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中途採用人材がすぐ辞める理由とは?定着率を高める方法やミスマッチを防ぐコツ

2024/05/07 2024/05/07

採用管理システム

中途採用ですぐ辞める人

新入社員の3割が3年以内に離職する現代。新卒者だけではなく中途採用者も離職する割合が多く、人手不足やコスト面などさまざまな点から問題になっています。本記事では、中途採用人材がすぐ辞める原因について、定着率を高める方法やミスマッチを防ぐコツとあわせて解説します。

中途採用社員を含めた平均離職率について

厚生労働省が公表する「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、中途採用者を含めたすべての常用労働者の平均離職率は、前年比1.1%増の15.0%でした。また、転職先の企業へ新たに就業した割合を示す転職入職者率は、前年比1%増の9.7%となりました。

新卒社員の離職率の高さを課題にしている企業は多いですが、近年は新卒社員だけでなく、中途採用社員の離職も企業の問題として認識されています。

せっかく中途採用したのにも関わらず離職されてしまうと、人材不足や採用コスト増大などの課題が発生し、企業にとっては痛手です。なぜ自社で中途社員の離職が発生するのか、原因を分析し、改善する必要があるでしょう。

[出典:厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」]

中途採用した人材が期待外れになる原因|能力を引き出す育成方法や活躍する人材の採用方法

中途採用人材がすぐ辞める理由・原因

中途採用の人材がすぐに辞めてしまう原因として、以下の7つが挙げられます。

  • 社内の人間関係に悩み・ストレスがあった
  • 職場の雰囲気・社風がイメージと違っていた
  • 希望する業務内容ではなかった
  • 教育・サポート体制が整っていなかった
  • 企業の将来性に不安を感じた
  • キャリアアップが望めない環境だった
  • ワークライフバランスが取れなかった

それぞれ見ていきましょう。

社内の人間関係に悩み・ストレスがあった

社内の人間関係に悩みを抱えて離職してしまうケースは珍しくありません。特に、職場の上司・同僚は、長い時間を共に過ごすものです。上司・同僚と上手く関係性を築けなければ、業務面にも支障が出る場合があります。いくら仕事内容や待遇が良かったとしても、働くこと自体がストレスとなってしまうでしょう。

社内の人間関係や、上司・同僚との相性は、実際に入社しなければ分からない部分でもあります。人間関係を自力でコントロールすることは難しく、自分に合わないと感じた際に離職を選択する場合は少なくないのです。

職場の雰囲気・社風がイメージと違っていた

職場の雰囲気や社風がイメージと異なり、会社に馴染めずに辞めてしまう場合もあります。

たとえば、「自由な社風」と謳っていながらも、実際にはトップダウン形式で社員の裁量が少ない場合、思うように仕事を進められずに不満を感じてしまうでしょう。

中途採用者は、前職よりも良い環境で働きたいと考えて職場を選んでいる人が多いものです。自分が理想としていた職場とのギャップを感じてしまうと、離職を決断することがあります。

希望する業務内容ではなかった

明確にやりたい業務のイメージを持って入社した中途採用者の場合、入社前に希望・想定していた業務ができなければ不満を感じてしまうでしょう。特に、自分にとって不得意な業務をやることになれば、思うように成果が出せず、モチベーションの低下も引き起こします。

必ずしも希望に沿えない可能性がある際には、入社前にその旨を説明し、業務内容について正しく伝えることが重要です。

教育・サポート体制が整っていなかった

中途採用者への教育・サポート体制が整っていないことも、離職理由の一つに挙げられます。

企業側は中途採用者に即戦力を求めている場合がほとんどでしょう。しかし、スキルのある中途採用者であるからといって、教育・サポート体制が不要とは限りません。社内のルールや業務の進め方は企業ごとに異なるのに加え、新たな職場で働くことに対する心理的な不安もあるはずです。

教育・サポート体制が不十分であると、中途採用者が職場に上手く馴染めず、「自分に合う職場ではない」と思わせてしまうかもしれません。

企業の将来性に不安を感じた

中途採用者の多くは、自分が成長できる環境や、安心して長く働ける環境を求めています。転職先の業績悪化が深刻であったり、社員の入れ替わりが激しかったりする場合、企業の将来性に不安を感じ、早期に離職を決断する場合があります。

企業の将来性が見えないことは、中途採用者に限らず、すべての従業員に不安を与えます。中途採用によって人手を確保することも必要ですが、組織の根本的な課題を見つけて解決することが大切です。

キャリアアップが望めない環境だった

より自分の能力を発揮でき、適切な評価や待遇を受けられる環境を求めて転職をする人も多いものです。そのような人にとって、キャリアアップが望めない環境であれば、離職を招いてしまうでしょう。

例えば、年功序列制度を採用していて成果が評価されない、評価基準が曖昧であるなど、将来のキャリアパスが思い描けない職場では、やる気が低下してしまいます。

キャリアに対する向上心が高い人ほど、自分のキャリアを高められる環境を求めて退職してしまう場合が多いです。

ワークライフバランスが取れなかった

適切なワークライフバランスが実現できないことがストレスとなって辞めてしまう人もいます。

例えば、実際に働いてみたら残業が多かった、リモートワークができると聞いていたが出社がメインだったなど、期待していた働き方とギャップがあると不満が募ってしまいます。

特に、前職の働き方を変えたいと思って転職した人の場合、働き方を改善できないのならば、早々に退職を選択してしまうでしょう。

ワークライフバランスとは?定義やメリット・使い方や取り組み事例を解説

中途採用人材が採用後にすぐ辞めるリスク

中途採用人材が採用後にすぐ辞めることは、企業側にとってさまざまなリスクが発生します。

採用活動にかかる費用が増大する

中途採用人材がすぐ離職してしまうと、採用活動にかかる費用が増大し、会社のコストを圧迫してしまいます。

採用活動では、求人広告費や人材紹介手数料など、さまざまな費用が発生します。

特に、「理想年収×紹介手数料率」で算出される人材紹介手数料は念頭におかなくてはいけません。例えば採用者の理想年収が500万円、紹介手数料率が30%の場合、人材紹介手数料は150万円と高額な費用が発生します。

また求人情報サイトに情報を掲載している場合は、採用活動が長引くほど、更新料が嵩んでいきます。早期離職が発生すると、採用にかけたコストが無駄となり、会社にとっては大きな損失となってしまうのです。

中途採用に適した募集時期・採用時期について|状況に合わせた採用戦略も解説

既存社員の業務負担が増える

中途採用者の入れ替わりが激しいと、既存社員の業務負担も増加してしまいます。

新しい社員を迎える際は、会社のルールや仕事内容を伝えるための教育が必要であり、既存社員が業務の傍ら行わなければなりません。中途採用者の入れ替わりが発生する度に、再度教育の手間が発生すると、既存社員に大きなストレスがかかります。

また、ある程度のスキルを持っていることが多い中途採用者には、初期から仕事が割り振られることがほとんどです。早期離職されてしまうと、その業務を引き継ぐ社員の業務も圧迫します。

さらには、負担を感じた既存社員の離職も引き起こす可能性もあり、悪循環に陥ってしまうでしょう。

企業イメージの低下につながる

中途採用者の早期離職は、企業イメージの低下にもつながります。

離職率が高く人材が定着しない会社は、世間から「労働環境が悪いのではないか」「従業員を大切にしていない会社なのではないか」などのネガティブなイメージを持たれてしまいます。

企業イメージが低下するほどに、新規採用者の獲得も困難となり、人手不足が深刻化する恐れがあります。

中途採用の採用後のミスマッチを防ぐコツ

中途採用者の離職を防ぐためには、採用後のミスマッチを引き起こさないことが大切です。ここではミスマッチを防ぐコツを紹介していきます。

採用ターゲットを明確にする

中途採用者の離職を防ぐためには、自社にマッチした人材を採用することが大切です。そのためにも、事前に採用ターゲットを明確化しましょう。

どのような人材を求めているのかを明確に示すことで、応募者自身も、自分に合う会社かどうかを判断しやすくなります。「この会社は自分に合わない」と思う人からの応募を未然に防ぐことで、採用後のミスマッチが発生しづらくなるのです。

採用基準とは?決め方や人材を見極める上でのポイント・3つの要素を解説

職場環境・福利厚生に関する情報を公開する

職場環境や福利厚生に関する情報は、求職者が職場を選ぶ際の重要な判断材料です。待遇面の改善に期待して転職をする人も多いため、職場環境や福利厚生の情報を正確に提供していなければ、入社後に「想像と違った」とギャップを感じて離職を引き起こしてしまいます。

特に、独自の企業文化や特殊な福利厚生がある場合は、ミスマッチを防ぐためにも細やかな情報提供が不可欠です。その際、自社で働くイメージが湧くように写真や動画なども活用すると、より効果的でしょう。

採用が有利になる福利厚生とは?具体例や求職者が重視している背景を解説

前職の経験や業務内容は丁寧にヒアリングする

入社後に業務のミスマッチを防ぐためにも、面接の段階で、前職の経験や業務内容を丁寧にヒアリングしましょう。

履歴書や職務経歴書だけでは、具体的な経験まで分からないことが多いものです。スキルレベルを正確に把握せずに業務を割り当ててしまうと、負担が大きすぎる、あるいは物足りなさを感じてしまうなどの原因により、やる気の低下につながる可能性があります。

人事担当者だけでなく現場社員にも選考に参加してもらう

選考の際は、人事担当者だけでなく、現場社員にも参加してもらうことをおすすめします。

入社後、実際に一緒に働くのは、人事担当者ではなく現場社員です。現場社員の目線で採用者を選ぶことで、求める人材を採用しやすくなります。配属予定部署の上司やチームリーダーの意見を聞きながら、採用を検討しましょう。

また、採用者側にとっても、どんな人が自分の上司になるのかを把握できることで、入社後のギャップを軽減できるでしょう。

求職者の待遇やキャリアに関する希望を確認する

求職者はそれぞれ、待遇やキャリアに関して希望や要望を持って転職活動を行っています。入社後に自分の希望を叶えられなければ、離職につながってしまうでしょう。

求職者に対し、事前にどのような希望があるのかを確認し、実現可能であるかどうかをしっかり伝えることが大切です。その際は近い境遇の社員を例に挙げるなど、具体性のある説明を心がけましょう。

RJP理論を導入する

RJP(Realistic Job Preview)理論とは、企業の良い面も悪い面もありのままに開示し、採用のミスマッチを防ぐ手法です。

企業のネガティブな側面を発信することには、ためらいがあるかもしれません。しかし、入社前にポジティブな面しか伝えられていないと、入社後に理想との差を感じて不満を抱く可能性があります。ネガティブな面を理解してもらったうえで入社してもらうことで、入社後のギャップを緩和できるのです。

求職者側としても、ネガティブな面を包み隠さず提示する企業のほうが、誠実さを感じられるでしょう。

中途採用者の定着率を高める方法

中途採用者の定着率を高めるためには、入社後のサポートが重要です。最後に、中途採用者の定着率を高める方法を4つ紹介します。

中途採用者を歓迎する職場環境をつくる

会社全体として、中途採用者をチームの一員として歓迎する職場環境を作ることが大切です。

慣れない環境で働くことは、誰しも不安を感じるものです。経験者だからといって丸投げにせず、既存社員が中途採用者の業務内容を把握したうえで、サポートできる体制を整えましょう。

進行中のプロジェクトに補佐として参加できる制度を作るなど、既存のチームや環境へ迎え入れる工夫も大切です。

また、中途採用者が職場に馴染めるよう、積極的にコミュニケーションの機会を設けることも有効です。コミュニケーションが良好に行われていることで、何か困ったことがあった際にも相談しやすく、離職を未然に防げるでしょう。

中途採用が難しい原因とは?失敗例や成功に向けて改善すべきポイントを解説

メンター制度を導入し採用後の不安を解消する

中途採用者の不安解消には、メンター制度の導入も効果的です。

メンター制度とは、先輩社員が新入社員をマンツーマンでサポートする制度です。業務はもちろん、社内で困ったことがあった際も相談ができるため、中途採用者は安心して働けます。

メンター制度を実施することで、メンターと中途採用者との信頼関係が深まり、仕事においても良好な関係を築きやすくなるでしょう。また、中途採用者だけでなくメンター側の成長にもつながるなど、さまざまなメリットがあります。

OJTとはどういう意味?目的やメリット・研修の効果を高める秘訣をわかりやすく解説

オンボーディングを実施し企業文化や職場環境に馴染めるようにする

企業文化や職場環境にいち早く馴染めるよう、オンボーディングの実施も効果的です。

オンボーディングとは、新しく加わった仲間に適切な指導をし、そこで働けるように誘導する一連のプロセスのことです。主に社内ルールや業務に必要な知識の研修、上司・人事担当者との面談などを実施します。

中途採用者は慣れない環境で働くことに対して、不安を抱えているかもしれません。中途採用者の不安を解消させるためには、会社側の包括的なサポートが必要不可欠です。

人間関係や社風にいち早く馴染めるよう、歓迎会や交流会などの実施も効果的です。

即戦力として過剰に期待をしない

中途採用者に即戦力を求める企業は多いですが、過剰な期待は負担となり、離職につながる恐れがあります。

慣れない環境ではじめから万全のパフォーマンスを発揮するのは難しいため、まずは会社に慣れてもらうことが優先です。また、業務経験が豊富な人であっても、前職と仕事のスタイルが変わるため、新たに覚えなければならない事柄は少なくありません。

最初のうちは業務量を調整して負担を軽減するなどの配慮をし、段階を踏んで業務を任せていきましょう。

中途採用の採用後のミスマッチを防ぎ定着率を向上させよう

本記事では、中途採用人材がすぐ辞めてしまう原因や、定着率を高めるコツなどを解説してきました。

中途採用者が退職してしまう原因はさまざまですが、採用時の対策や入社後のサポートにより、早期離職を防ぐことが可能です。本記事を参考に中途入社後のミスマッチ防止を図り、定着率を向上させましょう。

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