【解説】マルチタスク・シングルタスクとは?違いや実践メリットを解説

最終更新日時:2023/08/01

タスク管理ツール

マルチタスク・シングルタスク

ビジネスの現場でもよく聞く、マルチタスクやシングルタスクという言葉。しかし、具体的な意味や違いは、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、マルチタスクとシングルタスクについて、徹底解説していきます。

マルチタスクとシングルタスクの違い

マルチタスクとシングルタスクの具体的な違いについて、事例を交えながら確認していきましょう。

マルチタスクとは

マルチタスクとは、複数の業務や作業を並行してこなしていく仕事の進め方を指します。

たとえば、プロジェクト資料を作成しながら社員のスケジュール調整をする、取引先と電話で打ち合わせをしながら書類チェックをするといったことが該当します。

複数の作業を同時に進めることができるので、作業の効率化が実現できます。

シングルタスクとは

シングルタスクとは、一つの特定作業に専念し、その作業が終了してから次のタスクに取り組む仕事の進め方です。

集中力が求められる企画の立案やアイデア出し、経理の帳簿チェックなどは、シングルタスク向きの仕事といえます。

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マルチタスクを実践するメリット・デメリット

マルチタスクの概要がわかったところで、実践にあたってのメリットとデメリットを見ていきましょう。

マルチタスクを実践するメリット

マルチタスクを実践する主なメリットは、以下の3つです。

  • 業務を効率よく完了できる
  • 業務の全体像がとらえやすい
  • 円滑なコミュニケーションがとれる

それぞれについて解説します。

業務を効率よく完了できる

複数の作業を同時に進めるマルチタスクでは、期日が重なっている複数の業務も引き受けが可能です。そのほか、突発的に発生した業務に対しても、速やかな対応ができます。

このように、複数の業務を同時に進行し、完了できる点はマルチタスクのメリットのひとつです。

全体像がとらえやすい

マルチタスクで複数の業務を手がけると、各々の関係性が理解でき、事業や企画の全体像がとらえやすくなります。全体像が見えると、新たなアイデアが浮かぶこともあるでしょう。逆に、顕在化していなかった課題に気づくことがあるかもしれません。

一点集中で作業をしているケースではとらえにくい全体像がつかめることは、効率的に仕事を進める上でも、社業に貢献する上でも、大きなメリットといえます。

円滑なコミュニケーションがとれる

マルチタスクで業務の全体像が把握できるようになると、各部門や取引先との関係性にも理解が深まります。

関係性の理解が深まれば、必要とする人に的確な情報が伝えられるなど、円滑なコミュニケーションもとれるようになるでしょう。

コミュニケーションは、スムーズに仕事を進める上で欠かせないスキルです。マルチタスクのメリットといってよいでしょう。

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マルチタスクを実践するデメリット

マルチタスクにはメリットがある反面、次のようなデメリットもあります。主な3つを確認しておきましょう。

  • 生産性低下の恐れがある
  • キャパシティオーバーになりやすい
  • 時間の感覚がゆがみがち

それぞれについて解説します。

生産性低下の恐れがある

マルチタスクでは、複数の業務を同時進行します。その点が作業効率上のメリットでありながら、一方で生産性の低下を招く恐れがあることも事実です。その点は、デメリットとして認識しておいたほうがよいでしょう。

例えば、企画書を作成している途中で緊急のメール対応が入り、20分かかったとします。この後、すぐに企画書作成に頭を切り替えられればよいのですが、どこまで進んだか、何から作業を再開させるべきか、思い出す時間が必要です。途切れてしまった集中力が、なかなか取り戻せないこともあるでしょう。

マルチタスクでこのような時間が多くなると、結局は無駄な時間が増えてしまうことになります。結果的に、生産性低下につながりかねません。マルチタスクのデメリットのほうが、大きく出てしまうということです。

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キャパシティオーバーになりやすい

作業時間を見積もりやすいシングルタスクに対して、複数の業務を請け負うマルチタスクは、全体の作業時間の把握がしにくい面があります。そのため、自分にとって無理な量の業務を引き受けてしまい、キャパシティオーバーになりやすいことも、デメリットのひとつといえるでしょう。

複数の業務を抱えると、ひとつの作業の遅れがほかの作業に影響することがあります。こうなると、精神的なプレッシャーを感じ、さらに業務効率がおちることもあるでしょう。この点も、マルチタスクのデメリットといえます。

時間感覚がゆがみが生じる

ジョン・ロビンソン博士という社会学者は、マルチタスクは、時間感覚にゆがみが生じる「時間汚染」を引き起こすと報告しています。時間汚染とは、本当は十分な時間があるにもかかわらず「時間が足りない」「時間がない」と感じてしまうことです。

時間がないと感じれば焦りやストレスにつながり、質の高いパフォーマンスは望めません。

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シングルタスクを実践するメリット・デメリット

では、シングルタスクには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

シングルタスクを実践するメリット

シングルタスクを実践する主なメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 達成感が得られる
  • 集中力が維持できる
  • タスク管理が容易になる

達成感が得られる

シングルタスクは、ひとつの作業を完了させてから次の作業に取り組むという仕事の進め方です。常に未完了の仕事を抱えるマルチタスクと異なり、ひとつの作業を終えたという達成感を得ることができます

達成感は、次の業務へのモチベーションにつながるという点でも重要です。この点は、マルチタスクにはないシングルタスクのメリットといえます。

集中力が維持できる

マルチタスクは、取り組む作業によって、常に思考パターンを変えなければなりません。そのため、集中力を維持することの難しい仕事方法ともいえます。

一方のシングルタスクでは、ほかのことは考える必要なく、目の前にある作業だけに集中して取り組めます。生産性の向上にもつながる集中力が維持できることは、シングルタスクのメリットといってよいでしょう。

参考までに、シングルタスクとマルチタスクを比べると、シングルタスクのほうが40%ほど生産性が上がるとの研究結果も報告されています。

タスク管理が容易になる

シングルタスクで管理するのは、取り組んでいる作業で達成すべき内容と期日のみです。マルチタスクのように、いくつものタスク管理をする必要がありません。タスク管理が容易である点は、シングルタスクのメリットといってよいでしょう。

シングルタスクを実践するデメリット

メリットのあるシングルタスクですが、主なデメリットとして挙げられるのが、以下の2つです。

  • モチベーションが低下しかねない
  • 作業の優先度がつけにくい

モチベーションが低下しかねない

シングルタスクは、取り組んだタスクが完了するまで、同じ作業を続けます。業務内容にもよりますが、単純作業が続くと飽きてしまい、モチベーションが低下しかねません。モチベーションの低下は業務効率にも影響を及ぼすでしょう。この点は、シングルタスクのデメリットといえます。

シングルタスクに取り組む場合は、集中を必要とする作業、変化のある作業にするなどの工夫をするとよいでしょう。

作業の優先度がつけにくい

シングルタスクは、ひとつずつ作業を終えていきます。そのため、優先度を取り違えると、ほかの業務が遅れるなどの影響を及ぼしかねません。

シングルタスクで作業を進める場合は、業務全体を見渡して、各作業の重要度や優先度を把握すること、必要に応じて上司に相談することが大切です。

マルチタスクが苦手な人の特徴

シングルタスクは誰にでも取り組める方法ですが、マルチタスクには向き不向きがあります。ここからはマルチタスクが苦手な人の特徴について紹介していきます。

完璧を目指してしまう

完璧を目指す人には、その作業に集中してミスなく業務をこなしたいという思いがあります。そのため、途中で思考を中断されたり、ほかの作業に切り替えたりという対応にストレスを感じがちです。このようなタイプの人は、マルチタスクよりもシングルタスクのほうが、向いているでしょう。

スケジュール管理が不得意

スケジュール管理が不得意な人も、マルチタスクは苦手といえます。

マルチタスクは複数の業務を並行してこなすため、スケジュールの把握と調整が必要不可欠です。重要度や優先順位、納期などのさまざまな要素を考慮して、業務を進めなければなりません。調整すべきことが多くなるマルチタスクに、苦手意識を感じてしまうこともあるでしょう。

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マルチタスクの具体的な取り組み方

シングルタスクにもメリットはありますが、複数の業務がこなせるマルチタスクに取り組んでみたいという方も多いのではないでしょうか。そこで、マルチタスクの具体的な取り組み方を3つ、紹介します。

それぞれについて解説するので、ぜひ実践してみてください。

「1×10×1」システムを活用する

「1×10×1」システムでは、抱えている業務を「1分で終わる作業」「10分で完了する作業」「1時間かかる作業」に分類します。その上で、早く終わる1分の仕事から着手し、10分、1時間という順でこなす手法です。

このようにすると、混在していた作業が整理でき、効率よく仕事を進めることができます。短時間で完了する仕事は達成感も得られるため、モチベーションアップ、集中力の維持にも期待できるでしょう。

パーキングロットの手法を取り入れる

パーキングロットは、直訳すると駐車場のことです。

この手法では、作業中にほかの用件が入ってきた際、いったんその用件を横に置き、取り組んでいた作業を終了させます。その後、新たな用件を確認して取りかかる手法が、パーキングロットです。

用件が入った時点で緊急度や重要度を確認すること、忘れないようにメモを取ることなどの工夫は必要ですが、集中力を遮られずに、マルチタスクにも取り組みやすくなります。

タスク管理ツールを導入する

タスク管理ツールを導入することもマルチタスクでは効果的です。

管理ツールがあれば、タスクを一覧にして、内容や納期を管理することができます。複数の業務が可視化できるため、優先順位も見極めやすくなるでしょう。ツールによっては、同じ業務に携わるメンバーとの共有もでき、チャット機能なども利用可能です。

自分に合ったツールを導入すれば、マルチタスクをしっかりサポートしてくれるでしょう。

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マルチタスクとシングルタスクを上手に使い分けていこう

マルチタスクとシングルタスクには、それぞれにメリットとデメリットがあり、一概にどちらがよいとはいえません。マルチタスク、シングルタスクの特性や違いを理解した上で、上手に使い分けることが大切です。

今回は、マルチタスクの具体的な取り組み方も紹介しました。マルチタスクを実践してみたい方、常に複数の業務を抱えている方は、ぜひ挑戦してみてください。

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