度な英語力が求められます。英語表記のメールや財務資料を読み解く力が備わっていなければ、通常業務をこなすのは困難です。また、海外に赴任する場合、赴任先でのルールに従った決算や税務申告のやり方に対応しなければなりません。

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経理事務と他の事務の違い

企業や組織で必要とされる事務職の種類はさまざまです。経理事務以外の5つの事務職とそれぞれの業務内容を紹介します。

会計事務

会計事務は税理士事務所に勤務し、税金の計算や税務書類の作成をおこなう仕事です。会計事務の仕事内容を以下の表にまとめました。

具体的な業務内容必要なスキル
  • 請求書の作成
  • 決算書や財務諸表の作成
  • 確定申告
  • 伝票処理
  • 小口現金管理
  • 収支明細の基調と報告
  • 経営状況や課題の分析
  • 資金調達に関する相談の受付
  • 会計や税務に関する高度な知識
  • 企業経営に関する知識
  • 補助金や節税対策に関する情報
  • 金融機関の情報
  • コミュニケーション能力
  • 資料作成能力
  • 分析能力

会計事務には、税理士の仕事をサポートする税理士補助の役割が期待されます。税理士は既存顧客との商談や新規顧客獲得など、外回りの仕事に割く時間も多いです。税理士からの指示を受け、税務申告に必要なデータの収集や税務書類の作成を担当します。

税務書類の作成は、税理士資格を取得していない人材が担当しても問題ありません。また、経理業務とは異なり、決算書や財務諸表などを作成する機会が多いです。経理事務の場合は1年に1回ですが、会計事務の場合は10件〜30件の顧客を担当することもあります。

一般事務

一般事務とは、社内全体で発生した事務作業全般をおこなう仕事です。一般事務の仕事内容を以下の表にまとめました。

業務の種類具体的な業務内容期待される役割やスキル
書類作成や管理
  • 見積書や請求書の作成
  • 会議の議事録作成
  • イベント通知の書類
  • 伝票処理
  • 作成した書類のファイリング
  • ファイルの整理整頓
  • テンプレートに必要な情報を正確に入力
  • 正確かつスピーディーな作業
  • PCスキル
データ入力
  • 注文内容の入力
  • 顧客情報登録
  • マーケティング施策の結果を入力
  • 正確かつスピーディーな作業
顧客対応
  • 電話応対
  • メール処理
  • 来客対応
  • 会議室の準備
  • コミュニケーション能力
  • ビジネスマナー
備品管理
  • 印刷用紙や名刺など消耗品の発注
  • オフィス家具の発注
  • PCやスマートフォンの台数管理
  • OA機器のメンテナンス依頼
  • 周囲への目配り
  • マネジメント能力
  • コミュニケーション能力

一般事務が担当する業務内容の範囲は、企業規模によって異なります。従業員数が多い大企業は仕事が細分化され、受発注処理や書類作成など一部の内容に限定されます。

一方、中小企業の場合は総務や営業事務など、専門知識が求められる業務を兼任する形が多いのが特徴です。

人事事務

人事事務とは、経営資源の一つである人材に関連した事務作業を行う仕事です。人事事務の仕事内容を下記にまとめました。

業務の種類具体的な業務内容期待される役割やスキル
採用
  • 採用計画立案に関する資料作成
  • 求人票作成
  • 応募者管理
  • 説明会の企画や運営
  • 採用ページ作成
  • SNSの運用
  • 面接の日程調整
  • 合否連絡
  • PCスキル
  • コミュニケーション能力
  • マネジメント能力
  • 自社の魅力や強みを発信する能力
人事制度の運営
  • 長期に渡る採用計画策定の企画や資料作成
  • 人材配置の決定に関与
  • 人事評価制度の整備
  • 給与体系の見直し
  • 職場環境の整備
  • PCスキル
  • 客観的な視点に基づき、経営資源と経営課題を把握
  • 従業員の適正を把握
  • 従業員のモチベーションアップ
  • 離職率低下
労務管理
  • 給与計算
  • 勤怠管理
  • 入退社の手続き
  • 社会保険の手続き
  • 福利厚生の整備
  • 法律に関する知識
  • 手続きに必要な書類と提出期限の把握
  • 業務の正確性とスピード
教育
  • 研修企画の立案
  • 研修用資料作成
  • 研修の運営サポート
  • 研修会社と研修内容の調査
  • 研修を依頼する外部企業とのやりとり
  • 情報収集力
  • 自社の従業員に必要な能力の見極め
  • コミュニケーション能力

人事業務は給与計算や勤怠管理など、業務遂行に法律の知識が求められる場合も多く、豊富な専門知識や実務経験が求められます。また、採用計画や人事戦略の立案に関する資料作成も担当するため、PCスキルも必要です。

企業によっては人事事務だけでなく、総務を兼任している場合もあります。

総務事務

総務事務とは総務部に所属し、会社運営に必要な事務作業全般をおこなう仕事です。総務事務が担当する仕事内容を以下の表にまとめました。

業務の種類具体的な業務内容期待される役割やスキル
備品管理
  • 印刷用紙やボールペンなど消耗品の発注
  • 名刺の発注
  • オフィス家具やPCなどの管理
  • OA機器のメンテナンス依頼
  • 周囲への目配り
  • マネジメント能力
  • 定期的な在庫補充
社内施設管理
  • 清掃依頼
  • 空調や設備などのメンテナンス依頼
  • リース契約を交わしている施設の契約期限管理
  • 関連施設の購入
  • オフィスの移転サポート
  • マネジメント能力
  • コミュニケーション能力
  • 衛生管理の徹底
  • 職場環境改善への意識
文書管理
  • 契約書や稟議書の管理
  • 保管期間が過ぎた書類の破棄
  • ペーパーレス化への移行
  • マネジメント能力
  • 必要な書類をすぐに取り出せるための配慮や工夫
  • 機密情報を扱う意識
会社行事運営
  • 株主総会の開催や議事録作成
  • 役員会議の開催や議事録作成
  • 入社式の開催
  • 社員旅行の企画
  • イベント開催に必要な予算の算出
  • 従業員への通知
  • 会場手配
  • 行事の企画から運営までの実行役
  • 企業と従業員の調整役
  • コミュニケーション能力
  • マネジメント能力
窓口業務
  • 電話対応
  • メール処理
  • 来客対応
  • 周囲への目配り
  • ビジネスマナー

企業によっては総務事務が、人事や一般事務を兼任する場合もあります。さまざまな仕事を任される機会が多く、コミュニケーション能力やPCスキルも求められる場合が多いです。

営業事務

営業事務とは営業担当者が業務に専念できるように事務作業全般を代行する仕事です。営業事務に求められる作業内容は、ほとんど一般事務と変わりません。

ただし、営業事務が営業部に関連する業務に特化するのに対し、一般部署の場合は社内全体の事務作業を行います。営業事務が担当する作業内容を下記の表にまとめました。

業務の種類具体的な業務内容期待される役割やスキル
書類作成
  • 見積書作成
  • 注文書作成
  • 契約書作成
  • 納品書作成
  • 請求書作成
  • 記載項目を漏れなく記載
  • 書類の正確性
  • スピーディーな対応
受発注処理
  • 注文書やEDIに入力された注文内容の処理
  • 電話での発注要請に対応
  • 倉庫や工場からの出荷
  • 配送手配
  • 指示された商品や個数の正確な発注
  • 急ぎの注文に対しての正確かつスピーディーな対応
  • 臨機応変な対応
納期管理と在庫管理
  • 発注済み商品の納期管理
  • 顧客への納期回答
  • 生産計画の確認
  • 工場や倉庫に保管している商品の在庫確認
  • 指定期日までの確実な納品
  • コミュニケーション能力
  • マネジメント能力
売上管理
  • 部署全体や営業担当者別の売上を管理
  • 売上の分析
  • 売上報告書の作成
  • 書類作成能力
  • 専用ツールやエクセルに関する知識
顧客対応
  • 顧客からの電話応対
  • メール処理
  • オフィスでの来客対応
  • 会議室の準備
  • コミュニケーション能力
  • 重要度や緊急度の高い内容をすぐに共有する意識
顧客管理
  • 企業名や担当者、取引履歴などをまとめて管理
  • 契約期間の管理
  • 継続契約更新を営業車に提案
  • マネジメント能力

営業事務は他の事務職と比べ、納期調整や問い合わせへの回答など、顧客や取引先とやりとりを交わす頻度も多いです。

顧客からの要望に素早く応えられるよう、コミュニケーション能力や商品知識が求められます。また、見積書や契約書などの書類を作成する機会も多いため、PCスキルも必要です。

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経理事務正社員の平均年収

経理事務の平均年収は、実務経験の年数によって大きく変動するのが特徴です。未経験から3年以内の場合、平均年収は300万〜399万です。実務経験が3年以上になると、平均年収は400万~599万まで跳ね上がります。

ただし、500万円台後半の年収になるには、日商簿記2級以上のスキル保持者やチームリーダークラスを任されるレベルでないと難しいと考えておきましょう。役職者になった場合には、平均年収が600万を超えることもあります。経理事務の平均年収は所属企業や性別、地域など、複数の要因によって変動するので、一概には言えません。

基本的には実務経験とスキルが重要視されますが、上記の要因も加味される点を覚えておきましょう。

経理事務のやりがいとは?

経理事務は、社会で役立つスキルの向上など、魅力の多い仕事です。ここからは、経理事務のやりがいについて見ていきましょう。

学びによって確実にスキルを向上させられる

経理事務は帳簿や請求書、決算書など、さまざまな書類を作成することで、資料作成のスキルが磨かれます。日々実務経験を積む形になるため、経験年数が長くなるほど経理の知識やノウハウが蓄積されていくでしょう。

実務経験が長くなるほど、年収が高くなる点も魅力のひとつです。また、日商簿記やファイナンシャルプランナーなど、専門的な資格を取得することで企業経営に関する仕事にも挑戦できます。

課題解決・業務改善によって達成感・充実感を得られる

経理事務は正確性とスピードの両立が求められる業務が多く、業務の流れや進め方を固定化するのが一般的です。無駄な業務プロセスの排除や再構築を提案するのは勇気が必要ですが、業務プロセスの見直しや業務の標準化、会計ソフトの導入など、自身の提案によって業務効率を改善できた場合、大きなやりがいを得られるでしょう。

また、経営事務は財務諸表を作成していることもあり、客観的な視点に基づいた指摘が可能です。そのため、経営層に対する経営状態の分析や収支改善に向けての提案を任せている企業もあります。改善案の実施によって収支改善や経費削減などが見込めた場合、達成感や充実感を得られるでしょう。

企業にとって必要不可欠な業務であるという使命感を得られる

経理事務は企業経営に不可欠な業務です。経理事務がいなければ顧客から売掛金をスムーズに回収できず、企業経営に必要な資金を調達できません。さらに、仕入先への支払いも滞り、商品の製造やサービスの安定供給が難しくなることもあります。

また、経理事務は財務や会計に関するさまざまな書類を作成しています。経理事務が不在の場合、収支状況や売上の推移など、自社の経営状況を正確に把握できません。企業経営を進める上で必要な業務であり、使命感や責任感を持って仕事に取り組めます。

経営に関するノウハウを蓄えられる

人的リソースが限られる中小企業の場合、経理事務に求められる役割は大きくなります。お金の流れや未回収金の有無、経営状況など、経営層から意見を求められる機会も少なくありません。

経営の意思決定に関与できる機会が自然と増加し、経営に関する知識やノウハウを蓄積できます。また、自身のアイデアが採用されると、やりがいや達成感を得られるでしょう。

経理事務に必要なスキルを習得しキャリアアップを目指そう

経理事務は仕訳処理や帳簿作成、請求書発行など、さまざまな業務を担当します。日々の取引に関する内容の記録やお金の管理を任されるため、高い正確性が求められます。

状況によっては経営状況や自社の課題に関する相談をされることもあり、コミュニケーションスキルも必要な仕事です。経理事務は事業運営に欠かせない役割を担う、やりがいのある仕事であるといえるでしょう。

日々の実務を通してスキルアップに努めれば、キャリアアップや収入増加が見込める点も魅力です。ただし、経理事務は誰にでもできる業務ではありません。経理事務への転身を考えている方は、今回紹介したスキルを身に付けた上で挑戦しましょう。

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