有給休暇の給料計算基礎知識!計算方法や付与日数を詳しく解説!

記事更新日:2022/11/24

給与計算システム

有給休暇と給与計算

有給休暇は労働基準法で定められた休暇で、一定の基準を満たせば従業員に付与されます。1年間に最低5日は取得させる義務があり、給与計算にも関係します。この記事では有給休暇取得時の計算方法や注意点、そして管理方法などをお伝えします。

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有給休暇とは

有給休暇とは賃金を受け取り休日以外に休暇を取得する制度で、労働基準法に定めがあります。

会社は従業員の希望する日に有給休暇を取得させるのが原則ですが、条件を満たした場合は有給休暇の取得日を他に変更することができます。

ただし有給の取得日を変更する際は、会社と従業員間でのトラブルが多いため注意が必要です。

会社は年5日は有給休暇を取得させる義務がある

労働基準法第39条には、会社は1年間で10日以上有給休暇を持つ従業員に対して、年間で5日の有給休暇を取得させる義務があると定めています。

そのため、規定日数の有給を消化していない社員がいる場合には、取得するように社員にアナウンスする必要があるので理解しておきましょう。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

引用元:労働基準法【第三十九条より】

有給休暇の取得目的は原則として聞けない

有給休暇は有給で会社を休める従業員の権利であるため、有給取得の申請があった場合には取得理由を聞くのはNGです。

取得申請があった場合には、基本的には従業員を尊重して与えなければなりません。

ただ、一部例外があることもあり、会社の繁忙期の有給取得により業務に支障がでる場合は、時季変更といい取得日を他の日と変更できます。

その際は別日に必ず有給を取得できるようにする必要があります。

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有給休暇の付与日数について

有給休暇を取得するには条件があり、入社日から半年以上経過していること、労働日の8割以上勤務していることなどがあります。

有給休暇の付与日数は、半年間の勤務条件を満たせば10日間となり、その後半年単位で付与日数は増加します。なお出勤日数が週3日以下、1年間当りの勤務日数が73日〜120日では有給休暇は7日以下となります。

また有給休暇は従業員の希望日に取得させるのが原則ですが、会社の繁忙期などにより取得日をずらすことも可能です。

有給休暇を2年間取得しないと消滅時効となり、時効となった有給休暇は消失しますので注意が必要です。

有給休暇取得時の給与計算

有給休暇の金額を計算するには、労働基準法第39条に3つの計算方法が規定されています。

給与計算をする際は、必ず3つの計算方法のうちどの計算方法によるものか計算根拠を明らかにすることが必要です。ここでは労働基準法に規定されている3つの計算方法をお伝えします。

通常の給与を支払う方法

もっとも一般的な有給休暇の計算方法は、従業員の給与形態により計算が異なります。

有給休暇を取得する際、月給者の場合は有給休暇取得日を出勤扱いとし給与の減額は行いません。

時給者の場合は時給×所定勤務時間、日給者の場合は1日当りの給与、週給の場合は1週間の給与÷週所定勤務日数などです。

出来高制や請負の従業員の場合は、給与計算期間の総額÷その期間の総労働時間×その期間の1日の平均労働時間で給与計算します。

平均給与を支払う方法

過去3ヵ月間に支給した給与金額を合計し、その期間の総日数で割り計算します。

総日数は暦日の合計で出勤日数ではないことに注意が必要です。この方法ですと給与計算は煩雑になりますが、有給休暇の日額を日給より少なく計算できます。

健康保険の標準報酬日額を支払う方法

実務では一般的ではありませんが、月額給与を健康保険法の日額表の報酬月額にあてはめ、有給休暇の日額を計算する方法です。この日額表は毎年金額の見直しがあり、都道府県によって金額が異なります。

またこの方法により有給休暇の日額を計算する際は、あらかじめ労使協定を締結する必要があり注意が必要です。

なおこの計算方法の対象は社会保険加入者であることが条件のため、出勤日数が少なく社会保険に加入していない従業員は、この計算方法の対象外となります。

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パート・アルバイトの有給休暇取得時の給与計算

正社員と勤務日数が同じパートやアルバイトの場合、正社員と同じ条件を満たせば同じ日数の有給休暇を付与しなければなりません

正社員より勤務日数が少なく、週4日未満、週4日以下の勤務形態の場合、入社から半年後に8割以上出勤すると最大で付与日数は7日となります。

月給制の場合は有給休暇を取得しても給与から引かなければ基本的に問題はありませんが、時給制のパートやアルバイトの給与計算は注意が必要です。

有給休暇の給与計算方法は会社によって異なりますので、どの計算方法になっているのか確認しておきましょう。

通常の給与を支払う方法

時給でシフト制の勤務形態の場合は、通常の給与を支払う方法により有給休暇分の金額を支払うことが一般的です。

この場合は時給に所定時間数を掛けて計算します。1日の労働時間に変更がなく一定の時間であれば、この方法だと複雑でなく間違いも少ないです。

平均給与を支払う方法

勤務日数が固定されていない場合は、平均給与により有給休暇の金額を支払います。給与計算の際は、1日勤務に満たない早退や遅刻などは除きます。

計算方法は、過去3ヵ月間の給料を勤務日数で割った金額と、その金額に0.6を掛けた金額を比べてどちらか多い方の金額を支給します。

アルバイトの給与計算について〜時給計算方法から注意すべきポイントまで〜

有給休暇取得日の給与計算で注意すること

会社には有給休暇を取得しやすい職場の環境を作り、有給休暇の取得促進が求められています。

給与計算は労基法に基づき正しく計算しなければなりませんので、その注意点をここではお伝えします。

計算方法は就業規則に記載

労働基準法第39条には、有給休暇の賃金の計算方法は就業規則に必ず記載する旨の規定があります。

それらを記載した就業規則は、従業員の見やすい場所にいつでも確認できるようにする必要があります。

会社の実績の都合により計算方法を就業規則によらず、都度変更することは法律で禁止されていますので注意が必要です。

賃金の改正に注意

給与計算では賃金の改正に注意する必要があり、給与計算の実務では賃金改定の際、給与システムの金額マスターを修正しなければなりません。

どのタイミングで賃金が改正されるのか、そのパターンを押さえておくことをおすすめします。例えば、昇給や降格があると有給休暇の賃金の金額も変更となります。

労働条件通知書や辞令で給与の改正を行ったのに、給与システムの賃金を変更していなかったため、有給休暇の金額を誤り給与の支給をする事例もあります。

また最低賃金法により、1年に1度は時給が変更となる可能性があります。都道府県により最低賃金は異なるため、事業所の所在地の最低賃金に注意が必要です。

有給休暇の給与計算は業務負担に

有給休暇の付与と給与計算は、従業員一人一人の雇用契約により異なります。

また中途採用が多い会社では、有給休暇の付与日の管理が煩雑になりやすく、給与担当者の業務負担が多く過重労働になりがちです。

限られた人数で給与計算しなければならないため、業務負担とならないように有給休暇の給与計算をルール化する必要があります。その際、設定するルールが法律に準じているか、違法性がないかなどは十分検証しなければなりません。

有給休暇時の給与計算における各種手当の取扱い

労働基準法第136条に、有給休暇を取得した従業員に対し、賃金の減額や不利益な扱いをしてはならない旨の規定があります。有給休暇の給与計算において、深夜手当や通勤手当、皆勤手当などの取り扱いをここではお伝えします。

深夜手当

深夜労働は午後10時から午前5時までの労働を指し、この時間帯に勤務した従業員には深夜手当を支給します。

従業員の所定労働時間に深夜の時間帯が含まれている場合は、有給休暇に深夜手当分の金額を上乗せして給与計算する必要があります。

夜勤手当の給与計算方法とは?時間帯の定義や割増賃金との違いについて

通勤手当

労働基準法に通勤手当を有給休暇に含めるのかについて、直接の規定はありません。有給休暇を取得した際は通勤自体が発生していないため、通勤手当は不支給としてもやむを得ないといえます。

ただし電車やバスなどの定期券の現物を支給している場合は、有給休暇を取得した日の分を控除することは現実的ではありません。

通勤手当を有給休暇に含むか含まないかは、就業規則に記載し従業員との理解の齟齬がないようにすることをおすすめします。

通勤手当とは?給与計算方法や非課税の限度額について解説

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皆勤手当

有給休暇の取得日数を皆勤手当の基礎日数から除くことについて、違法となった例や合法となった例があります。

皆勤手当の主旨から、有給休暇の取得が不利益な扱いとなるかは十分に注意が必要です。

従業員との解釈のトラブルを回避するため、皆勤手当を有給休暇の取得日数に応じて減算することは、事前の調査を十分に行い実施することが望まれます。

給与計算における有給休暇の管理方法

2019年の労働基準法改正後、有給休暇の管理方法の見直しが必要となりました。

法改正前は、従業員の有給休暇の残日数に、付与日数を加算すれば管理できていました。

しかし法改正後、この方法は有給休暇の取得状況を従業員ごとに管理することが難しく、有給休暇管理簿を作成し把握する必要が生じています。

労基法に有給休暇管理簿作成の規定

有給休暇に関する労働基準法の改正により、有給休暇管理簿の作成と3年間保存が規定されました。

対象となるのは有給休暇が10日以上付与される場合で、勤務形態を問わず条件を満たせばパートやアルバイトも対象となります。

労働基準法第24条によると、この帳簿はいつでも閲覧できるように設置する必要があります。

有給休暇管理簿の作成

有給休暇管理簿とは、従業員ごとに有給休暇の基準日(起算年月日)、日数(取得年月日)、時季(取得日数)、などを記載した帳簿をいいます。

この帳簿は従業員それぞれに作成し、有給休暇を終日取得した際は1日、半日取得した際は0.5日で記載します。中途入社が多い会社や人数の多い会社では、帳簿の管理が煩雑となるため注意が必要です。

有給休暇の仕組みを理解してミスなく給与計算を

有給休暇の計算方法は労働基準法に規定があり、会社の都合により独自に計算したり、計算方法を変更したりできません。

有給休暇は10日以上付与され、1年間で5日以上消化することが義務付けられています。有給休暇は正社員だけでなく労働日数の少ないパートやアルバイトも条件を満たせば付与されます。

有給休暇を取得する際は、繁忙期と重なっている場合に取得日の変更も可能ですが、トラブルの発生が多いので注意が必要です。

また、有給休暇の金額の計算方法は就業規則に必ず記載する必要があり、賃金に変更があった場合は給与計算で間違いのないようにしなければなりません。

さらに、給与の各手当では有給休暇に加算すべき手当もありますので、計算から漏れないように確認しましょう。特に2019年の労働基準法改正により、有給休暇管理簿の作成が義務付けられました。いつでも閲覧できるようにしておき、3年間の保管義務があります。

有給休暇は従業員毎に管理し給与計算する必要があるため、間違いのないよう正しい知識を持つことをおすすめします。

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