エクセルでプロジェクト管理する方法!無料のテンプレートと作る際のコツ
タスクの管理や進捗の確認をするためには欠かせないプロジェクト管理。しかし、どのようにプロジェクト管理をしたらよいのかわからない方が多いのも事実です。そこで本記事では、エクセルを使ったプロジェクト管理について、方法から作り方まで詳しく解説します。
目次
エクセルでプロジェクト管理をする3つの方法
エクセルでプロジェクト管理をする方法は、主に3つあります。
- WBSを活用してタスクを細分化する
- ガントチャートを作成する
- 用途に適しているテンプレートを活用する
1.WBSを活用してタスクを細分化する
WBSとは、Work Breakdown Structureの略で、プロジェクトを小さな単位に分割し各単位の構成を定義する方法です。
各タスクは、始まる日・終わる日・担当者・コストなどの必要な情報をスプレッドシートに記録ができタスクの視覚化もできます。例えばエクセルのインサート機能を使って、タスクをガントチャートに変換する方法です。ガントチャートに変換することで、各タスクの期間や進捗が一目でわかるようになります。
他にもWBSを使用すれば、プロジェクト全体の見通しが容易にできます。タスクを細分化すると各タスクの責任とスケジュールが明確になり、プロジェクトの進捗の把握が可能です。
WBSを活用するとプロジェクトマネジメントをより効率的におこなえるため、プロジェクトの成功につなげられます。▷WBSとは?ガントチャートと違う?プロジェクト管理に欠かせないWBSを詳しく解説!
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2.ガントチャートを作成する
プロジェクト管理においてガントチャートの使用は、プロジェクトスケジュールの可視化に役立ちます。
エクセルを使用すれば、ガントチャート作成が可能で、ガントチャートはプロジェクトのタスクや作業を時間軸に沿って表せます。またエクセルのインサート機能を使えば、ガントチャートを簡単に作成できます。
ガントチャートを作成すると、プロジェクトのスケジュールを一目で確認が可能です。各タスクの期間や進捗も容易に把握できるため、プロジェクトの遅れを早期に発見できます。
またエクセルのグラフ機能を利用して、各タスクの担当者や予算などの情報を表示することも可能です。
▷ガントチャートとは何?意味やプロジェクト管理におけるメリット・デメリット
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3.用途に適しているテンプレートを活用する
エクセルを使用してプロジェクト管理をおこなう場合、用途に適しているテンプレートを活用することで、プロジェクト管理を効率的におこなえます。
エクセルには、プロジェクト管理に必要な情報がテンプレートとして多数用意されています。例えばタスクリスト・ガントチャート・プロジェクト計画書・プロジェクト報告書などがその一例です。
テンプレートに必要な情報を入力すれば、プロジェクトに必要な情報を一元管理できます。
またエクセルのテンプレートは、プロジェクト管理に必要な機能やフォーマットが事前に準備されているため、初めから作る作業時間の短縮が可能です。また必要に応じてカスタマイズして使用もできます。
テンプレートを使用することで、プロジェクト管理のミスを減らしプロジェクトの品質を向上できます。その結果、プロジェクトマネジャーがプロジェクトの進捗を把握しやすくなり、プロジェクトの成功につなげられるでしょう。
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エクセルを使ったガントチャートの作り方
ここでは、実際にエクセルを使ったガントチャートの作り方を紹介します。どの方法が自分にとって使いやすいか確認してください。
1.手書きでの作成方法
はじめに表を作成し、表の左側にはタスク名や工程名を記載し、上には日付を入力しましょう。
次に、各タスクの始まる日と終わる日を手入力します。各タスクの始まる日を入力した列のセルをクリックして、右下のブラックボックスをドラッグして下に引っ張ると、同じ書式の列が複数作成できます。同じように、終わる日も入力して同様の列を作成してください。どちらも作成することで、各タスクの期間が表示されます。
その後、各タスクの期間を決めるために始まる日と終わる日の間のセルを選択して、色を変更するなどして塗りつぶします。
この方法は、作業量が少なくカスタマイズ性が高いのが特徴です。しかし手入力のため、転記ミスが発生する場合があります。また大規模なプロジェクトの場合は、手入力で作成すると非効率になる可能性も考慮しなければなりません。
セル塗潰し
セル塗潰しは、ガントチャートを作成する上でタスクの進捗を視覚的に確認するために使用されます。
セル塗潰しをおこなうためには、まずガントチャートの表を作成します。このとき、タスクの始まる日と終わる日を入力しましょう。次に、各タスクの進捗を一目で確認できるように進捗バーを作成します。
進捗バーを作成するには、まずバーの開始位置を計算してください。タスクの始まる日から現在までの日数を計算することで算出できます。次にバーの長さを計算し、それを棒グラフのように描画します。
進捗に応じて、バーを塗りつぶしてください。バーを塗りつぶすことで、進捗を一目で確認できます。進捗バーを塗りつぶすには、バーを選択し「塗りつぶし」ボタンをクリックして色を選択します。
セル塗潰しは、プロジェクトの進捗を視覚的に確認する上で非常に有効な方法です。セルを塗りつぶすことでプロジェクトマネージャーはプロジェクトの進捗を正確に把握し、必要に応じてプロジェクトの調整がおこなえます。
図形描画
図形描画は、プロジェクト管理においてタスクの期間や進捗を視覚的に表示するための方法です。
まず新規ブックを開いて、ワークシートに始まる日と終わる日を入力します。次に、左端の列にタスクを書き込みましょう。その後、図形描画ツールを使用して長方形を描画します。長方形の幅は、各タスクの期間に相当する日数で設定してください。
長方形の上部には、各タスクの名前を書き込みます。長方形の下部には、各タスクの始まる日と終わる日を書き込みましょう。各タスクの長方形を移動して、始まる日に合わせます。
次にガントチャートの時間軸を追加するため、図形描画ツールを使用して線を引いてください。線のスタイルや色を変更して、ガントチャートを整えます。
最後にタスクの進捗を表すために、各タスクの長方形を塗りつぶしてください。ここまでできれば、手書きでのガントチャート作成が完了です。
2.条件付き書式を使った作成方法
エクセルを使ったガントチャートの作成方法として、条件付き書式を利用する方法があります。条件付き書式は、日付や進捗に合わせてセルの色を変更することでガントチャートの作成が可能です。
まず新しいエクセルブックを開き、表の左端にタスク名を記入します。次に始まる日と終わる日を入力し、各タスクの期間を計算してください。その後、各タスクの期間に相当する日数分のセルを横に並べます。
セルの横に、タスクの期間に合わせて長方形を描画する条件付き書式を設定します。セルの範囲を選択し、[ホーム]タブの[条件付き書式]から[新しいルール]を選択してください。[書式]タブを選択し、[罫線と境界線]から[右側の罫線を含むセルの書式設定]を選択します。
[塗りつぶし]タブを選択し、タスクの進捗に合わせた色を設定しましょう。たとえば、タスクが完了していない場合には赤色や途中まで完了している場合は黄色など、進捗にあわせた色を設定します。
条件付き書式を設定することで、各タスクの期間がセルで色分けされガントチャートが作成されます。またタスクの期間が変更された場合は、期間に合わせて条件付き書式を更新することで、ガントチャートを簡単に修正が可能です。
3.関数を使った作成方法
関数を使ってエクセルにガントチャートを作成する方法もあります。始まる日と期間を計算する関数を使って、ガントチャートを自動で作成可能です。
まず新しいエクセルブックを開き、表の左端にタスク名を記入します。次に始まる日と終わる日を入力し、各タスクの期間を計算する関数を入力してください。
例えば「始まる日」をA列、「期間」をB列に入力した場合、C列に「=A2+B2-1」の関数を入力することで始まる日と期間から終わる日を計算します。
「=A2+B2-1」の関数は、A列のセルに入力された始まる日にB列のセルに入力された期間を足し、1日を引いた値をC列のセルに表示しているものです。関数を入力することで、各タスクの終わる日を自動的に計算できます。
次に終わる日と始まる日を使って、各タスクの期間に合わせて長方形を描画します。長方形を描画するには、終わる日と始まる日を使って各タスクの期間に相当するセルを選択し、[ホーム]タブの[境界線のスタイル]から、右側の境界線を設定してください。設定することで、各タスクの期間に相当するセルに長方形が描画されます。
関数を利用すると、各タスクの期間から自動的に終わる日を計算し長方形の描画が可能です。またタスクの期間が変更された場合は、関数を修正すればガントチャートを簡単に修正できます。
4.グラフを使った作成方法
グラフを使って作成する方法を紹介します。棒グラフを使ってタスクの期間を表し、その上にマイルストーンを表示させることができます。
まず、新しいエクセルブックを開きタスク名・始まる日・期間を入力してください。次にデータを選択し、[挿入]タブから[棒グラフ]を選択します。
選択した後は、[設計]タブの[グラフの種類]から[積み上げ棒グラフ]を選択します。グラフが表示されたら右クリックで[グラフエリアの書式設定]を選択し、[プロットエリア]タブを選択しましょう。
ここで[シリーズ]を選択し、[空白]をクリックして[ハイライト表示]をオンにします。各タスクの期間が棒グラフで表示され、空白部分がタスク間の余白として表示されます。
次にマイルストーンを表示するためにデータを選択し、[挿入]タブから[散布図]を選択しましょう。散布図が表示されたら、右クリックして[データの選択]を選択して[X軸]と[Y軸]のデータを入力します。
X軸にはマイルストーンの日付、Y軸には0を入力してください。次に[マイルストーン]を選択して、[マーカー]タブからマイルストーンを示すシンボルを選択しましょう。これにより、マイルストーンが棒グラフ上に表示されます。
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エクセルでガントチャートを作る際のコツ
エクセルでガントチャートを作る際のコツは主に4つあります。
- 定期的なチェックを入れる
- ファイルの取り扱いに気を付ける
- 準備を入念に行う
- 無料のエクセル用テンプレートを活用する
定期的なチェックを入れる
エクセルでガントチャートを作成する場合、タスクの期間や進捗などが変わることがあります。したがって、定期的にガントチャートをチェックしましょう。
例えば、タスクの期間が変更になった場合は、ガントチャート上でその期間を修正する必要があります。また影響を受けるタスクの期間も再検討することが大切です。
またタスクの進捗が変化した場合は、実績の進捗率を反映させる必要があります。
他にもプロジェクトの重要な節目でマイルストーンを変更した場合は、ガントチャート上でマイルストーンの修正が必要です。マイルストーンを修正することで、プロジェクトのスケジュール全体を再確認できます。
定期的なチェックを入れることで、プロジェクトの進捗を把握し必要な調整をおこなえます。また同時に、チームメンバーとのコミュニケーションを円滑に進めるためにも重要です。
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ファイルの取り扱いに気を付ける
ファイルの破損や誤って削除すると、復元に無駄な時間と労力がかかります。ガントチャートを作成する場合は、多くの情報を扱うためファイルの取り扱いに気を付けましょう。
対策としてはバージョン管理をすることで、過去の状態に戻すことができます。バージョン管理は、ファイルを保存する際に「ファイル名_v1」「ファイル名_v2」のように、名前を付けて管理することです。
さらに複数人でガントチャートを作成する場合は、ファイルの共有方法に注意してください。共有ファイルサーバーやクラウドストレージを使うことで、複数人でファイルの共有や編集が可能です。
ただし同時に複数人がファイルを編集する場合は、動作が重くなったり入力が重複してしまったりする可能性があるため注意しましょう。
準備を入念に行う
ガントチャートはプロジェクト管理において重要ですが作成には準備が必要です。
はじめにプロジェクトのタスクを細分化し、始まる日と終わる日を決定しなければなりません。次にエクセルを開き、作成するガントチャートの目的に合わせたテンプレートを選択しましょう。テンプレートには必要な項目が先に記載されているため、作成に必要な時間を短縮できます。
またガントチャートの作成には、必要なデータが揃っていることも重要です。必要な情報が揃っていなければ、プロジェクトチームとコミュニケーションをとり情報収集をしなければなりません。
準備が整ったら、エクセルでガントチャートを作成します。必要に応じて、条件付き書式や関数を使ってタスクの進捗を確認しましょう。またファイルの保存やバックアップを定期的におこない、データの損失を防ぐことも大切です。
無料のエクセル用テンプレートを活用する
エクセルでガントチャートを作成する際には、無料のエクセル用テンプレートの活用もおすすめです。基本的なガントチャートの構造がすでに用意されているため、作成の手間を大幅に削減できます。
無料のエクセル用テンプレートはインターネットで検索が可能です。テンプレートを無料で配布しているサイトも多数あるため確認してください。また制限や条件も明示されているため、使用する際はよく確認しましょう。
ダウンロードしたテンプレートは、必要に応じてカスタマイズできる場合もあります。ただしカスタマイズする前に、テンプレートの使い方をよく理解しなければなりません。またテンプレートを使用する場合は、常に最新バージョンの使用が大切です。
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エクセルでプロジェクト管理する方法を押さえておこう
エクセルは、プロジェクト管理に役立つツールです。WBSを活用してタスクを細分化すれば、プロジェクト全体を簡単に把握できます。
またガントチャートの作成は、タスクの進捗を可視化しスケジュール管理に役立ちます。手書きや条件付き書式・関数・グラフを使った作成などの方法があるため、自分にあった方法で管理しましょう。
また作成時には、定期的なチェックやファイルの取り扱いに気を付けなければなりません。自社での作成が難しい場合は、無料のエクセル用テンプレートを活用することも一つの方法です。本記事を参考に、ぜひ自社にあった方法でガントチャートを作成して業務の効率化をおこなってください。
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