オンプレミス型PBXとは?クラウド型との違いや特徴・メリットを比較!

最終更新日時:2023/02/09

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PBXを導入する企業が増えている中、いくつか種類がありどのPBXが最適なのかわからない人も多いでしょう。本記事では、オンプレミス型PBXにスポットを当てて解説していきます。特徴やメリット、クラウド型PBXとの比較も記載しているので、ぜひ参考にしてください。

オンプレミス型PBXとは

オンプレミス型PBXとは、社内に設置するタイプのPBX(電話交換機)のことです。

オンプレミス型PBXでは電話回線またはLANを利用して各電話機と接続します。電話回線で接続するタイプは通話品質が高いものの、配線が届く範囲しか内線化できません。

一方、LANで接続するタイプはインターネット回線を利用するため、遠隔の拠点にある電話機と接続できたり、パソコンやスマートフォンを内線化できたりします。

導入の際には工事が必要なため、契約してから使用開始までに一定の時間がかかる点に注意が必要です。また、設置スペースを確保する必要があったり導入費用がかかったりします。

しかし、一度設備を設置すれば月々の費用は発生しません。また、オンプレミス型PBXはカスタマイズ性が高いため、クラウド型PBXのようにオプション機能の追加などで毎月費用を支払うよりも、トータルコストを抑えられる場合もあります。特に事業規模が大きい場合は、オンプレミス型PBXが向いています。

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オンプレミス型PBXの特徴

オンプレミス型PBXの特徴は以下のとおりです。

  • セキュリティ面が充実している
  • 電話機能が豊富で自由にカスタマイズできる
  • 初期費用がかさむ点に注意

ここでは、それぞれの特徴について具体的に紹介します。

セキュリティ面が充実している

オンプレミス型PBXは導入する際に、自社の安全基準を満たすセキュリティ対策を施せるのが特徴です。金融系など特に安全基準が厳しい業界においては、オンプレミス型PBXが重宝されます。

電話機能が豊富で自由にカスタマイズできる

オンプレミス型PBXは、電話機能が豊富であることも特徴の一つです。転送機能や通話録音機能、自動音声案内、会議通話などのさまざまな機能を追加でき、自社の運用に合わせてカスタマイズできます。

ただし、あとから機能を追加する場合は機器の設定や設備の追加が必要になるため、手間がかかります。導入する際は必要機能を洗い出し、設定漏れがないよう注意しましょう。

初期費用がかさむ点に注意

オンプレミス型PBXは、導入時に設備機器やサーバーなどの設置が必要です。設置工事が必須なため、初期費用がかさみます。

工事の時点で電話線やLAN配線が整備されている場合は、いくらか費用が抑えられるでしょう。また、事務所を移転したりオフィスの配置を変えたりする際にも業者への依頼が必要です。その都度費用が発生することを理解しておきましょう。

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オンプレミス型PBXのメリット

オンプレミス型PBXのメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 設定をカスタマイズしやすい
  • セキュリティがしっかりしている
  • 他システムとの連携がしやすい

ここでは、オンプレミス型PBXのそれぞれのメリットについて、具体的に解説します。

1.設定をカスタマイズしやすい

オンプレミス型PBXは自社ネットワークを構築して使用します。そのため、設定を自由にカスタマイズすることが可能です。

機器の設置スペースや予算があれば、多彩なアプローチができます。自社システムと連携したり、アクセス負荷を軽減するシステムを設置したりと、自社が求める利用環境を構築可能です。

スペースや予算の制約があるため、すべてが理想通りの環境を構築するのは難しい部分もありますが、外部システム等の利用規約等に縛られずカスタマイズできるのは大きなメリットでしょう。

2.セキュリティ対策が充実している

オンプレミス型PBXは、セキュリティがしっかりしているのもメリットの一つです。現在はIT技術の発展と同時に、さまざまな情報の漏えいが問題視されています。万が一顧客情報が外部に流れたら、企業の信頼を失いかねません。

オンプレミス型PBXは設備機器を自社で保有・運用するため、強固なセキュリティ対策を施せます。PBXを通して流れる通話内容や通信情報を監視でき、細部まで厳しくセキュリティ管理できるため、安全性が高いといえます。

3.他システムとの連携がしやすい

オンプレミス型PBXは、CRM(顧客管理システム)やCTI(コールセンターシステム)などの他システムと連携しやすいというメリットがあります。

自社のネットワーク上にシステムを構築するため仕様変更がしやすく、既に利用している機能やサービスとの連携にも柔軟に対応できます。

クラウド型PBXとは

クラウド型PBXとは、クラウド上に設置するタイプのPBXのことです。

外線との接続や内線通話は、すべてインターネットを介して行われます。自社でPBXを用意する必要がなく、導入工事も不要なため導入コストを抑えられます。ただし、ベンダーが設備のメンテナンスやセキュリティの管理を行うので、その分月額料金の支払いが発生します。

また、PBXがクラウド上にあるため、会社を移転する際も新たに設置しなおす必要がなく、オフィスのレイアウトも柔軟に決められます。電話番号も変わらないので、今後の事業拡大が考えられるスタートアップ企業や中小企業などに向いています。

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クラウド型PBXの特徴

クラウド型PBXは、クラウド上に構築されたPBXを利用します。設備を設置するスペースを確保する必要がなく、工事も不要です。PBXを一つ契約すれば複数拠点で利用できるため、利便性も高いです。

拡張性に優れており、好きなタイミングで機能を追加できます。ただし、オプションを追加した分だけ月額費用が高くなるため、拡張は慎重に行ってください。ひとまず最低限使う機能だけ追加し、あとから必要に応じて拡張すると無駄がないでしょう。

なお、クラウド型PBXを導入する際は、現在使用している電話番号を引き継げない場合があります。電話番号を変更したくない場合は、契約前にベンダーに確認しましょう。

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クラウド型PBXのメリット

クラウド型PBXのメリットとしては、以下の4つが挙げられます。

  • 導入スピードが速い
  • 初期費用・運用コストを抑えることができる
  • スマホを内線化できる
  • クラウド上の管理で場所を問わない

ここでは、クラウド型PBXのそれぞれのメリットについて、具体的に解説します。

1.導入スピードが速い

クラウド型PBXは、クラウド上に設置されたPBXに接続するため、導入時の工事は不要です。契約後にWebブラウザ上で管理画面にアクセスし、各種設定をすればすぐに利用できます。

オンプレミス型PBXと異なり工事期間がなく、スムーズに導入できるのは大きなメリットでしょう。オフィスを移転したりレイアウトを変更したりする場合でも、工事の必要がなく、設定も自社で行えます。

2.初期費用・運用コストを抑えることができる

クラウド型PBXは、社内に設備機器を設置する必要がありません。そのため、PBX本体を含む機器を購入したり導入工事をしたりしないので、初期費用を抑えられます。

その分、毎月運用コストが発生しますが、オプション機能や社外への通話料は安く設定されていることがほとんどです。初期費用・運用コストを抑えて導入できるため、スタートアップ企業でも気軽に導入できます。

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3.スマホを内線化できる

クラウド型PBXなら、社員のスマートフォンを内線化することが可能です。スマートフォンを内線化すると、さまざまなメリットがあります。

例えば、社用のスマートフォンはもちろん、社員の私用スマートフォンでも利用できるため、電話機の購入コストを抑えることができます。

また、出張などで遠方にいても内線で通話でき、転送時も料金が発生しないので、通話コストの削減も図れます。自宅や外出先でもオフィスにいるのと同様に電話業務が可能となるため、テレワークにも対応しやすくなるでしょう。

4.クラウド上の管理で場所を問わない

クラウド型PBXはベンダーのクラウド上で設置・管理するため、場所を問わずに利用できます。オンプレミス型PBXは、自社のネットワーク内でしか利用できず、配線が届かない場所では使えない場合があります。

対してクラウド型PBXはクラウド上のPBXと接続するため、インターネット環境があればどこでも外線・内線などの機能が使用可能です。場所を問わずに利用できるのはクラウド型PBXの魅力の一つでしょう。

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オンプレミス型PBXとクラウド型PBXの比較

オンプレミス型PBXとクラウド型PBXの導入規模や運用コスト、メリットなどを簡潔にまとめました。それぞれの特徴を比較し、違いを理解しましょう。

 オンプレミス型PBXクラウド型PBX
導入規模単独拠点、大規模企業単独拠点もしくは複数拠点、中小企業やスタートアップ企業
初期費用
  • 設備機器の購入費用や工事費用が発生する
  • 電話機1台あたり15,000円〜20,000円、PBXと専用サーバーで数百万円程度かかる
  • 無料〜数十万円程度
運用コスト
  • 外線通話料
  • 別途メンテナンス費用
  • 毎月数千円〜数万円の費用がかかる
  • 追加オプションによって料金は大きく変動する
  • 長期間使うと割高になる可能性がある
メリット
  • 設定を自由にカスタマイズできる
  • セキュリティがしっかりしている
  • 他システムとの連携がしやすい
  • 導入スピードが速い
  • 初期費用・運用コストを抑えることができる
  • スマホを内線化できる
  • クラウド上の管理で場所を問わない
注意点
  • 初期費用が高い
  • 導入に時間がかかる
  • レイアウト変更や事業移転の際は再工事が必要な場合がある
  • セキュリティ対策はベンダー頼りになる
  • 大規模企業が導入するとオンプレミス型より高くなる場合がある
機能・特徴
  • 電話機能が豊富
  • 固定電話を引き継げる
  • インターネット回線を利用
  • CTI機能などが使える
  • 一つのPBXで複数拠点の利用ができる

オンプレミス型PBXとクラウド型PBXはどちらを導入すべき?

オンプレミス型PBXとクラウド型PBXはそれぞれにメリットがあるため、どちらを導入すべきか迷う方も企業担当者も多いでしょう。そこでここからは、オンプレミス型PBX及びクラウド型PBXを導入すべき企業の特徴をご紹介します。

オンプレミス型PBXを導入すべき企業

オンプレミス型PBXを導入すべきなのは、セキュリティ対策に重きを置いている企業です。

設備機器は自社保有なので、PBX内の情報をすべて管理できます。よって、細部にもセキュリティ対策を自由に施すことが可能です。

クラウド型PBXの場合はセキュリティ管理がベンダー任せになるため、自社が求めるセキュリティレベルを満たせないことがあります。ベンダー選びに失敗すれば、不正アクセスにより社内の機密情報が流出するリスクもあります。

そのため、金融業界など高いセキュリティレベルを求める企業は、厳重にセキュリティ対策ができるオンプレミス型PBXを選ぶのがおすすめです。

クラウド型PBXを導入すべき企業

クラウド型PBXを導入すべきなのは、コストを抑えてPBXを導入したい企業です。オンプレミス型PBXの場合、規模にもよりますが、導入費用が数百万円ほどかかる場合もあります。

一方、クラウド型PBXは、設備機器や電話機を購入したり設置工事をしたりする必要がないため、初期費用を大幅に抑えることが可能です。スマートフォンやパソコンを内線化できるため、社員同士の連絡や転送にかかる通話料も抑えられます。

また、PBXがクラウド上にあるので、災害により自社のネットワークが使えなくなったときでも、インターネット環境があれば電話を利用できます。企業だけでなく自治体など、災害時の通信手段を確保したい場合は、クラウド型PBXを導入すべきでしょう。

違いを理解して自社に最適なPBXを導入しよう

オンプレミス型PBXとは、社内に設置するタイプのPBXです。導入工事が必要なため実際の利用までに時間がかかったりコストがかさんだりしますが、電話機能を自由に設定したり高度なセキュリティ対策を施せたりするメリットがあります。

クラウド型PBXはクラウド上にPBXを構築するため、導入工事が不要です。導入コストを抑えられるため、中小企業やスタートアップ企業に向いています。

一つ契約すれば複数拠点で利用できたり、拡張性に優れていたりとさまざまなメリットがありますが、セキュリティ対策はベンダー任せです。慎重にベンダーを選ばないと情報漏えいやハッキングのリスクがある点には注意しましょう。

このように、オンプレミス型PBXとクラウド型PBXにはさまざまな違いがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、自社に最適なPBXを選んでください。

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